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ニートとは?ニート採用に向けてフリーターとの違いや意味を知ろう

「ニート」は一般的に広く知られており、日常的に使われている言葉ですが、具体的な意味や定義をご存じでしょうか。少子高齢化や労働人口の減少に伴い、ニートの採用を検討する企業が増えています。 新たな労働力として注目を集めるニート。その言葉の意味を、ニート採用を行う際の注意点も含めて解説します。 ニートとは仕事をする意思のない人たちのこと 普段から使われる「ニート」とは、そもそもどのような意味なのでしょうか。多くの人が抱くイメージとしては、「働かずに家にいる人」が一般的でしょう。しかし、「ニート」という言葉は細かく定義されています。 「ニート(NEET)」はイギリスで誕生した言葉であり、「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を取った言葉です。イギリスで誕生した当初は、「16から19歳の人のうち、仕事をせず、学校に通っていない人」を指す言葉でした。つまり、働ける健康状態にあるけれど、「働く意志のない人」がニートだといえます。 日本で用いられるニートは、15歳から34歳の人が含まれるのでイギリスにおけるニートよりも年齢層が幅広くなります。 ニートとフリーターの違いは働く意思の違い 「ニート」と類似する言葉に「フリーター」があります。この2つの言葉の違いは、「働く意思があるかどうか」です。 例えば、失業して働いていなくても就職先を探してハローワークに通っている場合や、正規雇用ではないアルバイトという就業形態で働いている場合は、ニートに当てはまりません。 フリーターは「フリーランス・アルバイター」の略称であり、アルバイトやパートに従事している人や、失業中でアルバイトやパートの仕事を探している人などを指します。 厚生労働省が定義するニートとは15~34歳の働く意思のない人 厚生労働省はニートを「若年無業者」と表現しています。厚生労働省が定義する若年無業者(ニート)とは、「15~34歳の働く意思のない人」です。具体的には、「15~34歳の非労働力、つまり仕事をしていない者または失業者として求職活動をしていない者のうち、主に通学も、主に家事もしていない独身者」だとされます。 このことから、たとえ仕事をしていなくても仕事を探して面接や求人への応募をしていたり、職業訓練を受けていたりすればニートには該当しないと分かります。 厚生労働省が発表した 「平成30年版 厚生労働白書」によると、2017年の若年無業者数は54万人でした。そのうち15歳〜19歳が7万人、20歳〜24歳が14万人、25歳〜29歳が15万人、30歳〜34歳が17万人と分散しています。 「ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究報告書(厚生労働省)」では、日本のニートは同世代の若年層に比べて「将来に希望がもてない」「対人関係の苦手意識」「仕事に多くを期待しない」という特性があるなどの結果が得られたと記載されています。 厚生労働省が定義するフリーターは15~34歳の働く意思のある人 厚生労働省が定義するニートは「15~34歳の働く意思のない人」なのに対し、「15~34歳の働く意思のある人」がフリーターだといえます。 その要件は以下の通りです。 15~34歳の人 男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の人 上記2つに当てはまり、かつ下記のいずれかに当てはまる人がフリーターに該当します。 日本国内のフリーターの数は、平成15年の217万人をピークに5年連続で減少しました。しかし、平成21年から増加に転じています。平成23年のフリーター人口は176万人、前年に比べて2万人増加しています。 ニートが社会に与える影響は? ニートは社会経済活動に参加しないため、親族から生活費などの経済的サポートを受けている場合が多くあります。ニートの増加は、生活保護受給者の増加につながります。 ニートの増加は、晩婚化や少子高齢化を加速させる可能性もあります。学校や職場での人間関係がなくなるために、結婚相手と出会う機会が減少するからです。少子高齢化に伴い、日本の労働人口は減少の一途を辿っています。 そのため日本政府は、地域若者サポートステーションなどを設置して、ニートの自立をサポートするような仕組みづくりに取り組んでいます。 ニート採用とは 労働人口が減少して各企業が人材不足に悩んでいる現代において、働く能力や健康状態にあるのに働く意思がないニートが「潜在的労働者」として注目を集めています。 しかし、そもそもニートは人間関係への不安などを理由に「働く意思がない」ため、企業がニートを採用するためには就業意欲を持ってもらわねばなりません。 ニートが無理なく働きたいと思える環境づくりのために、ニート採用をする場合は職業訓練の機会を設けたり、企業から積極的に声掛けしたり、個人に合わせた就業時間の提案などを行ったりすることが求められるのです。 ニート採用を行う際は偏見を捨てることが大切! 「ニート」という言葉に対して、多くの人はネガティブな印象を抱いていますが、ニート採用を行う際はそうした偏見を捨てることが大切です。 「ニートだからすぐ辞めるかも」「難しい仕事は任せられない」などと考えず、通常の採用活動と同じように求職者の1人として扱いましょう。時間をかけて考え方をすり合わせることで、長く働ける環境が整っていきます。 ニートだった若者が定職に就こうと行動すること自体、とても勇気が要ることだと理解して接するように注意しましょう。採用する場合は、気軽に相談できるメンターをつけるなどしてサポートすることをおすすめします。 ニート採用成功には長く働ける環境づくりを ニートとは、仕事をする意思がない人です。少子高齢化が進み労働人口の減少が問題となっている日本において、ニートは新たな労働力として注目を集めています。 ニート採用を考える場合は、長く働けるような環境づくりに努めることが大切です。ニートとなった背景には、コミュニケーションでの失敗体験や、学業での挫折などがあるため、そうした背景や個人の思いに寄り添った対応を心がければ、ニート採用が成功するでしょう。 スキルナビ編集部

人事労務・制度設計・運用

PDCAとは?それぞれの役割やサイクルを効率的に回すポイントを解説

企業内の仕事の効率を高めるためには、一つひとつの内容を詳しくチェックし、改善のための計画を構築する必要があります。しかし、なんとなく目標を立てて改善を目指すと、実施する内容が曖昧になり、計画が頓挫する可能性が高いです。業務改善を効率的に行うためには「PDCA」を取り入れて、サイクルをうまく回すことが大切です。この考え方について理解しつつ、ぜひ仕事に課題がある企業は導入を考えてみましょう。 PDCAとは業務改善のためのフレームワーク PDCAとは以下の頭文字を組みあわせた言葉で、企業の仕事改善のために使用されるフレームワークです。 Plan(計画) Do(実施) Check(確認) Action(改善) 近年ではこの言葉の認知度は非常に高く、企業だけでなくさまざまな方面でも使用されています。国内では当たり前のように浸透しているこの言葉は、1950年頃のアメリカの統計学者によって提唱されたのがはじまりです。 PDCAの基本概念 PDCAは企業の仕事の効率・生産性を向上させる考え方であり、文字通り「P→D→C→A」の順序で行います。そして最後の「アクション」が完了したら、再度「プラン」に戻ります。この流れを循環させることで、施策や戦略のブラッシュアップが可能で、より高い成果につなげられるでしょう。 社会のニーズが急速に変化する今の時代、流行を敏感に察知して乗り遅れないように注意する必要があります。そのためにもサイクルを素早く回して、時代に沿った戦略を計画・実行し、新たな課題を乗り越えることが大切です。このようにPDCAは、現代の企業にとって重要な考え方であることがわかります。 Plan・Do・Check・Actionの各ステップの意味 PDCAの概念について理解した上で、それぞれの意味についてさらに深堀していきましょう。ここではそれぞれ4つの過程について詳しく説明します。 【Plan】は目標設定とアクションプラン作成 まず起点となるプランは、その後のサイクルの成功を左右する大切なポイントです。設定する際は、おもに以下のポイントについて考えます。 現在の状況確認 目標の設定 目指すべきゴールと現在の状況とのギャップを確認 対応するべき課題の検討 課題点の定量化 その後の「Do」に向けた計画の作成 これらのポイントを見直すためには「5W2H」や「要素分解ツリー」などをうまく使って、検討するものを視覚化して整理しましょう。漠然とした状態で考えると、設定がまとまらずに次の段階に移行しにくくなる危険性があります。また目標の理想が高すぎると、うまくサイクルを回せないこともあります。業務を効率よく実施するためにも、企業のスケールにあわせた目標を設定しましょう。 【Do】は目標やアクションプランの実行 設定した目標をベースに、アクションを実行する段階です。この段階で確実に業務効率を高めようとする必要はありません。あくまでも「運用」という意味合いで施策を行います。ここで注意したいポイントは以下の通りです。 決まったプランをタスクとして実行する 今後のために実行した過程や結果を記録しておく プランと現在の状況にどれくらいギャップがあるか理解する ただ単にアクションを行うだけでは、次の段階である「チェック」でうまく判断できない可能性があります。ここで大切なのは成功の有無ではなく、実行したときの状況や結果を記録することです。成功点だけを見ていては、他の改善できるポイントを見逃してしまいます。理想と現実の差を埋めるためにも、失敗した部分にも目を向けて、次の段階で活かしていきましょう。 【Check】は検証結果と分析 この段階では、設定した目標がノルマに到達できているか、あるいはプラン通りに遂行できたかをチェックします。プラン通りにいかなかった場合、うまくいかなかった原因を探します。ここでは以下の3つのポイントに注意してください。 プラン通り実行できたか プランは現実的な内容だったか どのような成果を生み出したか 単純に「うまくいった」「うまくできなかった」という結論では、今後のためになりません。「この結果になったのはなぜか?」という視点を持ち、その原因を探ることで新しい発見が生まれます。このとき定性的ではなく、定量的な情報があると精度の高い分析が可能です。 【Action】はこの先の課題の検討 最後の段階で、浮き彫りになった課題の改善策を考えます。このとき予定通り進めるのか、いくつかの内容を改善するのか、プランを中止するのかなど、複数のルートを考えることが大切です。注意すべきポイントとして、以下のようなものがあげられます。 改善策が複数の場合はどれを先に行うか考える うまくいった点を深堀りして次のプランに活かす うまくいかなかった点を見直して次のプランに活かす このようにサイクルを回すたびに、さらなる目標をクリアするために必要なプランやアクションの改善が必要です。これ以上よくならないと判断した場合、プランを中止することも1つの手段です。この段階で新たな改善策をもとに、再度「P→D→C→A」のサイクルを回していきます。 PDCAのメリットは目標が明確になり集中しやすくなること PDCAを回すことで、さまざまなメリットにつながります。ここでは3つのメリットに分けて詳しく説明します。 目標が明確になる 最初のメリットとして、業務で行うべきことや自社の目標をハッキリさせることです。企業としての目標が定まらなければ、業務の方向性と本来向かうべき方針が乖離する可能性があります。さらに到達すべき場所がわからないため、具体的な戦略を見出すことが困難となるでしょう。本来企業とは、なにかしらの目標があるから成り立つものです。PDCAの導入によって、以下の点をより深く考えることが可能です。 目標の到達や課題の達成に向けたルートを構築できる 企業内のチームや個人単位で達成すべき目標を考えられる うまくサイクルを回すことで、企業として根幹となる部分をさらに補強しましょう。 目標達成のために集中して行動ができる 次のメリットは、行動のための集中力を高められる点です。最初の「プラン」の段階で、事前に目標や行うべきタスクがわかるため、以下の2点が明確となります。 自分が今行うべきこと チームにはなにが必要なのか 目標を理解できれば、その過程である作業や業務に対しての集中力は高まるでしょう。この部分が不明瞭だと、自分がなにをすべきなのかがわからなくなり、見当違いな行動をする危険性があります。決められた目標に対して集中的に行動すれば、企業全体の生産性も高まるでしょう。 失敗した時の課題がわかりやすい 最後は、うまくいかなかったときに不足していた部分がわかりやすい点です。初期段階で目標設定するとき、数値で測れるようなものを参考にしておくと、以下のようなギャップが明確となりやすいです。 目標に向けて実行した後の成果や失敗 […]

ビジネス用語・基礎知識

人的資本開示とは?義務化される19の開示項目について解説!

