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ITスキル標準(ITSS)とは?可視化・活用する方法を徹底解説! 

ITスキル標準(ITSS)とは?

会社のIT化やペーパーレス化が進んでいる日本社会において、IT技術やIT系資格を持つ人はぜひ確保したい人材です。しかし、ITスキルのレベルは明確化しにくく、「期待よりも技術や知識が不足していた」などのミスマッチも起こりやすいのが現状です。

「ITスキル標準(ITSS)」を活用すると、そうした課題解決に役立ちます。今回はITスキル標準の定義やその仕組み、具体的な活用方法を解説します。

ITSS/ITスキル標準とは

ITSSとも称される「ITスキル標準」は、IT人材に必要なスキルを体系化した指標です。2002年に経済産業省によって策定され、現在は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)内の専門機関で管理されています。高度なIT人材の育成を目的としており、人事にとっては人材育成や採用を行う際の基準となり得ます。

個人が持つスキルの数値化ができるようになり、スキルの習熟度や到達度がひと目で確認できる点で優れています。さらに、不足しているスキルを明らかにできるため、企業が人材育成に取り入れているケースも少なくありません。専門的なIT業界の知識やスキルを、個人の主観を含めず公正に評価できる点で注目を集めています。

参考資料:情報処理推進機構「ITスキル標準とは?」 

UISS、CCSF、ETSSとの違い

指標はITSSだけではありません。複数の指標がありそれぞれ評価する点が異なるため、いくつかを組み合わせて活用すると、より多角的な視点で正確な評価を下せるでしょう。

ITSS以外には以下の3つがあります。

  • UISS:情報システムユーザースキル標準

ITSSと比べてよりユーザー視点を重視しています。IT技術を使う会社にとって必要なITの知識やスキルを体系化しており、会社運営の場で活用しやすい指標です。

これにより、企業はより効率的にIT化を進め業務推進力の向上を目指せるようになりました。

  • ETSS:組込みスキル標準

ITSSよりもエンジニア向けの指標で、家電製品や携帯電話などの電子機器に入っているような、組込みソフトウェア開発に関わるスキルや知識が問われます。

「技術要素」、「開発技術」、「管理技術」の3つのスキルカテゴリを設け、それぞれのカテゴリに対して習得度に応じた4段階のレベルを設定しています。

  • CCSF:共通キャリア・スキルフレームワーク

ITSS、UISS、ETSSの3つの指標を用いる際に課題となりやすい、「各企業のビジネスモデルに合わせた活用方法」や、「人材ニーズの多様化」を解決することを目的として生まれた枠組みです。

複数の指標を参照してまとめて比較検討できるようになるため、ユーザーやシステム開発といった評価視点に限らず総合的な視点で評価できます。

ITスキル標準が策定された背景と目的

2002年に経済産業省によって策定されたITスキル標準。策定の背景にはIT産業の急成長や企業のIT化があります。

2000年代以前から発展を始めたIT業界では、専門性の高いIT技術者の需要は高く、さまざまな顧客ニーズに応えられる技術者が求められていました。また、IT技術を導入している企業は業務の効率化や正確な数値分析が可能になり、IT化を進めていない企業との競争力の差が生まれるようになったのです。そのため、多くの企業が高度IT人材の獲得や育成、システム体制の見直しを迫られました。

しかしIT人材の獲得や育成において、IT技術に対する知識がなければ、必要なスキルを持っているかを正確に判断するのは簡単ではありません。そこで、客観的な視点から過不足なくスキルレベルを測れる指標として策定されたのがITスキル標準(ITSS)です。

経済産業省が明確に指標化したことで、企業は自社が求めているスキルを明確にして、適切なスキルを持っている人材の採用や育成に取り組めるようになりました。さらにIT人材は、より高いレベルを目指してスキルアップするための目標として活用されています。

ITスキル標準の定義とは

ITスキルと聞くと、パソコンやソフト、システム開発などのIT業界に関わる専門知識と専門技術を想像するかもしれませんが、それだけではありません。資格や知識を持っているからといって、実務でその力を発揮できる能力があるかどうかは分からないからです。「スキル」が指す範囲は、専門性のほかにリーダーシップやマネジメント能力、教育指導能力などのヒューマンスキルも含んでいるのです。

