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研修管理業務における脱Excel~第3回「タレントマネジメントシステム導入による研修管理の効率化と高度化」

前回「研修管理システムに求められる機能」では、Excelによる研修管理の課題を解決するために必要となる研修受講情報の一元管理の必要性について解説しました。 第3回の今回は、研修受講情報の一元管理を実現するタレントマネジメントシステムを使用した研修管理フローと、スキル評価との連動による研修効果測定について解説します。 研修管理の4つのステップ 最初に、タレントマネジメントシステムを使用した研修管理フローについて解説します。 ワン・オー・ワンがクラウドサービスとして提供しているタレントマネジメントシステムスキルナビの場合、研修管理フローは次の4つのステップになります。 一般社員による研修受講申し込み システムに登録されている研修情報の中から、希望に合う研修を検索する タスクに関連する研修を検索、詳細を参照して受講申し込みを行う マネージャによる受講承認 画面に表示される申請に対して承認処理を行う 研修受講 一般社員による研修内容の評価入力 評価レポート、口コミ情報を入力する   ここでのポイントは、このような業務フローをメールやExcelファイルのやり取りではなく、システム上の画面で実施できるので、効率的な業務遂行が可能となるということです。 メールやExcelによる運用では、本来、人が介在する必要のないプロセスが多く発生してしまい、各プロセス間での見えないやり取りが多くの時間を浪費しています。 一方、タレントマネジメントシステムによる運用では、研修関連データは統合されたデータベースとして一元管理されていますので、最新のデータを全員で共有することで、無駄なプロセスをなくし、手作業によるミスも大幅に減らすことが可能になります。 また、ステップ4で受講者が入力した評価レポートや口コミを、ステップ1に他の社員が参照するといった情報の共有も可能になります。 スキル評価との連動による研修効果測定 次に、スキル評価との連動による研修効果測定について解説します。 クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビでは、個々の研修に対して、効果が期待できるスキル項目が紐づけられています。そのため、研修の受講履歴とスキル管理で入力される判定結果から、その研修がタレント(スキル)の向上に寄与した効果を分析することができます。 以下の図は、スキルナビで管理される研修受講履歴と習得スキルのデータを外部出力し、Excelで分析した画面の例です。この例では、横軸に評価実施時期を、凡例に受講者を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。 この画面からは、個人差はあるものの研修の効果は時間を経るに従って表れてきていることがわかります。 次の例では、横軸に受講者を、凡例に評価実施時期を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。 この画面からは、受講者別の研修効果を分析できます。具体的には、富山さん、千葉さん、奈良さんについては効果が見られないものの、それ以外は全員何らかの効果が表れており、特に 福岡さん、大坂さんについては著しい効果が表れていることがわかります。 次回は、研修管理業務のさらなる効率化と高度化を可能にするタレントマネジメントシステムとeラーニングシステム(LMS)との連携について解説します。 連載記事 第1回「Excelによる研修管理の課題」 第2回「研修管理システムに求められる機能」 第4回「eラーニングシステム(LMS)との連携による研修管理の効率化と高度化」 t_nikaido

人材育成

研修管理業務における脱Excel~第2回「研修管理システムに求められる機能」

前回「Excelによる研修管理の課題」では、Excelによる研修管理の課題を、人事担当者、マネージャ、一般社員それぞれの立場から解説しました。 第2回の今回は、これらの課題を解決するために必要となる研修管理システムの機能について解説します。 最初に、Excelによる研修管理での4つの課題とその解決に必要となる機能を解説します。 ファイル管理 Excelによる研修管理では、データが研修コース単位や部門単位に分割されますので、データのやり取りも、ファイルをメールに添付してデータをやり取りしたり、ファイルサーバー上で管理するといった煩雑なものになります。 したがって、研修管理システムでは、すべてのデータを1つのデータベースに格納し、組織や役割に応じたアクセス権限を設定する必要があります。 そうすることで、すべての人事担当者、マネージャ、社員がそれぞれの権限に応じた範囲の最新のデータを参照できるようになります。 進捗管理 Excelによる研修管理では、研修受講のプロセスが進んでいる間、進捗状況を把握する仕組みがないため、メールやファイルのやり取りといった1対1のコミュニケーションに頼るしかありません。 したがって、研修管理システムでは、受講申請、受講報告などのデータ入力や更新をデータベースに対して直接行うことで、入力や更新の発生を自動的に検知し、つねに最新の状況が把握できるようにしておく必要があります。 そうすることで、人事担当者がマネージャに、マネージャが社員にメールで受講実績を確認するいった作業は必要がなくなります。 履歴管理 Excelによる研修管理では、研修コース単位で受講履歴を管理するのが一般的であるため、特定の社員に関する受講データは複数のファイルに分散されてしまいます。 したがって、研修管理システムでは、受講情報をデータベースで一元管理し、時系列にデータを並べ替えたうえで、情報を参照できるようにする必要があります。 そうすることで、例えば、特定の社員の評価が過去どのような研修を受講してきたかを調べたりすることができるようになります。 集計 Excelによる研修管理では、データが複数のExcelファイルにまたがって存在するため、集計作業が煩雑でミスが起こりやすくなります。 したがって、研修管理システムでは、受講情報をデータベースで一元管理し、手作業によらず自動的に受講データの集計が行えるようにする必要があります。 そうすることで、単純な集計ミスを防ぐことができようになるだけではなく、部門別や月別といった異なる集計単位が必要になっても、すぐに対応できるようになります。 最新の研修管理システムとは 以上のことから、研修管理システムに求められる機能の最大のポイントはデータベースによる情報の一元管理であることがわかります。 このような研修受講情報の一元管理を実現するシステムの中で最新のものがタレントマネジメントシステムです。 タレントマネジメントシステムにおいては、一元管理される情報に受講データ以外の経歴、スキル、資格、評価などのデータを追加することで、人材検索、スキル分析、職種・等級ごとの人材分布の把握が可能になっています。 次回は、このタレントマネジメントシステムを使用した研修管理フローと、スキル評価との連動による研修効果測定について解説します。 連載記事 第1回「Excelによる研修管理の課題」 第3回「タレントマネジメントシステム導入による研修管理の効率化と高度化」 第4回「eラーニングシステム(LMS)との連携による研修管理の効率化と高度化」 t_nikaido

