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行動評価とは?能力評価項目との違いや評価メリットを徹底解説

行動評価とは?

近年、人事評価において行動評価を重視する企業が増加中です。能力評価項目に変わる評価制度として、成長著しい会社の大半が活用しています。では、行動評価とは一体どんな手法でしょうか。今回は行動評価項目で評価するメリットや導入手順までを紹介していきます。

行動評価項目とは

行動評価項目は別名「コンピテンシー評価」とも呼ばれ、社員の能力が正しく発揮されているか評価できる項目です。社内で結果を出した社員の行動をモデルとし、各社員がモデルの基準をどれだけ達成しているかを判断します。社員の成長度がリアルに伝わるため、導入企業が増加中です。

⇒能力評価について詳しく知りたい方はこちら

従来の能力評価項目と行動評価項目の違いについて

従来の能力評価項目と行動評価項目の大きな違いは「過程」にあります。例えば、従来の能力評価項目は「営業目標100万円達成できたか」が重要でした。一方、行動評価項目は「100万円達成するために200件訪問したか」が評価の対象となります。目標をクリアするための行動を重視しているのが行動評価項目の特徴です。

行動評価項目で評価するメリットや効果について

行動評価項目を採用すれば、以下のメリットや効果があります。

公平かつ納得につながる評価が可能

行動評価項目は目に見える業績だけでなく、個人の行動までを分析するため評価が公平です。目に見えない努力まで正しく評価されるため、社員のモチベーションアップへとつながっていくでしょう。

経営ビジョンの浸透

行動評価は企業が本来のビジョンを浸透させる効果もあります。理想とする社員の行動を項目に組み込めば、会社が正しい方向に進めるキッカケとなります。「社員がビジョンを達成するにはどんな行動を取ればいいか?」を常にイメージしていきましょう。

組織全体の成果や業績につながる

社員の行動が伴っていれば個人業績につながり、結果的に組織全体の成果へと結び付きます。反対に、能力評価に偏った評価を行えば、短期的に成果が出ていても社員の成績もいずれ落ちてくるでしょう。正しい行動は5年後・10年後着実に組織全体の成果へつながっていきます。

人材育成が効率的

行動が項目として明確化されているため、人材育成が効率的です。上司が部下に行動を徹底的に指導する必要はなく、トップは社員が行動評価項目に沿ったアクションができているかを確認するのみ。育成に掛ける人件費も削減できるため、企業にとっては業績と合わせて一石二鳥と言えます。

離職防止につながる

見た目の成績だけで評価されるだけではないため、社員のモチベーションは上がり続けます。結果的に離職防止につながり、優秀な社員を確保できるのです。デキる社員が集まれば業績アップやさらなる優秀な人材の確保につながるでしょう。

評価者によるブレが少ない

行動評価は企業の問題になりがちな評価者によるブレが少ないです。行動の評価項目がきめ細かく記されているため、評価者の独断による偏った評価がほぼありません。故に社員のやる気へつながり、組織全体の評価へとつながります。

コンピテンシー(行動特性)の行動評価項目を決めるポイントとは

コンピテンシーの行動評価項目を決めるポイントは以下のとおりです。

達成やアクション

一般的に行動評価項目を決める上で、達成やアクション項目が大きなウェイトを占めます。「課題に対してどんなアプローチを行ったか?」「何の施策を打ってきたか?」などの項目を入れてみましょう。社員個人の努力がハッキリと分かる形がベストです。

支援と人的サービス

支援と人的サービスは社内外コミュニケーションの図り方を示した項目です。「メールのレスポンスは早いか?」「会話において結論が先にきているか?」などを入れると良いでしょう。意思疎通の基本が徹底されれば、業績向上も期待できます。

インパクトと影響力

インパクトと影響力は社内全体へどれだけ刺激を与えたかを示した項目となります。「魅力あるプレゼン内容であったか?」「会議で発言数が多かったか?」などを入れてみましょう。インパクトを与えられる社員が増えれば、主体性のある会社へと成長できます。

