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1on1ミーティングシートで使う効果的なテンプレートを解説

1on1ミーティングシート

大企業を始めとした多くの企業で、上司と部下の間での意思疎通を図るために「1on1ミーティング」が実施されています。これにより、部下の目標設定から今後の展望を話し合い、モチベーションアップを目指すことができると言われています。

すでに1on1ミーティングが体系化されている企業は問題ないのですが、これから1on1ミーティングを導入しようと考えている企業にとっては何を話すべきなのか分からないと思われるでしょう。

そこで本記事では1on1ミーティングを円滑に進めるために質問すべきことや内容設計について解説します。実際に多くの企業で取り入れられている考え方をご紹介しますので、参考にしてみてください。

1on1ミーティングとは

冒頭でお話しした通り、1on1ミーティングは人材育成を目的とした試みであり、部下の仕事に対する考え方や展望について共有し、的確なアドバイスを上司から与えられることが理想です。将来の展望がクリアになれば今抱えている仕事へのモチベーションが向上し、離職のリスクを低減させることにもつながるでしょう。また上司と部下の両者間のみでコミュニケーションが行われるので、全体の場では言いにくいような内容の話ができる点も利点であり、上司はそのような話がしやすい雰囲気を作ってあげられることを目指しましょう。

1on1ミーティングは、基本的に週1〜月1回ほどのペースで行われることが多く、実際の業務に支障をきたさないように比較的短時間で行われる場合もあります。

1on1ミーティングシートを活用すべき理由

実際に1on1ミーティングを行う際の決まりとして、ミーティングシートを用意する必要があります。毎回のシート記入は少々面倒に感じるかもしれませんが、そこには大きなメリットが存在します。


ミーティングの質の向上

ミーティングはあくまで普段の業務を効率化させることを目的としたものであり、実際の業務に支障をきたさないためにも短時間で行われる場合がほとんどです。そのため、あらかじめ話す内容を上司と部下との間で決めておき、ミーティングで考える時間を極力減らすことができると良いでしょう。特に1on1ミーティングを導入したてでスムーズにいかない場合に有効であり、短時間で質の高い話し合いが目指せる点でシートを活用すべきだと言えるでしょう。


内容のクオリティを一定にする

1on1ミーティングを実施することにより人材育成を進めることができるのですが、担当する上司によってはうまくコミュニケーションを取ることが難しいと感じる人もいるでしょう。そこでミーティングで話すべき内容や進め方についてシートにまとめておけば、担当する上司によって差ができにくくなり、クオリティを一定にすることにつながります。全社的な観点での育成が目的ですので、上司によって差が出てしまう事態は避けなければなりません。


議事録として記録できる

面談で話した内容を保存しておくための議事録としてシートを活用することができます。一人の上司が複数人の部下を担当するケースが多いので、記録していないと他の社員の話と混同して記憶してしまう可能性があります。そのせいで何度も同じ話を聞いてしまい、部下にとっては時間の無駄になってしまうため、議事録は非常に有効だと言えるでしょう。また前回の面談の話をまとめておくことで、その間の進捗を話し合うことにも役立ちます。


1on1ミーティングシートに入れるべき項目

ミーティングシートを用意しておくことで様々な利点があるということが分かりましたが、実際にどのような質問項目を準備しておけば良いのでしょうか。大きく分けて6つご紹介します。


個人の目標

絶対外せない質問項目として、部下個人の目標があげられます。これは年間を通した目標はもちろん、次のミーティングまでの短期的な目標を立てることで、短いサイクルで確実に成長できるように上司がサポートすることができます。もしも部下が目標に向けたアクションをうまく取れていない場合は、的確なアドバイスや経験談から軌道修正してあげることが求められます。


目標に対する進捗状況

上記であげた個人の目標につながる話ですが、年間の目標などといった長期的な目標に向けたアクションやその進捗状況を確認する場として1on1ミーティングが活用されます。目標を立てる際に定量的な目標と定性的な目標を立てておけば、実際に進捗報告をする場合にやりやすくなるので、上司はできる限り聞くようにしましょう。また進捗状況があまり望ましくない場合でも否定するのではなく、その取り組みや過程に注目し、前向きに捉えることが重要となります。


現在の課題

部下自身が現時点で抱えている課題や問題点を記入してもらいます。それを受けて上司は課題を解決する方向に持っていけるようにティーチングを行う必要があります。もちろんティーチングをうまく行うことは容易ではないので、あらかじめミーティング前に部下の課題を記入してもらい、前もってアドバイスする内容を考える時間を設けておくとベターでしょう。


前回の1on1ミーティングから何をしたか

ただ単に1on1ミーティングを行うだけでは決して人材育成にはつながりません。必ず前回のミーティングで話し合って決めた目標や今後の取り組みについて、間の期間でどのようなことを行なったのか聞いておく必要があります。目標を立てただけで何もしていないのであれば、上司にとってはミーティングの時間が無駄になってしまいます。また何をしたか記入しておくことで、今後どのように業務を行なっていけば良いのかの指針にすることもできるのでおすすめです。


フィードバックの内容

上司から部下に行うフィードバックの内容もシートに記入しておくと、部下が後から見直すことができ、自身の行動の参考にしやすくなるためおすすめです。また上司の視点からもこれまでにアドバイスした内容と被らないようにフィードバックが行えるため、お互いにとって都合がいいと言えるでしょう。


次のアクション

最後に上司からのフィードバックを受けて、部下が次のミーティングまでの何をどの程度行うのか記入しておきましょう。そうすれば次のミーティング時にその欄を見ることで即座に話し合いに移ることができるため、効率的な時間の活用ができるでしょう。


1on1ミーティングのシートの記録と管理

最後に1on1ミーティングで扱うシートの記録方法と管理方法について解説します。いくつか気をつけるべき点はあるのですが、ここでは特に2つをご紹介します。


1on1ミーティングシートは部下ごとに保管する

当たり前の話ですが、ミーティングシートは部下ごとに別のデータを保存するようにしましょう。コストをかけずに簡単に管理する方法としてはExcelを用いるケースが多いので、1つのデータに複数人の部下のシートを保存するのではなく別々にしておくと良いでしょう。


認識違いが起きないように記入する

部下と上司との間で認識に違いが生じないように、前もって話す内容の共有を行なっておくとスムーズにミーティングを行うことができます。認識が異なったまま話してしまうとお互いに意思疎通ができなくなり、有意義な時間にすることができません。必ず「ここは〇〇という認識で良かったか」という風に確認する時間を作るようにしましょう。


まとめ

1on1ミーティングは人材育成に大いに役立つため、様々な企業で行われている反面、ただ単に上司と部下とのコミュニーケーションを取るだけの時間になってしまうケースが多いです。業務時間を削ってまで行われているため、次につながるような時間にしなければなりません。今回解説した面談シートはそれらの問題を解決するのに役立ち、上司と部下の両者にとってメリットがあると言えるでしょう。またシステムを導入することでさらに効率的な運用を行うことができるため、予算に余裕がある場合はそちらも参考にしてみてください。