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テレワーク環境におけるタレントマネジメント業務の課題とその解決~第1回「テレワーク環境におけるタレントマネジメント業務の課題」

タレントマネジメント業務の現状と課題

テレワーク導入以前から、人事評価、研修管理といったタレントマネジメント業務はシステム化から取り残され、手作業、電子メール、ファイルサーバー、Excelといった旧態依然なインフラの上で実行されており、その結果としてさまざまな課題を抱えていました。

人事評価における評価フォーマットや評価結果のやり取り、進捗状況の把握といった情報伝達が、電子メールやファイルサーバーを経由したExcelファイルのダウンロード、アップロードによって行われる場合、業務ワークフローは非効率で不正確なものとなり、結果として、見落としによる遅延や、進捗状況がわからなくなるといった課題が発生します。

これは、研修管理においても同様で、受講申請から始まり、承認、受講を経て受講後アンケート/レポートの提出に至る一連の業務ワークフローは、電子メールやファイルサーバー経由での情報のやり取りでは、マネージャ側での申請の見落としにより承認が遅れる、研修担当者側での受講希望者全員の受講確認やレポート提出状況の把握が難しいといった課題が発生します。

また、人事評価における評価結果、研修管理における受講履歴といったデータが、Excelファイルで管理されている場合、集計、結合作業は手作業で行わざるを得ないため、評価や研修を実施する度に多大な工数が発生することになります。さらに、集計後の評価結果や受講履歴のデータは、一度の評価時期や一回の研修実施ごとに別々のExcelファイルに保存されるため、個人の評価結果や受講履歴を時系列で調べるためには、多数のExcelファイルからデータを再度集める必要があります。

テレワークがタレントマネジメント業務に与える影響

このように現状において、すでに課題を抱えている人事評価や研修管理業務をテレワーク環境で実施することになると、問題はさらに深刻化します。

今までは、直接の会話、内線電話といった直接的なコミュニケーションがメールやファイルサーバー経由での非効率な情報のやり取りを補完していましたが、テレワーク環境では、それもままならなくなり、ファイルサーバーへのアクセスもリモート接続や回線速度に問題が発生すると、さらなる業務遅延が発生し、最悪の場合、業務ワークフローが破綻してしまう危険性があります。

また、個々の担当者が自宅にあるPCで作業するテレワーク環境では、データはExcelなどのファイルとして細分化され、サイロ化が一層進みます。

タレントマネジメントシステムの導入による解決

テレワーク環境でのタレントマネジメント業務における業務ワークフローの破綻とデータのサイロ化を防ぐためには、業務ワークフローのシステム化とデータの一元管理が必須となりますが、標準的な人事システムは、このような機能は提供しておらず、カスタマイズできたとしてもその費用は高額なものになります。

業務ワークフローのシステム化に限っていえば、汎用的なワークフローソフトの導入が考えられますが、人事評価や研修管理のワークフローは、単純な申請・承認業務よりも複雑なフローで構成されるうえに、ワークフローソフトでは業務で発生するデータはログとして保存されるだけで、一元管理のためには、別途専用のデータベースを作成することが必要になり、現実的な解決方法とはいえません。

そこで、検討すべきなのがタレントマネジメントシステムの導入です。タレントマネジメントシステムは、スキル管理だけではなく、人事評価や研修管理といった業務のワークフロー機能を持ち、同時に業務で発生するデータを統合されたデータベースで一元管理できるようになっています。最近では、多くのタレントマネジメントシステムがクラウドサービスとして提供されていますので、IT部門の手を煩わせることなく人事部門主体での導入も十分可能になっています。

次回は、具体的な例として、人事評価業務ワークフローのシステム化とデータの一元管理についてご説明します。