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人材育成にスキルマップの活用がおすすめ。作成方法や導入事例など

スキルマップ

買い手市場から売り手市場へと変化した中で、各企業は優秀な人材を獲得しにくくなりました。結果、人材の育成に注力する企業が増えています。とはいえ、社員を戦力に仕上げるのは簡単ではありません。そこで注目されているのがスキルマップです。スキルマップを有効に活用できれば、人材育成の効果を高められます。今回はスキルマップの作成方法や導入事例について解説していきます。

スキルマップとは

スキルマップとは従業員一人一人の能力やスキルを見える化した表です。別名人材マップとも呼ばれています。ここで言うマップとは目標達成のためにつくられた地図を指します。地図は世界をリアルに描いたものです。無駄な地形や土地を省き、必要なものだけを再現していきます。スキルマップはそのような地図と同じです。企業が必要とする社員の能力やスキルだけを表にし、現状の課題を明確にしていきます。従業員の足りない能力を把握できるだけでなく、強みをさらに伸ばす効果もあります。

また、スキルマップで明確化するスキルは主に3つです。テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの3つに分類されます。テクニカルスキルとは業務を達成させるためのスキルです。商品知識・マーケティング力・企画力などを指します。ヒューマンスキルとは対人関係を円滑に進めるためのスキルです。コミュニケーション力や交渉力などが該当します。

最後のコンセプチュアルスキルとは問題解決能力です。コンセプチュアルとは「概念化」とも言い換えられます。複雑かつ困難な問題の本質を見抜く能力です。トラブルや事故が起きた際「どうすれば問題を解決できるか?」「解決方法は何か?」を素早く見極めるスキルを指します。近年は上記3つのスキルがビジネスでは求められており、全ての能力を兼ね備えた人材は優秀と言えます。

スキルマップの導入の目的

スキルマップの導入の目的について解説します。

人材育成のため

人材を効率的に育成するには、現状の能力やスキルを把握しておかなければいけません。従業員全員に同じ指導をしても、効果は期待できないです。例えば、プレゼンテーションスキルの項目があったとします。従業員Aさんは5段階評価の1判定です。Aさんに対し「本番では台本を見ず、すべて暗記してスムーズに話してください」と言っても、結果は得られないです。本番で人の目の前で恥をかいてしまい、仕事に対するモチベーションは下がってしまいます。

1判定のAさんには、まず台本を読みながら丁寧に話してもらうのが先決と言えます。その中で、余裕が出てきたらジェスチャーも交えて発表します。このように順序立てて育成すれば、効果ははっきりとあらわれます。もしくはプレゼンテーション業務からは担当外とし、他に得意な分野に専念させる方法もあります。近年は「短所を補わず長所を伸ばす」育成方法にも注目が集まっています。短所に触れず長所を伸ばせば、短所をカバーできるだけの成績を残せるわけです。それもこれもスキルマップで人の特徴を見極めてこそ実現します。人材育成に専念するなら、スキルマップを導入してみましょう。

ISO取得のため

ISO9001とは商品やサービスにおける質の向上を目的としたマネジメント規格となります。街やホームページなどで規格取得の打ち出しを見た方もいるはずです。ISO規格を取得しているということは、お客様に喜ばれる商品やサービスを提供できている証拠と言えます。加えて、ISOが定めた基準を満たしているのです。

ISOが近年注目されている理由として、企業の不祥事や事件が年々多発しているからです。罰則や刑事罰が適用されるケースも増えています。その影響により、購入する商品やサービスに安心感を求める方が急増中です。結果、お客様は安心感の証拠とも言える、規格取得有無に注目しはじめたのです。

そうなると企業はISO9001の取得を目指しますが、かんたんに取得できるものではありません。認証を得るためには様々な項目をクリアする必要があります。その中の一つに「企業は従業員のスキルや能力を把握し、それぞれの人に合った教育や訓練を実施しているか?」があります。社員の特徴や力量を確実に把握する必要が出てきたのです。そこで従業員の見える化が実現できるスキルマップに注目が集まっています。

スキルマップのメリット

スキルマップのメリットについて解説します。

組織や個人のスキルを可視化する

普段の会話で、社員のスキルや能力を確実に把握するのはなかなかむずかしいです。コンプライアンスが厳しい世の中となり、踏み込んだ会話ができなくなりました。さらにテレワークや在宅勤務が普及した現代では、従業員の特徴を100%知るのは困難と言えます。実際「どんな業務が得意なのか分からない」「苦手分野を理解できないでいる」と嘆く企業も増えています。打開策が見つからず、結果的に若い世代の育成に失敗している企業も増えているのです。

