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【人事必見】従業員エンゲージメントとは?構成要素やメリット・デメリットを徹底解説

従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントとは、従業員による愛社精神があり、業績向上のために積極的に企業に貢献しようと意欲的な状態を指します。日本企業における従業員エンゲージメントは世界最低水準と言われており、今後、改善が必要になっていきます。ここでは従業員エンゲージメントの構成要素やメリット、高める方法、事例などを解説します。

従業員エンゲージメントとは何か

従業員エンゲージメントとは、従業員が企業への信頼や理解を意味し、貢献意欲がある状態のことです。従業員エンゲージメントが高い従業員の企業では、愛社精神と、貢献意欲により業務へのモチベーションが高く、離職率が低いとされています。

近年、少子高齢化が進み労働人口が減少しているために起きる人材不足や、変わりつつある雇用形態、働き方の多様化がさまざまな問題となっています。
そのため、企業側は必要な人材の確保や優秀な人材を手放さないために工夫が必要です。
そこで注目されているのが従業員エンゲージメントです。

しかし、コロナ禍によるリモートワークの普及により、従業員とのコミュニケーション不足が問題となっている企業も多いことでしょう。
そのため、従業員エンゲージメントの保持は難しくなっているのが現状です。

従業員満足度との違い

従業員満足度とは、従業員にとっての居心地の良さを重視しています。
従業員満足度の高い企業は良い企業とされていますが、現在従業員が満足していたとしても、この先ずっと満足感が続くとは限りません。
また、満足する理由も人それぞれで「給料が高いから」「休みがとりやすいから」などの理由で満足する従業員もいることでしょう。
居心地の良さ=貢献したい会社とは限らないため、従業員満足度自体には企業の業績向上に直接結びつくものではないとされています。

一方、従業員エンゲージメントは、現状の満足とはあまり関係がなく「従業員満足度が低かったとしても今後向上させる可能性がある」ものです。
また、従業員エンゲージメントが高い企業は、「会社に貢献したい」と思う従業員が多いということでもあるので、従業員満足度とはまた違うものだと考えた方がよいでしょう。

モチベーションとの違い

モチベーションとは、「動機」を意味し、業務への意欲ややる気といった意味合いで使用されます。
例えば「給料を多く稼ぎたい」や「やりたい仕事がある」などもモチベーションであり目的意識になりますが、そのような動機付けだと、今いる会社以外でも同様のモチベーションを保つことができますし、給料や仕事内容の条件次第で転職してしまう従業員も出てきてしまいます。
モチベーション高く仕事に取り組んでいても、会社にこだわっているわけではないのです。

一方エンゲージメントの高い従業員は、自発的に企業への貢献意欲を持って業務を行っている状態です。
モチベーションが高い従業員も意欲的に業務を行いますが、企業に愛着を持っているとは限らないので、従業員エンゲージメントと異なります。

ロイヤリティとの違い

ロイヤリティとは、「忠誠心」のことを指します。
大名と家来のように、信頼度や理解の有無に関わらず存在するものです。
ロイヤリティは主従関係のようなものであり「会社に奉仕する」という意味合いが強いもので、従業員より会社が強い立場にあります。
日本企業においては、企業は従業員に対して強制力があったため、従業員自身の想像力や判断力が育たなくなってしまい、従業員が自発的に行動せず、指示待ちになる可能性があるリスクがあります。

一方エンゲージメントの高い従業員は、会社に対して愛着心を持っています。
そのため自発的に行動し、会社の業績につなげようとするので、従業員と会社が共に成長していく関係といえます。

コミットメントとの違い

コミットメントとは、企業が従業員に対し行動や結果を求め、従業員が承認している状態を言います。
組織から従業員に対して与えるものに対する責任や約束のようなものです。
そのため「会社から頼まれたこと」を責任をもって行うものであり、従業員個人の意思ではないのです。
与えられる給与や雇用契約なども、従業員にとっては約束や責任のようなもので、仕事をやらなければならない、責任を果たさなければならない、という感覚でしかないのです。

責任感を持って仕事を成し遂げる、という意味ではコミットメントとエンゲージメントは同じですが、
コミットメントは、企業が従業員に判断を迫るのに対し、従業員エンゲージメントは会社に対する愛着心や「会社に対して貢献したい」という気持ちがあり、組織と対等につながっているからこそ、自発的に企業利益に貢献するという違いがあります。