人材育成

研修管理業務における脱Excel~第1回「Excelによる研修管理の課題」

多くの企業では、いまだにExcelを使った研修管理が行われていますが、管理が煩雑でミスも多く、多大な工数が使われる結果を招いています。このコラムでは、このようなExcelに依存した研修管理から脱却する方法について説明します。 第1回の今回は、Excelによる研修管理の課題を、人事担当者、マネージャ、一般社員それぞれの立場から解説します。 人事担当者(管理者)の課題 管理者としての人事担当者が最初に直面する課題はファイル管理です。 すべてのデータを1つのExcelファイルに入れることはできませんから、研修コース単位や部門単位に分割してファイルを管理しなければなりませんし、データのやり取りも、ファイルをメールに添付したり、ファイルサーバー上に置いたりするのは、とても煩雑です。 2つ目の課題は進捗管理です。 Excelによる研修管理では、研修受講のプロセスが進んでいる間、受講申請から受講後レポートにいたる進捗状況を把握する仕組みがありません。研修受講報告のない担当者に確認メールを個別に送るといった作業をするのはとても非効率です。 3つ目の課題は履歴管理です。 Excelによる研修管理では、研修コース単位で受講履歴を管理するのが一般的ですが、その場合、特定の社員に関する受講データは複数のファイルに分散されてしまいます。結果として、時系列で社員がどのような研修コースを受講してきたのかを知りたい場合には、複数のExcelファイルからデータを集めて時系列に並べる作業が発生してしまいます。 4つ目の課題は集計です。 複数のExcelファイルにまたがったデータをまとめて集計するためには、わざわざ別の集計用ファイルにまとめて計算する必要があり、部門別や月別といった異なる集計単位が必要になる都度、面倒な作業が発生してしまいます。 マネージャ(評価者)の課題 承認者としてのマネージャが直面する課題は、人事担当者とよく似ています。 マネージャは複数の部下からの研修受講願を承認しなければなりませんから、部下ごと・研修コースごとに受講が適正かどうかを判断するためのデータを必要とします。 しかし、受講管理がExcelで行われている場合は、部下が過去どのような研修を受講したのか、あるいは、同じ研修コースを受講した部下が他にいないのか等を確認することさえ難しくなります。 進捗管理についても、未決済の受講願の有無や、承認した研修を部下が本当に受講したのかを自分自身で管理しなければならず、その非効率さは人事担当者と同様です。 一般社員(被評価者)の課題 人事担当者やマネージャほどではないにせよ、受講する立場の一般社員についても、課題は発生します。受講申請や受講報告の過程において発生するメールやファイルのやり取りは、大変面倒で、申請ミスや報告忘れといった問題が起こります。 履歴管理についても同様です。自分自身が都度データを入力、保存し時系列にまとめておかない限り、過去の受講履歴がわからず、同じような研修コースを受講してしまったりします。 このように、Excelによる研修管理には多くの課題があり、人事担当者(管理者)、マネージャ(承認者)、一般社員(受講者)のそれぞれに多大な工数がかかり、遅延やミスが出やすく、データを活かした研修企画も実現できないということになります。 次回は、このような課題を解決するために必要となる「研修管理システムに求められる機能」について解説します。 連載記事 第2回「研修管理システムに求められる機能」 第3回「タレントマネジメントシステム導入による研修管理の効率化と高度化」 第4回「eラーニングシステム(LMS)との連携による研修管理の効率化と高度化」 t_nikaido