そこでスキルマップを活用できれば問題は解決します。スキルマップは従業員が備えている能力やスキルの項目に対して〇や×、もしくは1~5などであらわしていきます。企業側だけでなく、社員本人も所持しているスキルが一目瞭然です。「どの部分を改善すればいいか見当がつかない」「自分の長所って何?」など、社員側の疑問にもこたえられます。人事評価ツールは数多く登場していますが、その中でもスキルマップはスキルの可視化に優れたツールです。

従業員のモチベーションアップにつながる

スキルマップを導入すると、社員の成長が手に取るように分かる瞬間も増えるはずです。苦手分野を克服してバランスの取れた人材が増えます。長所をさらに伸ばし、得意分野で活躍する人材も出てきます。そうなると、従業員本人のモチベーションが上がっていくのです。「営業で成績が残せて楽しくなってきた」「経理の仕事でミスなくこなせて満足感がある」などの気持ちになります。社員のやる気が上がり、成長へとつながるのです。

また、従業員のモチベーションが上がると、社内への波及効果が大きいです。「あの人が頑張っているなら私も気持ちを入れ替えよう」「同期のAさんに負けたくない」などの感情が社員間でうまれやすいです。このように競争意識がうまれやすい職場へと変化していきます。社内の競争意識は大事であり、企業が成長していくには欠かせません。売り上げが鈍化している会社や、社員のモチベーションが下がっている企業はスキルマップを導入してみましょう。

目標設定に活用できる

会社にとって目標を設定するのは重要です。本人のモチベーションアップにつなげられたり、自分に対する評価と他者評価のギャップを埋めたりできます。実際に売上が順調に伸びている企業は、社員の目標が明確に設定されています。一方で目標を設定できていない企業は多いです。「目標設定に時間がかかってしまう」「目標の立て方がよく分からない」といった悩みから、目標がはっきりと設定されていないのです。

そこでスキルマップを活用すれば、目標はスムーズに設定できます。スキルマップは自分自身のスキルや能力が一目で分かるため、数値をもとに目標を立てるだけです。例えば、飲食企業で接客スキルが5段階中4だとします。「来年は数値を5まで上げる、そのためにコミュニケーション研修会に参加予定」と設定するだけです。また、数値2や3の方は徐々に上げていく目標を立てていきます。目標達成に向けた進捗状況が分かりやすいため、スキルマップを活用する価値は大いにあります。

スキルマップのフォーマットの例

スキルマップに決められた型はありません。企業によって統一しているケースもあれば、さらに細かく部署ごとに設定している場合もあります。とはいえ基本的なフォーマットはほぼ同じです。一般的にフォーマットはマトリックス図で形成されています。Excelで作成し、シンプルな形でつくっていくのが特徴です。そのため、時間をかけずに誰でも簡単につくれるのが特徴です。「導入するのに費用がかかりそう」「つくるのに時間を要しそう」などの心配はほぼ無用と言えます。

実際の書き方は、まず横軸と縦軸を決めていきます。このあたりは後ほど詳しく説明しますが、一般的に横軸には従業員名、縦軸にはスキル名を記入します。最後にスキルに沿って、各従業員の達成レベルを1~5段階で入力していきます。作業内容はたったこれだけです。あとは従業員が増えたら、従業員名項目を増やします。企業の方針によってスキル名を追加していくのもおすすめです。

スキルマップの作成方法

スキルマップの作成方法について解説します。

スキルマップの活用目的を明らかにする

まずは活用目的を明らかにしていきましょう。目的の明確化はスキルマップ作成において、最も重要と言っても過言ではありません。スキルマップの土台となる部分であり、目的があいまいであると効果は発揮しないのです。反対に目的設定に時間をかけ、丁寧に定めれば効果が得られます。

具体的には「どのような人材を育てたいか?」を明確にするのが先決です。企業によってリーダーを育成したいのか、それとも優秀なプレイヤーを育てたいのかによって、目標設定は異なります。例えば、リーダー育成が目標であれば「率先して会議の場で発言できているか?」「社員の仕事内容を把握しているか?」などの項目を作成するのがおすすめです。また、目的が明確化した後、社員へもれなく情報共有していきましょう。理由もなく突然導入すると社員が困惑する場合もあります。不満がうまれるケースもあるため、導入理由は明確に伝えるのが安全です。