従業員エンゲージメントが注目されるようになった背景

日本企業における雇用の変化と多様な働き方、価値観の多様化、人材不足などから、近年注目されるようになりました。少子高齢化による労働人口の減少から、企業においては優秀な人材の離職を抑える必要があります。また、コロナ禍によりリモートワークが増加した結果、従業員とのコミュニケーションが減少し、従業員エンゲージメントの低下の懸念により注目を集めています。

従業員エンゲージメントの構成要素

従業員エンゲージメントは以下の3つの要素で構成されます。

企業のビジョンを理解し共感する要素

従業員エンゲージメントを向上させるには、従業員に企業理念やビジョンを理解し、共感してもらう必要があります。
従業員の理想と企業の理想があっていれば、企業目標達成のために従業員が自ら考え、行動するようになります。
また、企業目標に共感できれば、従業員が誇りをもって意欲的に業務に取り組むことができます。
従業員に企業の目標に共感してもらうためには、従業員と積極的にコミュニケーションを行い、上司が日頃からビジョンを伝えてく必要があります。

やりがいを生み出す要素

従業員が企業目標を達成することにやりがいを持って、行動意欲を向上させることは、従業員エンゲージメントの向上になります。
企業理念等を理解、共感することで、自ら行動を起こすことができます。また、従業員の行動が企業の貢献につながっていると感じれば、従業員エンゲージメントはさらに向上します。
また、努力や貢献が結果につながると自信に繋がりますし、会社における自分の存在価値を見出すことができ、自己肯定感も高まります。
従業員からの企業への信頼や愛着も増すでしょう。

働きやすさを高める要素

従業員にとって働きやすさはとても大切なポイントで、働きやすい環境は従業員の精神面の安定につながります。
従業員が周りに貢献できている、という感覚を持つ「貢献感」や、会社と自分が合っていると思える「適合感」、一緒に働きお互いに支えあえる仲間がいるという「仲間意識」などが働きやすさにつながると考えられています。
従業員同士のコミュニケーションを頻繁に行うようにしたり、「会社に尊重されているな」と従業員が感じられる環境をつくることが大切です。

従業員エンゲージメントを高めるメリット

従業員エンゲージメントを高めることで、以下のメリットがあります。

企業の業績向上

従業員エンゲージメントと企業業績には相関関係があり、従業員エンゲージメントの向上が労働生産性や敬行利益などの向上につながるという結果もあります。従業員エンゲージメントが高い従業員が増えれば、企業の業績向上につながります。
従業員エンゲージメントが上がることで生産性も上がり、顧客満足度の向上にもつながり、会社全体に勢いがつくでしょう。

従業員のモチベーション向上

従業員エンゲージメントの向上は、従業員自身のモチベーションアップにつながります。指示待ちとなり、与えられた業務を行うのではなく、企業のために自分ができることを自発的に考え、積極的に業務に取り組むようになります。
従業員のモチベーションが上がると全体の士気が上がり、プラスに働くことでしょう。

職場の雰囲気の変化

従業員が各自の業務に自発的に取り組むようになると、会社内でのコミュニケーションも活発になります。そのため、職場の雰囲気も良くなります。従業員同士で生産的な意見が増え、優秀な人材にとって満足度の高い職場になります。

顧客満足度の向上

従業員エンゲージメントの向上によって、従業員が積極的に業務に取り組むようになり、質の高いサービスや製品を提供できるようになります。それにより、顧客満足度の向上につながり、売り上げの向上にも期待できます。

離職率の低下

従業員エンゲージメントの高い従業員は、離職率が低くなる傾向があります。エンゲージメントの高い従業員が多く在籍することで、組織の団結力が高まり、会社全体が活気あふれる職場になります。離職率の低下によってコスト削減にもつながります。

従業員エンゲージメントを高める方法

従業員エンゲージメントを高める方法について何点かあります。それぞれについて説明します。

適材適所の人材配置

従業員が適切なポジションで働いていると感じれば、企業は自分を理解してくれていると実感できます。そのため、従業員の特性や能力と職務が合うと、業務意欲や生産性の向上に大きく影響します。
適切な人材配置を行うことで重複した仕事をなくすことができますし、少ない人数でも業務が回せるようになるため仕事の効率が向上します。
適切な人材配置が行われているか常に確認し、業績や周りの状況に応じて、再構築するようにしましょう。

