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タレントマネジメントシステムの基本的な機能とは?選び方も解説

タレントマネジメントシステム機能

タレントマネジメントとは、従業員が持つタレント(英語で「能力・資質・才能を意味する」)やスキル、経験値などの情報を人事管理の一部として一元管理することによって組織横断的に戦略的な人事配置や人材開発を行い、特に管理職層の業務遂行や育成をサポートすることを指します。

人材が備えている能力・スキルを可視化し、そのパフォーマンスを最大活用するための戦略であり、人材の基本情報だけでなく、保有している資格や経歴といった情報を管理することで、適切な業務配置や育成の方針を決定できます。
(参考:https://www.101s.co.jp/column/talent-management/

戦略的なタレントマネジメントを実行するために、タレントマネジメントシステムは欠かせないツールとなってきています。

タレントマネジメントシステムと人事システムはいずれも人材管理に役立つシステムですが、目的や可視化する情報の種類が異なります。

従業員の勤怠や給与、採用、評価など人事情報を包括的に管理し事務業務を効率化する人事システムに対して、タレントマネジメントシステムは組織の人材情報を経営資源として、戦略的に活用することを目指すツールと言えます。

それではタレントマネジメントシステムの具体的な機能とはどのようなものなのでしょうか。

本記事ではタレントマネジメントシステムの基本的な機能と、導入時に注意するべきポイントについて説明します。

タレントマネジメントシステムの基本的な機能

弊社が提供するタレントマネジメントシステム「スキルナビ」には8つの基本機能が搭載されています。
本項目ではそれぞれの機能について詳細を説明します。

スキル管理

従業員の保有スキルや資格、評価、研修等を一元管理し、見える化する機能です。
スキルの棚卸しやギャップ分析により、最適な配置や育成計画に活用できる、汎用性の高い主要機能です。

育成施策管理

研修やOJT、資格、試験などの育成施策を計画・実施・振り返りまでを一括で管理することができます。
個人の育成計画と連動し、成長の進捗や効果測定を可視化することで社員の育成に繋げます。

キャリアモデルの達成率管理

社員のキャリアモデルに対し、現在のスキルや育成状況を可視化することで、達成率を確認・管理することができます。

データ分析・比較

従業員データをもとにスキル・成果・エンゲージメントなどを多角的に分析することができます。
個人、部署、自由なグループでの比較、複雑な分析まで可能であり、戦略的人材マネジメントが可能です。

異動シミュレーション

あらゆるデータを基にした配置転換や組織変更のシミュレーションが可能なため、異動の影響を事前に把握することができます。
これにより、スキルバランスや業績への影響を考慮した最適配置を見つけることができます。

従業員データ

従業員データは、職歴、スキル、評価、育成履歴など、項目数無制限で柔軟に管理可能です。
人材戦略や意思決定に必要な基盤データを一元管理することができます。

従業員検索

職歴、スキル、評価など複雑な条件をもとにした検索が可能です。
プロジェクトメンバーの選定や業務アサインも簡単に行うことができます。

従業員サーベイ

従業員サーベイを行うことができるほか、サーベイ結果から従業員のエンゲージメントや満足度、価値観などを定期的に可視化、分析することが可能です。

導入目的別で見るタレントマネジメントシステムの機能まとめ

導入目的機能
従業員の能力や特性に基づいた育成と配置/人材の発見と採用スキル管理
研修・試験・資格の管理育成施策管理
キャリアパスとスキル・育成進捗の確認キャリアモデルの達成率管理
組織分析データ分析・比較
最適な人材配置の発見異動シミュレーション
人材情報の統合管理と可視化従業員データ
組織の変化に対する柔軟な対応従業員検索
従業員の意見収集/組織の現状の可視化従業員サーベイ

成功を導く!タレントマネジメントシステムの選び方

ここまでタレントマネジメントシステムの基本的な機能とメリット・デメリットについて説明してきました。

本項目では、数あるタレントマネジメントシステムの中から、自社に最適なシステムを選ぶためのポイントを説明します。

導入目的はなにか

タレントマネジメントシステムには各社、強みと特徴があります。
スキルの可視化や人材育成、組織最適化など、導入の目的を明確にしたのち、目的達成に必要な機能が過不足なく搭載されたシステムを選ぶようにしましょう。

長期的な経営目標に対応できるか

目先の課題解決のために今すぐ必要な機能だけでなく、長期的な視野を持ち、将来的な事業拡大や人材戦略の変化にも対応できる柔軟性や機能があるかを確認することが重要です。

