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【必見】業務効率化に使える!おすすめのフレームワークを5つ紹介

業務効率化のフレームワーク

業務効率化を考えているがどのような手法を用いて実施したらいいか分からない、日々の業務をこなしながら効率化まで考えるのは大変という人は少なくありません。上司や経営層から業務効率化を求められているという人もいるでしょう。

今回の記事では、業務を効率化する適切な手順やおすすめのフレームワークを5つ解説します。
最後まで読むと、フレームワークを活用した業務効率化を進めることが可能です。

業務効率化とは具体的にどういうこと?

業務効率化と一口で言っても、具体的にイメージするのは難しいと感じる人も少なくありません。
ここでは、意味やメリットを具体的に解説します。これを読むことで理解が進み、よりイメージが具体化されるでしょう。

業務効率化とは?

業務効率化とは、普段の仕事内容の「ムリ・ムダ・ムラ」を見つけ、削減し質の向上を目指すことです。メリットして、より重要度の高い仕事にリソースを割くことで、生産性の改善が見込まれます。また、コスト削減や既存の従業員満足度も向上します。

業務の効率化が推進されるようになった背景として、近年の働き方改革が要因の一つにあげられます。令和3年11月に実施された「労働経済動向調査」の結果を見ると、長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現に「取り組んでいる」と答えた企業の割合は全体で79%に達しています。

業務を効率化する手法として、ツールの利用やプロセスの自動化などの施策を講じている企業が多数ですが、企業ごとで割ける予算や人手も違うため、1社1社の方法は異なります。

業務効率化の適切な進め方

どのように進めたら自社の業務効率化がうまくいくのだろうと思っている方は少なくありません。
ここでは、適切な進め方を3つの手順に沿って説明します。
これを読むことで、最も適したやり方で業務の効率化を進めていけるでしょう。

現状把握と業務の可視化

まずは、現状の把握と業務の可視化に取り組むといいでしょう。方法としては、現場の声を聞くことです。実際に業務に取り組んでいる社員にどの業務がどのくらいかかっているかを確認し、無理をしている業務や無駄な業務をより正確に把握できます。特に特定の個人のみが担当する属人的な業務は、他の人の介入がないため、業務効率化が必要な可能性が高いです。取り組んでいる社員に話を聞いて、全体に可視化することで、効率的なやり方を適用できるでしょう。

効率化を図る業務を選択

現場の社員の声を聞き、業務を可視化できたら、次は具体的に効率化を図る業務を選択します。効率化できる業務を選ぶ際のポイントは、単純な作業、反復する作業、マニュアルを作りやすいという3点です。例として、総務部で行われている備品の調達作業はマニュアルを作りやすい業務といえます。どこから調達するのか業者を一覧としてまとめ、調達業務の内容を部全体で理解できるようにマニュアルを共有すると、既存のやり方で無駄な作業がなかったかどうかもチェックが可能です。具体的にどの業務が効率化する対象なのか明確にし、実践できるでしょう。

検証と評価、改善策の立案

効率化を図る業務を選択し、効率化できる方法を実践するところまでが業務効率化ではありません。実践した結果、どのくらい効率的に業務を進めているのか検証、評価が必要です。そのためには、目標を事前に決定することが重要になります。例として、今まで4時間かかっていた業務をこの方法にして2時間で終わらせるなど、具体的な数値目標で管理が必要です。数値で管理することにより、既存社員のモチベーションアップにもつながります。業務効率化の方法は全てうまくいくとは限りません。もし、なかなか成果が出ない業務があったら、再度改善案を部内で話し合い、改善策を立案・実践していきましょう。

業務効率化におすすめのフレームワーク

社内の効率化をもっと簡単に進めていきたいと考えている方もいるでしょう。
ここでは、ECRSをはじめとしたおすすめのフレームワーク5つを紹介します。
これを読むことで、フレームワークを活用してより的確に効率化に関する施策を実行できるでしょう。

ECRS(イクルス)

もともと製造業で利用されていたフレームワークです。昨今では、幅広い業種や職種で利用されています。
業務効率化の進め方で説明した、効率化を図る業務を選択し、具体的に実践する際におすすめです。ECRSはイクルスと読み、Eliminate、Combine、Rearrange、Simplifyの頭文字をつなげてできたものです。Eは排除で、効率化を図りたい業務そのものを無くしてしまう考え方です。Cは結合と分離で今まで別々に行っていた作業を1つにまとめることで効率化を図ります。Rは入れ替えで既存の作業の順番を変更し、効率化を図れないか試みます。最後、Sの簡素化は既存の作業を簡単にし、効率化が図れます。この4つに当てはめることで、既存の業務を効率化する方法を考慮できます。EからSの順に効率化の効果が大きくなりますので、Eから考えていくといいですね。

