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HRテックの導入成功事例5選を徹底解説

HRテックの導入成功事例5選

近年、HRテック導入企業が右肩上がりで増えています。会社全体の効率化に向けて、少しでも自動化に頼る動きが出てきたからです。実際、導入企業は人事における悩みが限りなく少ないと言えます。ではHRテックが注目されている理由は何でしょうか。今回は導入企業の成功事例をもとに解説していきます。

HRテックとは?

HRテックとはHR(人的資源)とテック(科学技術)を組み合わせた言葉です。担当者が行っている人事評価・採用・出退勤管理などをAIに任せ、業務効率化及び問題解決に向けた動きとなります。日常業務を見渡すと自動化可能な仕事もあるでしょう。例えば、給与計算や人事評価集計などです。人が行わなくても十分代わりが利く仕事であり、なによりもミスが圧倒的に少なくなります。人事業務においてミスは致命的で、信頼を損ないかねません。加えて、近年では人事評価も人工知能に頼る企業が増えています。評価項目や昇給昇格基準をAIに任せてしまえば、より質の高い社内評価システムが完成するからです。いずれにせよ、マンパワーで行える範囲に限界がきているのも事実。HRテックを導入して企業改革を目指すのも良いでしょう。

HRとは何か?

HRはヒューマンリソースと呼ばれ、人的資源と訳されます。企業の人事部と混同されやすいですが、HRは人事部よりも作業範囲が多岐に渡るのです。例えば、企業ビジョンに沿った人事戦略や組織開発など、人事部の枠をこえた業務を行います。とくにHRにとって重要なのは人事戦略でしょう。「営業部にはどんな人材が必要か?」「企業の未来を担える人材をどうやって育てるか?」「一番合う部署はどこか?」等を会社の方針に沿って決めていきます。適切な人材配置や採用を行えば、本人もモチベーション高く仕事に取り組めるのです。結果的に離職率が下がり、優秀な人材の確保につながります。さらに、組織開発もHRの重要な役割です。従業員同士の関係や部署の問題に着目し、課題解決に努めていきます。そのためにも、従業員一人一人が満足して働くために視野を広げる必要があるでしょう。以上のように、HRは企業全体の「人」に関わる業務に取り組みます。仕事内容が広範囲に渡るのは念頭に置いておきましょう。

HRが注目されている理由

HRが注目されている一番の理由は人材業界の変化でしょう。近年は売り手市場と呼ばれ、優秀な人材確保が困難であるのも事実。多くの企業は優れた人材を狙うよりも、既存社員の育成や配置転換に舵を切ったのです。適材適所でモチベーション高く働けば、優秀な人材を獲得するよりも貢献度が高いです。また、各従業員の働く目的も変化しています。現職場で長く働くよりも、やりがいやスキルアップに重点を置いているのも事実。終身雇用や年功序列が徐々に崩れている背景もあるでしょう。そのため、働きがいのない環境だと退職率増加の可能性もあるのです。社員の能力を見極め、力を最大限引き出せる職場づくりが必要になりました。このように、人材業界の変化と働く目的の変化により、昨今HRに関心が向けられています。人材問題で悩む企業はあらためて人的資源について見直してみましょう。

HRテックを導入している企業事例

HRテックの導入事例は以下のとおりです。

株式会社日立製作所

最初に紹介する導入企業は株式会社日立製作所です。日立製作所は家電のHITACHIでもお馴染みである世界を代表する電機メーカー。HRテックを導入した背景には類似タイプの人材採用問題がありました。海外法人含めた世界規模の従業員を抱える日立製作所は、似た系統の社員が大半である問題に直面。会社が価値観の近い人材を追求したばかりに成長が鈍化したそうです。そこで日立製作所はHRテックを駆使し、タイプ診断を導入。社内に少ないタイプを積極的に採用し、新陳代謝を図っていきました。結果、今までにない新たなアイディアがうまれ、価値観の融合が実現したのです。現在も家電業界を代表するメーカーなのは変わらず、斬新な電化製品が登場しています。そんな活躍の裏にはHRテック導入があったと言えるでしょう。

ソフトバンク株式会社

続いて紹介するのはソフトバンク株式会社です。ソフトバンクは携帯電話に代表される大手電気通信企業。HRテックを導入した裏には人材採用の効率化があります。ソフトバンクへの応募者は年間3万人とも言われ、多大な人的資源を費やしてきました。採用の負担は年を追うごとに増加。ときには採用におけるヒューマンエラーも多発したそうです。例えば、本来の狙いとは異なった人材を採用したり、入社後に早期退職したり。採用業務を人でまかなうのに限界がきたのです。そこでソフトバンクはエントリーシートをAIに頼りました。過去の応募エントリーシートを読み込ませ、自動判断する機能を採用。会社が理想とする人材だけを効率良く通過させました。結果、今までエントリーシート評価業務に使っていた約8割の時間を削減させたのです。ソフトバンクが優秀な人材を獲得し続ける背景にはエントリーシートの自動化がありました。

株式会社サイバーエージェント

次に紹介するのは株式会社サイバーエージェントです。サイバーエージェントは言わずと知れたインターネット広告企業。HRテックを導入した背景には適材適所の人材配置があります。企業の売上増加に伴い、社員数も右肩上がりに伸びていきました。そこで、より個人の力を最大限発揮できるよう「人材化学センター」を新設。HRテックに特化した部署を立ち上げ、人的資源の効率化を図ったのです。とくに全社員に向けたアンケートはサイバーエージェント独自のシステム。簡単な項目に沿って5つの回答(最も良い・良い・普通・悪い・非常に悪い)を用意し、社員の現状をリアルタイムに把握します。質問内容には「パフォーマンスをいかんなく発揮できているか?」「職場環境は良いか?」などがあります。回答内容をデータ化し、人材配置の見直しを行っているのです。結果、適材適所の取り組みは上手くまわり始めたそう。日本を代表するIT企業ならではの施策と言えます。

NTT東日本

最後に紹介するのはNTT東日本です。NTT東日本はこれまでとは一風変わったHRを導入。「Orihime(オリヒメ)」と呼ばれる人型ロボットを採用しています。在宅勤務導入企業が増え続ける中で、NTT東日本はコミュニケーション不足に直面しました。「顔を見て会話しないため、本音が分からない」「出社していない分評価につながりにくい」「家の業務内容を把握しづらい」などの問題が発生。意思疎通の点で悩みを抱えていたのです。そこで、在宅勤務社員の表情・感情・動きを認識させ、社内に本人類似のロボットを常駐させました。ロボットは会議や商談にも参加でき、まるで本人が実在するかのよう。在宅勤務の弱点とも言われていた心身の距離感を補えました。現在は実証実験程度に留まっているものの、将来は会社の大半をロボットが占める時代となるかもしれません。

まとめ

HRテックは人的資源に科学技術をミックスさせた手法です。人間の手では届かない問題を解決したり、人に代わってAIが業務を行ったりしてくれます。近年、優秀な人材を確保しづらい背景からも、適材適所で人員を配置する必要があるのです。まずは自社の人事問題を見直し、是非HRテックを導入してみましょう。