スキル項目を挙げる

スキルマップの活用目的が明確になったら、スキル項目を挙げていきましょう。スキルマップのフォーマット例で言うと、縦軸がスキル項目に該当します。この段階で重要なのは完璧主義を捨てることです。はじめから自社の理念やビジョンに完全に合ったアイディアを考えようとしても、なかなか良いアイディアは浮かびません。それよりも、まずは否定せずに意見や要望をとことん出す作業が必要です。「量が質をうむ」の格言どおり、出したアイディアの数だけ、洗練された項目がうまれます。

スキル項目のアイディアを出す方法としては、社員と面談の場をつくるのもおすすめです。現状取り組んでいる業務や、所持しているスキルなどをヒアリングしています。例えば「最近どんな内容の業務に注力しているか?」「最近取得した資格はあるか?」のような質問をします。取り組んでいる業務を書き出し、不要な仕事は削除したり、重要な業務は優先順位を上げたりしてみましょう。「社員からヒアリングする→項目を洗い出す」この作業を繰り返していくうちに、質の高い項目が出来上がります。

スキル項目を分類する

スキル項目の洗い出しが出来たら、項目を分類していきましょう。項目を分類する際は大・中・小項目と段階別に分けるのがおすすめです。例えば営業の場合、大項目は営業力、中項目はコミュニケーション力・提案力・知識、小項目はヒアリング力・論理的思考力・学習能力といった具合に並べてみるとスムーズです。項目はあくまでシンプルさが重要であり、従業員目線で分類していきましょう。項目の意味が分かりにくかったり、明らかに違う項目が混在していたりすると、不満の原因にもなります。

また、実際にスキル項目が完成に近づいたら、テストを行うのも1つの方法です。例えば他部門の従業員へ実際に項目を見てもらいます。「この項目は削除したほうがいい」「あの項目は違う中項目に入れるべきだ」などの意見がもらえる可能性もあるのです。第三者の目線から意見を取り入れることで、より効果が期待できるスキルマップへと仕上がります。スキルマップの活用目的が土台であるならば、スキル項目は枠に該当します。枠は土台の次に重要な部分のため、この作業も丁寧に取り組んでいきましょう。

評価基準を決める

スキル項目が完成したら、評価基準を決めていきます。スキルマップ作成における終盤の工程です。一般的には1~5段階で評価し、5が最も良い評価となるよう設定します。まれに「達成している/達成していない」の二項評価で決める場合もありますが、デメリットが多いのは念頭に置いておきましょう。二項評価であると、評価に偏りが出てきてしまいます。評価が高い人と低い人どちらかに多く偏り、正当に評価されないのです。高評価の人が増えすぎれば、それだけ給料を上げなければいけません。結果的に人件費が上がってしまいます。低評価の方が増えすぎてしまうと、不満をうむ要因につながります。

そのため、評価基準を決める際は言葉で明確に伝えるのがポイントです。例えば「5:スキルを十分に習得しており、人に指導できるレベル」「4:仕事の流れを把握しており、指導しなくても問題ないレベル」など、基準を具体的に説明しましょう。このように基準が明確であると、社員はモチベーション高く業務に取り組んでくれます。

人事担当と共有する

スキルマップが完成したら、最後に人事担当と共有していきましょう。人事担当と共有する目的は主観の排除です。現場単位でスキルマップを作成していると、視野が狭くなってしまいます。客観的な意見も積極的に取り入れれば、質の高いスキルマップが完成します。例えばアパレルショップにおいて現場主導で作成すると、接客スキル中心の項目が出来上がりやすいです。コミュニケーション力・提案力・クロージングスキルなどの項目が多く含まれます。店舗単位で売り上げ目標があるため、このような項目が中心になるのは当然と言えます。

ところが販売スタッフに必要なのは接客スキルだけではないです。リーダーシップスキルや数字を読む力も必要です。統率力を養わなければ、リーダーはうまれません。数字を読む力がなければ、継続的な目標達成は困難です。人事担当は「社員が成長するにはどんなスキルが必要か?」を認識しています。そのために人事部へ共有し、第三者目線から分析してもらうのです。

スキルマップのテンプレート

スキルマップを作成する際に活用したいのがテンプレートです。インターネット上で公開されている代表的なテンプレートは2種類あります。まず一つ目は厚生労働省が提供している「職業能力評価シート」です。最も特徴的なのは職務別、レベル別で細かくシートが分けられている点です。例えば事務系職種では労務管理・人事・法務・総務などで分けられ、レベルは1~4まであります。レベル1はエントリー、レベル2はスタッフ、レベル3はマネージャー、レベル4はスペシャリストです。シートには自己評価・上司評価の項目もあり、自分自身への評価が正当であるかも見極められます。シンプルなつくりであるため、はじめてスキルマップを導入する方にはおすすめです。