そのためITスキル標準では、実際に会社でIT技術を活かして活躍できるかどうかをも判断できます。「達成度指標」を設けることで、視覚化しにくいヒューマンスキルも客観的に評価できるようになっています。

ITSSが規定する7段階のレベル評価

ITスキル標準(ITSS)は、IT系知識と能力を持つ高度な人材として活躍できるかを確認できるように、レベルを7つに分類しています。判断基準がまとめられているため、客観的に人材の到達度を判別する際に活用できます。

これからの時代に欠かせないIT人材を獲得および育成するにあたって、自社に必要なレベルを明確にしておきましょう。

ITSSの7段階レベル

個人に合わせてレベルを判断するのは、慣れないうちは難しいでしょう。判断がブレてしまわないように、しっかりと内容を理解しておくことが大切です。また、内容を理解した上で、はっきりとした判断基準を持つことで、正確な評価が可能となります。

ここでは評価の参考になるように、それぞれのレベルについて詳細に解説します。

  • レベル1

エントリーレベルです。業務未経験の人や、新卒採用者などが該当します。必要最低限の知識を持っている状態なので、実務ですぐに活躍できるほどではありません。レベルアップを目指して、積極的な勉強の必要があるとされています。

この段階に到達していると判断できる資格は「ITパスポート試験」です。その他、「LPICレベル1」や「情報検定(J検)情報活用試験」などを保有していると、レベル1には達していると判断できるでしょう。

  • レベル2

ミドルレベルであり、ある程度簡単な作業であれば担当できる程度の知識とスキルがあります。実務では上長の指示監督下での作業が必要で、一人で業務をこなすには不十分だといえるでしょう。

「基本情報技術者試験」「情報セキュリティマネジメント試験」などの資格を持っていると、到達していると判断可能です。

  • レベル3

ミドルレベルですが、レベル2よりも高度なスキルを有しています。仕事を一人でこなせるようになっている段階で、基本知識に加えて応用知識も持っています。

この段階は「応用情報技術者試験」「マイクロソフト認定システムエンジニア(MCSE)」などの資格保持者が該当します。

  • レベル4

ここからハイレベルだといえます。専門とする業務が定まって「高度IT人材」として後進育成にも取り組める能力を有します。

「高度情報処理技術者試験」「情報処理安全確保支援士」といった資格を持っていると、レベル4に到達していると判断可能です。ただし、試験の合格だけでなく、実務経験も評価の指標に加えられます。

また、「ITコーディネータ」や「オラクルマスター(プラチナ級)」なども同レベルだといえます。

  • レベル5

企業のハイエンドプレイヤーとして活躍できるレベルです。誰かの指示で動く立場から、指示を出す立場となって、社内のメンバーを牽引していける人材だといえるでしょう。

「ITストラテジスト試験」「プロジェクトマネージャ試験」「システム監査技術者試験」が、このレベルだと判別できる資格とされていましたが、資格の有無以上に実務経験が重視されます。

  • レベル6

スーパーハイクラスに該当するレベルであり、企業内のみならず日本にとって欠かせない人材といえます。

テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造する立場として、多くのメンバーを牽引していける知識と能力を有しています。

このレベルの判断は難しく、豊富な知識だけでなく、多くの実務経験を積んでいる必要があります。実務経験の豊富さや、プロジェクトのリーダー経験の有無などから、総合的に判別するようにしましょう。

  • レベル7

最も高いレベルの人材です。世界的に活躍できるIT人材としての素養を持っていると判断できるレベルなので、該当する人材は多くありません。

豊富な知識と実務経験はもちろん、世界基準の知識も有している必要があります。先進的かつ革新的なITサービスの開拓および市場化を実現できる人材です。

ITSS習得にお勧めの資格試験

ITSSレベルに応じた資格を紹介します。

ITSSレベル1:ITパスポート試験

ITSSレベルは「1」で、ITを使う機会のある社会人や学生が日常で活用できるような基礎知識を網羅している初心者向けの資格です。

情報処理技術者検定の中でも簡単な資格試験であり、2009年から実施されている国家試験です。試験範囲はテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3分野で、技術だけでなく管理や経営的視点の基礎が問われます。

