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人事評価の目的は?特徴や狙いについて徹底解説

人事評価の目的は?

近年、人事評価制度の目的について改めて向き合う必要が出てきました。なぜなら、従業員のスキルアップや生産性向上には正しい考課が不可欠だからです。実際に評価の目的を把握してる企業は社員のモチベーションが高いと言えます。今回は人事評価制度の特徴や狙いについて見ていきましょう。

人事評価制度とは

人事評価制度とは企業が定めた評価項目に対して、どれだけ社員が達成しているかを測るシステムです。達成度合いに応じてボーナスやインセンティブが決まります。社員のやる気につなげたり、公平に査定したりする目的で導入されているのです。最終的には会社全体の業績アップに繋がるため、評価制度について見直す企業が増加中と言えるでしょう。また、評価が行われるタイミングは企業によって異なります。一般的には半年や1年に一度が多く、上司から部下に対して落とし込まれます。日々の行動・査定理由・来期に向けての目標などをすり合わせ、振り返りと改善を行っていくのです。社員・会社共に成長していくためには、人事評価制度を常に見直す必要があるでしょう。

人事評価の種類

人事評価には業績・能力・情意評価の3種類があります。業績評価は期初に定めた目標がどの程度達成したかを見るシステムです。例えば「目標1,000万円の営業目標に対して1,200万円で達成。A評価。」「売上目標100件に対して90件達成。B評価」など、達成度合いをランク付けしていくのが一般的。各ランクに対して給与が決まっていきます。営業や販売などの数字で見やすい職種が業績評価を重視しやすいです。能力評価は数字や文字ではあらわせない、個人のスキルを測るシステム。例えば「クレーマーへ丁寧かつ迅速に対応できた」「社内の全部署と円滑にコミュニケーションを取っている」など、評価項目以外のスキルを見ていきます。業績評価と違い、見える化しにくい評価のため、あらかじめ基準を定めておくと良いでしょう。最後の情意評価は仕事に対する姿勢と心構えを測るシステムです。例えば「遅刻や無断欠勤はないか」「指示どおりに業務を行っているか」など、普段の生活態度を見ていきます。とくに一般職であれば、上記の項目に加えて積極性を見られるケースも多いでしょう。プレゼンでの発言や新規プロジェクトへの参加などを参考にする企業もあります。情意評価は上司の感情が入る場合もあるため、同僚や部下の意見や発言も参考にすると良いです。

⇒人事評価と人事考課の違いについて詳しく知りたい方はこちら

人事評価制度の目的

人事評価制度の目的は以下のとおりです。

従業員の適正評価

人事評価制度は従業員の業務内容を正しく判断するためにあります。万が一評価制度がなく、上司の独断と偏見で格付けをされれば、社内で不満が生じるでしょう。たとえ仕事で結果を出しても、上司の好みに合致していないと評価されません。そのため、評価制度を設け、全社員に対して真っ当な評価を下し、モチベーションを維持しているのです。ストレスなく社員が活躍している会社は評価が適正であると言えるでしょう。また、正当な評価をするにはバランスの良い評価づくりが重要です。前述の業績・能力・情意評価のつり合いを取り、誰もが正しく評価される必要があります。例えば「営業成績は良いけど、普段から遅刻ばかりする」「他の部署と良好なコミュニケーションを取れているが、実績が伴っていない」などの社員がいるかもしれません。そんな社員に対しても、全体を考えた評価が大切になります。人事評価制度は従業員を適正に評価するシステムであり、運用するための仕組み作りも必要なのです。

会社が期待する行動や成果の表明

人事評価制度は会社が期待する行動や成果の表明としても用いられます。評価項目に会社の想いを組み込めば、社員が希望通りに業務に取り組んでくれるでしょう。企業のビジョンや狙いを全従業員へ共有するのはむずかしいもの。管理職であれば将来の展望を理解していますが、経営層から遠い一般職は認識していない可能性が高いです。とくに普段幹部と関わりが少ない社員ほど、会社が期待する行動とは違った業務を行ってしまうかもしれません。そのため、日常表舞台に出にくい社員にも理念やビジョンを共有する必要があります。人事評価制度なら会社の想いを上手く取り入れられるのです。例えば「仕事はスピードよりも丁寧さを重視する」「分からない内容はすぐに他の社員へ相談する」「目の前のお客様を大切にする」などを盛り込むと、別行動を取る社員は少なくなります。統一感が取れずに困っている企業も、人事評価制度を見直せば、調和が取れた会社へと生まれ変わるでしょう。