現代ではITや科学技術の発達が目覚ましい中で、人が備える資本についてもあらためて注目されています。同時に、人的資本の情報開示が重要とされはじめたのです。では一体重要視される背景は何でしょうか。そこで今回は人的資本の情報開示が必要な理由と開示する際の注意点などを解説します。 人的資本開示とは? 人的資本とは人間が備えている知識・技能・資格などを指します。人的資本という言葉に聞き慣れないかもしれませんが、「人的資本への投資」と言われれば馴染み深いでしょう。学校での教育・職場での研修・子育てなど、人に対して投資を行う活動を言います。 人的資本に投資を行えば、一人一人が成長するだけでなく、実力を存分に発揮できるのです。例えば、社内研修を積極的に行うと、実践的なスキルが身に付きます。習得したスキルで成績が上がれば、さらに仕事に対するモチベーションが上がるはずです。最終的には企業全体の利益向上につながります。 実際、最先端技術を用いて事業成長を遂げている企業は、人的投資を積極的に行っているのです。結果、人の成長スピードが早く、技術を生む基盤が確立されています。以上のように、現代では表面上の技術に頼っていても、どこかで息詰まります。大切なのは中心にある「人」の力であり、人的資源への投資が不可欠です。 人的資本開示と人的資本経営の違い 人的資本経営とは、資本である人材の価値を最大限に高め、中長期的に企業の価値を向上させることを目指す経営手法です。 一方、人的資本開示は企業ごとに人的資本経営の考え方、取り組み等は施策実施をしたとにデータに基づいて情報を開示することを言います。人的資本開示は、人的資本経営の方針や取り組みがあるからこそ実現できるものです。 人的資本と人的資源の違い 人的資本と似た言葉に人的資源があります。混同されやすい言葉であるものの、両者の大きな違いは目的です。人的資本は人に対して研修や教育を行い「投資」を行っていきます。投資を行った結果、企業利益としてリターンが期待できます。 一方、人的資源は企業運営に必要なリソースであり、人を「消費」していくのです。企業運営に欠かせない要素にヒト・モノ・カネ・情報がありますが、そのうちのヒトに該当します。組織形成のために人を成長させるのが人的資本であり、一人前になった人を戦力として活用するのが人的資源。そのように例えると分かりやすいかもしれません。 人的資本は人を最大限活用するためにあり、人的資源は効率的に運用するためにあります。以前までは人に対する注目度が低いゆえに、人的資源と考えられる傾向にありました。しかし、現在は人に着目する企業が増えたため、人を人的資本と捉える傾向が出てきたのです。 このように、両者には大きな違いがあるため、まずは特徴や言葉の背景を把握しておきましょう。 人的資本開示を行う目的とは? 人的資本の情報開示は、企業がステークホルダーに人的資本経営を実践していることを伝えるために行われます。非財務情報可視化研究会による資料によれば、競争力や持続的な価値向上には人的資本への投資が不可欠であり、投資家も人的資本経営に基づく情報開示を期待しています。 また、ESG経営の一環としても、人的資本の情報開示は重要であり、企業のESG経営に関する情報を広く周知する役割も果たします。 人的資本の情報開示の義務化はいつから? 2023年度より、日本でも人的資本の情報開示が義務付けられるようになりました。 2023年から義務化 2023年3月以降、日本では「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正により、特定の金融商品取引法発行者に対して人的資本の情報開示が義務化されました。これにより、有価証券報告書などでの提出が必要とされます。 人的資本に関する記載必須事項は、サステナビリティ情報の「戦略」と「指標及び目標」の2つです。また、女性活躍推進法に基づき公表されている「女性管理職比率」「男性の育児休業取得率」「男女間賃金格差」などの指標も、これらの企業において有価証券報告書などでの記載が求められます。 義務化対象となる企業 人的資本の情報開示の対象は、金融商品取引法第24条に基づいて有価証券報告書を提出する約4,000の大手企業です。有価証券報告書は企業が自社情報を公開するための資料であり、金融商品取引法に基づいて内閣総理大臣に提出されます。 この書類は法律で義務付けられており、虚偽や不提出は罰則の対象となります。情報の正確性と適切な提出が重要です。 日本における人的資本の情報開示の動向 人的資本の開示が義務化されるまでに、様々な動きがありました。これまでの人的資本の情報開示の動向を解説します。 ISO30414 ISO30414とは2018年に国際機構が発表した人的資本に関する指針です。当指針は11領域49項目に分かれており、労働力の維持や社内外に向けた情報開示を求める内容となります。情報開示を行うことで、日本だけでなく世界的にも透明性を追求できるためです。 指標が定められた背景には世界的な人権・環境問題が大きく影響しているでしょう。SDGsへの関心が強まり、持続的成長が見込まれる企業が注目を浴び始めました。また、ESG投資に関心が寄せられる中で、人材育成や多様性への取り組みが注目を集めています。 さらに、前述した人材版伊藤レポートの中で「企業が成長するためには、人的資本の活用が不可欠である」と発表されたのも、ISO30414に関心を寄せられる一因でしょう。今後も人的資本の枠組みとして、ISO30414の活用が期待されます。 日本企業に求められる開示内容 日本企業は自社株が市場で広く売買され、企業の成長と共にステークホルダーの数も飛躍的に増加します。その影響で開示すべき内容や利害関係者が知りたい内容も増えていくのです。企業においては会社法・金融商品取引法などの制度に沿って開示していけば問題ありません。 とはいえ、範囲が広いゆえに要領を得ない開示を行う企業も増えています。そのため、次から解説するポイントを重点的に押さえておきましょう。 可視化と実践の連動 まずは情報の可視化と実践の連動を行っていきましょう。情報の可視化とは具体的に「企業が成長していくためにはどんな人材が必要か?」「業界で勝ち抜くために人材戦略をどう考えているか?」を見える化するということです。企業の人材に対するビジョンが明確化すれば、投資家は納得します。 また、実践の連動とは、可視化した情報における行動の移し方です。前述した例であると、獲得した人材の育成方法や考案した戦略の数値化などになります。より具体的かつ端的にステークホルダーが納得できるかたちで、開示する流れです。 可視化と実践の連動のポイントを押さえておけば説得力が増し、企業の信頼性はさらに上がっていくでしょう。 「価値向上」「リスクマネジメント」の2軸による項目化 情報開示にあたっては価値向上におけるプラスの面と、リスクマネジメントに関するマイナスを防ぐ面の両立化が必要です。価値向上に関しては教育実習・資格取得・スキル投資などが該当します。このように社員へ投資を行えば、ひとりひとりの価値は向上し、企業利益は大きく上がるはずです。 一方、リスクマネジメントは労働安全・身体的健康・サプライチェーンなど。主に社員が業務を問題なく行えるかに着目しています。言わば、価値向上は「攻め」であり、リスクマネジメントは「守り」です。 攻めだけの情報であると投資家は不満に感じるでしょう。反対に守りだけでは今後の成長に希望が持てないかもしれません。企業経営やスポーツ同様、情報開示においても攻めと守りの視点から、動いていく必要があるのです。 「人材版伊藤レポート」の公開 まずはじめに紹介するのが人材版伊藤レポートです。人材版伊藤レポートとは、経済産業省主催の人的資本経営検討会にて、座長である伊藤氏がとりまとめた報告書になります。現在は「人材版伊藤レポート2.0」(以降「レポート」と称する)が最新版であり、過去に公表されたレポートより詳しく追求したものです。 レポートがうまれた背景としては、時代の変化による、人的資本の重要性の高まりがあります。企業が成長するためには、長期的に見て人的資本への比準を高める必要があるのです。伊藤氏はそんな必要性を感じたからこそ、レポートにて公表しました。 具体的な内容は大きく「経営・人材戦略の連動」「働き方の多様性」について書かれています。経営・人材戦略の連動では経営と人材を一緒に考えるべきと説いています。ビジネスの成長には人材への投資が不可欠であり、人材戦略を経営戦略と同レベルで考えるべきと書かれているのです。時代の変化に伴い、社会の流れに沿った人材を育てる必要があります。 また、働き方の多様性については、働く環境への投資をメインに解説しています。テレワークやサテライト勤務をより普及させるため、社内PCの充実化・コミュニケーションツールの導入・オンライン研修の採用などを推進しているのです。人が場所を選ばず働ける環境になれば、より生産性が上がると伊藤氏は解説しています。現在はレポートの内容を実践している企業が増え、実際に結果が出ている会社も見受けられます。 内閣が「人への投資」の抜本強化を宣言 岸田内閣は人への投資について、大々的に取り組むとされています。まず大きな対策としては3年で約4000億円の施策パッケージの導入です。具体的にはオンライン研修導入による助成金制度導入や業務外セミナー参加の補助金制度などになります。 オンライン研修導入となれば、時間や労力が必要です。仕事とは別のセミナー参加となれば、お金も掛かってきます。そのような問題をクリアするため、政府は助成金や補助金を取り入れました。 また、内閣はIT人材不足に対する課題についても言及しています。例えば、IT未経験者を雇用し研修を行う場合、経費助成金を60%まで引き上げているのです(以前までは45%)。加えて、研修に伴い資格受験を受ける際も、受験料助成金の特例が適用されます。 以上のように、政府は人への投資を抜本的に強化しており、人的資本への取り組みに積極的です。 経済産業省「非財務情報の開示指針研究会」の開始 政府は情報開示について議論するため、非財務情報の開示指針研究会をスタートしました。背景としてはESGとも大きく関係しています。社員の健康状態・働き方の多様性・賃金の公正性について、投資家はより高いレベルを求める傾向になりました。 実際に米国では人的資本に関する情報開示について義務付けを行っています。欧州では今後情報開示の動きが広がる見込みです。そのような世界的な動きからも、日本でも人的資本の情報開示について議論されています。 そして、情報開示における多くの基準では、人材育成・従業員の安全・ダイバーシティに関する事項が盛り込まれているのです。「人材育成にどれだけ力を入れているのか?」「常に安全で働きやすい環境をつくっているか?」などが基準となります。 […]

人事労務・制度設計・運用
タレントマネジメントとは?