ITSSレベル2:基本情報技術者試

ITSSレベルは「2」です。1969年から実施されている国家資格であり、IT技術の利用と活用に関わる基礎知識が出題範囲です。

高度IT人材として必要な知識と技能が身に付いており、実務に活用できる人物を対象とする試験であり、知識や経験もない全くの初心者が受けるというよりは、ある程度実務経験がある人向けの資格試験だといえます。

ITSSレベル3:応用情報技術者試験

ITSSレベル「3」に該当する資格試験です。これも国家資格の一つであり2009年から実施されています。

高度なIT人材に必要な、応用的知識と技能が問われる試験であり、より専門性が高い出題内容となっています。個人の得意分野や専門分野から自らの方向性を確立した人が対象なので、ある程度の実務経験がある人向けです。

ITSSレベル4:ITストラテジスト試

ITSSレベル「4」であり、企業で活躍するための実務能力に重きを置いています。国家試験として2009年から実施され、企業に貢献するITの専門的知識と技能を持ち、かつIT関連の戦略を策定する能力が問われます。

ビジネスの現場で必要な能力を総合的な視点から評価される試験であり、高度IT人材としての実績が求められます。

ITSSレベル4:プロジェクトマネージャ試験

1995年に開始した、ITSSのレベル「4」に該当する国家試験です。企業の経営戦略に沿ったプロジェクトの推進が可能な人材であることを証明します。

プロジェクトに関わる品質や納期、コストなどあらゆる課題をクリアする能力が問われます。

ITSSが分類する職種(スキルマップ)

ITSSが分類する職種

画像引用元:情報処理推進機構|ITスキル標準とは?-キャリアフレームワーク

ITSSが分類する11の職種を紹介します。

マーケティング

市場動向を分析し、多様化する顧客ニーズに合わせた事情展開を企画するマーケティング職種。立案から実行、実行後の数値分析から施策の改善提案などを行います。

変化する市場動向と、ターゲットとする顧客層の潜在ニーズを正確に捉えた戦略を立てる必要があります。

セールス

顧客が抱える問題に対して、解決策や問題解決に役立つツールやサービスの提案および提供、支援などを行います。

顧客にとって有益な提案を実行し、良好な関係づくりに尽力することで顧客満足度を高める必要があります。

コンサルタント

顧客のビジネス戦略や顧客が掲げているビジョンの実現に対して、知識やメソッドを活用して提案や助言を行うコンサルティング職種です。

IT化に伴うシステムの提案や導入時期、導入段階などの助言を行うため、専門的知識のほか経営目線での思考力が求められます。

ITアーキテクト

ITアーキテクチャの設計を行います。企業戦略を理解しシステムに反映させるための深い顧客理解と経営目線が求められます。

設計から実装、その後正常に稼働しているかどうかの評価も行うため、顧客の経営戦略の実現にとって重要なポジションに位置しています。

プロジェクトマネジメント

顧客のプロジェクトマネジメント業務を行います。企業戦略に沿った企画立案からコストなども加味した進行計画、進捗管理、クオリティ管理など、プロジェクト全体に対して責任を持ちます。

プロジェクトに関わる人や部署、会社が多いほど管理が難しく、納期遅れなども想定したリスクマネジメント能力も求められます。

ITスペシャリスト

ソフトウェアやハードウェアにおける専門性の高い知識と技術をもって、顧客に最適なシステム基盤を提案、構築します。

設計から導入だけでなく、障害発生時などデータ復旧やシステム復旧が可能かという回復性や、システム障害が発生せずに使い続けられるかといった可用性も問われる職種です。

アプリケーションスペシャリス

アプリケーションの設計から開発、テスト、保守業務、品質管理を行います。

テストや保守業務では、開発後の機能性や利便性、回復性を確認および改善していくため、開発後もスペシャリストとして関わりが必要です。

ソフトウェアデベロップメント

ソフトウェア製品の企画から設計、開発を実行します。企業のマーケティング戦略に沿った製品開発が求められる職種で、開発後の実効性や機能性に問題ないかなどの確認も必要です。