人材育成

【脱Excel#2】人事評価からタレントマネジメントへ

第1回「人事評価システムとは?導入メリット、導入事例、機能、比較のポイントについて」では、Excelによる人事評価管理の課題を、人事担当者、マネージャ、一般社員それぞれの立場から解説し、これらの課題を解決するために必要となる人事評価システムの機能について解説した上で、最新の人事評価システムとしてのタレントマネジメントシステムを紹介しました。 最終回の今回は、人事評価プロセスの改善以外のタレントマネジメントシステムの導入効果について解説します。 人事評価の目的とタレントマネジメントの目的の違い 人事評価の公平性や客観性を担保する仕組み 人事評価を行う最終的な目的は給与や賞与の金額を決定することにあります。給与や賞与の金額は、社員の個人的な生活に関わる問題ですから、企業内の業務の中でも極めて関心が高く、人事部門は、人事評価における公平性や客観性を保つために大変な苦労をしています。 しかし、人事評価でいう公平性や客観性はあくまでも相対評価の枠組みの中に限定されます。なぜなら、社員に支払う給与や賞与の金額には、原資と呼ばれる総額が必ず設定されているからです。 つまり、人事評価とは、「Aさんがこれだけの成果を上げたから給与がいくらになります」ではなく、「AさんはBさんよりもより大きな成果を上げたから」、「Aさんのあげた成果は、Aさんの所属する部門の中で何番目に位置するから」という理由付けで給与や賞与を決定するプロセスということになります。 例えば、2つの部門に100人ずつ社員が所属しており、最高評価が上位5%だとすると、原則として最高評価を得る社員は、各部門から5人ずつになります。 片方の部門がもう一方の部門よりもより大きな成果を上げているとしても、片方の部門で10人が最高評価を受け、もう一方の部門では最高評価がだれもいないということはありません。 人事評価の公平性と客観性の限界 このような矛盾を解決するために、仮に全社員を1つのグループとして最高評価を選考するとしても、前年度より成果が上がったからといって、今年度は最高評価が上位10%まで拡大されるということもありません。つまり、人事評価は、原資の配分という本質的な目的がある以上、相対評価という大原則の枠組みの中でしか、公平性、客観性を保つことはできないのです。 つまり、相対的な評価基準を使用した人事評価は給与や賞与の金額を決定するためには必要ではあるが、個々の社員のタレント(スキル)の把握と向上をゴールとした評価基準にはなり得ないということです。 タレントマネジメントに必要なのは絶対評価と客観的な基準 人事評価への絶対的評価基準の導入 この問題を解決するためには、給与や賞与の金額を決定するための相対的な評価基準を使用した人事評価とは別に、絶対的な評価基準を使用したタレントマネジメントを行う必要があります。 「AさんはBさんよりもスキルが高い」という事実は、タレントマネジメントの結果として判定が可能になる情報の一つではありますが、その前に、「Aさんのスキルは、XXXという客観的な基準を満たしている」という判定を行うのがタレントマネジメントの最初のゴールになります。 絶対評価基準を導入のため客観的基準が必要 しかし、絶対評価を行うには、ある客観的な基準を事前に設定しておく必要があります。 これが曖昧で、時間の経過とともに変更されるようなことがあると、評価の公平性が失われることになります。つまり、タレントマネジメントを行うためには、最初に、絶対評価を行うために必要な客観的な基準を設定する必要があるということです。 人事評価は、事前の厳密な基準設定がなくても実施可能ですが、タレントマネジメントはそうではありません。 従って、タレントマネジメント業務を支援する「タレントマネジメントシステム」には、必ずこの基準設定機能があります。クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビの場合、最初の基本的な判定基準としてスキル定義を行うようになっています。 例:弊社システムスキルナビでの取り組み方 クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビの場合、社員のスキル定義はタスクとスキルから構成されます。ここで、タスクは特定業務を遂行するために必要な能力要素を指します。スキルナビの場合、タスクとスキルは別々の体系として管理されますが、タスクとスキルを関連付けることで、双方から参照できるようになっています。 また、客観的で公正な評価を可能にするために、スキルナビの場合、各スキルについて習熟度レベルと呼ばれる点数を定義することができるようになっています。(参考:人事評価を目的としたスキルナビの導入事例) タスクとスキル双方の定義と関連付けが完了したら、自己評価や上司による評価が可能になります。評価はスキル単位で行われますが、タスクと関連付けられているため、特定のタスクに必要なスキルが現時点でどういう評価になっているかが一目でわかるようになります。 以下の図は、スキルナビで営業職の「顧客アプローチ」タスクに関連付けられたスキルの自己評価を行う画面の例です。この例では、個々のスキルの習熟度をR0からR5の6段階で回答するように設定されています。 せっかくタレントマネジメントシステムを導入するのであれば、人事評価プロセスにおける脱Excelで満足するのではなく、個々の社員のタレント(スキル)の把握と向上を目指した絶対的な評価基準に基づくタレントマネジメントに挑戦してみてはいかがでしょうか。 連載記事 第1回「Excel(エクセル)による人事評価管理の課題と人事評価システムによる解決」 第2回「タレントマネジメントシステム導入による脱Excel事例」 t_nikaido

