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リスケとは?意味やキャンセルとの違いについて解説

リスケとは

リスケという言葉、あなたの耳にはなじみがありますか?リスケは最近、ビジネスやプライベートの場で使われることが増えてきていますが、その定義や使用方法を完全に理解している人は、経験豊富なビジネスマンでも多くないようです。

リスケとは?リスケの真の意味とは?使用のタイミングは?リスケを実行するときの注意点は?

この記事では、勘違いされることも多いリスケの意味、金融業界における使われ方、ビジネスにおける適切な使い方や具体例、リスケを実行する際の注意点について解説します。

リスケとは

リスケとは、ビジネスの世界で頻繁に使われる用語であり、その重要性は計り知れません。プロジェクトの進行中に避けられない問題や予期せぬ障害が発生した場合、または新たな情報やリソースが利用可能になった場合にリスケは行われます。

リスケについての理解を深めることは、ビジネスの流れをスムーズに進めるために不可欠です。プロジェクトの進行状況を適切に管理し、期限を守るための重要な手段となります。

リスケについての知識を身につけることは、ビジネススキルを新たなレベルへと押し上げるための一歩となります。それは、時間管理、リソース管理、そして最も重要なのは、変化に対応する能力を高めることにつながります。

これらのスキルは、ビジネスの世界で成功を収めるために必要不可欠なものであり、リスケについての理解はそれらを磨くための鍵となります。

リスケジュールを略した言葉

リスケという言葉は、英語の「リスケジュール(reschedule)」を略したものであり、本質的には予定や計画を変更するということを意味します。

しかし、この言葉は単なる予定変更以上の意味を持っています。リスケは、計画の変更を必要とする状況に対応するための柔軟性を提供し、組織の効率と生産性を向上させる役割を果たします。

ビジネスの世界では、予定通りに物事が進むことは稀であり、リスケは日常的に行われます。

新たな情報が得られたり、予期せぬ問題が発生したり、リソースが変動したりすることにより、元の計画が適切でなくなる可能性があるからです。

このような状況では、リスケを行うことで、新たな状況に対応し、目標を達成するための最善の道筋を見つけることが可能となります。

リスケの意味

リスケには、具体的に以下のような意味があります。

  • 予定や計画を変更すること: これはリスケの最も基本的な意味で、会議やプロジェクトの日程などの変更を進行させる行動を意味します。
  • 予定や計画が変更されること: これは変更が既に行われた事実を示します。この場合、リスケはある種の状態を表す言葉として使われることがあります。
  • 予定や計画を変更することを伝えること: リスケの概念にはコミュニケーションの側面も含まれており、関係者に対して変更の意図や必要性を伝える役割も果たします。
  • 予定や計画が変更されることを受け入れること: ここでは、変更された事実を受け止め、それに応じて行動することを指します。

ビジネスシーンにおけるリスケの具体的な使用例を考えてみると、その多面性がより一層際立ちます。以下にその例をあげてみましょう。

  • 「部長、今日14時からの打ち合わせはリスケできますでしょうか?」: この場合、リスケは予定を変更したい意向と、それを相手に伝えるコミュニケーションツールとして使われています。
  • 「みなさん、明日の飲み会はリスケになりました」: ここでは、リスケは変更された事実を受け入れ、それを他の関係者に通知する手段として機能しています。

リスケは、単に予定や計画の変更を意味するだけでなく、変更の進行、状態の認識、コミュニケーションの促進、受け入れのプロセスなど、多岐に渡る側面を含む言葉です。

日々の業務において予定が動くことは常にあるので、リスケの使い方の理解は円滑なビジネスコミュニケーションにおいて必要不可欠なことと言えるでしょう。

この用語の背後にある複雑なニュアンスを理解し、適切に使用することで、より効率的かつ柔軟な業務遂行が可能となります。

ドタキャン、キャンセルとの違い

ビジネスの中で頻繁に使用される言葉「リスケ」「ドタキャン」「キャンセル」。

これらの言葉はよく混同されがちです。実際に誤解している方も多いのではないでしょうか?

