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メタ認知とは?高い人・低い人の違いやトレーニング方法をわかりやすく解説

メタ認知

「メタ認知って聞いたことあるけど、具体的にはどんな能力なんだろう?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。

メタ認知は、ビジネスの場においても業務を効率的にこなすために欠かせないスキルとして、近年でも重要視されている概念です。このメタ認知の高い人材を育成することは、組織全体の生産性向上につながる重要な考え方とされています。

本記事では、メタ認知とは何か、その重要性、トレーニング方法などを紹介します。

メタ認知とはどんな能力?

メタ認知とは、自分の思考や学習、判断を意識的に監視する能力を指します。これは、自分が何を考え、どのように業務しているかを理解し、その情報をもとに効果的な行動や判断を行うための力です。

例えば、勉強しているときに「この問題が解けないから、もう少し勉強した方が良い」と感じることや、プレゼンテーションの際に「聴衆の反応が良くないから、内容を調整する必要がある」と気付くことがメタ認知の一例です。

これは日常生活でも活用される重要なスキルであり、良いメタ認知を持つことで自己理解が深まり、自己管理や問題解決能力が向上します。

また、他人の行動や反応もより理解しやすくなり、効果的なコミュニケーションを築く手助けにもなります。

メタ認知を向上させるには、自己評価や自己観察、他者との対話を通じて学ぶことが大切です。この能力は、学業や職場、人間関係など幅広い場面で役立ち、個人の成長やキャリアアップに関わる重要なスキルと言えます。

認知心理学の分野で使われていたメタ認知

メタ認知とは、本来アメリカの心理学者から提唱された言葉であり、主に認知心理学の分野で利用されていました。

提唱者であるジョン・フラヴェルは、メタ認知を通じて人々が自分の思考プロセスを理解し、認識することで効果的な学習や問題解決が可能になると述べています。

しかし、研究が進められていた当時は心理学分野でのみ浸透しており、世間一般で知る人は少なかった概念でした。近年になり、世間でもメタ認知の重要性が注目されるようになり、人材教育や心理学の分野などで広く受け入れられるようになりました。

メタ認知が重要視されているのはなぜか

メタ認知が近年、注目されているのは何故なのでしょうか。ここから、メタ認知が重要視される理由を紹介します。

自己分析・セルフコントロール

メタ認知の一環として、自己分析とセルフコントロールの能力があります。自己分析は、自分の強みや弱点を適切に理解し、自己成長の方向性を見つけるために重要な能力です。

これは、客観的に自分自身を分析し、自分の価値観やスキルを明確にし、自己評価の偏りや間違いを避ける手段でもあります。さらに、自己分析によって、自己の弱点を克服するための戦略を策定し、効果的な改善策を考えやすくなります。

一方、セルフコントロールは、感情や衝動を制御し、目標に向かって効果的な行動を取る能力を指します。

例えば、誘惑に負けずに計画的に行動することや、ストレスや挫折に対して冷静に対処することが含まれます。セルフコントロールは、自己管理能力を高め、仕事の目標や課題達成を叶えるために重要なスキルとなります。

問題や課題と向き合う力

メタ認知の高い人は、問題や課題が起きた際にも能力を発揮します。問題の本質を理解し、その背後にある要因や影響を的確に分析する能力に長けているのも特徴の一つです。

自己の思考過程を把握することで、迅速に状況を判断し、適切な解決策を見つけ出します。

逆に、低いメタ認知を持つ人は、問題を深く分析することが難しく、解決策がわからないまま手詰まりになることがあります。また、問題を避けたり、表面的な対処策にとどまってしまうことも多いです。

メタ認知による問題解決力を高めることは、ビジネスの場面でも個人や組織の成果向上に貢献する大切なスキルとなります。組織内での問題解決のプロセスにおいて、メタ認知を活用することで、より戦略的で効果的な解決策の選択が可能となるのです。

協調性や適応力

高いメタ認知を持つ人は、固定概念や思い込みにとらわれることなく、他人の意見や感情を尊重できる傾向があります。これにより、異なる価値観や視点を持つメンバーとのコミュニケーションがスムーズに行え、協力関係を築きやすくなるのです。

また、新しい状況や環境に対しても柔軟に対応でき、変化に適応する力を備えている人が多いのも特徴です。これにより、新たな課題や問題に対しても臨機応変に対処し、成果を上げます。