ワークライフバランスの推進

従業員の心身ともに健康であれば、意欲的に業務に取り組んでもらえるようになります。健康でいるためには、適切な休息をとれることであり、ワークライフバランスの取れた生活を従業員が送れるようにすることが必要です。
休みが十分にとれていなかったり、残業ばかりの職場環境では従業員が疲弊してしまい、自発的に会社に貢献しようとは感じなくなってしまいます。
従業員のワークライフバランスを整える施策としては、勤務時間を柔軟に調整できる「フレックスタイム制」や残業をしない曜日をあらかじめ決めておく「ノー残業デー」などが挙げられます。
企業側が無理なく働ける環境をつくることが必要です。

人事評価制度の設備

従業員の業務の過程や結果が正当な評価を受けていると感じていれば、従業員は仕事への意欲が高まります。そのため、従業員が納得できるような、透明性のある人事評価制度の設備が必要となります。
正当な評価を受けられないと、従業員のモチベーション自体低下してしまいます。
成果を評価する以外にも、成果に至るまでのプロセスや企業理念の体現度など、目に見えづらい部分も評価するようにしましょう。

インセンティブ制度の設備

業績に応じた報奨金やスキルアップ支援にまつわる費用の支給など、インセンティブ制度を用意することで、従業員が意欲的に業務を行い、従業員エンゲージメントの向上に役立てることができます。
また、実績に対して目に見える報酬があると従業員のモチベーションも向上します。
そのモチベーションが連鎖し、従業員の行動や成果につながるでしょう。

コミュニケーションの活発化

一緒に働いている人をよく知らなかったり信頼できないという状態では、なかなか愛着心を持ちにくいものです。
そのため、社内コミュニケーションを活発化させることが必要です。
社内で気軽にコミュニケーションをとれる人が多いなど人間関係が良好であることは、従業員の居心地の良さや帰属意識に影響し、従業員エンゲージメントの向上につながります。
コミュニケーションを活性化させるために、普段交流のない部署同士のランチ費用を企業が負担するなどといった方法があります。

企業理念の浸透

企業理念を明確化し、従業員に浸透させていくことで、従業員は企業の目指す方向を理解し、共感できるようになります。その結果、従業員は企業に貢献したいという気持ちを持ちやすくなり、意欲的に業務に取り組むようになります。
せっかくいいビジョンがあったとしても、浸透していなければ意味がありません。
企業理念を浸透させるためのキックオフミーティングや社内報など、さまざまな手法で浸透させていきましょう。

部下の育成

新入社員や中途社員などの部下を育成することによって、新人側はもちろんのこと、教育する社員側にも様々な学びを得られることができます。改めて、自分の企業や業務について理解できたり、成長にもつながります。
育成した部下のスキル向上によって生産性の向上や、部下の育成を積極的に行おうとする文化の情勢が生まれ、会社の業績はもちろん、いい組織づくりにもつながります。

従業員エンゲージメントの企業事例

ここでは、従業員エンゲージメントに取り組んでいる企業の事例を紹介します。

スターバックス/マニュアルを使用しない方法

スターバックスでは、マニュアルがほとんどないというのが大きな特徴です。マニュアルによって管理するのではなく、スターバックスの理念やビジョン共感してもらうように働きかけ、自発的に顧客や店舗のための行動を促しています。国内の8割以上がアルバイトで占められていますが、全スタッフを「パートナー」と呼び、従業員エンゲージメント向上に取り組んでいます。

小松製作所/マネージャー層の能力強化

小松製作所では、経営陣より、現場に近い位置のマネージャー層の方が従業員エンゲージメントの影響が大きいと考え、部下のモチベーション向上の方法や変化の対応力、信頼を得ること、チームワークの取り方、権限委譲の重要性に関する研修をマネージャー層が受講しました。その結果、従業員エンゲージメントが70%に向上し、半年間で工場のパフォーマンスが9.4%向上しました。

従業員エンゲージメント向上をするならスキルナビがおすすめ

従業員エンゲージメントを高めることは、企業の業績成長につながるといえます。グローバル化によって競争力の激化や雇用の変化の中で、従業員エンゲージメントの向上は、さらに重要視されてくると考えられます。従業員エンゲージメントの向上には、従業員が評価の納得する必要があります。スキルナビの人事システムを使用して、従業員エンゲージメントの向上を考えてみてはいかがでしょうか。