それぞれの単語が持つ正確な意味を理解し、それぞれが適切に使用される状況を明確にすることで、より円滑なコミュニケーションを可能にします。

まず、「ドタキャン」と「キャンセル」の二つの単語について見てみましょう。

これらは予定や計画の中止を意味します。何らかの理由で既に決まった行動を取ることができない、または取らないということになります。

言い換えれば、これらは元の予定を一方的に打ち切る行動を指します。例えば、「今日のデートはドタキャンします」と言われたら、これは今日のデートを一方的に中止するという意味になります。

一方、「リスケ」は全く異なる概念を表しています。リスケはある予定や計画を別の日時に変更することを意味します。

リスケはドタキャンやキャンセルとは異なり、相手との調整を前提として行われます。つまり、「今日のデートはリスケします」と言うと、デートの予定を別の日に変更するという意味になります。

これらの言葉の使用法を正しく理解することは、予定の調整を円滑に行うために非常に重要です。

「ドタキャン」や「キャンセル」は予定を一方的に終了する行動であり、相手に大きな迷惑をかける可能性があることを認識するべきです。

一方、「リスケ」は相手との配慮と協調性を前提とした行動であり、改めて予定を組み直すための共同の努力を意味します。

このように理解しておけば、それぞれの言葉を適切に使用すべき状況がより理解しやすくなり、相手への配慮も可能になるでしょう。

より効果的なコミュニケーションのために、これらの違いを意識しながら対話を進めてみてみましょう。

金融業界におけるリスケの意味

金融業界での「リスケ」は、文字通りスケジュールや条件を再調整することを意味します。

具体的には、借入や支払いの条件を変更する行為を指します。

借り手が経済的困難に遭遇した時、彼らが自身の状況を改善するための一つの方法となります。

借入条件を変更すること

借入条件を変更することは、借り手の返済能力が低下した場合に行われます。

企業が金融機関から融資を受ける際、返済条件や利息率など、一連の「借入条件」を設定します。これらの条件は、企業の経済状況や金融機関の評価に基づいて決定されます。

しかし、経済状況は常に変動するので、資金繰りが予想外に苦しくなることもあります。

そのような場合、企業は金融機関に対して、借入条件の見直しを依頼することがあります。

企業は金融機関に対して、「利子を少し下げてくれませんか?」や「返済期間を少し延ばしてもらえませんか?」といった借入条件の見直しを依頼することがあります。

これは、企業が金融機関と話し合い、従来の借入条件を変更するプロセスを指します。

リスケは、資金繰りが困難となった企業にとって、一時的な負担軽減となり、事業の再建に向けた時間的な猶予を得ることができます。

一方、金融機関にとっては、企業が倒産し、融資金が回収できなくなるリスクを回避する手段となります。これが金融業界におけるリスケです。

支払条件を緩めること

具体的な支払返済条件の変更としては、「月額返済額を一定の期間減額する」や「返済期限を延長する」方法などがあります。

月額返済額を減らすことで、企業のキャッシュフロー(お金の流れ)が改善し、短期的な資金繰りの問題を解消することができます。

また、返済期限を延長することで、長期的な視点での返済計画を立て直すことが可能となります。

リスケは、企業と銀行の双方にとって、困難な状況を乗り越えるための重要な手段となります。

しかし、リスケはあくまで一時的な救済策であり、本質的な経営改善が伴わなければ、同じ問題が再発する可能性もあります。そのため、リスケを行う際は、それと並行して経営改善策を講じることが重要となります。

リスケの使い方、具体例

ビジネスシーンでのリスケは、予定を延期する際によく使われることがほとんどで、予定を前倒しするために使われることはまずありません。以下に、リスケの使い方や具体例を紹介します。

例えば、プロジェクトの進行が予定より遅れてしまった場合や、急なトラブルが発生して予定通りの作業ができなくなった場合など、何らかの理由で元のスケジュールを守ることが難しくなったときに、リスケが行われます。

このような状況では、「リスケが必要になった」「リスケを申し込む」などの表現が使われます。

また、リスケは単に予定を延期するだけでなく、その延期による影響を最小限に抑えるための対策を立てることも含みます。

つまり、リスケを行う際には、新たなスケジュールを作成するだけでなく、その変更が他の作業や関係者に与える影響を考慮し、必要な調整を行うことが求められます。

予定変更、キャンセルのとき

ビジネスの世界では、予定変更やキャンセルは日常的な現象であり、その対応力が組織の効率性や生産性に大きく影響を及ぼします。以下に、リスケが必要となる具体的な事例を4つ紹介します。

