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「IT人材採用」から「IT人材育成」を行うためのポイントと日本の現状

世界的にIT化が遅れている日本では、先端IT技術を持つ人材が枯渇しており、IT人材を採用することが困難となっています。そのため、自社内でIT人材を育成する必要性を感じている企業が増加しています。

今後、新たなビジネスの促進をしていくうえでIT技術が必要不可欠なため、自社内でIT人材を育成する必要性や育成のポイントについて押さえましょう。

IT人材の現状

2018年に経済産業省が発表した「DX推進ガイドライン」では、DXの定義を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と記載しています。

このDXを推進するためにどのような人材が必要になってくるのかを解説します。

日本におけるDXとは

独立行政法人情報処理推進機構の「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)」によると、DX に向けて着実に取り組んでいるものの、まだDX推進を取り組めていない企業も存在しています。

特に、「人材育成・確保」に課題を感じている企業が多く、DX推進に必要な人材の育成や確保は共通の課題であると考えられます。

IT人材が不足している

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年時点でのIT人材の不足数は最大79万人と予測されています。日本のIT人材はIT関連産業以外にも求められており、労働人口が減少していく中で、先端IT技術を取得した人材の育成が追いつかない現状があります。

中でもビッグデータの活用やIoTを開発することができる「先端IT人材」の確保が難しくなっています。

 

 

IT人材育成のための政府の取り組み

経済産業省ではIT人材を育成するさまざまな取り組みを行っています。

iコンピテンシ・ディクショナリによる能力の見える化

経済産業省では、iコンピテンシ・ディクショナリなど、IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標を公開しています。

また、ITに関する知識や技術、サイバーセキュリティに関する知識などの資格試験の結果を見える化するなど、人材育成に活用可能な情報を提供しています。

IT人材の発掘・育成

若手向けにコンテストやディスカッションの場を設けています。コミュニティでの学びの場を提供することで、IT人材の裾野拡大を図っています。

国際的な人材育成支援

アジア地域でIT技術者を対象とする試験制度を創設し、海外のIT人材を確保を目指しています。JETROやHIDAと連携しアジアにおけるIT人材育成支援なども積極的に取り組んでいます。

IT人材のスキル

IDC Japanによれば、200名以上のIT部門マネージャーのうち71%が、200名の業務部門マネージャーのうち51%が、業務部門でも「IT技術の概要教育」または「業務部門自身でIT技術導入ができるような教育」は必要だと回答しています。

このことから、専門的知識のみを持った人を求めるのではなく、ほとんどの社会人に共通して求められる能力として定めるのが望ましいのではないでしょうか。

また、IT人材の確保を採用だけに頼っていては外国企業に太刀打ちはできません。自社内でIT人材育成を強化するということが重要になります。

そして、自社内で育成を行うためには、デジタル化をはかりたいタスクを打ち出し、そのタスクを遂行するために必要なITスキルを明確にする必要があります。

ITスキルの明確化には経済産業省が公開しているiコンピテンシ・ディクショナリ」の活用がおすすめです。

コミュニケーション能力

社内の関連する部門と連携する必要があるため、コミュニケーション能力も大切な要素です。

組織やビジネスの課題に着目し、その課題のボトルネックを洗い出し、解決策を導き出す思考力や、周りの人を巻き込んでタスクを動かす能力は必要です。

IT人材育成のポイント

では、必要なITスキルとコミュニケーション能力を兼ね備えた人物を育成するためのポイントはあるのでしょうか。

新しい技術を学べる環境の提供

手作業の業務をデジタル化することで、手作業の業務はなくなります。一方で、デジタルを運用・管理する業務は発生します。通常、専任者や知見のある人を採用するのですが、手作業を担当していた従業員を教育し、デジタルの管理業務を担当する事ができれば、企業は人材を有効活用することに繋がります。

DX人材・IT人材に必要なスキルは、新たなスキルを身に着ける必要があるため、自社で今後必要となるスキルを明示し、気軽に受講できるセミナーやオンライン講座を準備するといった取り組みを行う必要があります。

「IT人材採用」から「IT人材育成」へ

採用に頼らず、一部の企業では研修を通じIT人材の育成や開発環境の内製化を行っています。

その一方で「自社内で研修を行おうにも、研修管理ができない」、「IT研修といっても何を教えればよいかわからない」といった課題を持った企業も多くいます。

スキルナビでは、研修の提案やスキル管理を行うことができます。