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【人事部必見】リファラル採用とは?メリット・デメリット、運用手順について

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人を紹介してもらう採用方法です。採用後のミスマッチ防止や求人媒体を利用しないため採用コストが削減できるなどといった観点から、近年注目を集めています。ここではリファラル採用のメリット・デメリット、円滑に行うポイントや注意点、費用、導入手順まで説明します。

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自社の従業員に友人や知人などの人材を紹介してもらう採用方法のことです。リファラルリクルーティングともいわれています。企業のことを熟知している社員が、人柄を知る知人を紹介するため、採用のミスマッチや定着率、採用コストの削減が期待できます。

リファラルという言葉の意味

リファラルとは、「紹介」「委託」などの意味を指す言葉です。ビジネス場面では個人や組織から特定のサービス・情報などを紹介されるときに用いられています。このような紹介によって、新しい雇用や顧客とのつながりが生まれるケースもあるのです。また、この言葉は以下のような意味で用いられることもあります。

  • リファラルマーケティング
  • リファラル営業

前者はサービスや製品を顧客・ユーザーに紹介してもらうことで、さらなる顧客を獲得するための戦略の1つです。後者は既存の顧客や関係者から紹介を通して新しい顧客を獲得し、ビジネスの成功につなげるアプローチ方法です。このように、リファラルとはビジネスに大きく関わりのある考え方であることがわかるでしょう。

リファラル採用が増えている背景

リファラル採用が増えている背景としては主に2点あります。

人材不足

現在は売り手市場によって企業の深刻な人材不足があります。内閣府の調査によると、人口削減に伴い、今後も労働人口は減少していく予測になります。そのため、人材の確保がますます困難になっていくことが予想されます。

希望や適性の不一致

従業員の適性や希望の不一致により、早期退職や生産性低下といった問題が発生しています。エージェントなどを使わず、信頼できる社員からの紹介のため、人材を低予算で素早く採用につなげられる手法として注目を集めています。

縁故採用との違い

縁故採用は社長や経営幹部からの裏口入社のような採用に対し、リファラル採用は社員から紹介された人材を面接し、自社の採用基準を満たした方のみを採用します。また、採用基準を満たさない方は不採用となります。

リファラル採用のメリット

リファラル採用をするメリットを紹介します。

人材マッチング

企業に適した人材を集められることがメリットになります。現場社員の紹介になるため、マッチング精度が高くなります。また、入社時にすでに友人や知人から業務内容や社風などを聞いているため、現実とのギャップが起きにくくなります。

採用コストの削減

エージェントや求人メディアを介さずに人材を採用できるため、採用コストを抑えることができます。また、自社の求人セミナーや面接の日程調整などといった人事工程のコストも削減することが可能になります。

転職市場に出てこない人材の採用

転職エージェントなどに登録していない層に対しても、社員を通してアプローチができるため、優秀な人材を確保できるといったメリットがあります。また、専門学校や大学などの同級生など、自社の従業員と同じ専門的な技術や知識を持った層も集めやすくなります。

リファラル採用のデメリット

一方でリファラル採用には以下のような注意点があります。

人間関係と人材配置に対する配慮が必要になる

紹介された応募者が不採用だった場合の気まずさや、社内のグループ化、紹介者の退職に伴う退職の検討といったケースがあるため、紹介する側とされる側の人間関係に配慮が必要です。そのため、リファラル採用導入時は、採用の進め方や人員配置に考慮する必要があります。

社員の認知と理解が必要になる

紹介する側の社員が、企業の求める人材やスキルを正しく把握していないと、ミスマッチが起きてしまいます。そのため、企業の募集状況については常日頃から社員へ周知を行うなどして、情報を新しくし続ける必要があります。

情報が可視化しにくい

リファラル採用を導入したとき、企業はその状況を把握しなければなりません。社員がどれだけ貢献したのかや協力的な部署、リファラル採用に報酬を与える場合、誰にどのタイミングで与えるよう管理すればいいのかなど可視化しておく必要があります。課題や促進すべきポイントを明らかにして、より採用力を高める必要があります。

⇒リファラル採用の失敗について詳しく知りたい方はこちら

リファラル採用を円滑に行うポイント

では、円滑なリファラル採用を行うためのポイントを紹介します。

採用の仕組みづくり

紹介する社員の負担が少なく、応募者の意欲も下がらずにすることが大切です。社員へ経営方針や求める人材を明確に伝え、両方が分かりやすい採用制度を整えることが必要です。採用条件や応募方法などを簡単に確認できるようにしたり、社員の紹介活動や採用状況を確認できるような仕組みづくりが必要です。