タレントマネジメントとは?メリットや人事システムとの違いについて解説

昔の時代と比較すると人材の活用方法は大きく変化しました。そのため今の時代に適した戦略を選択しないと、企業の成長は難しいといえます。豊富だった人材は徐々に減少しているため、限られたリソースを最大限に活用する方法が求められています。 今回は現代の企業経営に必要な「タレントマネジメント」について詳しく紹介したいと思います。 タレントマネジメントとは? 近年注目されている「タレントマネジメント」とは、人材が備えている能力・スキルを可視化し、そのパフォーマンスを最大活用するための戦略です。人材の基本情報だけでなく、保有している資格や経歴といった情報を管理することで、適切な業務配置や育成の方針を決定できます。またマネジメントをスムーズに行うために開発されたツールが「タレントマネジメントシステム」です。 この戦略が注目された理由として、時代とともに社会が変化したことがあげられます。以前の終身雇用が当然だった時代は、「スキル」より「量」を重視していました。人材を増やすことで新事業の拡大ができたので、スタッフ1人1人の質は必要以上に問われませんでした。 しかし終身雇用が崩れ、人材の移り変わりも頻繁に増加したため、少しずつ質を重視する時代に変わります。さらに高齢化が進んだことで人材の確保も難しくなり、限られた人材を活用する方法が求められた結果、このマネジメント戦略が生まれました。このように人材の質を追求するタレントマネジメントは、現在の社会の流れに適した戦略といえるでしょう。 人事システムとは? タレントマネジメントについて説明しましたが、人事システムも解説したいと思います。人事システムとは人事情報を管理し、業務をスムーズに行うためのツールです。おもに以下のような情報を管理します。 採用 スタッフ 評価 給料 人材指導 業務配置 など どれも人材にとって重要な要素でもあるため、人事スタッフの負担を減らす他にも、業務ミスを無くすためには欠かせません。このツールは幅広い業務に対応するため、それぞれの分野に分けられます。 勤怠管理システム:スタッフの勤怠記録 人事管理システム:入職手続きや申請 給与計算システム:勤怠情報から給与を計算 人事評価システム:スタッフの評価や業務配置 採用管理システム:求人募集 このように人事業務全般をスムーズに行うために運用するのが人事システムです。 タレントマネジメントと人事システムの違い タレントマネジメントと人事システムについて説明しましたが、どんな違いがあるのかイマイチわからない方もいると思います。類似している要素はありますが、それぞれの「目的」に大きな違いがあります。 タレントマネジメントは企業経営の成功を目的に用いられることが多いです。人材の能力・スキル情報を細かく管理することで、適切な業務配置や人材育成を行い、企業の生産性を高めます。企業内部の円滑化というより、経営戦略を練るための取り組みといえるでしょう。 一方人事システムは、人事業務の効率化を目的に用いられることが多いです。人事業務は幅広く煩雑になりやすいため、システム運用して担当スタッフの負担やミスを減らします。タレントマネジメントと比較すると、経営の戦略より企業内部、とくに人事部の業務の効率化に特化したシステムです。それぞれの目的が異なることを理解したうえで、うまく活用することが大切です。 タレントマネジメントのメリット タレントマネジメントについて大まかな概要について説明しましたが、具体的にどんなメリットを持っているのでしょうか。今回は3つに分けて紹介します。 少ない人材でも業務を遂行できる 人材のスキルを正確に把握できていないと、業務に対するスタッフの人数が多く効率が悪い、ということも起こります。一見人数は多い方がいいと思われがちですが、チーム内の意思疎通にかかるコストを考慮すると、最低限必要な人数であることが望ましいです。タレントマネジメントを運用すると人材のスキルが可視化され、効率的な業務配置が可能です。ムダのない適切な人数を配置できるので、必要な人材のみでコストパフォーマンスの高い業務が行えます。昔のような年功序列や職務に分けて、すべてのスタッフに同じ研修を行うスタイルでは効率的ではありません。事業に必要な人材をピックアップし、各スタッフにあわせた教育体制を整えるスタイルが重要といえるでしょう。 人材の育成 人材の育成はどの企業にとっても頭を悩ませる課題です。とくに中小企業はコスト面よく考える必要があるため、十分な教育体制を整えることが難しい傾向にあります。その結果人材をうまく育成できず、次世代のスタッフにノウハウが伝わらない、といった問題が起きます。タレントマネジメントを活用することで、それぞれの人材の得意・不得意がすぐに把握できるため、育成の方針が明確化しやすいです。 また人材が必要としている教育プログラムを構築できるので、育成に必要なコストをおさえることが可能です。ムダのない育成を行えることから、スタッフも短期間で効率的に成長できます。 従業員のモチベーション向上 人材のモチベーションは企業の生産性に大きく関わる要素といえるでしょう。希望に沿わない業務配置や正当性に欠けた評価は、スタッフのモチベーションを低下させる原因です。最悪の場合、離職につながるケースもあるので注意が必要です。タレントマネジメントの運用で、人材に適切な業務、信頼性の高い評価を提供できます。 また先ほど説明した教育体制も整えられるので、スタッフのモチベーションの向上につながります。その他にもスタッフの意見を汲みとるための1on1面談や、業務配置後の状況確認もおすすめです。限られたリソースを活用し企業として躍進するためには、経営戦略だけでなくスタッフのマネジメントも重要です。 まとめると、タレントマネジメントを運用するメリットは以下のとおりです。 少ない人材で業務を行える 人材育成が可能 モチベーションが向上する このように現代社会にとって欠かせないメリットを搭載しているのが、タレントマネジメントの強みです。 タレントマネジメントで人材のパフォーマンスを高める タレントマネジメントと人事システムは類似している要素はありますが、その根幹は大きく異なります。それぞれの仕組みを理解したうえで、特徴を活かした運用を心がける必要があります。 またタレントマネジメントにはさまざまなメリットがありますが、うまく運用しないとかえって逆効果となる危険性もあります。正しく運用するためにはシステムの導入を行い、人材のパフォーマンスを最大限に発揮できるような戦略を組み立てていきましょう。 スキルナビ編集部

タレントマネジメント・人材管理

テレワークにおける健康管理の課題!具体的な解決方法を解説

政府による働き方改革の推進を背景に、テレワークを導入する企業が増えています。しかし、テレワークを始めてから従業員の健康管理に頭を悩ませる人事担当者は少なくありません。従業員が心身ともに健康な状態で仕事に前向きに取り組めるように、新しい働き方を導入した後は、従業員一人ひとりの健康を管理することが大切です。 今回は、テレワークでの健康管理における課題とその解決方法を紹介します。従業員が抱えている負担にいち早く気づき、離職防止や働きやすさ向上に努めていきましょう。 テレワーク時の健康管理とは 「テレワーク」と聞くとどのようなイメージが思い浮かぶでしょうか。多くの人が、通勤時間がなくなり、リラックスできる自宅で仕事ができることなどから、「自由」「開放的」というイメージを抱いています。 しかし、自宅で仕事をするテレワークは精神的な負担や肉体的な負担が大きくなりやすいというリスクがあります。企業は従業員のメンタルケアに加え、体の健康維持に気を配る必要があるのです。 精神面の健康管理 自宅を仕事場とすると、プライベートと仕事の切り替えが難しくなります。ONとOFFの切り替えができないために、集中力が低下して業務効率が下がると、企業としても損失につながってしまいます。 また、テレワークは職場の同僚や上司とコミュニケーションをとる機会が減少し、孤独感を抱きやすい点にも注意が必要です。オフィスに出社していた場合はランチを一緒に食べたり、小休憩に雑談をしたりして息抜きできていましたが、そうした時間がなくなることで精神的な負担を感じやすくなります。 身体面の健康管理 テレワークを始めると、従業員は通勤する手間がなくなるというメリットを得られます。その一方で、通勤のために歩いていた運動時間がなくなって運動不足に陥ってしまうというデメリットもあります。 さらに、テレワークはパソコン1台でほとんどの業務が完結するために座り姿勢が続くことも、身体の健康に悪影響を及ぼす一因です。座りっぱなしでいると、発がんリスクや糖尿病のリスクが高まるという研究結果を国立がん研究センターが発表しています。 テレワーク時の健康管理の課題とは 大きく分けて2つの課題があります。 社員の健康 テレワークを導入する場合は、従業員一人ひとりの健康に悪影響を及ぼさないように注意しなければなりません。なぜなら、テレワークではプライベートとの切り替えがしにくいために、ついつい「規定の労働時間を超えて働いてしまった」というパターンや、「座りっぱなしで腰と肩を痛めてしまった」というパターンが起こり得るからです。 人とのコミュニケーションが少なくなることで孤独感が強くなり、精神面での健康に影響が出る場合もあります。 こうした従業員の心身の変化は、上長や人事担当者の目が届かないテレワークでは把握しにくいという課題があります。具体的には2つの課題が挙げられます。 体調不良に気づけない テレワークは自宅を就業場所にするので、家族以外に周囲の目がありません。そのため、従業員が体調不良になっていても気づけないという課題があります。 オフィスに出社していたら、同じフロアに勤務する同僚などが「顔色が悪い」などの変化に気づいて声をかけてくれたり、早退を促してくれたりします。テレワークにおいては、従業員本人から体調が悪いことを申告しない限り、周囲は体調不良に気づけないのです。 また、本人が気づかないうちに精神的な負担が大きくなっていて、仕事に対するモチベーションが低下したり、うつ状態になったりする場合があります。心身の不調に周囲が気づける環境づくりや、従業員本人が体調不良だと申告しやすい雰囲気づくりが重要です。 生活習慣が乱れやすい 「生活習慣病」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。生活習慣病とは、食事や運動、飲酒などの生活習慣が要因となって発症する病気の総称です。 テレワークでは、長時間の座り姿勢や通勤時間削減などによる運動不足が悩みの種になります。さらに、仕事とプライベートの境界線があいまいになることで食生活の時間が不定期になったり、睡眠時間が安定しないなど、生活習慣が悪化しやすくなります。 こうした生活習慣が引き金となって肥満などの生活習慣病になるリスクが高まることが、テレワークの課題の一つです。肥満は、高血圧症や進行すれば心筋梗塞などの重大疾患の要因になるため注意が必要です。 従業員が規則正しく生活できるように、会社側での健康管理を行うことが大切です。 労務の管理 テレワークになると労務上の管理がしにくくなるという課題があります。テレワークを始めるにあたって各企業は、従業員一人ひとりの労働環境を整えたり適切な指示出しをしなければなりません。この際は、事務所衛生基準規則や労働安全衛生規則を参照することが大切です。 労務の管理において重要なのは、従業員の労働時間を正確に把握することです。テレワークは時間を忘れて長時間労働する従業員が発生しやすく、休憩時間を取らないで働く従業員がいる場合が考えられます。 規定の労働時間を超えて勤務させることは法律で禁じられているため、各企業は従業員が適切な労働時間を守っているかしっかりと管理しなければなりません。 また、テレワーク時は労働安全衛生法に記載されている健康管理についての準備が必須です。第66条では、従業員に対して医師による健康診断を実施することや、ストレスチェックの実施が義務付けられています。 オフィス出社からテレワークに切り替わっても、ストレスチェックや健康診断を続けられるように事前の体制準備をしておきましょう。 テレワーク時の健康管理の方法 3つの方法を紹介します。 未然に防ぐ工夫をする 従業員の健康状態を一人ひとり把握するのは、規模の大きい会社ほど困難です。そのため、会社全体の仕組みやテレワークへの取り組み方を明確にして、健康被害を未然に防ぐ工夫を全社的に取り入れるようにしましょう。 テレワークの普及の影響で、昨今は多くの勤怠管理ツールやタスク管理ツールが開発されています。勤怠管理システムを利用することで、長時間労働になりそうな従業員にアラートを表示してサービス残業の防止や休憩をとるように促せるようになります。 また、タスク管理ツールを導入すれば従業員がそれぞれに抱えている業務量や業務の偏りに気づきやすくなります。そのため、誰か1人に極端に負担をかけることなく、メンタル面の健康維持が期待できます。 没交渉になりやすいテレワークにおいては、仕事と関係のない話を気兼ねなくできるチャットルームを用意するのが有効です。悩みや不安を吐き出しやすい場所をつくり、従業員の孤独感を取り除く工夫をしましょう。 周りが気づける仕組化をする 従業員がもしも不調を感じていたら、周囲がそれに気づけるような仕組みをつくることで、健康管理が容易になるでしょう。 たとえば、定期的にストレスチェックの機会を設けて従業員本人も気づいていないような精神的負担を発見しやすくしたり、健康相談のための専門窓口を社内に設置して相談しやすくしたりすると良いでしょう。 相談窓口の設置だけで終わらず、従業員が正直に相談できるように、気軽に話しかけられる雰囲気づくりに努めることも大切です。 労働時間の管理をする 長時間労働になりやすいテレワークでは、労働時間を徹底して管理する必要があります。中には、始業と終業時間をメールで知らせる、就業時間外の場合には会社のデータにアクセスできなくするなどのシステムを導入している企業があります。 労働時間の管理を楽にするために、専用のシステムや、時間管理に役立つツールの導入を検討してみることをおすすめします。 テレワーク時に気を付けるべき健康管理のポイント テレワークを導入した企業が健康管理を適切に行うためには、社内の人事担当者や労務担当者、管理下にある従業員本人など、社内全体で連携して情報を管理する必要があります。 特に従業員の健康情報は個人情報として大切に取り扱い、閲覧制限を設けたり、関係者ごとに操作できる範囲を定めるようにしましょう。ただし、担当者ごとにシステムやフォルダを作成すると、データの重複や確認漏れなどの人的ミスが発生しやすくなるため、データはできるだけ一元管理できると良いでしょう。 テレワーク時の健康管理を仕組化しましょう テレワークやリモートワーク、在宅勤務など、新しい働き方が社会全体に普及するとともに、従業員の健康管理に関する課題が目立つようになりました。上長や人事、労務担当者の目が届かないテレワークでは、気づかぬうちに心身の健康状態が悪化している可能性があります。 企業が健康管理を徹底することで、法律を遵守しながら従業員の健康を守ることができるでしょう。そのためには、健康被害を未然に防ぐ工夫を講じ、不調を抱える従業員がいたらいち早く気づける仕組みを構築することが大切です。 従業員の健康が損なわれれば、会社にとっては生産性の低下につながりかねません。社内の関係部署と連携しながら、健康管理の体制を最適化していきましょう。 スキルナビ編集部