  • 毎週木曜日のプロジェクト進捗報告会議:ある週、この会議と優先順位の高いクライアントの打ち合わせが重なってしまいました。どちらの予定も重要であるため、単純にどちらかをキャンセルするわけにはいきません。この状況では、進捗会議の開催時間をその回だけ遅らせる、またはその週はキャンセルして次週に持ち越すなどのリスケ対応が考えられます。会議時間の変更後は、メール等で会議参加メンバーに再通知し、カレンダーに反映するなど周知徹底をしましょう。
  • 外部のパートナー企業との商談:来月予定していたB社との重要な商談と同日に、アメリカ本社で緊急会議が開かれることになり、B社との商談日程をリスケしなければならなくなりました。商談の日程を前後にずらす、または別の日に設定し直すなどの対応が必要となります。クライアントとの信頼関係を崩さないよう細心の注意をしながらリスケの交渉をしていかなければなりません。
  • 受注したプロジェクトの納期延期:クライアントから仕様変更や追加の要望が多く、作業量が急増してしまったため納期が遅延することが判明しました。クライアントに現状と納品のための所要時間を報告し、納期を延期するためのリスケ交渉をする必要が生じました。この場合、納期はあらためて契約書に追記、プロジェクトメンバーにも延期した納期を伝え、作業スケジュールを再調整する必要があります。
  • ロンドンでの国際展示会への出展延期:新型の感染症の流行により、展示会の主催者が開催の半年延期を決定したため関係者へのスケジュール調整の必要が発生しました。出展予定だった取引先や機材のリース会社、展示会出席メンバーにスケジュールの半年リスケを伝え、日程の確保をお願いしなければなりません。

これらの例からわかるように、リスケは、計画していた予定をやむを得ない事情によって改めて組み直したいという状況で用いられます。

受発注の量、日付変更のとき

リスケは会議やプロジェクトのスケジュール調整だけでなく、商品やサービスの受発注に関する変更にも適用されます。

以下にその例をあげます。

  • 原材料の受発注:ある企業が大量の原材料を発注した後、市場の動向や生産計画の変更などにより、発注した原材料の必要量が減ってしまった場合、企業は供給業者と交渉して発注量を減らすことを要求する可能性があります。このような量を変更する場合にもリスケという表現は用いられます。
  • 商品の発送日:小売店が特定の商品の在庫を補充するために発注を行ったが、その後、販売状況や在庫状況が変化。小売店が供給業者に商品の発送スケジュール組み直しを依頼したり、発送の一旦キャンセルをリクエストする場合にもリスケは使われます。

デザインや仕様、項目を変更するとき

例えば、あるIT企業が新しいソフトウェアの開発を進めているとします。開発初期の段階で設定したスケジュール通りに進行していたところ、突然、クライアントから追加の機能要求が来たとしましょう。

この新たな要求を満たすためには、開発計画を見直し、スケジュールを調整する必要が出てきます。

このような場合に「リスケ」が行われます。このリスケでは、新たに追加された機能の開発時間を考慮に入れ、全体のスケジュールを再調整します。

その際、他のタスクの優先順位を見直したり、リソースの再配分を行ったりすることもあります。このような調整を行うことで、新たな要求に対応しつつ、プロジェクト全体の遅延を最小限に抑えることが可能となります。

また、リスケは新商品の製造プロセスでも頻繁に行われます。

例えば、製造ラインで予期せぬトラブルが発生し、生産が一時停止した場合、その影響を最小限に抑えるために、生産スケジュールの再調整が必要になります。このような場合もリスケと呼びます。

さらに、企画のキャンセルが生じた場合もリスケが必要となります。

例えば、大規模なイベントを計画していたが、突如として天候不良や社会的な事情などで開催が不可能になった場合、新たな日程を設定し、関連する全てのスケジュールを見直す必要があります。

以上のように、リスケは様々なビジネスシーンで使われます。

リスケをする際の注意点

ビジネスの現場で「リスケ」を行う際には、その行為が他者に与える影響を深く理解し、適切なマナーを守ることが求められます。

リスケは、スケジュールの変更を伝える行為であり、それが相手に迷惑をかける可能性があるため、注意深く行う必要があります。

以下では、リスケを行う際の具体的な注意点を詳細に解説します。

目上の人や上司には使わない

ビジネスの現場では、言葉遣いが相手に与える印象を大きく左右します。

リスケという言葉はカジュアルな表現であり、一般的に目上の人や上司に対しての使用は適切ではありません。特に、日本のビジネスシーンでは、敬意を示すために敬語や丁寧語を用いることが一般的です。

