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優秀な人材が辞めるのはなぜ?退職する理由と優れた方を手放してしまう会社の特徴

優秀な人材が辞めるのはなぜ?

現在は売り手市場のため、優れた人材は是が非でも自社で活躍し続けて欲しいはずです。しかし、常に成績が残せる人がやめてしまうケースも多く見受けられます。

会社に残らず、退職する理由は一体なんでしょうか。今回は優秀な人材が会社をやめてしまう理由を中心に解説していきます。

優秀な人材が会社をやめてしまう理由とは

優秀な人材が会社を退職する理由は次のとおりです。

給料や待遇に対する不満

給料や待遇に不満があると優秀な人はやめてしまいます。なぜなら、上昇志向が強い優れた人は、より労働に見合った対価を求める傾向があるからです。「これだけ働いたのになぜ給料が少ないのか?」「結果を出しているにもかかわらず、他の社員よりも待遇が悪い」などの不満を抱きやすいのも特徴になります。

現状よりも給料の高い会社が手を挙げれば、転職してしまうのは当然と言えるかもしれません。事実、近年ヘッドハンティングが頻繁に行われているのも、労働者意識の高まりが背景にあるでしょう。

また、給料に対する不満を持ちやすいのは、給料がなかなか上がらない日本の課題とも捉えられるでしょう。ここ20年で日本の給料はほぼ変わっていません。世界を見渡すと、日本の給与がいかに低水準であるかがわかります。世界には20年間で給与が約2倍に上がっている国もあるのです。実際にアメリカとは約2倍の差がついており、主要国際機関の中でも下位に属しています。給料格差はさらに広がっている状況です。

そのため、日本では会社が優秀な人材を引き止めたくても、給料を払いきれない現状があるとも言えます。最大限の評価をしているにもかかわらず、会社に貢献し続けた人が納得しなければ、やはり退職は免れません。

会社が優秀な社員の気持ちをくみ取れないのも問題ですが、そもそも高い給料を払えない会社が多い現状も念頭に置いておきましょう。

職場の人間関係に対する不満

職場の人間関係に対する不満があれば、優れた人材は退職してしまいます。仕事で自分の力を最大限発揮するためには、環境が伴ってこそ。情報共有が密に行われていたり、職場全体が思いやる気持ちにあふれていたり、毎日気持ち良く働ける環境が必要です。

とくに優秀な人材ほど、仕事の大部分は人間関係で成り立っていると熟知しています。良好なコミュニケーションが図れていれば、実力通りの力が発揮できると知っているからです。

反対に、職場が理想とかけ離れている可能性もあります。例えば、要点が明確でない指示を出す上司の存在は、不満を感じる原因となるでしょう。意図を汲み取るまでに時間を要し、作業に手間が掛かってしまいます。最悪の場合、上司が思い描く成果物とは異なる商品やサービスとなるかもしれません。

ゆえに、人間関係の中でも、とくに上司との関係性が重要になります。他にも、感情に任せて仕事に取り掛かる社員や意欲を失った社員が複数いれば、優秀な社員は退職してしまうのは当然です。優れた社員は実力に見合った給料を求めているのと同時に、人間関係にも重点を置いています。

やりがいを感じていない

やりがいを感じていないと優れた社員はやめてしまうでしょう。仕事ができる方は達成感や満足感のある仕事を求めています。

「誰もできない仕事だけど、自分だったら成果を出せる」「他の社員が出来そうにもない仕事に取り組みたい」そんな思いを抱いて仕事に取り掛かっています。小言を言いつつも、難題へ上機嫌に取り掛かる姿を見かける人も多いでしょう。自分の実力よりも、ややハードルが高い仕事へ取り組むのが快感なのです。

反対に、誰もがこなせる単純作業では手応えを感じられないかもしれません。他の方でも対応出来たり、想像以上に作業が完了してしまったり。場合によっては存在意義を感じられなくなるでしょう。「自分が居なくても問題ないだろう」「私自身がこの会社で貢献しているのは何なのか?」と感じるはずです。