人事評価・評価制度

【脱Excel#1】人事評価システムとは?導入メリット、導入事例、機能、比較のポイントについて

人事評価システムとは? 人事評価システムとは、人事評価に関する業務の多くをデジタル化することによって、業務効率を改善するITシステムです。人事評価システムを採用する企業は増えてきましたが、未だ多くの企業では、Excelを使った人事評価が行われています。しかしながら、Excelによる人事評価は、管理が煩雑でミスも多く、多大な工数が使われる結果を招いています。 このコラムでは、このようなExcelに依存した人事評価から脱却する方法と、人事評価システムについて複数回に分けてご説明します。 まずは、人事評価システムを導入しない場合の課題を整理していきます。 Excel(エクセル)による人事評価の課題 人事担当者・マネージャー・一般社員のそれぞれの立場から見た、Excelでの人事評価における課題をご紹介します。 人事担当者(管理者)の課題 人事担当者の課題は4つに大別されます。 ファイル管理 すべてのデータを1つのExcelファイルに入れることはできませんから、事業部・部単位・拠点単位に分割してファイルを管理しなければなりませんし、データのやり取りも、ファイルをメールに添付したり、ファイルサーバー上に置いたりするのは、とても煩雑です。 進捗管理 Excelによる人事評価管理では、人事評価のプロセスが進んでいる間、進捗状況を把握する仕組みがありません。返信のないマネージャに催促メールを個別に送るといった作業をするのはとても非効率です。 履歴管理 Excelによる人事評価管理では、人事異動や年度ごとの更新により、同じ社員の評価データが複数のファイルに分散されてしまいますので、例えば、時系列で社員のスキルが向上しているのかどうかを把握したい場合に、都度データを集めて時系列に並べる作業が発生してしまいます。 評価集計 複数のExcelファイルにまたがったデータをまとめて集計するためには、わざわざ別の集計用ファイルにまとめて計算する必要がありますし、事業部・部単位内での相対評価などに齟齬がないかを確認するのは大変です。 マネージャ(評価者)の課題 評価者としてのマネージャが直面する課題は、人事担当者とよく似ています。 マネージャは定期的に複数の部下を評価しますから、部下ごと・半期ごとに作成されるファイルの管理が煩雑で、メールでのやり取りを行ううちにどれが最新版のファイルからわからなくなるといったことが起こります。 進捗管理についても、部下とのやり取りにおいてメールによる催促を行うなど、非効率さは人事担当者と同様です。 以前から評価してきた部下だけならともかく、異動者してきた新しい部下については、過去の評価がわからないと、一貫性のある人事評価はできません。 しかし、過去のデータを入手することは簡単でなく、入手できたとしても単に評点のみの定量的なデータだけで、本当に見たい以前の評価者のコメントといった定性的なデータは含まれていないケースがほとんどです。 一般社員(被評価者)の課題 人事担当者やマネージャほどではないにせよ、評価される立場の一般社員についても、課題は発生します。 評価の過程において発生するファイルのやり取りは、面倒で、最新版のファイルがわからなくなるといった問題が起こります。 履歴管理についても同様です。自分自身が都度データを入手、保存し時系列にまとめておかない限り、過去の評価がわからず、同じような目標設定を繰り返してしまったり、自分自身がスキルアップできているかを確認することができなかったりします。 このように、Excelによる人事評価管理には多くの課題があり、人事担当者(管理者)、マネージャ(評価者)、一般社員(被評価者)のそれぞれに多大な工数がかかり、遅延やミスが出やすく、データを活かしたマネジメントも実現できないということになります。 次回のコラムでは、このような課題を解決するために必要となる「人事評価システムに求められる機能」について解説します。(→【脱Excel#2】タレントマネジメントシステム導入による脱Excel事例) 人事評価システムを導入する際のポイントとは? 人事評価システムを導入する際には、以下のポイントに留意する必要があります。 1.役割に応じたアクセス権限の付与する 人事評価に関する情報は厳重に管理すべきものであり、その取扱いには機密性が求められます。そのため、社内の役割に応じて、情報へのアクセス可能範囲を変更する必要があります。また、部署によって情報へのアクセス可能範囲が異なることもあり、各ユーザーのアクセス可能範囲(アクセス権限)をアカウントによって自由に変更できるようにする必要もあります。自由度の高いアクセス権限の設定が可能であることは、人事評価システムを導入する上では非常に重要なのです。 2.進捗管理を容易にする 人事評価の過程において、その進捗を確認するためには、メールやファイルのやり取りといった一対一のやり取りをせざるを得ません。そのため、進捗管理の工数が嵩んだり、進捗がブラックボックスになったりするかのうせいが高い状況です。人事評価システムを導入すると、人事評価の進捗管理が可能であることが多く、システム導入の大きなメリットの一つであると考えられます。 3.データを一元管理し、システム上で評価業務を完結させる 紙やExcelを用いた人事評価では、データの管理が最も煩雑で面倒部分です。しかし、人事評価業務を用いれば、データの一元管理が可能になります。データの一元管理は、集計評価の手間を減らすだけではなく、評価業務を全てシステム上行うことを可能にし、大幅な業務効率の改善を実現します。 人事評価システムに必要な機能とは? それでは、上記のポイントを押さえた人事評価システムとはどのようなものなのでしょうか?上記ポイントを満たす人事評価システムの機能をご紹介します。 ファイル管理 人事評価システムでは、すべてのデータを1つのデータベースに格納し、組織や役割に応じたアクセス権限を設定する必要があります。 そうすることで、すべての人事担当者、マネージャ、社員がそれぞれの権限に応じた範囲の最新のデータを参照できるようになります。 進捗管理 評価データの入力や更新をデータベースに対して直接行うことで、入力や更新の発生を自動的に検知し、常に最新の状況が把握できるようにしておく必要があります。 そうすることで、人事担当者がマネージャに、マネージャが社員にメールで進捗を確認するといった作業は必要がなくなります。 履歴管理 評価情報をデータベースで一元管理し、時系列にデータを並べ替えたうえで、情報を参照できるようにする必要があります。 そうすることで、例えば、特定の社員の評価が過去どのように推移しているかを調べたり、あるいは、時系列で社員のスキルが向上しているのかどうかを把握することができるようになります。 集計評価 評価情報をデータベースで一元管理し、手作業によらず自動的に評価データの集計が行えるようにする必要があります。 そうすることで、単純な集計ミスを防ぐことができようになるだけではなく、部門間の評価データを比較して偏りや矛盾などがないかどうかを簡単に確認できるようになります。 上記機能を兼ね備えた人事評価システムとは? それでは、人事評価システムとして最適なものはどのようなものなのでしょうか? タレントマネジメントシステムの可能性 タレントマネジメントという言葉がトレンドになっている昨今ですが、その名を冠したタレントマネジメントシステムは、何もタレントマネジメントの導入・運用支援のためのみのシステムではありません。 タレントマネジメントシステムは、社内の人材情報を一元管理・活用することを目的につくられており、当然ながら人事評価業務への活用も想定されております。そのため、上記の4機能は搭載されている場合が殆どです。 […]

人事評価・評価制度

「HRテックに必要なタレントマネジメントシステムの機能」 #4|HRテック(HR Tech)とタレントマネジメントの関係

この連載の第3回では、HRテック(HR Tech)が効果を発揮するための前提条件として3つのポイントを解説しました。 今回は、これらの前提条件を満たすために必要となるタレントマネジメントシステムの機能について解説します。 統合化された人事データベース HRテック(HR Tech) が効果を発揮するためには、タレントマネジメントシステムのような広範囲の人材データを蓄積するための統合化された人事データベースの存在が不可欠であるということです。 したがって、この統合化された人事データベースを実現するためには、タレントマネジメントシステムが、他のさまざまなシステムに存在するさまざまな形式のデータを取り込み、統合する機能を持つ必要があります。 例えば、営業担当者の売上実績と営業マネージャの評価の関連性について分析したい場合、販売管理システムやSFA(営業支援システム)に存在する営業担当者ごとの売上実績データを取り込み、タレントマネジメントシステム内のマネージャ評価データと統合して分析する必要があります。 以下の画面例は、クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビで営業担当者ごとの売上実績データを取り込み、マネージャ評価データと統合し、9ブロックス分析を行った結果です。 図:9ブロックス分析 時系列でのデータ検索、分析 HRテック(HR Tech)で行われるデータ分析には、時間に関するデータ項目が不可欠です。一方で、人事系に限らず押し並べて業務系のシステムは過去のデータを上書き削除してしまうことが多く、時系列でのデータ検索、分析に適していません。したがって、タレントマネジメントシステムは、過去データを蓄積し、時系列でのデータ検索、分析を行うことができなければなりません。 例えば、ITサービス企業において、各職種のスキルレベルが各自に上昇しているかどうかを分析したい場合、過去数年にわたるスキル判定データを蓄積し、その時系列推移を可視化する必要があります。 以下の画面例は、クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビで職種ごとのスキルレベルを、過去3年の時系列推移としてグラフ表示した結果です。 図:職種ごとのスキルレベルの推移 数値化された絶対評価 標準的な人事システムでは、評価点数は相対評価で採点されますが、相対評価で採点された評価点数は、HRテック(HR Tech)で行われるようなデータ分析には、あまり役に立ちません。 したがって、タレントマネジメントシステムでは、評価点は絶対評価で数値化されなければなりません。 クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビの場合、社員のスキル定義はタスクとスキルから構成されます。 ここで、タスクは特定業務を遂行するために必要な能力要素を指します。 しかし、このタスクのレベルでは、客観的で公平な評価はできません。そこでスキルナビでは、タスクとは別にスキルを定義します。スキルは客観的で公正な評価が可能であると同時に、研修講座など修得に必要な具体的な施策が設定可能なレベルで定義します。 これらスキルの洗い出しは、当初はタスクを細分化することで行ってもかまいませんが、多くのスキルは複数のタスクで必要とされますので、最終的にはタスクとは別の体系として管理する方が効率的です。スキルナビの場合、タスクとスキルは別々の体系として管理されますが、タスクとスキルを関連付けることで、双方から参照できるようになっています。 また、客観的で公正な評価を可能にするために、スキルナビの場合、各スキルについて習熟度レベルと呼ばれる点数を定義することができるようになっています。 タスクとスキル双方の定義と関連付けが完了したら、自己評価や上司の評価が可能になります。評価はスキル単位で行われますが、タスクと関連付けられているため、特定のタスクに必要なスキルが現時点でどういう評価になっているかが一目でわかるようになります。 以下の図は、スキルナビで営業職の「顧客アプローチ」タスクに関連付けられたスキルの自己評価を行う画面の例です。 この例では、個々のスキルの習熟度をR0からR5の6段階で回答するように設定されています。 図:スキルの自己評価 関連記事 第1回「HRテック(HR Tech)とは」 第2回「HRテック適用例~退職者リスクの分析」 第3回「HRテックが効果を発揮するための前提条件」 t_nikaido