マネジメントコンピテンシー

マネジメントコンピテンシーはリーダーシップをいかに発揮できたかを判断する項目です。「部下の悩みや疑問に寄り添っていたか?」「頭ごなしに怒るのではなく問題点を解決できたか?」などが有効です。マネジメントコンピテンシーを正しく評価し、責任感のある社員を増やしていきましょう。

認知コンピテンシー

認知コンピテンシーは事実をより客観的に見れているかを示した、エンジニアやものづくりで採用される項目です。「感性だけでなく、データに基づいた分析ができているか?」「専門知識を高めて業務に活かせているか?」などを入れていきましょう。物事の核心をつける社員が育つはずです。

個人の効果性

個人効果性は職場における人間性の成長具合を反映した項目です。「成績が下降してもめげずに進んでいけるか?」「相性が合わない社員がいても仕事で成果が発揮できるか?」などがあげられます。環境適応スキルと置き換えられるケースもあり、柔軟性を見る項目として最適です。

行動評価項目の基準を決めるには

行動評価項目の基準を決めるには「共通して使う基準」「個別基準」で分けるのがおすすめです。基準を分ければ、より社員の成長と会社の業績につながるでしょう。詳細について順番に解説していきます。

共通して使う基準

共通して使う基準は組織全体の評価項目です。前述した経営ビジョンの浸透を図る狙いもあり、まずは個人よりも企業の想いが社員に反映されているかを評価していきましょう。共通基準がクリアできていれば、社内全体が同じ方向へと進むはずです。

個別基準

個別基準は共通基準とは異なり、個々に与えられた目標をどれだけ達成できたか知るための基準です。個人毎の課題を明確にし、成長スピードを見るための項目として活用できます。とくに営業などの数値目標が鮮明な職種に最適です。

コンピテンシーモデルの設計

基準を決める際はモデルの設計が重要です。以下3タイプについて順番に見ていきましょう。

理想型モデル

理想型モデルは企業が模範とする人物を想定してつくられた設計タイプです。実績が出せる非の打ち所がない社員が存在しない場合に活用していきましょう。理想を求めつつも、あくまで現実味のあるモデルを設計するのがポイントです。

実在型モデル

実在型モデルは手本となる社員を基準に設計するタイプです。理想型モデルとは異なり現存しているため、よりリアリティが出てくるでしょう。モデルをかたどるだけで良く、設計も容易と言えます。

ハイブリッド型モデル

ハイブリッド型モデルは理想・実在型モデルを組み合わせた設計タイプです。一般的には実在型モデルに企業の理想を交え、希望に近い人物をつくり上げていきます。より現実味のある理想型モデルとして、近年活用企業が増加中です。

コンピテンシー評価の導入手順

コンピテンシー評価を導入するためには正しい手順を踏む必要があります。進め方について順番に見ていきましょう。

ヒアリング

実在型・ハイブリッド型を採用する場合は、まずモデルとなる人物へのヒアリングを行います。「なぜ結果が出たのか?」「どんな過程を踏んで達成できたのか?」などを丁寧に聞き取っていきましょう。ヒアリングの質が高まれば、以降の手順もスムーズにいきます。

評価項目の作成

ヒアリング内容から実際に評価項目を作成していきます。モデルによって作成が異なるものの、企業のビジョンに沿った項目を作成するのがおすすめです。会社全体の成長に向けてより具体的に仕上げていきましょう。

目標設定

評価項目の作成が完了したら、次は目標設定を行っていきます。「顧客への訪問件数」と項目があれば「A:100件」「B:50件」などと、項目別に目標を設定していきましょう。設定する際は具体的な数字に落とし込むと社員がイメージしやすいです。

評価と行動の改善

最後は評価と行動の改善です。「目標に対してどれだけ行動ができたか?」「未達成の項目に対してどんなアプローチを行っていけばいいか?」などの立て直しが必要です。社員一人一人に合った改善方法で成長させていきましょう。

まとめ

行動評価項目は能力評価項目に変わる評価制度として採用企業が増加中です。公平かつ納得につながる評価が可能な点や経営ビジョンを正しく浸透させる活用メリットがあります。是非この機会に行動評価項目を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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