人事労務・制度設計・運用

DXとは?注目されている理由と働き方改革との関連性を解説

コロナウイルスの感染により、世界中の企業はリモートワークという新しい働き方に切り替えるきっかけが生まれました。これは以前に進められてきた働き方改革の1つの要素でもあります。その他にもフレックスタイム制度や短時間勤務など、時代の流れに適した勤務形態の幅も広がりつつあります。 これらの働き方をさらに不自由なく行うためには「DX」を推進する必要があるでしょう。 DXとは DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、社会における活動や業務に対して新しい技術を取り入れ、デジタル化を推進しようという取り組みを指します。もともとはビジネス面だけではなく、プライベートも含めてデジタル化を推進させる流れでした。しかし、現在ではビジネスの場面で使用されることが多いです。 DXにはいくつかの要素があり、それが「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」というものです。その2つを細かくすると以下の3つのシステムで構成されています。 SoR SoI SoE SoR(System of Record)とは、記録・管理を行うためのシステムです。今までの業務プロセスや活用しているITを管理し、今後の企業の生産性を高めるためには欠かせないものといえます。 SoI(System of Insight)とは、顧客や取引先のインサイトを理解するためのシステムです。これまでに積み重ねてきたデータを分析することで、新しい施策や質の高い戦略の実行が可能となります。 SoE(System of Engagement)とは、顧客や取引先とのつながりを強固にするために必要なシステムです。相手から得た情報を管理し、それに基づいてコミュニケーションを円滑に行うことで、信頼性や顧客体験の向上につなげます。 このように、3つのシステムがあってはじめてDXの実現が期待できます。 DXが注目される理由 DXはここ最近注目されるようになりましたが、その背景にはどのようなものがあるのでしょうか。ここではその理由について説明します。 インターネットの普及とサービスの増加 最初にあげられるのが、インターネットが浸透してきたことと、DXを中心としたサービスが豊富になった点です。10年ほど前は折りたたみ式の携帯が普通でしたが、現在ではスマートフォンが当たり前になりました。そして同時に回線やWi-Fi環境も普及してきたため、飛躍的にデジタル化が進んでいることがわかります。 その結果、普段の生活でも当たり前のようにデジタルを活用したDXサービスが多く取り入れられるようになりました。今まで企業が行う業務のデジタル化はコストがかかり、多くの投資額が必要でした。しかし新しい技術が進化していった関係で、大企業でなくとも中小企業や個人でも十分に活用できるような環境が整えられています。 2025年の崖の影響 もう1つの理由として「2025年の崖」の影響があります。これは2018年に経済産業省が報告した、今後日本の未来で起こりうる課題点のことです。 端的に要約すると「日本がこのままDXを推進せずに2025年をむかえた場合、多く見積もって年間12兆円の損害が発生する」ということです。これを裏付ける背景として、日本には以下のような問題が起きています。 ITシステムの老朽化 古いシステムをメンテナンスできる人が減った 古いシステムの保管によるコストの圧迫 DXが進んでいないと既存のITシステムは徐々に老朽化していき、企業としては非効率的な業務を行うことになります。そして時代とともに古くなったシステムを修理できるエンジニアは減少傾向なので、次第にブラックボックスとなりメンテナンスが困難になります。 また古いシステムの維持・修理にはコストが大きくかかり、保有しているだけでも予算が圧迫する原因となるのです。 このような事態を防ぐためにDXが注目され、多くの企業が取り入れるようになりました。 国内企業の成長力や競争率の低下 以前まで日本は、世界の中でもトップレベルの成長力や経済力を持っていました。しかし現在は徐々にレベルが下がり、代わりに他の国が高い成長力・経済力を持ちはじめています。これは、他の国が日本以上にDXを積極的に取り入れていることが理由の1つです。 実際に現在経済力が伸びている国は、飛躍的にデジタル化が広がっています。日本はあまりDXが進んでいなかったこともあり、他の国との競争に遅れをとった結果、国としての地位が低下しはじめています。この状況を打破するために、日本でDXを推進しようという動きがみられているのです。 これほどデジタル化の影響は大きく、今後もさらなる技術が早い段階で取り入れられることになるでしょう。日本が新しい技術を早期に導入すれば、成長力や経済力が再びトップレベルになる可能性もあります。 このように、時代の流れや他の国との競争など、さまざまな理由がきっかけでDXが注目されていることがわかります。 働き方改革とは 働き方改革とは、仕事だけではなく、プライベートの時間もバランスよく充実させるための取り組みであり、DXと同様に注目されています。この取り組みは以下のような制度を普及させた1つのきっかけでもあります。 リモートワーク フレックスタイム制度 短時間勤務 産休・育休制度 実際にこのような制度を取り入れている企業は増加傾向にあり、労働だけでなくプライベートも尊重するようになっています。柔軟な勤務形態のある企業は労働者にとって魅力的でもあるため、質の高い人材を確保しやすかったり、離職率が低下したりなどの効果も期待できるでしょう。 またリモートワークの普及で、どこでも働ける時代になったことはDXが進んだことが大きいです。働き方改革はDXを推進する1つの方法でもあり、今後も企業に新しい変化をもたらす重要な役割になっています。 働き方改革とDX推進の実現をするために 働き方改革とDXの進化を続けていくためには、今後どのようなことを実行すべきでしょうか。ここではその具体的な流れについて説明します。 ロケーションフリー どこにいても仕事ができるような環境を作り、コロナウイルスによる感染を防ぎながら企業を継続させる段階を目指します。現在では感染拡大を防ぐために、リモートワークでの仕事が当たり前になってきました。そのためパソコンのセキュリティ環境の強化はもちろん、自宅でもオフィスと変わらないパフォーマンスを発揮できるような工夫が必要となりました。 この段階を成功させるには、設備の用意に必要な手当や補助金、そして自宅勤務で発生する問題の適切な対応策が求められます。これらの対応策として、以下の取り組みがあげられます。 デスクトップの仮想化 アカウント管理の効率化 デスクトップ環境を拡張すれば、ネットに接続するだけでどこでも仕事が行えます。これによりセキュリティ面に心配のあるリモートワークだけでなく、自身のデバイスを仕事に活用する「BYOD(Bring Your Own […]

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テレワークは長時間労働を引き起こす?働く時間が増える原因と対策