HRテック

「HRテックが効果を発揮するための前提条件」 #3|HRテック(HR Tech)とタレントマネジメントの関係

この連載の第2回では、HRテック(HR Tech)の適用例として退職者リスクの分析を行ってみました。 この例からもわかるとおり、HRテック(HR Tech)が効果を発揮するためには、一般的な人事データだけではなく、タレントマネジメントのデータも分析対象データとして重要であること、つまり、過去データが時系列に整備された統合データベースが必要であることになります。 今回は、これらの点を、HRテック(HR Tech)が効果を発揮するための前提条件という観点で、より詳しく解説します。 統合化された人事データベース 退職者リスクの分析において使用したデータには、以下のようなものがありました。 表:退職要因 この中で、標準的な人事システムに保存されている(またはそこから計算可能な)データは1~5までで、6~8についてはタレントマネジメントシステムのようなより広範な機能を持つシステムがないと入手できないデータです。 この例では、退職者リスクに影響を与える可能性のある項目として8項目しか設定されていませんが、実際のHRテック(HR Tech)では、数十項目以上の可能性(仮説)を考えるのが当たり前ですので、標準的な人事情報システムではまったく対応できないことがわかります。 つまり、HRテック(HR Tech) が効果を発揮するためには、タレントマネジメントシステムのような広範囲の人材データを蓄積するための統合化された人事データベースの存在が不可欠であるということです。 時系列でのデータ検索、分析 HRテック(HR Tech)で行われるデータ分析には、時間に関するデータ項目が極めて重要にあるケースがあります。 例えば、研修効果の分析の場合、特定の研修の効果が表れる期間には、個人差があります。 また、効果が表れるまでの期間には研修内容の特徴が影響するかもしません。 したがって、研修効果を正しく測定するためには、受講者を一定の時間間隔で評価し、研修受講時期も含めた時系列でのデータ分析が必要になります。 図:研修受講前後の評価の変化 この図の例では、8名の受講者の評価を研修受講前と受講後3回の計4回の評価結果を時系列に分析することで初めて、個人差はあるものの時間を経るに従って研修の効果が表れてきているという判定できます。 標準的な人事システムでは、そもそも研修管理の機能が含まれていませんし、仮にあったとしても、受講後評価を時系列に保存し、後日検索・分析するような機能はありません。 人事系に限らず、一般的にいって業務系のシステムは過去のデータをあまり重要視しないため、HRテック(HR Tech) が効果を発揮するために必要な時系列でのデータ検索・分析には、タレントマネジメントシステムのような情報系システムの存在が必要不可欠であるといえます。 数値化された絶対評価 先ほどの研修効果測定では、効果測定の尺度として、受講者のスキルの5段階評価点を使用していました。 これだけではわかりづらいのですが、HRテック(HR Tech)が効果を発揮するための前提条件として、この5段階評価が絶対評価によるものであるという点があげられます。 標準的な人事システムでは、評価点数は相対評価で採点されます。 これは、人事評価の目的が、最終的には、一定原資の中での給与、賞与の分配、あるいは、限られた数のポストを対象にした昇格にあるためです。 しかし、このような相対評価で採点された評価点数は、HRテック(HR Tech)で行われるようなデータ分析には、あまり役に立ちません。 先ほどの研修効果の分析でいえば、仮にある受講者のスキルが研修の効果により向上していても、たまたま、その時にスキルの高い他の社員との比較で相対評価された場合は、スキルの向上(=研修の効果)がデータに反映されない可能性があるためです。 一方、タレントマネジメントシステムにおいては、採点は絶対評価で行われるのが基本ですので、同じ評価項目であっても、人事システムの評価点ではなく、タレントマネジメントシステムの評価点の利用が、HRテック(HR Tech)が効果を発揮するための前提条件となります。 今回は、HRテック(HR Tech)が効果を発揮するための前提条件として3つのポイントを解説しました。次回は、これらの前提条件を満たすために必要となるタレントマネジメントシステムの機能について解説します。 関連記事 第1回「HRテック(HR Tech)とは」 第2回「HRテック適用例~退職者リスクの分析」 第4回「HRテックに必要なタレントマネジメントシステムの機能」 t_nikaido