高い協調性や適応力により、組織内での円滑な業務遂行に積極的に貢献できる人材と言えます。協力しながら目標に向かい、変化に対しても柔軟に対応できる人々が、組織の持続的な成功に欠かせない要因となります。

高いメタ認知を持つ人材の存在は、組織の成果を向上させる助けとなるでしょう。

メタ認知が高すぎるとデメリットも

一方で、メタ認知が極端に高い場合にも注意が必要です。過度な自己分析や向上意識の持ちすぎは、逆にストレスや疲労を溜めこむ要因となる可能性があります。

過度な分析によって、些細なことにも過剰に気を使うことになり、エネルギーが散漫になる恐れがあります。また、過剰な自己意識が仕事のパフォーマンスの低下やプレッシャーを引き起こすことも考えられます。

さらに、他人の行動や評価に過敏に反応することで、人間関係に悪影響を及ぼす可能性も考慮しましょう。他人の意見や評価に過度に気を使うことで、自分を否定してしまったりコミュニケーションの障害が生じたりする可能性も気を付けなければいけません。

これらのようなデメリットを回避するためには、適度なバランスを保ちつつ、メタ認知を活用する意識が大切です。組織においても、個人が自己分析や他人の評価にとらわれず、冷静な判断を保ちつつ成長できる環境を提供することが、企業の発展に向けた重要な考え方となるでしょう。

メタ認知は“知識”と“技能”に分類される

メタ知識には、「メタ認知的知識」と「メタ認知的技能」の2つに分類されます。それぞれの違いについて紹介します。

メタ認知的知識

メタ認知的知識は、「自分がどのように学び、問題解決するか」に関する知識を指します。

自分自身の長所や短所、スタイルなどを理解し、その特性に合わせた効果的なアプローチを見つけることが含まれます。

例えば、「どのような状況で集中力が高まるか」、「どのような業務の進め方が自分に合っているか」を把握することで、仕事の質や成果物のクオリティを向上させられます。

的確な自己認識を通じて、自分の強みや弱点を正確に理解し、自己成長や効率的な業務遂行につなげられるのです。

メタ認知的技能

メタ認知的技能は、メタ認知的知識を理解した上で、「自分自身のことを把握したり、適切な解決策を講じたり」するスキルを指します。

情報の選別や感情のコントロールなどが含まれ、これらのスキルを駆使することで効果的な業務や問題解決が可能です。これには、自分の思考プロセスを正しく管理し、最適な方法で情報を処理する能力が求められます。

例えば、複数の情報があっても、要点となる重要な情報を正しく選別し、的確な判断を下す能力が挙げられます。

また、自己制御力を通じて、感情や欲求に振り回されず冷静な判断を保つことが重要です。メタ認知的技能は、日常生活から仕事上の活動まで、あらゆる場面で役立つスキルとなります。

メタ認知が高い人・低い人の特徴

次に、メタ認知のレベルによって個人の性格や行動にどのような違いがあるのか、についてをご紹介します。メタ認知レベルの違いによる特徴について理解を深めていきましょう。

感情に振り回されない・感情的になる

メタ認知が高い人は、物事を客観的に捉え、感情に振り回されずに冷静な判断を下す能力に長けています。感情の波にとらわれず、物事を冷静に分析し、感情的な反応を抑えられるのが特徴です。

一方で、メタ認知が低い人は、感情に振り回されやすく、感情的な行動や判断が目立つことがあります。これが原因で、緊急な局面で冷静さを保つことが難しくなる可能性もあります。また、円滑な人間関係の形成にも支障が生じる原因に繋がってしまうことも考えられます。

感情をコントロールすることは、個人の意思決定やコミュニケーションにおいて重要な要素です。メタ認知を通じて感情との関わり方を学び、冷静に判断や決断をする力を磨くことが大切です。

周囲への配慮ができる・相手の配慮がない

高いメタ認知を持つ人は、周囲の人々に与える影響を考えながら、適切に自分の行動や発言を選択する能力を持ちます。相手の立場を理解し、適切な距離感でのコミュニケーションを取れるため、円滑な人間関係を保ちやすくなります。

