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能力評価と業績評価からなる公務員の人事評価とは?制度の実態を徹底解説

公務員の人事評価とは?

公務員の人事評価は民間企業と査定方法が異なり、給与への反映程度も異なります。ポイントを押さえて高評価を得ていきたいものです。では公務員の人事評価は一体どのような内容なのでしょうか。今回は実態と高い評価を受けるために必要な点を中心に徹底解説していきます。

公務員の人事評価とは?

公務員の人事評価は能力や業績を正しく精査し、給料に反映させる企業制度です。2007年に国家公務員法一部改正、2014年に地方公務員法改正で公務員の人事評価は大きく変わりました。中でも注目は能力評価・業績評価による査定へ変化した点です。職員が発揮した能力と残した業績を的確に評価するべくうまれました。では両評価の違いはどこにあるのでしょうか。次から詳しく解説していきます。

能力評価

能力評価は職員の能力が実務でどれだけ発揮されたかを精査していきます。年1回行われる査定であり、評価期間は10月1日から翌年9月30日までです。あらかじめ業務上必要な能力を設定し、該当項目に対しての発揮具合をランク付けしていきます。また、保有・潜在能力は評価対象にはなりません。あくまで、取った行動が求められた項目と合致しているかで判断されます。

⇒能力評価について詳しく知りたい方はこちら

業績評価

業績評価は職員が設定した目標に対してどの程度達成しているかを精査していきます。年2回行われる査定であり、評価期間は10月1日~翌年3月31日と翌年4月1日~9月30日までです。公務員は民間企業と違い利益を追求していないため、業績の線引きがむずかしいかもしれません。まさに近年、業績の基準設定に四苦八苦する団体も増えており、評価の明確化が必要になりそうです。

能力評価と業績評価の違いとは?

能力評価と業績評価の大きな違いは評価対象です。能力評価は業務の過程を査定し、業績評価は結果に比準を置きます。両評価を踏まえて給料やボーナスに反映されていくのです。能力だけ発揮しても、結果が伴わなければ意味がありません。また、業績を残しても、トップのビジョンに沿った行動を取らなければ高評価を得るのは困難です。能力評価と業績評価では評価対象の違いがあるのは念頭に置いておきましょう。

公務員の人事評価制度の目的

公務員の人事評価制度の大きな目的は人材育成です。能力・業績評価で的確に精査し、職員の給与へ正しく反映させます。結果的に職員のモチベーションアップへつながり、思い描く理想の人物へと成長するでしょう。また、人事評価制度を導入すると、組織内のコミュニケーションが活発になります。定期的な面談を通じて素直な意見が交換でき、悩みや疑問点がスムーズに解決していきます。目標やルールの共有もできるため、組織が一つにまとまりやすいです。人事評価制度の採用は大きなメリットがあると言えます。

公務員の人事評価制度の実態

公務員の人事評価制度の実態は以下のとおりです。

ほとんど給与に反映されない

公務員の人事評価制度はほとんど給与に反映されないのが現状。なぜなら、能力・業績評価で査定しているものの、民間企業のような利益追求型ではないからです。民間では数字や実績の目に見える分かりやすい形があります。しかし、公務員は業績のあいまいさ故に、何を基準に評価するのかはっきりしないケースが多いです。さらに、公務員の人事評価はあくまで昇給・昇格を決める制度なのも背景にあります。いくら頑張っても、昇給・昇格の対象となるのはほんの一握り。全力で結果を残し、狭い枠に入らなければいけないのです。実績を給与に反映させていくには、今以上の努力が必要になります。

目標が立てにくい

公務員の人事評価制度は目標が立てにくい声もあげられます。前述の通り、公務員は売上至上主義ではありません。国や地方自治体につとめ、社会基盤の構築が最大の目的です。例えば、民間企業であれば営業目標や利益拡大などの分かりやすい目標があるかもしれません。しかし、公務員は窓口業務・整備・管理などがメインのため、目標が漠然としやすいです。結果的に職員の目標が達成しているかの判断がつきにくく、給料に反映されにくくなります。目標を立てにくいが故に、職員の人事制度に対する悪いイメージを抱かせてしまっているのです。

基準がバラバラ

公務員の人事評価制度は基準がバラバラになりやすいです。評価者によって基準を一定に合せるのがむずかしく、評価に偏りが出ているのも事実。なぜなら、評価を上長一人で行ったり、会話したこともない職員に最終評価を下されたり。評価が単一的で不公平感が生じやすい仕組みなのです。一方、民間企業では最新人事システムの導入により、評価に公平性を持たせています。例えば、評価者に部下や同僚を加え、多角的な評価を実施。社員を正当に評価し、モチベーションアップにつなげています。公務員の評価制度は年々うまれかわっているものの、依然として時代遅れ感は否めません。

公務員の人事評価制度で高評価を得るには?

高評価を得るためのポイントは以下のとおりです。

具体的な数字を目標にする

公務員の人事評価制度で高評価を得るには、具体的な数字目標を立てていきましょう。目標は一般的に評価者と評価対象者の両者で面談を行います。上司が大枠となる組織目標を評価対象者に落とし込み、具体的な行動を決めていく流れです。その際、個人目標は目に見える分かりやすい形で決めていきましょう。例えば「一日30件の窓口対応を行う」「現在取り組んでいる業務を3分の1でこなす」など、数字に落とし込むと評価者へ伝わりやすいです。結果的に自分自身の目標達成に対するモチベーションへつながります。

無理のない目標を立てる

人事制度で高評価を得るには無理のない目標を立てる必要があります。ハードルが高すぎれば、目標達成できず評価につながりません。手の届く範囲で、高すぎず低すぎない基準を設定していきましょう。具体的には前年数値よりも110%で設定すると良いです。110%であると能力を最大限発揮しつつ、自己成長につながります。「頑張れば達成できる」理想の設定値であるため、やる気が維持できます。無理のない目標を立てるためにも、設定値を110%にしていきましょう。

日々の進捗を上司に報告する

高評価を得るためにも、日々の進捗を上司に報告していきましょう。上司は部下の行動を逐一観察できるわけではありません。そんな中で部下に任せた業務の進展が気になって仕方ないのが上司心理。「どこまで仕事が終わっているか?」「いつまでに完了できるのか?」などを口にしないまでも、内心引っ掛かっているのです。そのため、業務の進行度合いを報告すれば、上司を心配させる必要はありません。上司としても「何かあってもすぐに報告をくれる部下だな」と評価が高まります。コミュニケーションがスムーズにいき、結果的に仕事全体がうまくまわります。日々の進捗はこまめに報告していきましょう。

まとめ

公務員の人事評価は能力評価・業績評価から成り立っています。両評価の大きな違いは評価対象です。能力評価は業務の過程を査定し、業績評価は結果を重視していきます。両評価を踏まえて給料やボーナスに反映されていくのです。また、人事評価で高評価を得るには、具体的かつ無理のない目標を立てて、確実に達成させていきましょう。的確な目標設定であれば、自己成長や周囲の評価へとつながります。公務員の人事評価についてあらためて見つめ直してもらえれば幸いです。