【脱Excel#1】人事評価システムとは?導入メリット、導入事例、機能、比較のポイントについて

人事評価システムとは?

人事評価システムとは、人事評価に関する業務の多くをデジタル化することによって、業務効率を改善するITシステムです。
人事評価システムを採用する企業は増えてきましたが、未だ多くの企業では、Excelを使った人事評価が行われています。
しかしながら、Excelによる人事評価は、管理が煩雑でミスも多く、多大な工数が使われる結果を招いています。

このコラムでは、このようなExcelに依存した人事評価から脱却する方法と、人事評価システムについて複数回に分けてご説明します。

図:人事評価でExcelファイルを使った管理を行っている場合

まずは、人事評価システムを導入しない場合の課題を整理していきます。

Excel(エクセル)による人事評価の課題

人事担当者・マネージャー・一般社員のそれぞれの立場から見た、Excelでの人事評価における課題をご紹介します。

人事担当者(管理者)の課題

人事担当者の課題は4つに大別されます。

ファイル管理

すべてのデータを1つのExcelファイルに入れることはできませんから、事業部・部単位・拠点単位に分割してファイルを管理しなければなりませんし、データのやり取りも、ファイルをメールに添付したり、ファイルサーバー上に置いたりするのは、とても煩雑です。

進捗管理

Excelによる人事評価管理では、人事評価のプロセスが進んでいる間、進捗状況を把握する仕組みがありません。返信のないマネージャに催促メールを個別に送るといった作業をするのはとても非効率です。

履歴管理

Excelによる人事評価管理では、人事異動や年度ごとの更新により、同じ社員の評価データが複数のファイルに分散されてしまいますので、例えば、時系列で社員のスキルが向上しているのかどうかを把握したい場合に、都度データを集めて時系列に並べる作業が発生してしまいます。

評価集計

複数のExcelファイルにまたがったデータをまとめて集計するためには、わざわざ別の集計用ファイルにまとめて計算する必要がありますし、事業部・部単位内での相対評価などに齟齬がないかを確認するのは大変です。

マネージャ(評価者)の課題

評価者としてのマネージャが直面する課題は、人事担当者とよく似ています。

マネージャは定期的に複数の部下を評価しますから、部下ごと・半期ごとに作成されるファイルの管理が煩雑で、メールでのやり取りを行ううちにどれが最新版のファイルからわからなくなるといったことが起こります。

進捗管理についても、部下とのやり取りにおいてメールによる催促を行うなど、非効率さは人事担当者と同様です。

以前から評価してきた部下だけならともかく、異動者してきた新しい部下については、過去の評価がわからないと、一貫性のある人事評価はできません。

しかし、過去のデータを入手することは簡単でなく、入手できたとしても単に評点のみの定量的なデータだけで、本当に見たい以前の評価者のコメントといった定性的なデータは含まれていないケースがほとんどです。

一般社員(被評価者)の課題

人事担当者やマネージャほどではないにせよ、評価される立場の一般社員についても、課題は発生します。

評価の過程において発生するファイルのやり取りは、面倒で、最新版のファイルがわからなくなるといった問題が起こります。

履歴管理についても同様です。自分自身が都度データを入手、保存し時系列にまとめておかない限り、過去の評価がわからず、同じような目標設定を繰り返してしまったり、自分自身がスキルアップできているかを確認することができなかったりします。

このように、Excelによる人事評価管理には多くの課題があり、人事担当者(管理者)、マネージャ(評価者)、一般社員(被評価者)のそれぞれに多大な工数がかかり、遅延やミスが出やすく、データを活かしたマネジメントも実現できないということになります。

次回のコラムでは、このような課題を解決するために必要となる「人事評価システムに求められる機能」について解説します。(→【脱Excel#2】タレントマネジメントシステム導入による脱Excel事例

人事評価システムを導入する際のポイントとは?

人事評価システムを導入する際には、以下のポイントに留意する必要があります。

1.役割に応じたアクセス権限の付与する

人事評価に関する情報は厳重に管理すべきものであり、その取扱いには機密性が求められます。そのため、社内の役割に応じて、情報へのアクセス可能範囲を変更する必要があります。また、部署によって情報へのアクセス可能範囲が異なることもあり、各ユーザーのアクセス可能範囲(アクセス権限)をアカウントによって自由に変更できるようにする必要もあります。
自由度の高いアクセス権限の設定が可能であることは、人事評価システムを導入する上では非常に重要なのです。

2.進捗管理を容易にする

人事評価の過程において、その進捗を確認するためには、メールやファイルのやり取りといった一対一のやり取りをせざるを得ません。そのため、進捗管理の工数が嵩んだり、進捗がブラックボックスになったりするかのうせいが高い状況です。人事評価システムを導入すると、人事評価の進捗管理が可能であることが多く、システム導入の大きなメリットの一つであると考えられます。

3.データを一元管理し、システム上で評価業務を完結させる

紙やExcelを用いた人事評価では、データの管理が最も煩雑で面倒部分です。しかし、人事評価業務を用いれば、データの一元管理が可能になります。データの一元管理は、集計評価の手間を減らすだけではなく、評価業務を全てシステム上行うことを可能にし、大幅な業務効率の改善を実現します。

人事評価システムに必要な機能とは?