HRテック

「HRテック適用例~退職者リスクの分析」 #2|HRテック(HR Tech)とタレントマネジメントの関係

HRテック(HR Tech)の適用分野として、社員データの一元管理を前提とした、ビッグデータ解析による社員の動向予測があります。 具体的な事例として代表的なものが、社員の退職リスクの分析です。 過去の退職者のデータから退職に至る要因を分析し、待遇改善を図ることで人材の流出リスクを回避することができるようになります。 ただし、この分野は、労務管理分野とは異なり、ビッグデータ解析の技術が効果を発揮するためには、多種多様な人事関連データを正確に長期間にわたって蓄積し、一元的に管理することが必要となります。まさに、ここがHRテック(HR Tech)とタレントマネジメント(システム)の接点といえます。 今回は、このポイントを正しく理解していただくために、実際の退職者リスクの分析を簡単な例を用いて、統計解析知識のない方にとってもわかりやすく解説します。 退職者リスク分析の下準備 退職者リスクの分析の目的は、どういう項目が退職に影響を与えているかを知ることですが、退職という事象は、数値化してしまうと0か1という極めて大雑把な値になり、データ分析の対象としてはあまり望ましくありません。 そこで、退職するまでの勤続年数といったより幅の広い値を使用して、この値と他の人事およびタレントマネジメントデータが示す値との関係性の強さを分析します。 わかりやすくするために、過去の退職者データの勤続年数を5段階に分類して数値化します。 表:勤続年数による分類 次に勤続年数(逆に言うと退職リスク)に影響を与えている可能性がある項目を、リスト化します。この例では8項目リストアップしています。 表:退職要因 退職者リスク分析の実施 これら8項目のデータを勤続年数と同様に5段階に分類して数値化したものが以下の表になります。 表:退職者別の各項目の数値 さらに、この表のデータを使用して、勤続年数と他の8項目との間の相関関係の強さを計算した結果が、次の表になります。 表:勤続年数と項目ごとの相関係数 ここで相関関係の強さを表すために使用されている数値は、「相関係数」と呼ばれるもので、値の範囲は、「-1」から「1」の間に収まります。 最初に見るべきは値の絶対値で、絶対値が「1」に近いほど相関関係が強く、「0」に近いほど相関関係が弱いと判定されます。 一般的には、絶対値が「0.3」未満の場合は、ほとんど相関関係がないと判定されますので、今回の結果で、勤続年数との間で相関関係が認められるのは、「遅刻・早退・欠勤の平均回数」「平均スキルアップ回数」の2項目のみとなります。 次に見るのが、値の符号で「+」であれば正の相関関係(片方の値が大きくなるともう一方の値も大きくなる)が、「-」であれば負の相関関係(片方の値が大きくなるともう一方の値は小さくなる)が成り立つと判定されます。 今回の結果からは、 「遅刻・早退・欠勤の平均回数」が多い社員は、勤続年数が短く(退職リスクが高く)なる。 「平均スキルアップ回数」が多い社員は、勤続年数が長く(退職リスクが低く)なる。 という二つの傾向が発見できたことになります。 今回の例題は、極端に単純化してあり、実際の計算では、これよりはるかに複雑な計算と大量のデータを使用することになりますが、感覚はつかんでいただけたのではないかと思います。 ここでのポイントは、一般的な人事データだけではなく、タレントマネジメントのデータも分析対象データとして重要であること、過去データが時系列に整備された統合データベースがないと、このような分析はできないということにあります。 次回は、これらの点を、HRテックが効果を発揮するための前提条件という観点で、より詳しく解説します。 関連記事 第1回「HRテック(HR Tech)とは」 第3回「HRテックが効果を発揮するための前提条件」 第4回「HRテックに必要なタレントマネジメントシステムの機能」 t_nikaido

