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属人化とは?教育・業務面でのリスクと具体的な対策をわかりやすく解説

業務や教育の現場でしばしば属人化が課題となる場面があります。

特定の個人に知識や業務が集中する属人化が起こると、一見効率的に見えても、組織全体にさまざまなリスクをもたらします。

本コラムでは、属人化とは何かという基本から、教育面・業務面それぞれのリスク、そして具体的な防止・解消策までをわかりやすく解説します。

属人化とは?

属人化とは、特定の人にしか業務の進め方やノウハウがわからなくなってしまっている状態を指します。

属人化が起こってしまうと、担当者のスキルや経験に過度に依存することで、組織全体の効率や柔軟性が低下するリスクがあります。

本項目では属人化に似た言葉や、属人化が起こる原因について解説します。

属人化の対義語や似た用語

属人化とは、業務やノウハウが特定の個人に依存している「個人依存」の状態を指します。

その対義語は「標準化」や「仕組み化」であり、誰が担当しても同じ品質・結果を出せる体制を整えることが、属人化を防ぐ鍵となります。

また、専門性を高める「スペシャリスト」とは異なり、属人化は知識や手順が共有されていない状態を指す点に違いがあります。

業務の属人化が起こる原因

業務の属人化が起こる原因として下記の4つがあげられます。

・業務が忙しくマニュアルや手順書の整備ができない

・育成に時間をかけられなく、必要なスキルを持つ人材が増えない

・ノウハウ共有の仕組が整備できていない

・業務の専門性が高く、担当者個人のスキルへの過度な依存が起こっている

これらの状態を防ぐために対策していくことが重要です。

属人化が問題視されている理由

少子高齢化や人手不足が進む中で、特定の個人に業務が集中する属人化は、担当者の不在による業務停滞や技術継承の断絶を招くリスクとして顕在化しています。

特に製造業やサービス業では、ベテランの退職に伴うノウハウ喪失が深刻化しており、組織として知識を蓄積・共有できる体制づくりの重要性が高まっています。

業務面での属人化におけるリスク

本項目では業務面での属人化におけるリスクを解説します。

担当者不在による業務停止リスク

業務が特定の担当者に依存している場合、その担当者が不在になると業務フローが適切かどうか判断できなくなり、作業が止まってしまうケースが発生します。

このように、属人化は組織全体での状況把握や意思決定を困難にし、その結果、リスク管理が難しくなり、トラブルや緊急時における対応力を低下させてしまいます。

業務手順のブラックボックス化

作業手順や判断基準が担当者個人の中に留まり、共有されないまま業務が進むと、業務手順の全体像が不透明になります。

このようなブラックボックス化が進むことで、第三者が内容を把握できず、課題や改善点を特定しづらくなります。

その結果、業務の最適化や効率化が進まなくなってしまいます。

品質のばらつきや生産性低下

人によって手順や判断基準は異なるため、成果物の品質や業務効率に差が生まれてしまいます。

経験や勘に依存した進め方は再現性が低く、安定したパフォーマンスを維持できず、結果的に納期遅延やミスの増加につながり、組織全体の生産性が低下します。

さらに品質の不安定さは、顧客や社内からの組織全体の信頼性低下を招く要因にもなります。

担当者への負担集中と離職リスク

業務が特定の担当者に集中すると、その人に過度な負担がかかり、過重労働や強いストレスを招きます。

その結果、モチベーション低下や離職率上昇につながり、後任不足によってさらに属人化が進むという悪循環を生み出してしまいます。

業務改善・引継ぎの停滞

業務が個人の経験や感覚に頼っていると、内容が言語化されにくく、引き継ぎの際にミスや手戻りが起きやすくなります。

十分な共有がなされないまま担当者が変われば、理解不足による混乱も起こりがちです。

その結果、業務改善の取り組みが進まず、非効率なやり方が残ってしまう恐れがあります。

組織としての柔軟性・対応力の低下

特定の担当者に業務が集中していると、人事異動や新しいプロジェクトへの対応など、環境変化に応じた柔軟な配置転換が難しくなります。

代替要員をすぐに立てられないことで意思決定や実行のスピードも鈍化します。

その結果、組織全体の適応力や機動力が損なわれ、市場変化に乗り遅れるなど成長機会を逃すリスクが高まります。

教育面での属人化におけるリスク

本項目では教育面での属人化におけるリスクを解説します。

ノウハウ継承の途絶リスク

教育体制が特定の担当者に依存している場合、その人が不在や異動になると教育が正常に機能しなくなる恐れがあります。

その結果、指導方法やノウハウが明文化されず、後任への引き継ぎも難しくなり、新人育成が停滞する原因となります。

さらに、技術や知識の継承がおこなわれなくなることで、組織としての専門性やスキルの蓄積の断絶につながるリスクも高まります。

教育品質にばらつきが出る

指導者ごとに教え方や評価基準が異なると、新人の育成スピードや習熟度にばらつきが生じます。