二つ目はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が提供している「情報システムユーザースキル標準」です。IPAはIT人材育成計画をもとに、デジタル社会実現に向けて活動する独立行政法人です。情報システムユーザースキル標準は主にIT部門の評価を目的としてつくられたシートとなります。大・中・小項目で分けれており、スキルを細かく評価できるのがポイントです。さらに評価レベルの要員数が一目でわかるため、部署全体に足りない能力を見極められます。

スキルマップの導入事例

スキルマップの導入事例について解説します。

株式会社富士通マーケティング

株式会社富士通マーケティングはソフトウェア開発からコンサルティングまでを手がける、情報通信サービス会社です。その中でも無線工事やネットワーク施工を行うコンストラクション事業本部において、スキルマップが導入されています。コンストラクション事業本部は業務の幅が広く、内容も複雑であるため、評価がスムーズにいきませんでした。以前までの評価基準は資格の有無が中心だったのも、正当に評価しきれていなかった状況を物語っています。

そこで富士通マーケティングではスキルマップを導入しました。大項目は「能力ユニット」、中項目は「能力項目」、小項目は「職務遂行のための基準」で分けています。例えば大項目には「施工管理」、中項目には「段取り打ち合わせ」、小項目には「打ち合わせの内容を正確に把握し、上司や同僚に報告している」とあります。評価基準は1~5にとどまらず、3.5や4.2のように小数点をつけているのもポイントです。これによって個々の課題が明確になり、育成方針がはっきりしました。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は誰もが知る日本を代表する自動車メーカーです。販売台数は3年連続世界1位に輝いており、勢いはとどまることを知りません。売上が高いのに比例して、従業員数も年々増えていきました。加えてトヨタ自動車の育成方針は「多能工」の輩出です。多能工とは一人が複数の作業を担う社員です。元来トヨタ自動車では単能工(一人がある作業に特化)を採用していましたが、多能工の効率性の良さに注目して導入を開始しました。

とはいえ、従業員増加と多能工の採用をきっかけに、人事評価は困難を極めていたのも実情です。社員が増えれば評価にかける時間が増えます。多能工の導入によって評価項目が多くなれば、さらに評価に費やす時間は増えるのです。そこでトヨタ自動車はスキルマップを採用しました。世界規模の従業員数を誇るトヨタ自動車にとって、スキルマップとの相性は良かったです。業務効率はアップし、社員のモチベーションは上がっていきました。

星野リゾート

最後は星野リゾートを紹介します。星野リゾートはホテル・旅館・スキー場などを経営する総合リゾート会社です。最初の旅館を開業してから109年目、現在は全国各地で施設を展開する日本の老舗企業です。そんな星野リゾートもスキルマップを導入している企業の1つです。星野リゾートは現在のトヨタ自動車と同じく、多能工社員の育成にこだわっています。もともと単能工社員の育成に注力していましたが、生産性向上のために多能工育成へと切り替わりました。

星野リゾートの多能工社員は一人で調理・フロント・ハウスピーキングを行います。ホテル・リゾート業界では珍しい取り組みと言えます。ホテル業界における多能工は効率化を図れるものの、一人の業務負担が増えるデメリットもあります。星野リゾートはそのデメリットをスキルマップによって埋めました。スキルマップによって全社員のスキルを可視化し、育成に役立てたのです。スキルが上がれば、たとえ業務量が増えてもスムーズにこなせます。その狙いは成功し、星野リゾートは人事面における問題が解消されました。現在はチームワークがより向上し、売上は年々上がり続けています。

そもそもなぜ人材育成は必要?

人材は「人財」と呼ぶ企業が多い事実からも、人材育成は必要不可欠です。そもそも人材育成とは企業の様々なリソースを活用し、人材を育てる取り組みです。具体的には研修やトレーニングによってスキルの習得を目指していきます。スキル面だけなく、内面の強化を図るのも特徴です。モチベーションを高めたり、メンタルヘルスを強化したり、人材育成は外から見えない部分もレベルアップさせていきます。

人材育成が必要な理由は大きく2つあります。まず一つ目は企業の業績アップへつなげる狙いがあるからです。会社の売上は自動的に上がるわけではありません。社員の働きによってお金がうまれてくるのです。従業員がよく働けば売上は向上します。反対に従業員一人一人の生産性が下がれば、企業全体の売上は下がってしまうのです。それが大きく影響しているのは人材育成と言えます。育成がスムーズに進んでいれば、企業の業績は自動的に上がっていきます。