したがって、目上の人や上司に対してスケジュールの変更を伝える際には、「予定を変更させていただくことは可能でしょうか?」などと、丁寧に表現することが求められます。

このような配慮は、相手を尊重する姿勢を示し、良好な人間関係を維持するために重要です。

電話か対面でリスケをする

リスケを伝える方法についても注意が必要です。リスケは直接的なコミュニケーション、つまり電話や対面で伝えることが望ましいとされています。

メールやチャットツールなどの非対面のコミュニケーションでは、相手の反応を直接見ることができず、誤解を生む可能性があります。

直接のコミュニケーションでは、声のトーンや表情で謝罪の気持ちや理由をより伝えやすくなります。これは、相手の感情を尊重し、誤解を避けるために重要なポイントです。

リスケの日程は相手に合わせる

リスケをする際には、新たな日程は相手の都合を優先することが大切です。自分都合でリスケの日程を決めてしまうと、相手に不快感を与える可能性があります。

したがって、「都合の良い日時はいつですか?」などと聞き、相手の希望を尊重することが重要です。これは、相手を尊重し、相手の時間を大切にするというビジネスマナーの一部です。

直前のリスケは避ける

直前のリスケは、相手に大きな迷惑をかける可能性があるため、極力避けるべきです。

特に、相手が予約や準備をしていたり、他の予定を断っていたりする場合、直前のリスケは非常識と受け取られる可能性があります。

このような行為は、先方の時間を尊重すべきというビジネスの観点からも避けるべきです。

相手からの信用を失う可能性もある

リスケをすることで、相手からの信用を失う可能性もあることを覚えておくべきです。

特にビジネスでは、リスケは契約や信頼関係に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。リスケをする際には、相手に対して十分な理由や謝罪を伝え、理解を得ることが重要です。

これは、ビジネスパートナーとの長期的な信頼関係を維持するための基本的なマナーです。

リスケ後は迅速に対応する

リスケをした後は、迅速に対応することが大切です。リスケをした後に放置したり、連絡が遅れたりすると、相手に対して不安や不満を感じさせる可能性があります。

リスケをした後は、すぐに確認の連絡をしたり、必要な資料や情報を送ったりするほうが望ましいでしょう。これは、相手の不安を解消し、信頼関係を維持するための重要な行為です。

リスケ後の迅速な対応は、相手に対する敬意とプロフェッショナリズムを示すものです。

例えば、リスケした会議の新たなアジェンダを早急に共有したり、リスケにより変更となったプロジェクトのタイムラインをすぐに更新したりすることが求められます。

これにより、リスケが業務に与える影響を最小限に抑え、スムーズな業務運営を維持することが可能となります。

また、リスケ後の迅速な対応は、相手からの信頼を回復するための重要なステップでもあります。

リスケは、予定の変更を伝える行為であり、それが相手に迷惑をかける可能性があるため、リスケ後の対応によってしっかりとリカバリーをし、相手の理解と信頼を勝ち得ることが今後の協力関係の構築へと繋がります。

以上が、リスケをする際の具体的な注意点です。

リスケは、ビジネスシーンで頻繁に発生するスケジュールの変更を円滑に伝えるための重要なツールですが、その使い方には注意が必要です。

相手を尊重し、信頼関係を維持するためにも、これらの注意点を心掛けてリスケを行うことが求められます。

意味を理解した上で活用しましょう

ビジネスの世界では、プロジェクトの進行や会議の日程、製品の納期など、様々な計画が絶えず変動します。リスケはこれらの変動に対応するための重要なプロセスであり、効率的な業務運営に欠かせません。

リスケの使い方は多岐にわたります。例えば、プロジェクトが予定より遅れている場合、リーダーはチームとともに新しいスケジュールを立て、リスケすることが求められることがありますが、リスケは安易に行うと、相手からの信用を失う可能性もあるため、適切な使い方をするべきです。

信用はビジネスにおける重要な要素であり、リスケの際にはその影響を深く考慮する必要があります。相手のスケジュールに配慮し、リスケした日程は必ず守ることが大切です。直前のリスケは絶対に避け、リスケ後は迅速に各方面に調整対応することが求められます。相手に迷惑をかけないように配慮し、信用を保つためにリスケの理由を明確に伝え、新しい計画をしっかりと守ることがなによりも重要です。

リスケは単なるスケジュール変更以上の意味を持ち、相手との信頼関係の構築や維持にも大きく寄与します。適切なリスケの手法とマナーを理解し、実践することで、ビジネスの発展に役立つ効果的なビジネスコミュニケーションを目指しましょう。