属人化した教育では、同じ内容でも理解度や定着度に差が出やすく、一定水準のスキルを持った人材を安定的に育てることが難しくなります。

その結果、組織全体の教育品質が不安定となり、業務の標準化や効率化にも影響を及ぼす可能性があります。

属人化が起こりやすい・起こしてはいけない業務

属人化にはさまざまな弊害があり、どれも属人化を防いだ方が良いですが、特に影響が大きくなりやすい業務があります。

例えば、経理や人事などのバックオフィス業務、情報セキュリティ業務、顧客対応業務は、停滞やミスが組織全体の信用に直結します。

また、トラブル対応やプロジェクト業務も個人依存が強まるとリスクが拡大しやすく、早期の標準化と共有体制の整備が不可欠です。

属人化を防ぐための具体的な対策

ここまで属人化が引き起こすリスクについて解説してきましたが、どのようにすれば属人化を防げるのでしょうか。

本項目では具体的な対策について解説します。

マニュアル整備で業務を標準化する

業務手順や判断基準をマニュアルとして明文化することで、誰が担当しても同じ品質で業務をおこなえる体制を整えます。

マニュアル化により、作業の進め方や注意点が共有され、担当者が変わっても手順のばらつきを防ぐことが可能です。

これにより、個人依存の業務を減らし、属人化を防止するとともに、業務効率や品質の安定化にもつながります。

情報共有の仕組みを整えてノウハウを残す

個人の経験やノウハウをチームで共有できるよう、社内共有ツールやデータベースを活用して情報を蓄積・整理します。

これにより、特定の担当者に依存せず、誰でも同じ情報にアクセスできる環境をつくることができます

ナレッジの可視化と共有が進むことで、業務の属人化を防ぎ、教育や引き継ぎ、業務改善の効率化にもつながります。

教育体制をつくる

現場でのOJTに加え、体系的な研修を組み合わせることで、育成の質とスピードを高めます。

カリキュラムや評価基準を整備し、教育方法を標準化することで、担当者ごとの指導内容や水準のばらつきを防ぐことが可能です。

これにより、安定的に人材を育成できる体制が整い、教育面での属人化の解消につながります。

OJTについては下記記事もご参照ください。

スキルマップで人材・業務を見える化する

社員一人ひとりのスキルや担当業務をスキルマップで一覧化し、チーム全体の強みや課題を可視化・把握します。

誰に業務が集中しているかを把握することで、偏りを防ぎ、リスクの早期発見が可能です。

また、育成計画の策定や適切な配置転換にも活用でき、組織として計画的に属人化を解消していく基盤づくりにつながります。

属人化防止に役立つツール活用法

属人化を防止するためには、さまざまなツールを活用することが有効です。

本項目では代表的なツールについて解説します。

業務を可視化するプロジェクト管理ツール

業務の進捗や担当をチーム全体で共有できるプロジェクト管理ツールは、作業の属人化防止に効果的です。

タスクを可視化することで、誰が何を担当しているのかが一目で分かり、業務のブラックボックス化を防げます。

また、遅延や負荷の偏りにも気づきやすくなり、引き継ぎやフォローをスムーズにおこなえる体制づくりにつながります。

情報共有を促進するコミュニケーションツール

SlackやTeamsなどのコミュニケーションツールを活用することで、日々の情報共有をスムーズにおこなえます。

やり取りや資料を履歴として蓄積できるため、情報が個人の中に埋もれにくくなるうえ、検索機能を活用すれば過去の経緯もすぐに確認でき、ノウハウの共有と属人化防止につながります。

属人化を解消した3つの成功事例

最後に、実際に属人化の解消を成功させた事例を解説します。

株式会社トプコン

株式会社トプコンは、申請承認業務の属人化や業務停滞を解消するためにワークフローシステムを導入しました。

誰でも使いやすいUIと内製化しやすい設計を活かし、グループ全体でDXを推進。

さらにマルチデバイス対応により、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現し、属人化の解消につなげています。

株式会社テレビ朝日

株式会社テレビ朝日は、ワークフローシステムを導入し、紙ベースで属人化していた申請業務をデジタル化しました。

これにより業務の効率化・標準化を進めるとともに、オンライン上で申請・承認が完結する仕組みを整えることで、テレワークにも柔軟に対応できる体制を実現しました。

ドリコ株式会社

ドリコ株式会社はワークフローを導入し、アナログで運用していた帳票業務をデジタル化しました。

これにより申請・承認プロセスを可視化し、全社的な業務効率化を実現。

属人的になりがちだった知識や手続きを標準化・共有することで、継続的な改善が可能な体制を構築し、組織全体の生産性向上につなげています。

属人化を防ぐためにはツールを活用しよう

属人化を防ぐには、情報やスキルを見える化し、組織で共有できる仕組みづくりが欠かせません。

スキルナビは、従業員一人ひとりのスキルや経験をデータとして一元管理し、育成・配置・評価に活かせるスキルマネジメントシステムです。

スキル情報の属人化を防ぎ、戦略的な人材活用を実現したい方は、ぜひ詳細をご確認ください。