専用ツールの導入

最近では、リファラル採用専用のツールがあります。ツールを使って簡単に紹介することができ、リアルタイムにデータ分析を行うことも可能になります。そのため、応募状況や社員の採用貢献などを正しく可視化することができます。

⇒新卒のリファラル採用について詳しく知りたい方はこちら

リファラル採用の費用

エージェントなどの求人媒体を使用することがないため、採用コストが低くなりますが、インセンティブなどの制度や、専用ツールなどを活用するため、それらの費用が生じます。

インセンティブ

紹介報酬制度とも言います。リファラル採用を行う企業の80%が導入しており、1人当たり数万~20万円の報酬を支給している企業が多いです。また、報酬を金銭の代わりに「従業員体験」や「ソーシャルギフト」「自社サービスの割引券」にしている企業もあります。

リファラル会食制度

社員が声をかけるハードルを下げるために、候補者との会食費用を支給します。カフェ代やランチ代など会食シーンや支給費用は企業によって異なります。しかし、会食が目的になるなどの手段が目的化してしまう恐れがあるため、経費申請の際には記録を残すなど、リファラル採用が機能するようなルール設定を行うと良いでしょう。

専用ツール利用料金

リファラル採用専用のツールなど外部サービスを利用することで、リファラル採用を活性化させることができます。各種サービスは利用料が必要になるため、自社の目的や課題に沿った外部ツールを選択すると良いでしょう。

エージェント経由・媒体掲載での採用との比較

エージェント採用では、採用のプロによって効率的に人材をみつけられるものの、その分手数料や費用などのコストが高くなる傾向にあります。媒体掲載での採用は、広範囲でのアプローチが可能なので、多様な人材を確保しやすい面があります。しかし、適切な人材を見つけるのに時間や労力がかかりやすいため、質や適合性の保証には欠けるのが難点です。

一方で、紹介にもとづいたリファラル採用は、それぞれの採用と比較するとトータルコストが低く、効率よく人材を集められるメリットがあります。このように、コストをおさえながら質の高い人材を採用するには、リファラル採用がおすすめといえます。

リファラル採用を行う際の注意点

リファラル採用を持続可能なものにするには運用時のポイントがあります。

採用制度やルールの設計

インセンティブ金額を決めるだけでなく、紹介する際のルールや業務との棲み分け、社内告知施策の設計、社員フォロー体制の構築など、自社のリファラル採用の制度を一気通貫で事前に設計することが必要となります。

社内告知や社員への周知

リファラル採用制度を設計した後は、実際に社員に活用してもらうために、告知する必要があります。企業によって社員とのコミュニケーションや告知方法の最適な方法は異なるため、周知方法についても事前に設計をしておく必要があります。

リファラル採用が効果的なケース

リファラル採用は以下の目的で活用したときに特に効果を発揮します。

中長期的な視点で採用コストを抑制したい場合

採用活動が長期化することで採用コストが上昇しやすくなっていきます。リファラル採用で人材を確保できるようになれば、採用広告費が発生しないため、採用単価を抑えることが可能です。リファラル採用で定期的な採用できるようにするために、制度設計をしておくことが重要です。

社員の定着率向上目的での活用する場合

リファラル採用は、社員の友人や知人が紹介対象になるため、ミスマッチが起こりにくいと考えられます。また、紹介する社員側も、企業の魅力を伝える活動をおこなうため、エンゲージメントが向上できる狙いがあります。結果、社員の定着率にも貢献します。

リファラル採用の導入手順

リファラル採用を導入するには以下の手順で進めると良いでしょう。

プロジェクトを発足させる

いきなり全社員にリファラル採用で候補者を紹介するように募集をかけても難しい場合があります。最初は、経営層やエンゲージメントの高い社員5~6名程度でプロジェクトを発足させ、そのプロジェクトメンバーでリファラル制度による採用活動を行います。

メンバーを増やしてプロジェクトを推進

プロジェクトメンバーを増やして、本格的なリファラル採用のプロジェクトを推進します。「3か月以内に1人以上の採用実績を作る」などといった目標を立てると良いでしょう。チームを何個か作り、採用実績数を競わせるといった方法もあります。

