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【エンジニア向け】OKRのメリットや注意点を事例をもとに解説!

okr エンジニア

企業でOKRを導入したいが、エンジニアにおけるOKRはどのようなものなのか、疑問に思っている方も多いかと思います。そこで今回は、エンジニアにおけるOKRのメリットや、導入の際の注意点、OKRの運用事例を解説します。

OKRとは

OKRとは、目標を管理するうえでの手法の1つで、O(Objective=目標)とKR(Key Results=主要な成果)を設定し、目標の設定から成果の確認、評価の流れを高い精度で行うことを指します。さらにOKRは、目標を企業単位や個人単位で設定できることが特徴となっています。

OKRの特徴として、最終的な達成度が6~7割になるような目標を設定することで、社員のスキルアップを図ることができることと、企業の目標をもとにチームや個人の目標を設定するので、社員全体が団結できるという2点が挙げられます。

⇒OKRについて詳しく知りたい方はこちら

エンジニアにおけるOKR導入のメリット

エンジニアに向けてOKRを導入し、実際にどのようなメリットを受けることができるでしょうか。

今回は、エンジニアにおけるOKR導入のメリットを、3つに分けて解説します。

  • 開発効率の向上
  • エンジニアの方向性を組織と組み合わせることができる
  • 業務内容を他の社員が確認できる

開発効率の向上

一口に開発の効率が向上するとは言いますが、その理由は2つあります。1つ目は、OKRを導入することにより、社員のスキルアップが見込めるからです。社員一人一人の技術が向上することにより、企業全体の生産性の向上につながります。

2つ目は、業務内容に優先順位をつけることが可能になり、OKRによって設定された目標に影響しやすい業務を優先的に行うことができるという点です。力を入れる業務が明らかになるため、開発などの作業効率を向上させることができます。

エンジニアの方向性を組織と合わせることができる

OKRは、企業全体のOKR、チームや部署ごとのOKR、個人単位のOKRの順番で設定が行われます。このように、全体のOKRをもとに、それ以降のOKRを設定する必要があります。すなわちOKRによって、エンジニア個人やチームの方向性を企業全体の方向性に合わせることが可能になります。

業務内容を他の社員が確認できる

3つ目に、業務内容を他の社員が確認できるという点が挙げられます。エンジニアの業務内容は他の部署からは確認することが難しいことに加え、専門用語が飛び交う場となっているので、他の社員は近寄りがたい印象を受けることがあります。

エンジニア向けのOKRを導入する際の注意点

OKRを滞りなく導入するために、初歩的なミスはできる限り避けたいものです。今回は、エンジニア向けのOKRを導入する際の注意点を4つ解説します。

  • OKRを社員に理解してもらう
  • 人事評価と直接結び付けない
  • 定期的にミーティングを行う
  • 支援ツールを活用する

OKRを社員に理解してもらう

OKRは、社員全体に納得してもらえるようなものでなければ、運用を行っても恩恵を得られない可能性があります。導入する際は、まずは社員にOKRについての説明を行い、質疑応答の場を作ると良いでしょう。

また、スライドなどを用いて社員に分かりやすいように説明すると、OKRに対する疑問がなくなり、スムーズな導入が可能になります。

人事評価と直接結び付けない

OKRにおける達成度を、人事評価と直接結び付けてしまうと、社員は高い評価を得ようとするため、目標を低めに設定してしまいます。目標が低ければ、OKRは高いパフォーマンスを発揮することができなくなります。

OKRは、社員が高い目標を設定し、その達成のために工夫を凝らして努力するという点が魅力の1つです。社員が安心して高い目標を設定できるよう、OKRがそのまま人事評価に影響しないようにしましょう。

定期的にミーティングを行う

OKRは設定したら終わりではありません。特に導入の直後は定期的なミーティングを実施するようにしましょう。社員とこまめにコミュニケーションをとることで、間違ったOKRの設定を行っていないかなどを確認することができます。

このように、定期的にミーティングを行い、社員一人一人の状況を確認することが、OKRが高い効果を発揮するためにも重要です。

支援ツールを活用する

OKRを導入する際、先述のように定期的なミーティングや成果の報告があり、日々の業務が忙しい場合も行わなければいけないので、手が回らない場合も考えられます。

そこで「Zealup」や「Resily」といった支援ツールを活用することがおすすめです。支援ツールの活用により、会議の開始前のような空いた時間で達成度の報告が可能になります。リモートワークやオフィスから遠方にいるときもアプリから報告を行うことができます。

OKRの運用事例

ここでは、実際にOKRを運用している企業を3社紹介します。

  • 株式会社マイベスト
  • Wantedly株式会社 Discover Squad
  • マッチングッド株式会社

株式会社マイベスト

株式会社マイベストは、1つのチームが企業の様々なサービスの開発や管理を行っています。株式会社マイベストの開発チームではブレインストーミングを行った後、UXの向上、表示速度のアップをOKRとして設定しました。

Wantedly株式会社 Discover Squad

Wantedly株式会社は、「シゴトでココロオドル人をふやす」を企業全体の課題として活動を行っています。Discover Squadとは、Wantedlyが提供しているサービス「Wantedly Visit」のある機能の開発に携わったチームです。

Discover SquadのOKRは、Oは「シゴトでココロオドル状態をもっと多くの人に知ってもらうことでエンゲージメントを高めること」KRは、「滞在時間を20%伸ばす」「コンテンツの閲覧数を50%増やす」「Discover経由で応募する人を30%増やす」としています。

重用なのはOが企業全体の課題に関わるものであることと、KRで設定した数値には根拠があるという点です。さらに、実際に開発・導入を行う際には、仮説検証を繰り返しています。

マッチングッド株式会社

マッチングッド株式会社の開発部では、1体1のミーティングを行い「開発効率を向上させる」という目標(O)と「半年間のGithubのプルリクエストの数を〇〇以上にする」という成果の指標(KR)を設定しました。

ここでのポイントは成果指標の設定の仕方にあり、最初1日単位で達成できそうなリクエストの数を設定し、最終的に半年間での総リクエスト数を算出しました。

チーム全体が納得のいくOKRを設定しましょう

今回は、エンジニア向けのOKRの導入について解説を行いました。OKRの効果を最大限発揮させるためには「何が目的でOKRを導入するのか」を明確にし、企業のエンジニアや、そのチームが納得できるようなOKRを設定する必要があります。

そのためには、今回紹介した導入の際の注意点や、他企業の運用事例をもとに、企業にあった方法を考えることが重要になります。また、OKRを継続して意識できるように、作業の効率化を図る支援ツールを活用することも視野に入れましょう。