Googleやメルカリで導入されるOKRとは?導入メリットやGoogleの導入事例を紹介
日本の多くの企業では目標管理の方法としてMBOを採用しているところが多いですが、最近、新しい目標管理手法が誕生しました。OKRは、従来の目標管理とは異なった手法になりますが、一体どんな手法でしょうか。今回は、OKRの説明とメリット、導入の手順や、google、メルカリ、amazonでの導入事例まで紹介します。
OKRとは
OKRとはインテル社のアンディグローブ氏が開発した目標管理手法になります。「Objectives and Key Results」の頭文字からとった言葉で、「目標Objectives」と「主要な結果Key Results」がセットになります。企業の目標と従業員個人の目標が深く結びついており、目標設定~評価までを数か月の早いスパンで行うことが大きな特徴となります。
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OKRを採用するメリット
OKRを採用することで以下の利点があります。
企業目標の伝達が可能
個人と企業の目標が深くリンクしているため、目標設定を通して会社が進みたい方向性を示すことが可能になります。企業が掲げる目標と、従業員の目標に矛盾が生じにくくなるため、社員一丸となって会社の示す方向に進んでいく事ができます。
コミュニケーションの活発
チームでの目標や従業員同士の目標が共有しているため、スムーズに目標に向かっていく事ができます。お互いの目標を把握していることにより、協力体制をとることができ、コミュニケーションを活発にとることにつながります。
タスクの優先順位が明確になる
従業員みんなが目標を把握しているため、注力すべきタスクが明確になります。例えば「3か月後に売り上げを50%伸ばす」という目標だった場合、営業部が目標を達成できるように他の部署も協力してくれるようになります。
OKR導入時のポイント
OKRを導入するときには、いくつかのポイントを押さえておくと、効果が発揮できます。
ストレッチゴールの設定
OKRの大きな特徴の一つは、目標を決める際に達成できるかわからないくらいの高い難易度の設定を行う事にあります。振り返り時に6~7割ほどの達成ができたらクリアしたと考えます。これは、高い目標を設定することで、チームのやる気を出し、目標達成を通して成長を促進させるからです。確実に達成できるような目標は、低すぎる目標として適さなくなります。
Key Resultをスコアリングする
ひとつのObjective目標に対して3つのKey Result主要な結果を設定します。googleで行っているスコアリング手法は、主要な結果であるKey Resultsの達成度を0から1.0で表します。そのため、一つの目標に対して3つの主要な結果の平均値が達成度になります。これにより、設定した目標が適切な難易度であるかの確認も可能になります。
人事評価とは別に考える
OKRは、あくまでも目標管理の方法になるため、達成度の結果を人事評価に用いてはいけません。評価に組み込んでしまうと、評価を上げるために、目標を達成しやすいものに設定されたり、従業員が全力投球しなくなってしまい、OKRとしての効果を発揮できなくなります。
MBO、KPIとの違い
MBOは現在の日本の企業で最も多く取り入れられている手法になります。一年から半年ごとに評価を行い、目標達成度も100%で設定されます。人事評価にも用いられるのでOKRとは大きな違いがあります。KPIは、重要業績評価指数ともいわれており、部署内での目標設定時に使用されます。KGIまでの中間目標であり、数値で表される目標が設定されます。
OKR導入の手順
ここで、OKRを取り入れる手順を説明していきます。
①企業理念を確認
OKRを設定する際に、組織が最終的にどこに進みたいかを明確にするため、最初に企業理念や経営目標を確認します。全社会議を開いて経営理念を再確認することで、後に決める「目標」や「主要な結果」を決定しやすくなり、従業員も目標に向かって進んでいけるようになります。
②背景の明確化
OKRを導入する目的や、導入することで解決したい課題、機能と効果について従業員に説明をします。また、運用方法についても全社員が理解できるように周知する必要があります。その際に上から一方的な告知をするのではなく、社員からの質問を受け付けて従業員との意思疎通を図るようにしましょう。
③組織のOKRを設定
周知が完了したら、まず会社全体としての目標(Objective)をいくつか設定します。目標は60~70%達成できそうな難易度の高いものにします。また、各目標に対して約3つの主要な結果(Key Results)を定めます。主要な結果は具体的で、数値で表せるなどの客観的なものにすると良いでしょう。
④チーム、個人のOKRを設定
会社全体のOKRが決定したら、それらとリンクするようなOKRの設定をチームや部署ごとに定めます。チームごとのOKRが決まったら、それに基づいて、各従業員ごとにOKRを決めます。全員のOKRが確定したら共有し、チームや従業員全体でシェアできるようにしましょう。
⑤評価し、更新する
OKRの評価スパンは数か月という大変短いものです。四半期ごとに振り返りを行い、結果はどうだったのか、目標をどれくらい達成できたのか評価をします。また、途中で、設定した目標が適しているか、時代の流れに逆らっていないか検証し、変更する必要があればその都度柔軟に変更していきます。
OKR導入事例
ここでは実際に導入している企業の事例を紹介していきます。
GoogleではOKRにその従業員の価値観や信念が組み込まれているため、OKRを通じてその従業員の人となりがわかるようになっています。また、上司との面談を頻繁に実施していて、従業員のOKRを常に把握できる状態にしながら、コミュニケーションを活発に行っています。
メルカリ
それぞれのチームの目標を理解し、共有を深めるために、半年ごとに合宿を開催しています。その時に会社としてのOKRも全社員からの意見を参考にし設定しています。また、3か月ごとに従業員との面談を行いOKRを見直しています。評価を行う際にはMBOとOKRを両方取り入れています。
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OKRは企業の成長の助けになるような新しい画期的な手法として取り入れられ始めています。しかし、OKRをはじめとした目標管理を行うには、システムでの運用が便利に行えます。スキルナビでは多様な目標管理はもちろん上司との面談履歴の管理まで可能です。この機会に検討してみてはいかがでしょうか。