無理のない予算で導入できるか

    タレントマネジメントシステムの導入には、初期費用や月額費用だけでなく、運用やカスタマイズ、サポートにかかる費用等もかかります。

    自社の予算に対して十分な機能が搭載されているか、複数のシステムを比較検討する必要があります。

    セキュリティ体制は問題ないか

      人材情報は機密性が高いため、二段階認証、データの暗号化、IPアドレス制限、バックアップ体制など、安心して使えるセキュリティ環境が整っているかを確認します。

      官公庁を含めて幅広い業界で導入事例のあるシステムを選ぶのが望ましいでしょう。

      サポート体制が充実しているか

        初期設定やトラブル時の対応、運用支援など、ベンダーによる十分なサポート体制が整っているかは、安心して運用を続けるうえで欠かせません。

        導入前後に課題に沿ったアドバイスやサポートを提供してくれる企業を選ぶことで、導入がスムーズに進みます。

        カスタマイズ性が高いか

          自社の評価制度や育成方針などのタレントマネジメント体制に柔軟に対応できるよう、項目や機能のカスタマイズ性の高さも重要です。

          現状では難しくても、将来的に活用範囲が広げられる可能性があるかなども、確認しておくとよいでしょう。

          誰でも操作しやすいか

            従業員にとって使いにくいシステムでは、せっかく導入しても労働生産性が向上しないため、誰でも簡単に操作できるかも検討材料になります。

            普段パソコンを使い慣れていない、専門知識がない、という従業員でも迷いなく使える直感的なUIか、現場の負担にならないかが重要となるため、あらかじめ無料デモやトライアルで操作性を確認しておくとよいでしょう。

            タレントマネジメントシステムを導入するときの注意点

              次にタレントマネジメントシステムを導入する際の注意点を説明します。

              導入することによって新たな問題が生まれたり、システムを導入する目的が達成できない状態が生まれないように、下記4点には十分注意して導入を進めるとよいでしょう。

              ほかの人事制度と組み合わせる

                タレントマネジメントシステムは、導入しただけで効果がでるものではありません。

                評価制度や人材育成制度、異動・配置ルールなど、自社ですでに実施している人事制度と組み合わせ、改良を積み重ねることで、より効果的に活用できます。

                既存の人事制度との整合性を事前に確認し、統合的に設計することが重要です。

                導入を全社的に周知する

                  タレントマネジメントシステムの導入は人事部門だけでなく、全従業員に影響を与えます。

                  導入時には、なぜ導入するのか、どう活用するのかを全社に丁寧に周知し、活用に協力してもらう体制をつくることが望ましいです。

                  そうすることでスムーズな運用と定着につながり、よりシステム導入の効果を生むことができるでしょう。

                  定期的に情報を更新する

                    従業員のスキルやキャリアパスの情報は時間とともに変化します。

                    タレントマネジメントシステムの導入後も、定期的にシステム内の従業員の情報を更新し、常に最新のデータを保つことが、正確な分析や人材活用の鍵となります。

                    最新のデータを保つための更新ルールの設計など、運用の仕組みづくりを行うことが重要です。

                    運用についてPDCAを回す

                      タレントマネジメントシステムは、導入して終わりではなく、運用後に成果を確認し、PDCAを回して定期的に運用を改善していくことが重要です。

                      現場の声を取り入れながら、システム運用の課題を定期的に振り返り、必要に応じて設定や運用ルールを見直すなど、PDCAサイクルを継続的に回しましょう。

                      タレントマネジメントシステムで人材情報の管理を効率化しよう

                        タレントマネジメントシステムは、従業員のスキルやキャリア、育成状況などを一元的に可視化し、人材情報の管理を大幅に効率化します。

                        スキル管理や育成施策、キャリアモデルとの照らし合わせはもちろん、データ分析や異動シミュレーション、従業員検索、サーベイなど、多彩な機能が人事業務の質とスピードを向上させます。

                        組織の現状を多角的に捉え、人材配置や育成方針の意思決定を支援することができるため、戦略的人材マネジメントの実現にも直結します。

                        導入にあたっては、現状の人事制度との連携や情報更新体制なども考慮し、継続的に活用・改善していくことが成功のカギとなります。

                        効率化だけでなく、社員一人ひとりの力を最大限に引き出すために、タレントマネジメントシステムの活用をぜひ検討してみてください。