HRテック

「HRテック(HR Tech)とは」その市場規模と種類、企業導入事例 #1|HRテック(HR Tech)とタレントマネジメントの関係

HRテック(HR Tech)という言葉が最近話題となっていますが、その意味は今一つ明確になっていません。HRテックとは一体何なのでしょうか? HRテックとは? HRテックとは、「人事関連業務(HR)を最新のIT技術(テック)を使って改善すること及びそれを実現するシステム」と定義されます。 HRテックの市場規模 HRテックの市場規模は拡大しており、特にタレントマネジメント・エンゲージメント領域のサービスへの注目が高まっています。 HRテックの種類 HRテックには膨大な種類が存在していますが、サービスの利用される領域によって下記に大別されることが多いです。 1.採用管理 Applicant Tracking System(ATS)と呼ばれる、国内におけるHRテックで最もホットな領域です。新卒・中途、正規・非正規を問わず多くの企業が様々なサービスを展開しており、AI(人工知能)が組み込まれたサービスも登場しています。主に、応募から採用までの流れを一貫してシステム上で管理できるようにしたものであり、求人管理、情報管理、選考管理、内定者管理等の機能が包含されています。近年では、上記4機能のうちの特定機能に特化したサービスも提供されるようになってきています。 2.タレントマネジメント 「組織の成果を向上させるために組織にとって重要なポジションを決定し、そのポジションに最適な人材の定常的な配置を計画・実践する仕組み」と定義されるタレントマネジメントの、企業への導入・運用を支援するシステムをタレントマネジメントシステムと呼びます。一般的にタレントマネジメントシステムと呼称されるシステムは、人材データの一元管理に留まらず、人材データの分析機能や異動シミュレーションなどを兼ね備えたものを指します。タレントマネジメント自体を明確に導入している日本企業はまだまだ少ないのが現状ですが、ジョブ型雇用制度の普及に伴い、今後はタレントマネジメントシステムの導入を検討する企業が増えると予想されています。 3.労務管理 HRテックの発端となった領域であり、採用管理と並んで多くの企業がサービスを展開しています。勤怠管理、入退室管理、従業員の健康管理、給与計算等の様々な業務をサポートするシステムが揃っており、統合的に多くの機能を内包したサービスから、単一の機能を追求したものまで、種類・数ともに豊富です。業務効率化の文脈で語られることの多いDXの波に乗って、近年市場が拡大しています。 4.上記統合型 上述した複数領域のHRテックが保有する機能を1つのシステム上に搭載したものを指しています。具体的には、SAPやOracleなどが提供するサービスが該当し、社員数が1万人を超えるようなグローバル企業での導入が目立ちます。 HRテックの種類についてご紹介してきましたが、そもそもなぜHRテックがこれほどまでに普及してきたのでしょうか?その背景には、技術の進歩があります。 なぜHRテックがトレンドになっているのか? 技術進歩がHRテックの普及を加速させた 技術の進歩により、今までは難しかったデータの収集・保管・処理が可能になりました。それらを可能にした技術をご紹介します。 1.クラウド 1つ目のポイントはクラウドです。 従来の人事システムでは、自社でシステムを準備して運用する「オンプレミス型」が主流で、専任のIT組織や潤沢なIT予算をもたない中堅、中小企業は社員情報、給与計算といった必要最低限のシステムを利用することが精一杯でした。 HRテック(HR Tech)では、最新技術を使ったシステムがクラウド型のサービス(Saas)で提供されるのが一般的ですので、中堅・中小企業でも比較的容易に利用が可能になっています。 2.デバイス(端末) 2つ目のポイントは端末です。 今までシステムへのデータの入力あるいは情報の検索は、PC端末から行っていましたが、HRテック(HR Tech)では、社員一人一人が持っている携帯電話、スマートフォンが主流です。今までの人事関連業務システムは、主に人事担当者による利用を前提として作られていたため、一般社員にとっては使いづらいものでした。 一方、HRテック(HR Tech)では、一般社員が携帯端末で使用することを想定した非常に使いやすいインターフェイスが提供されています。 これは、ユーザの利便性を向上させることでシステム(クラウド型サービス)の利用度を最大にするという目的もありますが、もう一つ重要な目的があります。 後で詳しく説明しますが、HRテック(HR Tech)では、一般社員が入力する情報の量と精度が非常に重要でそのためには、社員が直接システムにリアルタイムに正確な情報を入力することが前提となります。 携帯端末からの直接入力は、以前の出社を前提としたPC端末からの入力、あるいは人事スタッフによる代理入力よりもはるかに迅速で正確なデータの収集を可能にしています。 3.ビッグデータとAI 3つ目のポイントは、ビッグデータ解析とAIです。 膨大なデータ(ビッグデータ)を短時間で処理し、統計解析的な高度な分析を行う技術は、ここ数年で飛躍的に発展しています。これと、2つ目のポイントで述べた入力端末の発達が合わさることで、今までは不可能だったさまざまなデータ分析が可能になっています。 同時に、機械学習を中心としたAI技術を利用した業務の自動化技術が発達しています。この技術は主に管理部門の定型業務に適当されており、人事業務も例外ではありません。 それでは、HRテック(HR Tech)によって具体的にどのような業務が改善されるのでしょうか。 HRテックで改善される業務 1.定型業務の効率化・自動化 もっとも近い将来、実用化され普及すると考えられているのが、労務管理における定型業務の効率化、自動化です。 労務管理業務における定型業務は、人事担当者の多くの時間と作業工数を消費するだけではなく、一般社員から見ても、手続きの煩雑さ、人的作業によるミスのリカバリーといった「やる気を削ぐ」面ばかりが目立ってきました。 HRテック(HR Tech)では、主にAI技術を利用して、これらの定型業務の効率化、自動化を実現しています。対象となる定型業務は多岐にわたりますが、代表的な例としては、社員の入社/退社手続き、扶養家族の追加/削除、社員の住所変更、報酬月額の変更などがあります。 2.社員の動向予測 労務管理分野の次に期待されているのが、社員データの一元管理を前提とした、ビッグデータ解析による社員の動向予測です。 具体的な事例として代表的なものが、社員の退職リスクの算出です。 過去の退職者のデータから退職に至る要因を分析し、待遇改善を図ることで人材の流出リスクを回避することができるようになります。 ただし、この分野は、労務管理分野とは異なり、ビッグデータ解析の技術が効果を発揮するためには、多種多様な人事関連データを正確に長期間にわたって蓄積し、一元的に管理することが必要となります。まさに、ここがHRテック(HR Tech)とタレントマネジメント(システム)の接点といえます。 […]

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人事評価とタレントマネジメントの違い~第4回「研修制度との関係が違う」

「タレントマネジメント」という言葉が最近トレンドとなっていますが、その意味を正しく把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。 その原因は、以前からある「人事評価」との違いがきちんと理解できるような情報が提供されていないことが原因のように思われます。 そこで、この連載では、「人事評価とタレントマネジメントの違い」について、4つのテーマに沿って、説明したいと思います。 第4回のテーマは、「研修制度との関係が違う」です。 人事評価における研修制度の位置づけ 人事評価において、研修制度は、一部の業界を除いてはあまり関連性がありませんでした。しかし、タレントマネジメントにおいては、研修制度は、社員のタレント(スキル)を向上させるために会社が提供する施策の中でもっとも重要なものとして位置づけられます。 そのため、これまでの人事システムにおける研修管理が、研修の実施及び参加状況を管理する機能だけであったのに対し、タレントマネジメント業務を支援する「タレントマネジメントシステム」における研修管理では、実施した研修がタレント(スキル)の向上に効果があったかどうかを測定する機能が必要となります。 スキルナビでの研修とスキル項目の紐づけ クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビでは、個々の研修に対して、効果が期待できるスキル項目が紐づけられています。そのため、研修の受講履歴とスキル管理で入力される判定結果から、その研修がタレント(スキル)の向上に寄与した効果を分析することができます。 以下の図は、スキルナビで管理される研修受講履歴と習得スキルのデータを外部出力し、Excelで分析した画面の例です。この例では、横軸に評価実施時期を、凡例に受講者を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。 この画面からは、個人差はあるものの研修の効果は時間を経るに従って表れてきていることがわかります。 次の例では、横軸に受講者を、凡例に評価実施時期を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。 この画面からは、受講者別の研修効果を分析できます。具体的には、富山さん、千葉さん、奈良さんについては効果が見られないものの、それ以外は全員何らかの効果が表れており、特に 福岡さん、大坂さんについては著しい効果が表れていることがわかります。 関連記事 第1回「そもそも目的が違う」 第2回「目標の設定・管理方法が違う」 第3回「昇進とキャリアアップの違い」 t_nikaido