社会情勢の変化により、働き方にも影響が出ています。その代表と言えるのがテレワークでしょう。テレワークの導入によって労働環境の多様化が実現しました。 一方で働く時間が増えているのも事実です。そこで今回はテレワークによって長時間労働が増える原因と対策を解説していきます。 テレワークとは テレワークとは離れた場所で働くという意味です。「テレ=離れた」「ワーク=働く」を合わせた言葉であり、近年では多くの企業で採用しています。テレワークには在宅勤務・サテライトオフィスワーク・モバイルワークなどがあるのです。 最も身近なのは在宅勤務ではないでしょうか。出勤せず自宅で勤務できるため、多くの企業で重宝されています。通勤時間を減らし効率的に働けたり、感染症対策になったりとメリットは多いです。 しかし、テレワークは働く姿が実際に見えません。そんなデメリットから近年では長時間労働が多発しています。テレワークによる過重労働については次から見ていきましょう。 テレワークによる過重労働 日本労働組合総連合会が発表した調査(2020年6月実施)によると「出勤からテレワークに変更して勤務時間が増えた」と回答した方は約52%にのぼりました。一見すると効率化が望めそうですが、社員の負担が増えているのも事実。 また「休憩時間がきちんと取れない」「勤務時間外に連絡を取らされる」と回答した方が50%以上になっている背景からも、従業員がルールに基づき規則正しく働いているとは言い難いのです。 過重労働とは 過重労働とは長時間残業や休日出勤によって、従業員に負担が掛かる事象です。過重という名称からも、体が耐えきれないほどまでに働く状態を指します。 近年は働き方改革の推進によって勤務時間がコントロールされはじめましたが、それでもなお過労によるトラブルは後を絶ちません。最悪の場合は死に至るケースもあります。 テレワークも例外ではありません。前述のデータからも、テレワークに変更して勤務時間が増えている方もいます。また「残業や休日労働しても申告しなかった」と回答する方が6割以上にのぼっているのです。このような結果からも、テレワークによる過重労働が大々的に問題となるのも、すぐそこかもしれません。 長時間労働の基準 では長時間労働の基準はどれくらいなのでしょうか。実は長時間労働に明確な基準はありません。とはいえ、一般的には残業をした時点で長時間労働の対象となるでしょう。 法律では1日8時間、週40時間働く場合、36協定と呼ばれる届け出が必要です。36協定を結んでいれば原則月45時間、年360時間の残業が可能となります。そして、当基準を超えると違法となるのです。過重労働による過労死は月残業80時間が一般的なラインと言われています。 もちろん、この数字はあくまで目安であり、人の健康状態や体のつくりによって基準は左右されます。テレワークを扱う企業、もしくはこれから導入予定の会社は、以上の長時間労働の基準も念頭に置いておきましょう。 テレワークで長時間労働が増える原因 テレワークで長時間労働が増える原因を解説します。 オンとオフの境目がなくなりやすい テレワークはえてしてプライベートと仕事が混同しやすいです。在宅勤務であれば、プライベートな用件にも手が出しやすい状況になります。例えば、家事を行ったり、何回も休憩をはさんだり。好きなことをしながら仕事に取り掛かれるのです。 一見メリットと捉えがちですが、労働時間の観点から見るとデメリットでもあります。仕事以外の用件に関われば、必然的に仕事への集中力は下がるでしょう。結果的に生産性が落ち、残業する可能性も高まってしまうのです。 また、周りからの視線が集まらないがゆえに、気が抜けてしまうケースもあるでしょう。もちろん個人差はありますが、以上のようにオンとオフの境目がなくなるデメリットは大きいのです。 コミュニケーションコストの増加 テレワークを導入すると必然的にコミュニケーションの問題も出てきます。出勤していれば対面で言葉を伝えられました。分かりづらい内容も、身振り手振り交えてコミュニケーションが取れたでしょう。 しかし、テレワークであると伝達の仕方に制限が掛かってしまいます。文章・電話・オンライン会議などに限定され、直接顔を合わせて会話が出来ません。結果、意思疎通に時間がかかり、働く時間自体も長くなってしまいます。 加えて、伝えた内容に齟齬がうまれれば、フォローするための時間も必要です。そのため、文章スキルや会話力が備わっていないと、出勤と同じパフォーマンスを残すのはむずかしいのです。以上のように、テレワークを導入することで、コミュニケーションへの時間も多くなる傾向にあります。 隠れ残業の発生 長時間労働が増える理由として、隠れ残業が発生するケースも多いです。隠れ残業とは、申告勤務時間よりも実際は長く働いていたり、超過勤務分を申し出なかったり。働いた分だけ適切に給料が支払われていない状態です。 ではなぜこのような事象が発生するのでしょうか。背景には、労働者が申告しにくい環境にあります。具体的には「家の用事をしながら仕事してたし、残業を申し出るのは肩身がせまいな」「通勤時間も無く出勤よりも楽な環境だから、少しの残業くらいは申告しないでいいかな」などの心理が働いています。 隠れ残業が発生するとさらに効率が悪くなり、労働時間が長くなります。結果的に出勤して働くよりも、悪条件下で勤務することになるのです。 長時間労働はなぜ問題なのか 長時間労働の問題について解説していきます。 病気のリスクが高まる 長時間労働を行うとあらゆる病気のリスクが高まります。代表的なのはうつ病です。うつ病は精神的・身体的ストレスが過度に掛かることで発症します。毎日気分が落ち、何事に対してもやる気がわきません。仕事だけでなく、日常生活にも支障をきたしてしまうのです。 うつ病を抱えつつも仕事はできますが、周囲に迷惑を掛ける場合が増えてきます。加えて、遅刻や欠勤が増加する方も。いずれにしても、健康な状態と同様のパフォーマンスを残すのはむずかしいのが現状です。 そのためにも、病気が発症する前に、従業員への配慮が必要になります。 生産性が低下する 長く働けば生産性も上がるわけではありません。むしろ勤務時間が短ければ、生産性は上がりやすいとも言われています。 実際に人間の集中力には限界があり、1日4時間が限度とも言い伝えられているのです。そのため、勤務時間を長くしたところで、仕事の効率は上がりません。加えて、残業がある前提で仕事をすると「どうせ残業するからのんびりやろう」「まだ時間は十分あるから、マイペースに取り掛かろう」と考え、さらに生産性は上がりにくいです。 このような背景からも、仕事の効率を上げる場合は、反対に勤務時間を短くする(残業させない)仕組みづくりが重要です。 創造性が低下する 長時間労働が当たり前になると、仕事の質も上がりません。日々心身ともに疲れた状態で働いても、良いアイディアは浮かんでこないのです。仕事でひらめきがうまれなければ、考える時間も長くなり、さらに労働時間も長くなります。 また、低下するのは創造性だけでなく、判断力も低下してしまうのです。正しい判断ができなければ仕事のミスも増えていきます。失敗が続けば気分も落ち込み、さらに仕事の生産性が下がる悪循環に陥ってしまうのです。 長時間労働をさせないための対策 長時間労働への対策を解説していきます。 メール送付の抑制 長時間労働を防ぐためにも、メール送付に制限をかけていきましょう。テレワークでのコミュニケーションはメールやチャットが主流です。 とはいえ、時間外に好き勝手送っていいわけではありません。業務時間外にメールを送ると確認する方もおり、長時間労働の原因となるからです。 そのため「18時以降のメールは原則禁止とする」「夕方以降のメールは極力翌朝に送信する」などのルールを作っても良いでしょう。メール送付に制限を掛ければ、無駄なメールのやりとりも減っていくはずです。 システムへのアクセス制限 最近では長時間労働防止のために、システムへのアクセス制限をかける企業も増えてきています。システムを使える時間に制限をかけておけば、残業や休日出勤する事態も防げます。 さらに、労働時間が限られるため、生産性向上にもつながるのです。とくにパソコン業務が中心のIT企業やシステム構築企業などにおすすめと言えます。 時間外・休日・深夜労働の原則禁止 基本的に残業や深夜労働を禁止にしてしまうのも手です。テレワークは管理者側が従業員の勤務状況をリアルに把握できません。それゆえに隠れ残業や過重労働などの問題が引き起こされてしまうのです。そのため、社員に定時内で就業してもらうよう、労働規定や社内ルールについて丁寧に話していきましょう。 […]

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労働基準法に違反するとどうなる?違反事例と通報方法を解説

近年は日本政府による働き方改革の推進の影響を受けて、労働者がより自由で無理なく働けるような仕組みづくりが重要視されています。こうした社会の変化は、従業員が自身の働いている労働環境を見直すきっかけになっているといえるでしょう。 企業の人事や労務の担当者にとって、労働基準法は無視できない法律です。労働環境の見直しが求められる現代では、その重要性がさらに増しています。労働基準法に違反した場合、厳しい罰則が科せられることがあるため、基本的な知識や違反行為に当たるものが何かを把握しておくことが大切です。 もし労働基準法に違反した場合、どのような罰則があるのか、どのような場合にペナルティの対象となるのか、事例とともに詳しく解説します。 労働基準法とは 労働三法の一つである労働基準法は、働き手を保護することを目的に制定された法律です。労働する契約内容や労働時間、休暇や休憩時間、賃金など、労働にかかわるさまざまな条件について最低限守るべき基準を示しています。その他、妊産婦の扱いについての条件も含めた計12章と雑則および罰則で構成されています。 労働基準法が制定されたのは、戦後の1947(昭和22)年のことです。制定の背景には、戦前の日本の勤務条件が、あまりに会社側に有利であったことが挙げられます。働く意思のある人は、生活するためにも会社側からの不利な労働条件に従うしかなかったのです。 また、戦後の日本を立て直し再建を図るために一人ひとりの労働力が必要不可欠であったことから、最低限の労働条件を担保し、日本の再建に協力する労働者を確保することも狙いでした。 法律の内容は、時代の変化に合わせて改正を繰り返しています。企業は法律の変化を把握し、柔軟に対応することが求められているといえるでしょう。 労働基準法に違反した企業への罰則と違反例 具体的な違反例と、罰則を紹介します。 労働に関する違反例 労働者は、労働者の意思に反する労働を強いられることはありません。日本国憲法第18条で奴隷的な拘束を禁じているため、それに準じた規定が労働基準法第5条で定められました。 第5条では、心身の自由を奪うような暴行、脅迫および監禁などの手段で労働者を拘束し、強制労働させることを禁止しています。 また、労働者の心身の安全等を考慮して、18歳未満の人が坑内で働くことや、妊娠している女性、産後1年未満の女性が重いものを運ぶことや、有毒ガスを吸う危険性のある場所で働くことも禁じられています。 違反した場合は、1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金刑を科せられるため注意しましょう。罰則については第117条で定められています。 労働時間・残業代に関する違反例 日本企業で正社員として働く場合、「フルタイム勤務=8時間」というイメージを持っている人が多いでしょう。これは、労働基準法第32条により、1日の労働時間は8時間までと定められているからです。 法で定められた労働時間は、働き手の過労や精神的負担などを軽減するために過度な労働を予防するものです。そのため、8時間までという1日の労働時間の上限に加え、1週間の労働時間は40時間までとしています。 会社と従業員の双方が合意しない限り、「1日8時間・週40時間まで」の労働時間を超過して労働させることは原則禁じられています。しかし、36協定という協定を締結することで、定められた労働時間を超過して働くことができます。 ただし、36協定を結び合意の上で法定労働時間を超えて勤務する場合は、賃金の割増が必要になります。具体的には、時間外労働(残業)と22時から5時の深夜帯の労働に対しては25%、休日の労働に対しては35%の割増賃金を支払います。 違反した場合は、第119条により6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金になります。違反事例が起こりやすいため、刑事罰を受けないためにも従業員の労働時間の管理や賃金計算はミスや漏れのないように行いましょう。 有給休暇に関する違反例 年次有給休暇を付与する条件は、労働基準法第39条で定められています。企業は、「雇い入れ日から6ヶ月継続して勤務し、全労働日の出勤率が8割以上」である場合に有給休暇を10日以上付与しなければなりません。 従業員は、付与された10日間の有給休暇を数日にまたがって連続して取得することも、1日ずつあるいは半日などに分割して取得することも認められています。従業員が希望した有給を取得するには、条件が定められている場合があるので注意しましょう。 雇用関係を結んだ年の取得日数は10日とする会社がほとんどです。日数は勤務した年数に応じてプラスされ、勤続年数が更新される度に基本的に1日ずつ増える仕組みです。また、勤続年数が3年6ヶ月を超えると、それ以降の付与日数は2日ずつ増加します。 労働基準法の改正によって年5日の有給休暇取得が義務化され、企業は従業員一人ひとりの有給取得状況を正確に把握しておくことが求められるようになりました。これに違反した場合は、30万円以下の罰金が科せられます。 また、従業員が希望したにもかかわらず休暇を取得させなかった場合や、取得したのに賃金を支払わなかった場合なども法律違反となります。6ヶ月以下の懲役や30万円以下の罰金に処される可能性があるため、休暇日数の扱いや休暇申請時の対応について社内にしっかりと周知しておきましょう。 賃金に関する違反例 賃金については労働基準法第24条で定められています。企業は従業員一人ひとりに対して、月に1回以上一定期間ごとに、賃金全額を通貨で直接支払うことが求められます。不足していた場合は賃金未払いとなり、違反対象になるので注意しましょう。 「①月に一回以上、②一定の期日で、③通貨で、④直接、⑤全額を支払う」という条件は「賃金支払いの5原則」として知られています。 ただし、従業員個人の預貯金口座へ賃金を振り込むケースは、同意を得た場合に限り可能となるので違反ではありません。 違反した場合は、第120条に則り30万円以下の罰金刑となります。給与を小切手で支払ったり、全て払わずに中抜きしたり、労働者本人ではなく代理人に支払ったりすると違反の対象になります。 従業員にとって賃金は、生活に直結する重要な要素です。従業員が不安なく働き続けられる環境を整えるためにも、企業は法律を遵守しなければなりません。違反対象とならない事例も含め、法律の内容をしっかりと理解しておきましょう。 差別に関する違反例 労働基準法第3条と4条では、労働者の国籍や信じる宗教、信条や性別などによって差別することを禁じています。企業はいかなる理由があっても、労働者に賃金や労働時間などで差別的な扱いをしてはならないのです。 これに違反すると6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。 妊娠・出産等に関する違反例 労働基準法第63条から67条では、妊娠中や出産直後などの女性を守る法律が規定されています。ここには、生後1年に満たない乳幼児を育児中の人も対象に含まれています。 違反となるのは、出産前や出産後の休暇を否認して労働を強いたり、妊娠中の女性に残業を強制したり、幼い子どもの育児に従事する人に十分な時間を与えない労働環境などです。 これに違反すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処されることが第118条で定められています。 解雇・雇止に関する違反例 解雇や雇用の停止については、企業と労働者の間で特にトラブルになりやすいので、事前に違反事例を把握していざという時に冷静に対処できるようにしておくことが大切です。 企業は労働者を解雇する場合、30日以上前に予告することが義務付けられています(第20条)。30日に満たない日数で解雇する場合には、日数分の解雇予告手当を支給する必要があります。数日の違いで、会社にとって予定外の出費となりかねないので従業員を解雇する場合は注意しましょう。 ただし、解雇は会社がいつでも自由に行えるものではありません。客観的に納得できる理由がなければ解雇は認められないと労働契約法第16条で規定されています。例えば、1回ミスをしただけ、出勤初日の勤務態度が悪かったという理由は認められず、不当解雇と認定される場合があります。 違反すると6ヶ月以下の懲役か、30万円以下の罰金刑に処される場合があります。従業員の解雇や雇止を考えるなら、従業員本人に決定事項として予告する前に、十分な話し合いの時間を設けたり、職場環境の見直しをしたりするとトラブルに発展せずに問題を解決しやすくなるでしょう。 労働災害に関する違反例 働いていると耳にする機会のある「労災」とは「労働災害」のことで、勤務中または通勤中に起きた怪我や病気を指します。労働基準法の第8章災害補償では、第75条から88条までの13条にわたって労働災害に関する法律が詳細に規定されています。 従業員は業務関連で怪我をしたり病気を患ったりした場合、休業補償や療養補償を受け取ることができます。労災により障害が残った場合は障害補償が受けられ、もし死亡した場合は遺族補償や葬祭料などを受け取る権利があります。また、労災が起きた場合、企業は防止義務・補償義務・報告義務があります。 労働災害に対する補償は企業が決められるわけではありません。補償金額の算出方法など、法律に準拠して対応しなければなりません。労働災害が発生した場合、会社側は刑事責任、民事責任、行政上の責任、社会的責任を負う可能性があります。 労災の原因が会社にあるとされた場合、損害賠償責任が発生することもあります。日頃から労災が発生しないような労働環境づくりに努め、必要に応じて労災保険に加入しておくことをおすすめします。 労働条件・就業規則に関する違反例 企業は労働者との労働契約を結ぶ際に、労働条件を明確にすることが求められます。第15条では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定されており、雇用関係を結んだ後のトラブルを未然に防ぐ狙いがあります。 第120条では、労働条件の明示を怠った場合には、30万円以下の罰金刑を科すとしています。 意外と一般に周知されていないのが、就業規則に関する法律です。企業は就業規則を作成する義務があり、作成した就業規則は従業員がいつでも見れるような状態にし、周知することが求められます。 就業規則を作っていない、更新しても社内に知らせていない、確認できない場所にあるなどは違反の対象となるので注意しましょう。 […]