高度なIT人材であれば、製品が関わる企業戦略の立案やコンサルティングを行う場合もあります。

カスタマーサービス

顧客が導入したIT関連の製品に対して、必要に応じた修理や保守を担当します。

定期的なヒアリングや聞き取りを行うほか、問い合わせ対応の窓口となるなど、顧客の課題を解決する役目を担う職種です。

ITサービスマネジメン

ITシステム全体を俯瞰して、サービスレベルの底上げを目指します。運用やリスク管理、安定した稼働ができているかなどを管理および改善します。

システムの安定稼働のために情報収集や分析を実施する職種です。

エデュケーション

IT人材育成のため、培ってきた専門知識や経験を活かして、研修内容の設計や運用と評価を行います。

顧客が求めているスキルを分析した上で、顧客ニーズに合ったスキル習得を目指して研修内容を検討することが重要です。

新しいスキル標準

DX化が進み、リモートワークを導入する企業が増加している昨今、IT人材の需要は高まりをみせています。

IT人材に求められるスキルはますます高レベルとなり、「学び直し」の重要性が見直されてきました。

それを受けて情報処理推進機構(IPA)は、2019年11月25日に「ITSS+(プラス)」を発表しました。この新しい基準について、具体的に解説します。

ITSS+(プラス)とは

「ITSS+(プラス)」は、今後より一層必要になるであろうIT人材の「学び直し」を目的に定められました。既存の内容をベースとしながら、これからの時代に求められるより高度な技能や能力を加えたものです。

ITSSとの違いは、改訂によって追加されたスキルの有無です。基本的な内容は変わらず、IT技術者の教育および訓練のために使う評価基準として扱われます。

既存のものでは不十分になりそうなスキルや時代の変化に対応するために必要となるスキルが追加されたという意味で、「ITSS+」は「ITSS」を補完する役割を持っているといえるでしょう。

追加されたのは、以下の4つのスキル領域です。

  • データサイエンス領域
  • アジャイル領域
  • IoTソリューション領域
  • セキュリティ領域

個人のレベル達成度は、既存の「共通レベル定義」に当てはめることで評価できます。能力値だけで評価するのではなく、個々の経験や実績、活動価値などを踏まえた総合的な判断が求められます。

参考資料:情報処理推進機構|ITSS+(プラス)概要

ITSS+(プラス)の領域

ITSS+において改訂された4つの領域について、それぞれ解説します。

  • データサイエンス領域

第四次産業革命を迎える今、ビッグデータやAIのような人工知能の開発が進んでいます。そのため、大量のデータを測定および分析し、その結果を効果的に活用するスキルの需要が高まっているのです。

この領域の策定は、IPAと一般社団法人データサイエンティスト協会のスキル定義委員会との協業で実施されました。

一般社団法人データサイエンティスト協会が公開している「スキルチェックリスト」を利用して、この領域で必要となる技能を確認できます。

ここで必要とされるスキルは、大きく分けて3つあります。

それは「ビジネス」「データサイエンス」「データエンジニアリング」です。

「ビジネス」は、事業や企業の課題を発見してデータサイエンスを利用して解決するスキルだといえます。「データサイエンス」は、大量のデータを分析して予測や分類を行うスキルです。そして、「データエンジニアリング」は、インターネット上の膨大な情報から必要なデータを収集、加工するスキルを指しています。

  • アジャイル領域

アジャイル開発のベースにあるマインドや原理原則、業務を進める際の工程、開発者に必要なスキルが記載されている領域です。

アジャイル開発とは、トライアンドエラーで開発を進める手法です。計画から実装とテストまでの工程を繰り返し、システムを提供しながら開発を進められるので、モバイルアプリなどで特に導入されています。

この手法に対する認識や理解度が浅いことから、アジャイル領域が追加されました。

この領域における特別なスキルは明記されていません。そのうえで、この領域で活躍できるのは「プロダクトオーナー」「スクラムマスター」「開発チーム」の3つの役割だとされています。