存在価値を感じられなくなるのは、たとえ管理職であっても同じです。自分らしさを十分に発揮できない場合は達成感を得られません。

以上のように、優秀な社員にとっては仕事におけるやりがいが重要です。挑戦しがいのある仕事がなければ、本人は不満を感じてしまいます。

自分が成長できる場面が少ない

自分が成長できる場面が少なければ、優秀な社員は退職してしまいます。活躍できる方は向上心が高いです。スキルを高め、次のステージへステップアップしたい気持ちが強く見受けられます。成長することで仕事の充実感を得られるからです。

そのため、優れた方は常に「この会社でどれだけ成長できるか」「与えられた仕事でどれだけ自分を高められるか」を考えています。例えば、研修制度や教育方法が求めるレベルに達しているかを見ています。

海外研修・社内ベンチャー制度・社内公募制度などが代表例です。とくに海を渡り、成長可能な環境を探している方は近年増えています。違うステージへ活躍の場を移し、苦労を惜しまずに自分を高めていくのです。

他にも、さまざまな部署を経験できる会社も人気が高まっています。ジョブローテーションは約半年~3年をサイクルとし、複数の部署を経験できる制度です。当制度によって幅広いスキルを身に付けられ、大きな成長につながります。幹部候補として育成する目的もあるため、将来重役を担う可能性も十分秘めているでしょう。

結果、本人のモチベーションが上がり、優秀な人材の退職を防げます。優れた方は自身の成長を常に追い求めていると念頭に置いておきましょう。

会社の将来性が不安

会社の将来性に不安を感じてしまうと、仕事ができる方はやめてしまう可能性もあります。基本的に会社の未来は社員の今後と深いつながりがあるのです。順調に成長していけば、社員もスムーズに伸びていけると言えます。優れた方はそんな関係性を深く理解しているため、会社の将来性に着目しています。

とくに仕事ができる方はリーダーとして会社を引っ張る立場です。経験を重ねて視野が広がり、自分よりも会社全体に目が行き届きはじめます。となれば、会社の将来性に注目してしまうのは自然な流れでしょう。

さらに、優秀な方は他の会社との交流が深い傾向にあります。異業種交流会や名刺交換会へ積極的に参加し、つながりを広げているのです。結果、他の会社の情報も耳に入ってきます。知らず知らずのうちに自社と他社を比べてしまうのは言うまでもないでしょう。

「本当に今のままで大丈夫なのか?」「そろそろ新しいビジネスへ乗り出さなくていいのか?」などと、ネガティブな思考を張り巡らせるわけです。将来性に不安を抱き、他社へ転職する決断をします。

以上のように、優れた人材ほど、視野を広げて会社全体を見ています。将来に不安を感じれば、退職も頭をよぎってしまうのです。

優秀な人材が辞めてしまう会社の特徴

優秀な人材が退職する会社の特徴は次のとおりです。

経営者が保守的である

経営者が保守的であると、優秀な人材は辞めてしまいます。会社にとって、現状維持は衰退を意味していると言っても過言ではありません。常に時代の流れに乗って進化し続けなければ、会社の成長はないでしょう。

会社のトップが挑戦する姿勢を見せ、社員へ果敢にチャレンジする大切さを見せなければいけません。具体的には新事業展開や最新システムを導入できるかがポイントとなるでしょう。社内運用をデータ化したり、在宅の広まりに合わせてWeb事業を強化したり。積極的に会社を展開させる必要があります。

とくにITを駆使して運用や戦略を立てるのは、重要なポイントです。ペーパーレス化に切り換えることで、大きな業務効率化がのぞめるでしょう。そんな大胆な運用変更や事業戦略構築が必要になるわけです。

