コラム

人事関連でお役に立つ情報を掲載しています。ぜひご活用ください。

  1. トップ
  2. コラム
  3. 人事労務・人事戦略
  4. 営業生産性の向上がなぜ重要か?必要性と高めるポイントを解説

営業生産性の向上がなぜ重要か?必要性と高めるポイントを解説

営業生産性の向上

近年のビジネスでは営業生産性がより求められる時代となりました。そして、業績が伸び続ける企業は営業の効率化が図れているのが特徴です。では営業生産性がなぜ重要なのでしょうか。今回は生産性を向上させる必要性と高める方法を中心に紹介していきます。

営業生産性とは

営業生産性とは費やした労働力に対して、どれだけ成果を上げられたかの割合を指します。時代の変化とともに企業が人材投資費用を捻出する動きが強まる中で、一人の社員がいかにパフォーマンスを上げられるかが重要です。とくに日本企業は先進国と比較して営業生産性が低く、今後の課題点として挙げられています。

営業生産性の計算方法

営業生産性は以下の計算式で求められます。

営業生産性=売上÷総労働時間

例えば、セールスマン10名で年間売上1億円、年間労働日数240日(1日8時間労働)とする場合は次のとおりです。

売上 100,000,000

総労働時間 19,200(10名×240日×8時間)

営業生産性 5,208(100,000,000÷19,200)

一人の営業マンが1時間で5,208円売り上げた計算になります。OECD(経済協力開発機構)の調査では日本の営業生産性は約5,000円。世界を見ても下から数えるのが早い順位となり、日本に課せられる使命なのです。まずは営業生産性の数値を測り、基準を上回っているかの検証を行っていきましょう。

営業生産性を向上させる必要性

営業生産性を向上させる必要性は以下のとおりです。

働き方改革

2017年の働き方改革推進会議により、企業へ営業生産性を向上させる指令が出されました。具体的には長時間労働改善と一人当たりの賃金引き上げです。今まで残業を後押ししていた企業も定時勤務を義務付け、時間当たりの生産性を見直す動きが強まりました。営業生産性向上の必要性は働き改革が背景にあると言えます。

競争の激化

日本へ先進国のグローバル企業が参入した影響もあり、競争がより激化しました。強力なライバルの出現により、各企業はコストを抑えた上でパフォーマンスを向上させる必要性があります。今まで人材に割いていた経費を商品開発やマーケティングに資本をまわす必要が出てきたのです。競争の激化により、少数精鋭で結果を求められる時代となりました。

営業生産性が下がる理由

営業生産性が下がる理由は以下のとおりです。

何となくの行動

目標や目的もなく、ただ何となくの行動は営業生産性を下げる最もな理由です。「客先へ何の目的もなくテレホンアポイントを取る」「具体的な件数目標もなく外回りをする」どれも何となくの行動であり、営業生産性を下げる要因となります。当の本人は自覚がないのも経営層が頭を悩ませる原因となるでしょう。

目的があいまいな打合せや会議の実施

日本企業に多いのがあいまいな打ち合わせや会議の実施です。業績が上がらない企業は一日中効率の悪い会議を行っているケースもあります。とくに営業の場合は具体的な改善策を審議する会議ではなく、成績の上がらない営業マン・部門に反省を求める打ち合わせが多いです。

隙間時間の有効活用

企業にとって限られた時間を有効に活用するのが重要です。にもかかわらず、業績がふるわない企業は隙間時間を上手に使えていない傾向にあります。「空いた3分の間にアフターコールをする」「昼休憩に実用書を読む」など、一人一人がモチベーション高く取り組めば、小さな行動が大きな成果として現れるのです。

行動管理

行動管理を怠ると生産性は下がり続けます。社員一人一人の行動を把握していなければ、前述した何となくの行動も見抜けません。反対に、結果を出す社員の行動も読み取れないでしょう。表面上の数字はもちろん、裏付けされた行動こそ生産性に原因があると言えます。

資料管理

無駄な資料の存在や乱雑した環境も生産性を下げる要因のひとつです。画面上で共有できるにもかかわらず、不要な資料をつくるのは生産性を下げます。また、資料が増えれば机上整理に掛ける時間も増えるでしょう。社員にとって物を探す時間や片付ける時間こそ、業務効率を下げる時間です。

営業生産性を向上させる方法

営業生産性を向上させる方法は以下のとおりです。

目的とゴールの明確化

業務中何気なく過ごす時間を極力減らすためにも、目的とゴールの明確化を行いましょう。目標がハッキリすれば社員のモチベーションが上がり、行動を見つめ直すきっかけとなります。そのためにも「今日は10件アポイントを取る」「3件アフターフォローする」などの数字を使用すると、より社員のイメージがわきやすいです。

行動管理の実施

営業生産性を上げるには、行動を取るだけでなく反省や改善なども必要です。「今日取った行動が成約につながったのか?」「営業件数が足りないのではないか?」などを見つめ直し、日々のブラッシュアップが重要。分析を徹底していけば、社員一人一人が責任感を持ちます。

資料管理を行う

普段使用する資料を今一度見直してみるのも良いでしょう。例えば、紙資料をデータに変更したり、1ページにまとめたり、極力資料を少なくコンパクトにおさめるのがポイントです。資料が要約されれば、身のまわりが煩雑になるケースも減ります。解放された環境であると、社員の営業生産性も向上するでしょう。

ルールを作って実践

営業生産性を上げるためにも、自分なりのルールを作るのが重要です。ルーティーンが設定されていれば、何となくで一日を過ごすこともありません。「9時から営業に出て18時には退社する」「16時には帰社し18時までに翌日の資料を仕上げる」などの日課を決めておくと良いです。ポイントはゴールから逆算してルールをつくりましょう。無駄な行動がそぎ落とされていきます。

まとめ

営業生産性は一人の社員がいかにパフォーマンスを上げられるか重要な指標です。結果的に個人だけでなく、会社全体の業績向上にもつながります。そのためにも、目的とゴールの明確化を行い、行動・資料管理を徹底していきましょう。社員一人一人の意識が驚くほど変わるはずです。