コラム

人事関連でお役に立つ情報を掲載しています。ぜひご活用ください。

  1. トップ
  2. コラム
  3. タレントマネジメント・人材管理
  4. タレントマネジメントがうまくいかない?失敗する原因と成功のポイントを解説

タレントマネジメントがうまくいかない?失敗する原因と成功のポイントを解説

タレントマネジメントがうまくいかない?

社会の時代の変化にともない、「タレントマネジメント」を取り入れている企業が増加しました。この取り組みは、人材の量より質を求める今の時代にマッチしているといえるでしょう。しかしうまく運用できずに頭を抱えている企業も増加傾向です。

今回はタレントマネジメントを失敗する原因や、成功するためのポイントについてご紹介します。

タレントマネジメントで陥りやすい失敗

近年注目されている「タレントマネジメント」とは人材の詳細データを見える化し、その能力を最大限に発揮させるための戦略です。しかしその戦略をうまく理解したうえで活用しないと、かえって逆効果となる危険性もあります。

今回はタレントマネジメントでよく起こる失敗を5つに分けて紹介します。

  • データを活用する目的が不明確
  • 社員からデータが集まらない
  • データを活用できない
  • 最新のデータではない
  • 人事制度と連携していない

データを活用する目的が不明確

人材データを活用する目的や最終的なゴールが明確でないと、途中で計画が頓挫する可能性が高まります。何のためにタレントマネジメントを行うのかを説明できないと、従業員も納得がいかず、データ収集の協力を得られません。協力を得られたとしても目的に沿わないデータを集めてしまい、結局ムダなリソースを割いて終わることもあります。

また企業によっては人事システムと同じように運用する場合もあるので、タレントマネジメントのメリットを活かせません。データ収集をする際は、必ず最初に目的とゴールの設定を明確にしておきましょう。

社員からのデータが集まらない

タレントマネジメントをうまく活用するには、上層部だけでなく従業員もその取り組みを理解してもらう必要があります。従業員が十分に理解していないと、思うようにデータが集まらず失敗するケースがあります。これは近年注目されている戦略だからと、すぐに導入を進めてしまう企業に起こりやすいです。

従業員の立場としても、データを集める目的が不明確だと時間を捻出してまで協力したいとは思わないでしょう。従業員の協力を得るには、自分達にとってメリットであることを必ず説明しましょう。データ収集の効率を高めるには、従業員との信頼関係の構築は必要不可欠です。

データをうまく活用できない

データを集める目的を明確に設定し、従業員の協力を得ることは大切です。しかしせっかく集めたデータをうまく活用できずに失敗するケースもあります。必要なデータを明確にしないと、大量の情報から1つずつ探さないといけません。探す作業に時間を要して、途中で頓挫してしまう危険性があります。

それを防ぐためには、あらかじめ活用したいデータに目星をつけておきましょう。取捨選択をスムーズに行えば、情報量が膨大でも時間はかからずに済みます。

この失敗は先ほどあげた「データ収集の目的が不明確」「従業員の協力が得られない」ケースにも関連します。目的がわからないと、どのデータを活用すべきかわかりません。また従業員もバラバラなデータを集めてしまうので、必要なデータがそろわないこともあります。

データが最新ではない

タレントマネジメントをうまく活用するには、常に最新のデータを集める必要があります。定期的なデータ更新を止めてしまうと、思うような効果を得られず失敗するケースがあります。

人材のスキルや業務状況は日々変化していくものです。古いデータのままだと、人材の能力と管理者の認識にズレが生じ、効率的な育成プログラムの構築が困難となります。人材の成長を促すためには、定期的にデータの更新を続けましょう。更新には手間がかかりますが、人材の育成や企業の生産性向上のためには重要な作業です。

現状の人事制度と連携していない

タレントマネジメントの取り組みが今の人事制度と連携していないと、システムがうまく噛み合わず失敗するケースがあります。タレントマネジメントを活用して大きな効果を得るためには、現状の人事システムとの組み合わせが必要です。この連携が不十分だと、人材のスキルをデータとして残すだけで、それ以上の効果が望めません。

またデータを中途半端にあつかってしまうと、従業員の不満・不信感を作り出す原因となります。とくに評価や給与などは従業員にとっても重要な項目なので、取り扱いには十分に注意しなければいけません。

まとめると、タレントマネジメントの起こりやすい失敗は以下のとおりです。

  • データを活用する目的が不明確
  • 社員からデータが集まらない
  • データを活用できない
  • 最新のデータではない
  • 人事制度と連携していない

このようにうまく運用すれば、人材・企業にとって大きなメリットです。しかし運用の目的やその方法を誤るとマイナスにつながる場合もあるので、しっかり計画を立てたうえで進めましょう。

⇒タレントマネジメントのデメリットについて詳しく知りたい方はこちら

タレントマネジメントを成功させるためのポイント

タレントマネジメントの失敗例について説明しましたが、どうすれば成功するのか、という疑問をもつ方もいるのではないのでしょうか。続いてはタレントマネジメントを成功させるポイントを3つに分けて紹介します。

  • 社員の協力を得る
  • 人材データをまとめる
  • 最適なシステムを選ぶ

社員の協力を得る

従業員の協力を得ることも成功するポイントの1つです。そのためには、以下の説明を必ずしておきましょう。

  • データを収集する目的
  • どのように活用するのか
  • データ収集によって発生するメリット

タレントマネジメントは1人1人にあわせた育成プログラムで人材の成長を促し、キャリアアップにつなげることが可能です。このように従業員にとってプラスにはたらく取り組みだと理解してもらえば、積極的な協力を得られやすいです。

失敗例の項目でもお伝えしたとおり、従業員への説明が不十分だと不信感が強くなるため、協力を得ることが難しいです。従業員の協力がないと成功しない取り組みなので、タレントマネジメントについて説明する機会を設けるようにしましょう。

人材データの一元化

タレントマネジメントの目的に応じて人材のデータを一元化しておきましょう。人材のスキルや経歴など、戦略の立て方によって必要な情報が異なります。またデータ収集を行うと膨大な情報量になる可能性があります。項目ごとにまとめることで、求めている情報を探す手間が省けるでしょう。

最近ではデータを一括管理できるシステムも出ているので、作業にかかる負担が大きい場合は利用してみましょう。

慎重にシステムを選定する

タレントマネジメントシステムを利用することで、人材の情報を一括管理できます。データ管理が容易となるので、適切な人材育成や業務配置の実現が期待できるでしょう。

しかしシステムの種類は豊富なので、深く考えずに導入すると失敗しやすいです。それぞれの特徴を理解しつつ、企業の目的とマッチしたシステムを慎重に選びましょう。

まとめると、タレントマネジメントを成功させるポイントは以下のとおりです。

  • 社員の協力を得る
  • 人材データをまとめる
  • 最適なシステムを選ぶ

この3つのポイントを守り、人材のパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を作りましょう。

まとめ

タレントマネジメントが失敗する原因と、成功するためのポイントについてご紹介しました。この取り組みは人材だけでなく、企業にとっても重要な戦略です。しかし準備が不十分な状態で進めてしまうと、失敗の危険性が高まってしまいます。うまく成功につなげるためには、タレントマネジメントを行う目的とゴールは必ず明確にしておきましょう。