人事労務・制度設計・運用

RPAで自動化できる業務はなにがある?実際の業務例や導入手順も解説

企業内の各部署で行う業務は多岐にわたり、その量は膨大といえるでしょう。しかし、なかには複雑な作業もあれば、単調な作業も存在します。この単調な業務にリソースを割いてしまうと、企業の生産性にも悪影響が出る可能性もあります。今回紹介するRPAは、自動化できる業務を効率的に行うためにも重要なツールの1つです。 RPAとは RPAとは「Robotics Process Automation」の英語の頭文字をとった言葉であり、ロボットによる自動化という意味があります。つまり単調な作業をロボットに任せることで、その業務の自動化が可能です。企業にもたらすメリットは以下のとおりです。 作業の効率化、工数の削減 従業員の負担軽減 ノンコア業務ではなくコア業務に専念できる 人より正確かつ素早く作業を行ってくれる このように、うまく作業に取り入れられれば生産性の向上が期待できます。もちろん自動化できない業務もあるので、RPAの特徴を理解して導入する必要があります。 RPAで自動化できること 実際に以下のような業務の自動化が可能です。 ルーチンワーク的な単純な作業 データの収集や分析 システムの管理やメンテナンス作業 顧客対応業務 ここでは、それぞれを詳しく説明します。 ルールが決まっている単純作業 あらかじめ決められている単調な業務や、一定のパターンで繰り返し行われる業務を自動化できます。たとえば、定型文でのメッセージ返信やネットを使用した情報チェックなどがあげられます。このような単純作業は集中力も切れやすく、ヒューマンエラーにもつながりやすいです。RPAなら人より効率的に作業が可能であり、入力ミスをする危険性もありません。 また24時間365日の稼働もできるので、人が稼動できない時間帯や休日も関係ありません。単純作業を人ではなくロボットで代替させることで、作業効率を大幅にあげられるでしょう。 データの収集や分析 企業内で必要なデータは多岐にわたり、その情報をまとめて分析するのは時間がかかります。RPAならデータの収集はもちろん、分析作業も自動化できます。データがデジタル化したものではなく紙媒体の場合、文章を読み取る機能を使用すれば対応可能です。そのため、媒体関係なく幅広い範囲のデータを収集できるでしょう。 システムの監視・メンテナンス サーバーの監視やメンテナンス業務の自動化も行えます。企業内で決められた作業を反映させることで、このような役割も担えるのです。常にサーバーの状態をチェックしてくれるので、人が行うよりもセキュリティ面に期待できます。 異常を発見したら24時間いつでも通知してくれるため、迅速な対応をしやすいのがRPAの利点といえるでしょう。従業員の負担を削減するとともに、企業としての信頼性も損ないにくいです。 カスタマーサポートの顧客対応 カスタマーサポートでの顧客の問い合わせにもRPAは活用できます。顧客だけでなく企業内からの問い合わせがいつくるのかは想定できません。もしかしたら対応できない時間帯に連絡がくる可能性もあるでしょう。 このとき24時間毎日自動対応できる体制が整っていると、双方ともにありがたいですよね。またチャットボットとの組み合わせで、よくある質問に定型文で対応したり、有人でのサポートが必要だと判断したらオペレーターにつないだりできます。 RPAの対象業務例 実際にRPAを用いて成功した事例を、各部門に分けて解説します。 経理部門のRPA対象業務例 経理の業務は単調となりやすいため、自動化によりあらゆる作業の効率化が期待できます。たとえば売掛・入金業務では、さまざまなデータを収集したファイルを専用ソフトに入力する作業の自動化が可能です。 また資産管理業務では、固定資産の償却期間を設定することで、開始・終了の時期に担当者に通知が届くようになります。棚卸しのチェックでは、基準値より高いステータスを発見したらアラート通知することで管理しやすくなるでしょう。 人事部門のRPA対象業務例 この部門ではケアレスミスが重大な問題につながる危険性があるので、RPAによる正しい自動化が望まれます。毎日の勤怠では、有給休暇日数や社会保険をまとめて管理し、条件にあわせて担当者に通知がいくようなシステムを形成。頻繁なチェックを省略し、負担の抑制につなげます。 人事考課の仕事では、評価を行う期日のお知らせを自動化し、各部署が忘れずに実施可能です。またいくつかの管理職の予定を確認し、評価ミーティングの日程を整える作業も自動化ができる範囲内といえます。 営業部門のRPA対象業務例 営業時間を増やすためにも、RPAでノンコア業務を最小限にすることをおすすめします。決められた目標の達成のためには、日々の販売状況をリアルタイムで更新しつつ、進捗状況を同じチーム全員に通知を送る必要があります。この作業を自動化すれば、状況を確認して従業員にメールを送信する手間を削減可能です。 月々に作成する見積書では、取引先の見積もり金額が入力されているサービスから自動的にダウンロード。Excelに自動で入力できるので、ミスの心配なく取引先にメッセージを送信できます。 総務部門のRPA対象業務例 新規顧客との契約では、相手が反社会的勢力かどうかのチェックを定期的に行う必要があります。RPAでは、Web上から求めている情報を集める機能を搭載しているサービスもあります。その機能を活用すれば、取引先の情報について簡単に確認が可能です。 また一定のペースで作成が必要な書類も単調な内容が多いので、自動化により従業員の負担を軽減できます。このように、総務の仕事でも社内の法令や規則を守るための活躍が期待できます。 RPAをする流れ RPAで仕事の負担を削減するにあたって、どんな手順で導入すればいいのでしょうか。ここではその流れについて説明します。 業務のプロセス整理 まずは仕事内容の流れを確認します。そしてその業務がRPAに適応しているのかを判断しましょう。 作業の流れはまとまっているのか 必要な作業時間はどの程度なのか その作業に必要な人数はどの程度なのか これらを確認して、導入の有無を考えましょう。もし上記の内容が不明確な場合、1から考えてみることをおすすめします。毎日行っている作業は、ついなにも考えずに行いがちです。少し意識して「この仕事は必要なのか」と振り返ってみましょう。 自動化する業務の選定 自動化できそうな仕事を列挙できたら、どの範囲までをRPAの対象にするかを考えてみましょう。とくに作業量が多く、ヒューマンエラーが出やすい業務をピックアップすることをおすすめします。 たとえば、メールの配信業務を対象とします。顧客の獲得をメインの目的としているメールで、返信内容にズレが生じた場合、どのような対応にすべきかをよく考える必要があるでしょう。複雑なフローチャートにすると対象範囲外になる可能性もあるので、うまく工夫して設定しましょう。 ルールの標準化 その後RPAの役割を当てはめて、本番の前に一度テストを実施してみましょう。もしテストを行わずに導入を開始してしまうと、うまく運用できなかったときのケアが困難となります。 […]

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AIで業務効率化!生産性を上げられる業務と活用事例を紹介