それでは、上記のポイントを押さえた人事評価システムとはどのようなものなのでしょうか?上記ポイントを満たす人事評価システムの機能をご紹介します。

ファイル管理

人事評価システムでは、すべてのデータを1つのデータベースに格納し、組織や役割に応じたアクセス権限を設定する必要があります。

そうすることで、すべての人事担当者、マネージャ、社員がそれぞれの権限に応じた範囲の最新のデータを参照できるようになります。

進捗管理

評価データの入力や更新をデータベースに対して直接行うことで、入力や更新の発生を自動的に検知し、常に最新の状況が把握できるようにしておく必要があります。

そうすることで、人事担当者がマネージャに、マネージャが社員にメールで進捗を確認するといった作業は必要がなくなります。

履歴管理

評価情報をデータベースで一元管理し、時系列にデータを並べ替えたうえで、情報を参照できるようにする必要があります。

そうすることで、例えば、特定の社員の評価が過去どのように推移しているかを調べたり、あるいは、時系列で社員のスキルが向上しているのかどうかを把握することができるようになります。

集計評価

評価情報をデータベースで一元管理し、手作業によらず自動的に評価データの集計が行えるようにする必要があります。

そうすることで、単純な集計ミスを防ぐことができようになるだけではなく、部門間の評価データを比較して偏りや矛盾などがないかどうかを簡単に確認できるようになります。

上記機能を兼ね備えた人事評価システムとは?

それでは、人事評価システムとして最適なものはどのようなものなのでしょうか?

タレントマネジメントシステムの可能性

タレントマネジメントという言葉がトレンドになっている昨今ですが、その名を冠したタレントマネジメントシステムは、何もタレントマネジメントの導入・運用支援のためのみのシステムではありません。

タレントマネジメントシステムは、社内の人材情報を一元管理・活用することを目的につくられており、当然ながら人事評価業務への活用も想定されております。そのため、上記の4機能は搭載されている場合が殆どです。

(参考:実際にタレントマネジメントシステムを導入して人事評価業務の工数を大幅に削減した事例

図:問題解決と効率化/付加価値

ここまで、Excelを用いた人事評価管理の課題と、人事評価システム活用のポイント、タレントマネジメントシステムの可能性についてご紹介してきましたが、人事評価システムを導入すると実際に効果が生まれるのでしょうか?

タレントマネジメントシステム(人事評価システム)導入による脱Excel事例【140人日の工数削減】

タレントマネジメントシステムを導入した際の業績評価フロー

タレントマネジメントシステムを利用すると業績評価フローは次の6つのステップになります。

  1. 一般社員による目標設定
    • 年度選択
    • 対象期間選択
    • 課題・必達目標・努力目標・ウェイトの入力
  2. マネージャによる目標承認
    • 部下の目標を確認・面談して、承認/却下
    • 直属の上司および部長/事業部長の承認(ワークフロー)
    • 部下の数だけ繰り返し
  3. 業務遂行
    • 目標に沿った業務遂行
    • 中間振り返り実施
    • 目標変更が行われた場合にはワークフローに沿った承認
  4. 一般社員による業績入力/自己評価
    • 自身の実績/自己評価の入力
  5. マネージャによる1次評価
    • 評価対象者である部下の評価を目標ごとに入力(1次評価点算出)
    • 部下の数だけ繰り返し
  6. マネージャによる総合評価
    • 評価対象者の評点を並べて、SABCDで相対的に評価

ここでのポイントは、このような業務フローをExcelファイルごとに実施するのではなく、システム上の画面で実施できるので、効率的な業務遂行が可能になるということです。

Excelによる運用では、本来、人が介在する必要のないプロセスが多く発生してしまい、各プロセス間での見えないやり取りが多くの時間を浪費しています。

一方、タレントマネジメントシステムによる運用では、評価データは統合されたデータベースとして一元管理されていますので、最新のデータを全員で共有することで、無駄なプロセスをなくし、手作業によるミスも大幅に減らすことが可能になったのです。

具体的な業務効率化の効果【弊社ESIの導入事例】

ワン・オー・ワンがクラウドサービスとして提供しているタレントマネジメントシステムESIの導入ユーザからは、年間で約140人日の工数が削減されたという事例が報告されています。
(参考:実際にタレントマネジメントシステムを導入して人事評価業務の工数を大幅に削減した事例

削減された工数を、このユーザの社員数と平均年収を使って金額に換算すると、年間で269万円のコストが削減されたことに相当し、ESIの年間費用を差し引いても、5年間で470万円のコスト削減につながると試算されています。

図:トータルコスト削減効果

今回のコラムは以上となります。

次回は、どのようにタレントマネジメントシステムが人事評価フローの改善以外にできること、についてお話します。

連載記事

第2回「人事評価からタレントマネジメントへ