全社へ展開

全社員へリファラル採用の実施を広げていきましょう。社内告知などで社員へのリファラル採用の仕組みとメリットを周知していく必要があります。社員全員がリクルーターの一人であるという認識を持てば、質の高いリファラル採用が進んでいきます。

⇒リファラル採用の内定率について詳しく知りたい方はこちら

リファラル採用の成功事例

それでは、どのような工夫によって推進しているのでしょうか。いくつか事例を紹介していきます。

株式会社セールスフォース・ドットコム

社内に対して募集中部署の発表を行い、従業員に周知しました。更に紹介した従業員に対して旅行券などのインセンティブを贈呈しました。その結果、内定数が増えていき、離職率の低下に成功し、生産性向上にもつながりました。

freee株式会社

こちらは、従業員数約500名ほどの会社です。リファラル採用に協力した従業員を表彰することで、社員に能動的に行ってもらう様に動きました。それにより社員が会社にマッチすると考える人を紹介するようになったため、内定率が大きく向上しました。

株式会社SmartHR

従業員が応募者を紹介した結果、不採用になってしまった場合、二人の関係性をサポートする必要があると考えました。「ごめんねごはん制度」という、会社側が費用を出してその不採用の応募者を会食に連れていく制度を設けました。その結果、従業員が気軽に紹介できるようになり、内定率も向上しました。

富士通株式会社

リファラル採用時の懸念を払しょくするためにルールを作成しました。選考プロセスに対して紹介した従業員は関与しないことや、紹介対象に関する考え方に対してガイドラインを設定するなど明確化していきました。社員に説明する機会を設け、協力者を増やしていくよう進めています。

LE.O.VE株式会社

現場の社員が主体的に携わってもらえるために、現場社員に協力を得て、リファラル採用の発表や施策を制定しました。その結果、社員が積極的に応募者を紹介するようになり、100件近くの応募が来るようになりました。

株式会社串カツ田中ホールディングス

採用費用や離職率の増加という課題があったために開始しました。経営陣から従業員に対し、リファラル採用の発表と自社の課題を伝え、それに係る福利厚生を行うなどの施策を打ちました。その結果、採用費用の削減と離職率の低下につながることができました。

東京レストランツファクトリー株式会社

まず、現場が主体的になるために、リファラル採用を行う重要性を店長に伝えました。パートを一人採用するのにどれくらい費用が掛かるのか、費用が減る分自分たちの賃金に反映される可能性を説明し、現場でも能動的にすすめるようになりました。

株式会社すかいらーくホールディングス

労働人口の減少に伴い、今よりも人材の確保が難しくなると考えました。従業員と採用者に20時間の勤務後、すかいらーくのオンライン優待券を配信するインセンティブを設けました。また、合同マネージャー会議で表彰を行うなどをした結果、採用率の貢献につながりました。

株式会社ガーデン

アルバイトやパートの従業員にも協力してもらうために他のブランドや店舗の情報もアピールするようにしました。それにより、パート等で働いている人に対しても会社について理解してもらえるようになるため、正社員登用にもつながようになりました。

株式会社荏原製作所

リファラル採用を実施する前にアンケートを若手社員に対して実施し、どう考えているのかを調べました。その後、目的や進め方、ツール活用方法の説明を行い、少しづつ従業員全体へ知らせていきました。その結果、専門性のある人材の確保にもつなげることができました

採用後の人材管理はスキルナビにお任せ!

リファラル採用で自社にあった人材を確保できれば、採用コストも削減し、従業員の定着率を上げることができます。従業員が企業の掲げる目標に進んでいくには、採用後も、人材管理が必要となります。スキルナビでは、人材のスキルや評価、タレントマネジメントを行うことができます。是非一度、検討してみてはいかがでしょうか。

リファラル採用後の人材管理にスキルナビがおすすめである理由

リファラル採用後の人材管理はスキルナビがおすすめです。スキルナビとは、スキル管理を得意とするタレントマネジメントスキルです。

中途採用の場合、自社の人材がもつスキルと選考中の人材が備わっているスキルがマッチしているかどうかを定量的に把握ができます。第二新卒や未経験採用であっても、情報の入力によって教育すべきスキルの優先度を可視化できます。採用後の人材育成の促進につなげるためにも、ぜひスキルナビの導入を検討してみてください。