生産性を向上させるために、AIの導入を検討する企業も多いでしょう。時代の進化により、AIが人間よりも高い成果を上げる場面も増えてきました。では、AIを取り入れる場合、適している仕事は何でしょうか。そこで今回は、AIが向いている効率化できる業務と活用事例を解説していきます。 AIとは AIは人工知能とも呼ばれ、コンピュータが様々な動き・表現・感性を学び、社会に役立てるためのものです。 身近なところでは自動運転車や人工知能ロボットなどがあります。自動運転車は本来人間が運転すべき自動車をAIが自動運転してくれる車です。AIが運転パターンを学習し、最短ルートで目的地まで走行します。まだ開発段階ではあるものの、注目が集まっています。 また、人工知能ロボットはまるで人間のように会話や動きができるロボットです。自動運転車と違い、目にする機会も多いでしょう。最近ではショッピングモールや携帯ショップに設置し、人間の代わりにガイドするロボットもいます。他にも、様々な分野でAIが導入され、科学技術の発展に向けて研究が進められているのです。 AIとRPAの違い AIに似たIT用語としてRPAがあります。RPAは業務を自動化するツールであり、一見するとAIとの役割は同じです。 しかし、両者には大きな違いがあります。AIは人工知能により、人間のように自発的に意思決定を行うのが一般的です。人間が指令を出さなくても、AI自身の判断によって行動できます。 対してRPAは自動で作業を行ってくれるものの、人の指示が無ければ動きません。ルーティン作業をRPA化するには作業手順や確認方法をロボットに認識させる必要があるのです。 両者の違いは「自分自身で判断できるか」であり、それぞれの違いを理解した上で、業務効率化を目指していく必要があります。 AIが向いている効率化できる業務 AIが向いている業務を解説していきます。 営業のデータ収集・分析 近年では営業の現場においても、AIが導入されるケースが増えてきています。営業を行うにあたっては、正しく情報を収集した上で顧客へアプローチする必要があります。 例えば、法人向けにPCを販売するとなれば、顧客の情報や競合相手の動向などは必須です。PCは価格やスペックが購入の決め手になるため「現状どんなPCを使っているのか?」「競合他社はどんな価格で対応しているのか?」などを事前に調査する必要があります。 しかし、情報を一から人間の手で収集するのは現実的ではありません。そこで活躍するのがAIです。AIであれば、営業に必要なデータを収集し、さらに効率的に販売できるよう分析までしてくれます。あとは担当者が分析結果をもとにクロージングしていくのです。AIを活用すれば、営業の生産性が大きく向上します。 問い合わせ対応 問い合わせ対応についても、AIによって業務を効率化できます。よく見られるのはAIによるチャットボットです。 例えば、スマホに関する問い合わせ対応フォームにて「スマホのボタンが反応しません」と入力すると「これから紹介する方法を試してください」と返答があります。対応方法の一覧が表示され、ユーザーは対応リストをもとにスマホを確認していくのです。 それでも改善されなければオペレーターへ繋ぐ流れになります。チャットボットを導入することによって、簡単な一次対応を人間が行う必要はありません。技術的な内容だけ対応すれば良いのです。人を採用するコストが削減でき、より正確な対応が実現します。 採用の書類審査 採用の現場でもAIを導入するシーンが増えてきました。例えば、AIに採用希望の人物像を学習させ、エントリーシート全体の特徴から判断させたり。エントリーシートに使われる単語の傾向から特徴を分析したり。採用担当者の負担が減るだけでなく、より質の高い審査ができます。 採用の現場においては「自分の高校の後輩だから通してみよう」「文章はほとんど書いていないけど、表情が素敵だから書類審査は合格にしよう」など、採用担当者の主観が入りがちです。 AIを導入すれば、そのような感情的な採用にならず、客観的に自社が求める人材を採用できます。AIに任せることで、採用担当者は面談や質疑対応に専念できるのもメリットです。 受注処理や検品業務 工場や物流の現場における、受注処理や検品業務にもAIが導入されはじめてきています。以前まではFAXや書類で商品の受け取りを行ってきましたが、最近は販売管理システムや画像認識技術によって自動化されているのです。 システムと自動連携することによって、在庫差異のトラブルを防げます。また、人間の手によって検品する手間も省けるため、人件費削減にもつながります。 近年、工場や物流現場における、受注・検品業務の事故が増えているのも事実。大きいサイズの在庫を人が持ち運んだり、確認したりすれば、重大事故にもなりかねません。AIであれば、そのような事故のリスクも軽減できます。 設備の老朽化や機械の故障等の検知・発見 設備の安全を保つために、人工知能を導入するケースも増えてきています。これまでは、ビルや工場などの建物は人間の目で安全を確認してきました。 しかし、AIを導入することによって、点検がむずかしい設備も容易に確認できたり、点検箇所が多岐に渡る建物でも短時間でチェックできたり。安全かつ効率的に点検が可能になります。 また、点検者の技術に左右されず、精度の高い点検が実現するのです。担当者によって点検漏れが発生するリスクも防げるでしょう。 AIの活用事例 ここからはAIの活用事例を紹介していきます。 行政の窓口対応業務 行政の窓口対応にもAIが導入されています。具体的には前述したAIチャットボットを採用する自治体が増えてきました。チャットボットであれば、休日・祝日時間問わず対応できるため、重宝されています。 また、外国人向けに自動音声翻訳ツールを導入するケースも。日本に住む外国人の数は年々増えており、対応に困る行政も増えているのが現状です。 そんな中、対面でも外国人と良好なコミュニケーションを取るためのツールとして、自動音声翻訳ツールに期待がかかっています。 採用活動の効率化 書類選考でAIを導入しているケースは前述しましたが、面接にAIを採用して効率化を図る企業もあります。 本来であれば面接官は人間であるものの、AIが代わって面接を行うのです。人間同士の面接同様、質問のやりとりによって合否を判断していきます。AIには「なぜ当社を志望したのですか?」「入社したらどんな仕事をしたいですか?」などの一般的な内容を含めた、100以上の質問を搭載。応募者の回答に対してロボットがさらに質問していきます。 人件費を抑えられるだけでなく、採用基準に偏りが出ない点もメリットです。導入企業は少ないものの、現在大きく注目されています。 問い合わせメールへの対応 問い合わせメールへの対応についても、AIを活用するケースが増えてきています。本ケースはAIチャットボットとは異なり、問い合わせに対して最良の回答をAIが提案するツールです。とくに大企業であれば、問い合わせ件数は数えきれないほどの量となるでしょう。人間が全て手動で対応していては非効率です。 そこで、AIが過去の対応メールを分析し、質問内容に合った一次回答を担当者へ提案していきます。担当者はAIが作成したメールを確認し、そのままメールする場合もあれば、細かい点を修正するケースもあります。一からすべて作成する必要がなくなり、大きな業務効率化が図れるのです。 高精度の不良品検知 ものづくりの現場においても、AIが活用されています。一般的に生産ラインの確認工程では、人間の目視・手触・臭気確認によって行われているのが現状。 しかし、確認に時間をかけても、ミスやトラブルは起きてしまうのです。そこで、現在はAIによる画像認識によって不良品が検知できるようになりました。 AIに搭載された多くの確認パターンにより、不良品の有無を識別していきます。従業員の負担が減るだけでなく、確認の精度も上がるのです。 道路点検業務の効率化 道路点検業務でもAIが活用されています。活用されるシーンは「道路のひび割れ」の検出です。一般的には作業員が目視で道路の状態を確認していきます。 しかし、交通量が多い都道府県では管理が困難です。AIによる道路点検では車載カメラで収集した情報から、修繕の有無を判断していきます。低コストで道路管理が実現し、補修が必要な場合でも迅速に対応できるのです。 AIの活用で仕事の質を上げる 毎日取り組んでいる仕事を見渡すと、AIによって効率化できる業務もあるかもしれません。 とくに問い合わせ対応や営業はAIが活躍できる業務でもあります。AIチャットボットを導入したり、営業のデータ解析をAIに頼ったり。業務コストが削減できるだけでなく、仕事の質が大きく上がるはずです。 […]

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1on1ミーティングでのアジェンダの重要性|目的な話すべき内容を解説

企業において上司と部下との関係性が良好ではないと、業務の生産性が低下する危険性があります。マンツーマンでのミーティングではお互いの関係性を築ける他に、部下が率先して行動するためのスキルを獲得できるチャンスでもあります。そのためには、アジェンダ(テーマ)の設定が重要です。 1on1ミーティングのテーマ設定 1on1でのミーティングではメインとなるテーマの設定が重要です。こちらではどのように設定をするのかについて説明します。 部下の成長のために主導権を持たせる 基本的にミーティングのテーマ決めは、部下が中心に考えることが大切です。その理由として、部下の成長を促すためです。1on1面談は、企業の生産性向上や従業員のモチベーション向上のために実施します。部下のモチベーションを高めるには、自主的な行動を取れる環境を作る必要があります。 上司としては率先して行動して、アドバイスを行いたいと思うでしょう。しかし一方通行のコミュニケーションが強くなると部下の成長につながりません。まずは自分で考えて行動してもらうように促しましょう。 上司と部下の信頼関係を構築する ミーティングの主軸を部下に任せるもう1つの理由として、お互いの信頼関係を作るためです。相談時に相手が傾聴してくれたら、その人への警戒心が薄れ、信頼性が高まります。逆に話をよく聞かない、あるいは話をしても否定されたら、その人への信頼性は低くなるでしょう。 ミーティングを行うときは、部下が自由に話せるような環境を作りつつ、話をしっかりと傾聴することが大切です。これらを注意して実施することで、お互いの信頼関係がより強くなります。 1on1ミーティングで話すべきアジェンダ 事前準備もなく上司とミーティングを行っても、円滑な会話はむずかしいでしょう。あらかじめどんなテーマで話すのかを決めておくと、コミュニケーションをとりやすいです。 最初にアイスブレイクとしての雑談や現在の状況確認、仕事に対しての不安がないかなどを話します。次の段階で仕事・チームで改善すべき点、今後のキャリアはどう考えているのかなど、より本質的な会話で部下の潜在的な考えを引き出します。 アジェンダの選び方と注意点 テーマを選択する際の注意点として、以下のようなものがあります。 会話の中心となるテーマを決めて、課題点について話しあう 部下に対して萎縮させるような質問は避ける テーマのゴールを設けないが、なるべく話の内容や問題点がブレないように気をつける このようなポイントに注意してミーティングを行えば、部下のモチベーション向上につながり、結果的に有意義な時間となるでしょう。まずは部下が気負うことなく話せるような雰囲気を作ってみましょう。 おすすめのアジェンダ こちらではテーマの選定にあたって、優先すべき内容についてご紹介します。 アジェンダ①プライベート相互理解 1on1でのミーティングはお互いの心情を吐露しやすい環境ですが、最初は緊張しやすいです。はじめから混み入った話をするのではなく、ちょっとした雑談から行うことをおすすめします。趣味や休日の過ごし方など、お互いのプライベートについて共有して緊張感をほぐしましょう。少しリラックスできるようになったら、現在大変なことや人間関係で困っていないかを少しずつ聞いてみましょう。 アジェンダ②心身の健康チェック さまざまなテーマのなかでも、体調面・メンタル面はとくにチェックしたい項目です。心身の状態を目で確認することはむずかしいので、実際に本人から聞いてみるのが1番です。 仕事に対して疲れを感じていないか 体調が悪くなるときはないか 現在行っている業務は適切な量なのか このような内容を聴取できれば、おおよそのコンディションや業務量の判断がつきやすいです。また社内の人間関係や、家族とのコミュニケーションにストレスを抱えているケースもあるので、なるべく詳しく聞くようにしましょう。 アジェンダ③モチベーションアップ モチベーションを高めるための手段を取り入れることも大切です。たとえば毎日の業務で困っている、気になっていることがあれば、詳しく聞いて一緒に対策を考えてあげる。また部下が社内でがんばっている、真剣に仕事に取り組んでいると聞いた場合は、褒めてあげたり、承認したりする。 このように「部下のことをしっかりとみている」ことを伝えることで、相手のモチベーションアップが期待できます。 アジェンダ④業務・組織課題の改善 普段の業務をルーチンワークのように行うと、改善すべき問題点が見つかりにくいです。ミーティングの実施は、仕事内容やチームの課題について再確認できるチャンスです。 現在携わっている仕事内容 業務の課題点 個人的に希望していること 上司に対しての要望 チームのコミュニケーションがうまくとれているか このような問題をうまく聴取して、今後どのように改善できるかを一緒に検討します。ささいな問題でも、そこから大きなアクシデントにつながる危険性もあるので、なるべく細かいことでも見落とさないように注意しましょう。 アジェンダ⑤目標設定/評価 部下にとって今の企業をどう思っているのか、どんな将来を見据えて仕事をしているのかを聞くのもいいでしょう。企業の方針と従業員の目指すべき方向が一致していれば、両方の成長につながりやすいです。 このときに企業だけでなく自分自身の評価、目標に到達したときになにを得られるのかなども聴取しておきましょう。自身の業務に葛藤を抱えている人もいるので、その状況にあわせたアドバイスを行えるとモチベーションの向上が期待できます。 アジェンダ⑥能力開発/キャリア支援 今後のキャリアについて聞いておくと、どのような方向性でサポートをするべきかがわかります。 自身の長所・短所 自分が得意だと思う業務内容や部署 仕事へのやりがい 行いたい仕事や今後の方向性 このような内容を聴取することで、部下のスキルを高めるための研修やキャリアに対してのサポートを効率よく行えます。将来の展望が不明瞭の場合、現在どんなことに興味があるのか、どんな仕事をしたいと思っているのかを可能な範囲で聞いてみましょう。その回答に適した目標についてアドバイスできると、部下の個性を活かした活躍が期待できます。 アジェンダ⑦戦略・方針の伝達 上層部で決まった今後の戦略・方向性は、従業員に十分に伝わっていないときがあります。ミーティングを利用すれば部下に伝わりやすく、企業全体の意思疎通がスムーズになります。 会議で決まったことを説明する 決まった内容の過程について伝える 今後どのようなことを行うのかを相談する 上司として必要な連絡を行う […]