この領域のスキルを習得すれば、アジャイル開発事業を主体的に引っ張っていける人材やチームになるため、必要な知識やマインドを身につけられるでしょう。

  • IoTソリューション領域

システムやソフトウェアなど、さまざまなIT製品を販売するITベンダーには、さまざまな知識やスキルがあります。

ビジネス上の課題を解決することを目指したIoTソリューションにおいては、ITベンダーが自らの役割を自覚し、必要なタスクを認識している必要があるという考えから、この領域が追加されました。

従来は、コスト削減や省力化に必要なスキルが定義づけられていました。改訂後は現状維持だけでなく、より高い価値を創出するためのスキルが必要だとされています。

この領域において必要な人材(役割)は、以下の9つです。

・ビジネスストラテジスト

・アーキテクト

・データサイエンティスト

・セキュリティエンジニア

・プロジェクトマネージャ

・ネットワークスペシャリスト

・アプリケーションエンジニア

・エッジ/組込みエンジニア

・サービス運用マネージャー

企業によって役職名は変わりますが、これらはIoTソリューション領域において欠かせない人材となります。

  • セキュリティ領域

企業にとって最も注力すべきといえるのがセキュリティ対策でしょう。近年は、セキュリティ対策不足による顧客情報の漏洩や、情報の悪用が取り沙汰されるケースがあります。

情報漏洩は企業の信頼を失う事態であり、顧客にも多大な迷惑がかかります。セキュリティ人材の育成や対策システムの構築に取り組むことは、企業にとって欠かせません。

改訂されたセキュリティ領域では、対策時に必要な業務や知識、技能がまとめられています。既存のITSSと大きな変更はありませんが、情報リスクストラテジに関する記述が追加されました。

セキュリティの知識は、セキュリティ人材のみならず、企業の情報を扱うすべてのIT人材にとって必要です。この領域の知識や技能を知ると、IT人材の学び直しや意識改革につながるでしょう。

ITSSを組織で運用する際のポイント

運用時のポイントは3つです。

導入目的の明確

ITスキル標準はさまざまな目的で活用できる指標です。目的としては、会社の社内体制の改善やIT化推進、従業員一人ひとりのモチベーションアップのためなどがあります。

せっかく導入したITスキル標準を活用しきれない状況を避けるため、導入する際には明確に導入目的を定めると良いでしょう。

社内一体でプロジェクト化

トップダウンで実施するよりは、人事や総務、現場の開発担当者や営業など、ITスキル標準の導入に関わりのある全部署によりプロジェクトとして導入を進めるのが理想的です。

当事者意識を持たせて社内一丸となって取り組めば、導入後により一層の効果が期待できます。

運用フローの制定

導入後も継続して運用できるような社内体制を定め運用フローを制定しておきましょう。スキルマップを作成して、従業員一人ひとりのスキルが確認できる状態を保ち定期的に更新することが重要です。

継続的な運用は、社内のIT人材の可視化と今後の経営戦略や人事戦略に役立つでしょう。

力量管理についてはこちら↓

ITSS活用による人材育成の方法

2つの活用方法を紹介します。

採用・人材育成方針を経営戦略に基づいて制定

採用方針および人材育成の方針を定める際は、会社の経営戦略に沿った内容かどうかを十分に検討しましょう。10年後や20年後の会社の姿を定め、その実現のために必要な人材を明らかにするのです。

会社の未来を見据えて必要な人材とスキルを明確にし、実際の育成計画を立てましょう。

計画的な育成計画の作成

ITスキル標準を参照して、段階的にレベルアップを目指せる育成計画を作成すると良いでしょう。各レベルに求められる知識やスキルを順を追って習得できるため効率的な成長が望めます。

そのためにはまず現状のレベルを正しく把握する必要があります。その上で個人に合わせた育成計画を作成しましょう。

ITSSを活用しましょう

ITスキル標準はITスキルや知識の習得度を可視化できる指標として、社内のIT人材の育成や採用の現場において活用できます。

レベルに応じた資格試験の取得は従業員にとってもモチベーションにつながります。導入の目的に合わせた効果的な運用を継続していくと良いでしょう。