タレントマネジメント・人材管理人事評価・評価制度

人事評価とタレントマネジメントの違い~第3回「昇進とキャリアアップの違い」

「タレントマネジメント」という言葉が最近トレンドとなっていますが、その意味を正しく把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。 その原因は、以前からある「人事評価」との違いがきちんと理解できるような情報が提供されていないことが原因のように思われます。 そこで、この連載では、「人事評価とタレントマネジメントの違い」について、4つのテーマに沿って、説明したいと思います。 第3回のテーマは、「昇進とキャリアアップの違い」です。 昇進とキャリアアップは別物 昇進とキャリアアップは、似て非なるものといえます。これまでは、昇進は会社が自社組織の都合に沿って考えるもので、キャリアアップは個人が転職も含めて自己都合で考えるものと考えられてきました。 しかし、最近では、会社が優秀な社員を確保するための条件として、会社から社員に対してキャリアプランを提示し、昇進とは別の仕組みを作ってキャリアアップの道筋を用意する必要が出てきています。 これを人事業務の観点から考えると、人事評価で決定するのは昇進だけであって、キャリアプランを管理し、キャリアアップを判定するためにはタレントマネジメントが必要ということになります。 伝統的な昇進の基準は組織と給与体系に依存しますので、画一的なものにならざるを得ませんでしたし、多くの企業では、昇進につれて、より高い管理能力を求めるのが一般的でした。しかし、キャリアプランを管理し、キャリアアップを判定するためには個々の社員の志向を反映した非画一的なものである必要があります。 しかし、社員の希望を一方的に取り入れても、それが会社の戦略や目標に貢献するものにはなりません。従って、キャリアプランを管理するための前提条件として、会社の戦略や目標達成に必要な様々な役割を想定した会社の求める人材像の定義が必要となります。 スキルナビでの人材像の定義 従って、タレントマネジメント業務を支援する「タレントマネジメントシステム」には、会社の求める人材像を定義し、それを標準化されたスキル定義にマッピングすることでキャリアアップを測定可能にする機能が必要となります。 クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビの場合、会社の求める人財像を人材モデル(レベル判定枠)として定義します。 人材モデルには、その理想的な人材像に必要なタスクが関連付けられ、さらに個々のタスクの要求レベルが設定されます。 さらに、人材モデル自体にレベルを作成し、それぞれのレベルに対して要求される異なったタスクレベルを設定することもできます。 以下の図は、スキルナビで営業職の人材モデルに沿った判定結果を表示する画面の例です。この例では、人材モデルにおける現在のレベルが「E3」と判定されおり、次の目標とすべきレベルが「M1」であることがわかります。 スキルナビでは、人材モデル(のレベル)とタスク(のレベル)が関連付けられていますので、現在の人材モデル評価において目標とすべき上位のレベルに対して、具体的に何が足りないのかを可視化することができます。 以下の2つの図は、スキルナビで営業職の上位レベル「M1」に対して、タスクの観点から何が足りないかを達成度数値やレーダーチャートで表示した画面の例です。この例では、「目標管理」タスクだけが人材モデル「M1」レベルに要求されるレベルに到達していないことがわかります。 このように、会社や部門が求める人財像が可視化されることで、社員自身が、必要とされる人材に近づくために、どのスキルを強化すれば良いかが明確になり、モチベーションの向上に繋がります。 また、人事・研修担当部門にとっても、会社や部門の求める人財と社員の能力のギャップが可視化され、キャリアパス(ジョブ・ローテーション)、育成ポイントが明確になり、効果的な研修プログラムが実施できるという効果があります。 関連記事 第1回「そもそも目的が違う」 第2回「目標の設定・管理方法が違う」 第4回「研修制度との関係が違う」 t_nikaido

タレントマネジメント・人材管理人事評価・評価制度

人事評価とタレントマネジメントの違い~第2回「目標の設定・管理方法が違う」

「タレントマネジメント」という言葉が最近トレンドとなっていますが、その意味を正しく把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。 その原因は、以前からある「人事評価」との違いがきちんと理解できるような情報が提供されていないことが原因のように思われます。そこで、この連載では、「人事評価とタレントマネジメントの違い」について、4つのテーマに沿って、説明したいと思います。 第2回のテーマは、「目標の設定・管理方法が違う」です。 人事評価とタレントマネジメントの目標設定 人事評価が相対評価で行われる以上、人事評価での目標の内容は、相対評価が行いやすいように、社員間で比較可能な共通項目で設定されます。 例えば、営業部門であれば、売上、顧客訪問回数、あるいは提案回数といったものが、管理部門であれば、作業の量、あるいは効率、スピードといったものが設定されます。 一方、タレントマネジメントにおける目標とは、個々の社員が、自分自身のタレント(スキル)を向上させるために最適と思われる内容が設定されるべきものですから、社員共通である必要はありません。 とはいえ、まったくの思い付きで、結果が判定できない内容では意味がありませんから、その目標を達成することで、どのスキルがそのレベルに到達することになるのかという関係付けが必要になります。 従って、タレントマネジメント業務を支援する「タレントマネジメントシステム」に必要な目標管理の機能は、個々の社員がタレント(スキル)を向上させるための目標レベルやアクティビティを目標として定義し、この目標をスキルと連携させる機能ということになります。 スキルナビでの目標設定 クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビでは、最初に目標管理のフロー(フェイズ)を定義します。以下の図は、スキルナビで目標管理のフロー定義を行う画面の例です。フローにおいては、目標設定と終了時の評価が必須のフェイズになります。開始と終了の間のフェイズは、自由にいくつでも設定できます。この例では、目標設定後にマネージャが承認するフェイズだけが登録された非常にシンプルな設定になっています。 フローを定義した後は、社員が自身の目標内容を記載します。 以下の図は、スキルナビで業績目標の設定を行う画面の例です。この例では、タブを切り替えることで、目標コメント、業績目標(複数登録可能)、タスク分類(業務・能力)、ToDo、トレーニング、スキルそれぞれの内容が入力できるようになっています。 このように、タレントマネジメントシステムでは、目標を単なる自由形式の文章だけではなく、企業戦力に沿ってあらかじめ定義された、スキル、タスク、研修メニューと連携した形で設定しますので、評価を行う際に、本人や上司の主観的評価に依存せず、客観的で公平な評価を行うことができます。 関連記事 第1回「そもそも目的が違う」 第3回「昇進とキャリアアップの違い」 第4回「研修制度との関係が違う」 t_nikaido

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