仕事の生産性向上

人事評価の導入・改善を行えば、仕事の生産性が向上します。従業員へボーナスやインセンティブの基準を定めると、目標に向かって邁進してくれるでしょう。例えば「どうやったら営業成績を上げられるか?」「どの工程を削って全体の業務時間を削れるか?」「考えると無駄な会議や商談が多かった」など、一人ひとりが業務の取り組み方について見直してくれます。効率化が実現すれば新たな時間がうまれるでしょう。つくった時間で読書・セミナー・副業などでスキルアップを行っても良いです。自己研鑽の時間が増えればライバルと差をつけられ、昇進や昇給の可能性が高くなります。さらに、生産性が向上するのは社員だけではありません。会社全体の効率化もスムーズになります。社員間で効率化の意識が芽生えると、相乗効果で仕事の省力化が実現するでしょう。人・物・時間を有効活用し、限られた資源の中で最大限の結果を求めていきます。業務の自動化に取り組む社員も現れるかもしれません。人事評価の導入・改善を行えば、仕事の生産性向上が見込めます。

従業員のスキルアップ

人事評価制度は従業員のスキルアップにつながります。目標の達成度が分かれば、育成の判断材料になるでしょう。例えば「弱みを克服するためにはどんな育成をするか?」「強みを伸ばして業績を上げてもらおう」「リーダーとして育ってもらい、会社を引っ張ってもらおう」など、社員の可視化につながるのです。さらに、分析した内容をもとにスキルアップが見込め、社員の成長スピードを実感できます。成長すれば業務を効率的にまわせ、日常の取り組みに対して自信を持てます。結果、社員が一回りも二回りも成長できるのです。また、従業員がスキルアップすると企業側にとっても大きなメリットがあります。取引先から評価され、新規顧客の獲得をさらに狙えるでしょう。業界で知名度が広がると優秀な社員を採用でき、離職率改善にもつながります。以上のように、従業員のスキルアップを実現できれば、全体に好影響をもたらすのです。人事評価制度を見直して社員の成長を促してみましょう。

従業員の職階や待遇を決める

人事評価制度は従業員の職階や待遇を決めるためにあります。昇給・昇格基準が明確であれば、社員はモチベーション高く働いてくれるでしょう。例えば「今期あと1,000万円売れば昇給できる」「来年は50件販売して係長への昇格を目指そう」「プロジェクトで積極的にリーダーシップを取ってランクアップを狙おう」など。待遇の基準が明確であれば、目標高く日々働いてくれます。特に最近の人事制度は能力主義とうたわれているものの、依然として年功序列が色濃く残っているのです。普段業績をあげているにもかかわらず、評価されなければ不満の声があがります。結果、優秀な社員の離職につながり、会社の新陳代謝はうまれません。実際に人事評価制度により待遇や報酬が明確になっている企業は、社員が目標に向かって日々活動的に働いています。業績が上がり続けている企業は、やはり社員のモチベーションが高いと言えます。評価制度を導入・改善し、従業員の職階や待遇を決めていきましょう。

評価をフィードバックして、コミュニケーションを図る

人事評価制度の導入・改善を行えば、評価をフィードバックし、コミュニケーションを図れます。日常業務の中で正式に上司と話し合う機会は少ないでしょう。ましてや上司と一緒に自身の弱みや長所を振り返るケースはほぼありません。評価制度ではそんな普段言いづらい内容もざっくばらんに話せます。部下にとっては「なぜ給料が上がらないのか?」「頑張っても昇格できないのはなぜ?」などの問題も防げるはずです。課題が明確になるとモチベーション高く働けます。また、人事評価の場ではフィードバックだけでなく、コミュニケーションの場としても役立ちます。日常業務の不安や疑問・人間関係の悩み・業績アップに向けた改善点などを話し合ってみると良いでしょう。すっきりした気分で業務へ取り組むと、効率も上がっていきます。また、部下の疑問や悩みは上司にとって好材料です。組織や会社全体が大きく成長できるチャンス。ひとつひとつクリアにしていけば、さらに生産性の高い会社がうまれます。

まとめ

人事評価制度は設定した項目に対しての達成度を測るシステムです。業績・能力・情意評価の3種類があり、全体を見てバランス良く定める必要があります。また、評価制度は従業員を正しく評価し、成長を促すには最良の制度です。まずは評価制度について見直し・改善を行っていき、未採用企業は導入を検討していきましょう。