ロジックツリー

2001年に23万部のベストセラーとなった著書「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル」から話題となったフレームワークです。もともとコンサルタントが使用していたフレームワークでしたが、今では問題解決のフレームワークとして一般的になっています。特に、業務効率化の根本的な原因を探るのにおすすめです。1つのキーワードから考えられるキーワードを木の枝のように広げることで、どうして業務効率化を図れないのか原因を把握に役立ちます。業務を選択後に原因究明を図る場合や業務効率化がうまくいかなった場合の改善策の立案にも取り入れることができるでしょう。

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

Object Management Groupというコンピュータ業界の非営利の標準化コンソーシアムが管理しているフレームワークです。国際標準規格にされているので、社外問わず使用でき、グローバル企業に特におすすめです。既存の業務プロセスを記号で図にすることで、分かりやすい表現が可能です。現場の社員から話を聞き、業務を可視化する際に有効となります。業務自体が複雑化している場合には、BPMNを使用して、業務を可視化した後に業務を効率化する方法を考えるのも1つの手法です。

KPT

アメリカのコンピュータ科学者であり、アジャイル開発の発起人であるAlistair Cockburnが提唱したフレームワークです。keep、problem、tryの頭文字をとっています。具体的に今実践している業務がどれだけ効率化されているか考え、検証と評価、改善策の立案をするときにおすすめです。業務を効率的に実施する中で、keepとして良いこと、problem課題になっていることを部署内の会議で話し合い、tryとして次の改善策を考えて実行できます。課題だけではなく、実施していく中で良いことも見つけられるので、社員同士モチベーションを高めながらできる手法です。

バリューチェーン分析

ハーバード大学経営大学院教授のMichael Porterが自身の著書である「競争優位の戦略」で用いたフレームワークです。企業活動における業務プロセスには価値が生じているという考えに基づいて、各業務が加わることによる価値を明確にし、どこにコストをかけたらいいかを明らかにできます。効率化する業務を選択する際に、重要な業務を明らかにするのにおすすめです。

⇒業務効率化のツールについて詳しく知りたい方はこちら

業務効率化を進める上で重要なポイントと注意点

業務効率化を進める中でどういったことに注意して進めたらいいのだろうと考える方は多いでしょう。
ここからは、具体的に4つのポイントと注意点を紹介します。
きちんとポイントを把握し、より効果が出る業務効率化を進めることが可能です。

目的を明らかにする

まずは目的を明らかにすることが挙げられます。社員に「業務効率化をする」という大きな目標だけ共有しても実践してもらえないことは多いです。既存の社員からは、今のやり方に満足しているケースやこれ以上変化を求めたくないといった意見が出てくる可能性もあります。例として、残業時間を減らし社員の負担を減らすという具体的な目標があれば、社員はより詳細に理解し、会社全体で業務効率化に取り組めます。

現場の意見を聞く

現状把握のところでも紹介しましたが、現場の意見を聞くことは重要です。経営層やマネジメントクラスの社員だけで業務効率化の方法を考え、実践しようとしても現場との乖離が起きる可能性が高くなります。現場でどのような業務をしているのか具体的に把握して、実践に移すが重要です。現場を巻き込むことで、より成功に近づけるでしょう。

長期的な目線で計画する

業務効率化は短時間で成果を出すことは困難です。目標を設定し、検証と評価を続けていき、改善策を考え実践し、よりよい成果を生むことが可能となります。例として、組織変更があったとして、社員の業務への慣れや組織へ慣れる時間が必要となります。また、マニュアルを作成してもそれ通りで実施できるのには時間がかかるでしょう。短い期間で成果を出そうとは考えず、長い目線で計画、実行に移すことで本当の意味での業務効率化を実現できるでしょう。

費用対効果をチェックする

費用対効果のチェックも重要です。例として、業務効率化のためにツールを導入するケースは多々あります。しかし、それが活用できるものなのか、多くの費用をかけることで今までかかっていた経費分を削減できるのかはシビアに判断する必要があります。実際、営業部で今まで各自Excelで顧客を管理していたため、顧客管理ツールを導入した結果、うまく活用できなかったという例もあります。費用対効果をきちんとチェックしてから導入するように注意しましょう。

まとめ

この記事では業務効率化を考えている方に向けて、適切な手順やおすすめのフレームワークを5つ解説しました。ECRSやロジックツリーなどのフレームワークは効率化を進める中での手助けとなります。今回の記事で紹介した内容を実践し、自社の業務効率化に取り組んでみましょう。