二点目は転職市場の変化です。近年は買い手市場から売り手市場へと変化しています。求職者が仕事を見つけやすく、希望の会社へ入りやすくなりました。となると、企業側は優秀な人材を確保しにくくなります。「求職者に人気で業績の高い企業は、優秀な人材を獲得して更に売上を伸ばす」このような流れが出来上がりました。結果的に人材をうまく採用できない企業は、育成に切り替えたのです。そこで人材育成に必要なツールとして、スキルマップに注目が集まっています。

人材育成で活用したいツール

人材育成で活用したいツールについて解説します。

スキル管理システムについてはこちら↓

ロードマップ

人材育成におけるロードマップとは、ゴールまでの道のりを正しく示す予定表です。本来ロードマップは「道路の地図」と訳せます。人材育成の目的地に至るまでの、最短ルートを描いていきます。ロードマップを活用すれば、プロジェクト成功までのイメージがしやすくなります。イメージしやすいのは本人だけでなく、関係者でに共有しやすいのが特徴です。育成の目的を明確にするにはロードマップが有効です。

ロードマップの作り方はまず求める人物像を明確にします。「5年後に部署のリーダーを担える人材を育てたい」「3年後のIT部門立ち上げに向けてDX人材を育成したい」などと具体化していきます。次に企業理念の作成です。企業理念がすでにある場合、求める人物像と乖離していないか確認しましょう。万が一かけ離れていたら、ギャップをうめていくのが先決です。企業理念が作成できたら、実際に人材育成計画をつくります。育成手段を第三者目線も交えて考え、問題がなければ導入開始です。

目標管理シート

目標管理シートはその名のとおり、従業員の目標を管理するシートです。企業にとって目標を設定するのは当たり前ですが、漠然とイメージしがちなのも事実です。頭の中で考えるだけであったり、書き出しても抽象的だったり、目標を立てる意味はほぼありません。そこで目標管理シートを作成すれば、目標達成までの道筋ができます。上司もシートを見てフィードバックできるため、より具体的なアドバイスや助言が送れるのです。

実際にシートに記入する項目は一般的に目標・評価基準・進捗の把握方法・達成計画・結果・振り返りです。これは業界や業種によって異なり、自部門の特徴と照らし合わせてアレンジしていきましょう。例えば営業であれば、数値目標が欠かせません。成約件数・アポイント数・成約率などを項目に入れると効果が高まります。また、目標管理シートは実現可能な目標を設定するのもポイントです。前回と比較して110%で設定するのが理想的と言われています。この数値を参考にして設定していきましょう。

タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントシステムは従業員の才能やスキルを把握し、適した部門へ人材配置するシステムです。タレントは「才能」あるいは、「才能ある人」の意味として捉えられます。才能を管理するという意味から、タレントマネジメントシステムと名付けられました。タレントマネジメントシステムが近年多くの企業で導入傾向にあるのは、企業の人材不足と大きく関係しています。売り手市場・高齢化・年功序列制度の崩壊などの理由から、人材が足りていないのが現状です。そこでタレントマネジメントシステムを活用すれば、今いる人材で生産性を向上できます。

当システムのメインとなる機能は大きく3つあります。一つ目はスキル管理機能です。コミュニケーション・プレゼン・交渉スキルなどが、どれだけのレベルに達しているかを管理できます。二つ目は評価・目標達成管理機能です。目標に対してどの程度達成したかを一目で見れます。上司が評価するのはもちろん、自己評価も可能です。最後は後継者育成機能です。企業が求めるモデルを設定し、その人物像に対してどれだけ近づいているかを判定できます。育成が急務な企業はとくにおすすめな機能です。

スキルマップを活用し人材育成を強化しましょう

スキルマップとは社員一人一人の能力を見える化した表です。導入する大きな目的は人材育成です。「スキルの習熟レベルはどれくらいか?」「何が不得意分野なのか?」などを把握しておけば、より的確な指導やトレーニングを行えます。

また、スキルマップは人材育成だけでなく、ISO取得にも欠かせません。ISO取得条件として、社員のスキルを可視化できているかが問われるからです。スキルマップの作成方法はいたって簡単です。まずは活用目的を明確にし、項目の候補をあげていきます。候補があがったら分類し、評価基準を決めるだけです。ぜひこの機会にスキルマップを導入してみましょう。