また、各メンバーへの気配りや気遣いにも長けている傾向があるため、リーダーポジションに向いている人材とも言えるでしょう。

メタ認知が低いと、自己中心的な行動や言動をしてしまい信頼関係を損なう可能性があるため、メタ認知を通じて相手の視点を尊重し、共感力を高めることが大切です。

柔軟性が高く向上心がある

メタ認知が高い人は、柔軟な思考を持ち、自身のスキル向上に向けて積極的な姿勢を持つ人が多いです。新しい情報やアイデアに対して柔軟に取り入れる姿勢を持ち、知識や技術のスキルアップを目指そうとします。

特徴として、新しい変化に対して否定したり、抵抗したりするのではなく、逆に変化を受け入れ、新しいスキルや知識を獲得することで自分を向上させようとします。この柔軟性が高い姿勢により、異なる状況や課題に適応する能力が向上し、自身の成長を目指そうとする姿勢を持ち続けられるのです。

さらに、向上心の強さは、目標を達成するために努力し続ける原動力ともなります。自分自身に対する自信があるため、常に挑戦し、自己の可能性を最大限に引き出そうとする傾向が高くあります。

難しい問題への対応能力の違い

高いメタ認知を持つ人は、難しい問題に対しても冷静に向き合い、効果的な解決策を見つける能力があります。問題の中で重要となる要点を的確に把握することで、複雑な状況でも効果的に対処できるのです。

一方、低いメタ認知を持つ人は、問題の本質を見極めるのが難しく、適切な解決策を見つけることが難しくなってしまうといった違いがあります。

メタ認知が低い人が問題解決に挑む際には、状況や解決のための重要なポイントを組み込めず、解決策を見つける際に軌道修正が必要となることも考えられます。メタ認知を通じて問題解決力を高め、対応能力や考察力の向上を図ることが大切です。

メタ認知を高めるために組織でできること

次に組織がメタ認知の発展を支援する方法について紹介します。個人だけでなく、チーム全体の業務効率化や生産性向上にも繋がる可能性が広まるため、ぜひ導入の検討を進めてみてください。

メタ認知的モニタリング

個人が自己認識や思考プロセスを監視できる環境を提供することが重要です。自己評価を行うツールやプロセスを導入し、個人が自分の行動や思考を客観的に見つめる機会を生み出します。

これにより、自己認識が深まり、自身の強みや課題を把握する能力が培われやすくなります。また、他者からの評価やアドバイスを受け入れる仕組みを作ることで、従業員は自己評価と客観的な評価を参考にでき、成長の方向性を見出すきっかけを作りやすくなるでしょう。

組織のリーダー層や上位層がこれらの環境作りをサポートすることで、メタ認知能力の向上が促進され、組織全体の活性につながる可能性を広げられます。

メタ認知的コントロール

組織は、各従業員が認知プロセスを制御する方法をサポートすることが大切です。

モニタリングによって得た情報を元に、目標設定や計画立案をサポートし、個人が自身の学習や成長を効果的に管理できる環境を整えます。

例えば、モニタリングによって、自身がネガティブな感情の動きをしていると判明すれば、どうすればポジティブな考えができるかといった対処方法の検討や実践を行います。

また、組織内でのプロジェクトやタスクにおいて、自己評価と目標達成の進捗を定期的に振り返る機会を設けることで、個人が自己管理のスキルを向上させる機会を提供することも有効です。

コーチングを受ける

個人のメタ認知能力を向上させるために、専門的なコーチングを受けることも効果的です。コーチから客観的な視点からのアドバイスを受けることで、自己理解や思考のレベルを高められる効果が期待できます。

コーチングは、個人の強みや課題を明確にし、自己改善のための具体的な行動プランを策定する際に役立てられます。

また、コーチとの対話を通じて、自己評価の偏りや思考のずれを発見し、それを克服する方法を見つけられるといった良い効果もあります。

そして、組織はコーチングを受ける機会を提供するだけでなく、コーチングを受けることを組織全体で奨励し、誰もが受けやすくなるような環境作りを行うことも有効です。

メタ認知を高めていきましょう

今回は、メタ認知の重要性とその特徴や、メタ認知を高めるためにできる組織での方法についてを解説しました。

メタ認知は、自己理解や問題解決、人間関係の向上など多岐にわたる範囲で影響を与える重要な能力です。

企業としても、組織全体の生産性向上を狙うには、積極的にメタ認知を高められる機会や環境を提供していくことが鍵となってくるでしょう。