人材育成

評価制度がない会社のメリットは?事例を用いて廃止する利点を解説

仕事における成果を測る手段として、人事評価制度が一般的でしょう。各項目に対し、どれだけ達成できたかが一目でわかります。しかし、最近は評価制度を用いない企業が見受けられるのです。 では一体どのような手段で査定しているのでしょうか。そこで今回は人事評価制度をなくす理由や実際に評価制度をなくした企業事例を解説していきます。 人事評価制度をなくす理由 人事評価制度をなくす企業が増えている流れは、元をたどるとアメリカが由来となっています。米国では約10年前から、一般的な評価制度を廃止する企業が増えています。今までのランク付けによる評価では査定が困難になったからです。アメリカでは日本よりも終身雇用廃止の流れが進みつつある中で、より多面的に評価する必要が出てきました。 例えば、社員が業務に取り組む姿勢や専門的なスキルの保有の有無など。社員を360度見渡しての評価が必要不可欠なのです。そのため、アメリカでは人事評価制度をなくし、ノーレイティング制度が主流になっています。 日本でも年功序列制度の廃止が進むにつれ、後を追うように評価制度が撤廃されているのです。このように、様々な角度から評価する必要が出てきた背景により、アメリカにならい日本でも人事評価制度が廃止傾向にあります。 人事評価制度がないことによる問題 人事評価制度がないことによる問題を解説します。 生産性の低下 人事評価制度がなくなれば、社員一人一人のモチベーション低下につながる可能性もあります。明確な基準がなくなるため、目標達成に向けた行動の段取りも悪くなるでしょう。 例えば「ランク制度撤廃によって昇格基準が不明瞭になったため、モチベーションを保ちにくくなった」「今までと同じ成績を残しても評価されにくくなり、どのように行動を取ればよいか分からない」など、社員間で悩みや不安を抱えるケースもあります。 社員が不満を感じてしまうと、社内全体の生産効率も下がってしまうのです。今まで評価制度を基準に頑張っていた方にとっては、大きな影響がうまれます。そのため、評価制度を無くす際は、このような点も考慮する必要があるでしょう。 人間関係の悪化 人事評価が撤廃されると、人間関係が悪化する可能性があります。評価という納得できる基準がなくなるため、不平不満がうまれやすい環境をつくってしまうのです。 例えば「成績を残しているのに、なぜ評価が他の社員よりも低いのか」「上司の査定が厳しいのは、私のことが嫌いだからではないか」などの人間関係トラブルが生まれてしまいます。本来であれば明確な評価ラインがあったため、たとえ他の人が結果を出しても納得出来ていました。 しかし、人事評価がなければ、ある程度評価者の主観が入ってしまいます。部下を好き嫌いで判断するケースもあるため、社員間で溝がうまれやすいのです。このように、人事評価制度がないことによるメリットはあるものの、人間関係が悪化する可能性もあります。 人材流出 人事評価がなければ、正しく査定されない社員が出てきます。不満がたまってしまうと、活躍の場を移さざるを得なくなるのです。「しっかり査定してくれないのであれば、正しい評価制度がある会社に転職しよう」「自分の仕事を認めてくれる会社に移ろう」など、心変わりしてしまいます。 とくに優秀で仕事ができる方は、次のステージへ上がるために努力を欠かしません。そんな中、自分自身の成長が認められない状態であると、不満が残っても仕方がないでしょう。 今まで会社に貢献してくれた社員が、査定方法の違いによって退職する可能性があるのは念頭に置いておきましょう。 人事評価制度の課題 人事評価制度には課題がつきものです。中でも大きな課題は作成に時間が掛かる点です。評価項目をつくり、社員に周知させるまでにはある程度の時間を要します。完成しても、高品質な評価を維持するために、日々磨きをかけていかなければいけません。 社員から不満が出たり、企業の方針が変わったりすれば、あらためてつくる必要があります。また、現在テレワークの導入が進められていますが、人事評価では対応しきれないケースも出てくるのです。 「どんな業務を行っているのか分からない」「業務に対する積極性が評価しづらい」など、日々顔を合わせないがためにうまれるデメリットもあります。ウェブ会議やチャットでのコミュニケーションを増やす企業も増えましたが、対面に比べると評価の質が落ちるのは否めません。 以上のように、人事評価制度には課題が山積みであり、評価制度の撤廃も視野に入れるのが賢明でしょう。 人事制度作成のポイント 人事制度作成のポイントを解説していきます。 経営戦略と一致しているか 人事制度を作成する際は、評価項目が経営方針と合致しているかの確認をしましょう。一致していなければ、企業が目指す人材を育てるのは不可能です。 例えば「10年後までに100店舗増やす。そのために、チャレンジ精神を持った人材を増やす」とあったとしましょう。にもかかわらず、評価対象に積極性や主体性の項目がなければ、企業が目標とする人材は育ちません。失敗を恐れた消極的な人材が増えてしまうのです。実際にこのようなケースは様々な企業で起こっています。 そのため、人事制度を作成する際は経営層と入念に打ち合わせしていきましょう。現場で作成した後「社長の考えが評価に反映されているか?」「将来を見据えた評価項目になっているか?」などを確認していくと、経営戦略と合致した制度が完成するはずです。 従業員が納得しているか 人事評価は従業員の納得度を把握したかたちでつくっていきましょう。社員の意見を反映せず人事主導でつくってしまうと、従業員から不満がうまれる原因となります。社員のモチベーション低下は社内全体の業務効率悪化につながってしまうのです。 そのため「どの点に納得していないのか?」「どのように対応すれば納得するのか?」などを確認していきましょう。よく聞かれる意見としては「評価項目が明確でない」「項目が一部のスキルや業績に偏りすぎている」などです。社員から出そうな意見をあらかじめ参考にし、人事制度をつくっていきましょう。 とはいえ、もちろんすべての意見に合わせる必要はありません。全員の意見を反映させていては、企業の方針とブレてしまう可能性もあります。そのためにも、従業員が納得できるよう、明確に分かりやすく制度を周知させていきましょう。 評価と待遇の関係性が明確になっているか 人事評価が待遇に結び付いているかの確認も行っていきましょう。たとえ評価が高くても、待遇に結び付いていなければ従業員は納得しません。「評価が高いのに、なぜいつまでも昇格できないのか?」「毎回評価ランク上位につけているものの、給料が上がらない」などの不満を持つでしょう。 結果、評価をつける目的が不明瞭になってしまうのです。そのため、個人だけでなく、部署全体の目標も共有しておきましょう。例えば、個人で高評価を得ても、企業の利益が上がらなければ昇給や昇格は望めないでしょう。 評価項目には「部署全体で対前年比売上110%」のようなチーム全体の目標を組み込んでおくと良いかもしれません。結果、たとえ個人成績だけが高い社員でも、納得したかたちで業務に取り組んでくれるはずです。 評価をしない「ノーレイティング」とは 評価をしない査定手法としてノーレイティングがあります。ノーレイティングは、従来評価の現場で採用していたランク制度を撤廃する評価手法です。S・A・Bランクなど社員に対して格付けせず、代わりに1on1ミーティングを用います。 1on1ミーティングは週や月に1度、上司と部下で面談を設ける手法。ランクを廃止する代わりに、1on1ミーティングによって上司が査定していくのです。1on1ミーティングは部下の意見を取り入れるのがメインであるため、双方向によるコミュニケーションが実現します。 そのため、現状の問題点や悩みをスピーディーに解決できます。面談による査定だけではなく、部下の成長を後押しできるのです。より納得したかたちで評価できるため、現在は多くの企業で人事制度に変わるノーレイティングを導入しています。 評価制度をなくした会社の事例 評価制度をなくした会社の事例を紹介します。 GE(ゼネラル・エレクトリック) 最初に紹介する企業はGEです。家電製品・映画・金融など、幅広い事業を手掛ける世界最大の米国企業になります。GEでは本来9ブロックと言われる評価手法を導入していました。9ブロックは業績軸とポテンシャル軸をそれぞれ3つ設け(高・中・低)、社員に当てはめていく評価手法です。9つのブロックに対する配置により、処遇が決まっていきます。 しかし、2016年に9ブロック制度を撤廃し、あらたにノーレイティングを導入。最大の理由は事業変革が求められたからです。GEを代表する電子事業は変化の流れが早く、時代の変化とともに、人材の評価もスピード感をもって取り組まなければいけなくなりました。今までの9ブロック制度の面談定期は1年に1回。とても人の成長や時代の変化に追い付けません。 そこで、定期的に1on1ミーティングを設けたのです。社員の失敗や挫折に対して素早く対応できるため、成長スピードが増したとのこと。強い組織をつくるために、日々密なコミュニケーションを取っています。 アドビ株式会社 続いて紹介する企業はアドビ株式会社です。米国に本社を持つソフトウェア関連企業になります。従業員数合計約2万2千人。そんなアドビも従来の人事評価制度からノーレイティングへと移行した企業のひとつです。 なかでもアドビは「チェックイン」と呼ばれる独自の手法を採用しています。チェックインは3ヵ月に1度、上司と部下による面談を実施。掲げた目標に対しての進捗報告や不明点を相談し合っています。今までは1年に1度評価結果を上司から部下へ伝えるのみ。コミュニケーション頻度が少なく、社員のモチベーションが低下したり、職務に対しての不満がうまれたりする原因となりました。 チェックイン導入後は満足度が向上。「正しく評価されている」「自分を見てくれている感覚がある」などの声もあがっているそうです。アドビでは現在も社員のモチベーションを上げるべく、チェックインに磨きをかけています。 カルビー株式会社 最後に紹介する企業はカルビー株式会社です。カルビーは日本の大手食料品製造企業になります。カルビーはノーレイティングと人事評価制度を融合させた手法を導入。年度初めに1on1ミーティングを取り入れ、仕事内容や目標を記した契約書にサインします。 […]

人事評価・評価制度