しかし、周囲を見渡すと、変化を恐れて挑戦しない企業が多いです。現実に目を向けず、満足しているのかもしれません。

そして、トップが保守的であると、社内全体が挑戦を恐れる体質になっていきます。社員が斬新なアイディアを発しづらくなったり、意見を述べなくなったりするのです。

結果、会社は成長せず、衰退していきます。優秀な方は挑戦し続ける経営者の元へいくため、流出を余儀なくされるのです。

評価基準が明確でない

評価基準が明確でない場合も、優秀な社員がやめてしまう原因です。

優れた人材ほどゴールをはっきりさせ、逆算して取るべき行動を決めています。ひとつひとつの行動に理由付けがされているのも、仕事ができる人の特徴と言えるでしょう。

しかし、評価基準が定かでなければ、目標を見失ってしまいます。代表例は、いまだに根強く残っている年功序列制度です。実力があるにもかかわらず、経験が浅いがゆえに出世できない方も多くいます。

「結果が出ていないのに、なぜ自分よりも偉い立場にいるのか」「誰もが納得する成績を残しても、いまだに給料が上がらない」などの不満がうまれます。優秀な人材ほど、自分自身が置かれている立場を気にする傾向にあります。そのため、結果と事実に矛盾がうまれれば、納得いかないのも自然でしょう。

また、上司の好き嫌いにより、評価が偏るケースもあります。結果が出なくても上司に好かれさえすれば、出世できる方も大勢います。上司から好かれていない方からすると、納得いかないかもしれません。

以上のように、日本には評価基準が明確でない場合も多いです。そんな企業に属する優秀な人材は、やはり評価基準がハッキリしている会社を選びます。

労働環境や職場の環境に問題がある

労働環境や職場の環境に問題があると、優れた人はやめてしまいます。質の高い仕事をするには環境が整ってこそです。優秀な方は環境の重要性を熟知しているため、働きやすい環境を常に求めています。

例えば、残業が多かったり、有給が消化しにくかったりする環境であると、仕事ができる人の退職率は高いです。一般的に優秀な方は仕事とプライベートの両立を図っています。仕事において活力に満ちているのも、業務から離れた場面も充実しているからでしょう。

そのため「自分の仕事が終わっているのになかなか帰れない」「有給を取れなさそうな雰囲気が漂っている」などと感じれば、たちまち嫌気が差してしまうかもしれません。また、優秀であるがゆえに、必要以上の業務が集中するケースもあります。周りの社員が抱え込んだ仕事を依頼されるのです。

結果、前述した残業の増加につながり、プライベートを充実できずにストレスを感じてしまいます。仕事とプライベートを充実させたい優秀な方にとって、仕事のやりがいを失う瞬間でもあります。

以上のように、労働環境や職場環境に問題があると、優れた方は必然的にやめてしまうと念頭に置いておきましょう。

優秀な人材を辞めさせないためには

優れた人を辞めさせないためには、まずは評価基準を明確にして実力に見合った対価を払っていきましょう。評価の質を上げる方法としては1on1ミーティングの導入が最適です。

1on1ミーティングは双方向で行う定期面談になります。上司から部下への一方通行による面談ではなく、部下の意見も重視したコミュニケーションの機会です。従来よりも意思疎通が図れるため、目標が明確化されます。

「この目標を達成したら昇格できる」「前年よりも成績が残せれば、出世が見込める」など、より具体的な面談となります。上司からの一方的な指示ではないため、職場全体の風通しが良くなるのもメリットです。

評価側も部下の貴重な意見を聞け、双方に利点があります。1on1ミーティングは面談回数が年4~8回と比較的多いのも特徴です。社員の問題点を時間を掛けずに解決できるでしょう。

また、働き方を柔軟に対応するのもポイントです。現在は時短勤務や在宅ワークが広まっています。効率的な働き方を実現するためにも、積極的に取り入れていきましょう。優秀な人材が心地よく働けます。

このように、優れた方が辞めてしまう場合、労働環境や制度を見直すのが手っ取り早いかもしれません。

まとめ

活躍し続けていた社員が辞めてしまうのにはかならず理由があります。給料や待遇に不満があったり、職場の人間関係に満足していなかったりするのが原因です。

自分自身が不自由なく業務に取り掛かれていても、優れた方からすると納得がいっていないかもしれません。なぜなら、仕事ができる人は考え方が違うからです。

まずは自社の取り組みや業務環境を確認してみましょう。チェックしてみると、優秀な社員の流出を防げる意外なヒントが見つかるかもしれません。