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ブレイクスルーとは?ビジネスにおける使い方や種類について解説

どの時代にも限らず、大きな変化が生じた背景には、今までの常識から外れた戦略で挑戦した結果であるケースが多いといえるでしょう。その現象は「ブレイクスルー」とも呼ばれており、わたし達の社会を発展させるには欠かせない要素でもあります。 しかし、その実現は決して簡単なものではなく、今まで積み重なった土台を根本的に覆すようなアクションが必要です。この記事では、その言葉の使い方や種類についてご紹介します。 ブレイクスルーとは 意味としては「新規性のある手段で困難を乗り越えること」であり、「ブレイク」と「スルー」の2つの英語が組み合わさってできた言葉のことです。 日本語におけるブレイクスルーの使い方 日本語でも通常の英語と意味はさほど変わらず、以下のような場面で用いられています。 また、乗り越えるべき課題が明確であるときに使用する言葉でもあります。とくに今までにない打開策で解決するときに用いられる場面が多いといえるでしょう。 反対に、到達すべきポイントが不明瞭な状態で突破することを「マドルスルー」と呼びます。状況によって「○○スルー」の言葉が異なる点には注意しましょう。 ブレイクスルーとイノベーションの違い 類似するものとして「イノベーション」という言葉があります。これは「革命的」や「新しい思考」などの意味で用いられるため、イメージ的にはさらに具体的に落とし込んだ言葉といえるでしょう。さらに細かく説明すると「新たなバリューを作り、社会を大きく変えること」を表しており、「課題や問題を乗り越える」だけに限らないのが特徴です。 それぞれ「今の状況を著しく変える」という表現として捉えがちですが、厳密には異なることがわかります。どちらの言葉もよく使う機会がある方は、この違いについてはおさえておきましょう。 ブレイクスルーの企業事例 ここではブレイクスルーについて理解するために、実際の企業で実施された例についてみていきましょう。 コクヨ 1つ目は、文房具だけでなく会社用品に関連したサービスをオファーしているコクヨです。サービス展開のために、商品を国内だけでなく中国へ販売する方針となりました。しかし、当時は日本との関係が険悪の状態であったため、コクヨをはじめとした国内の商品の売り上げは芳しくなく、経済的にも窮地に追い込まれていました。 このときに自社の模倣品である中国商品の製造を、請け負うという戦略を実施。結果的に、今までの売り上げの不調から脱却し、中国でも多くの商品が売れるようになりました。 ベネトン 2つ目は、アパレル分野を中心とした企業ベネトンです。アパレル関連の業界は時期によって流行り廃りが大きく変化するため、ニーズの流動性が大きいという問題がありました。そのため、今までの流行を分析して、人気となる生地を大量に製造する方法では柔軟な対応が困難と感じていました。 この状況を打開するために、あらかじめ無色の生地を製造し、その時代の流行に適した色をつける「後染め」を実施。どのような色でも対応できる体制を整えた結果、ニーズにあわせた商品をスムーズに提供できるようになり、全世界でも有名なメーカーとなったのです。 ソニー 3つ目は大手電気機器メーカーでもあるソニーです。とくに「WALKMAN」の開発は、今までの生活に大きな影響を残したといえます。それまでは、音楽はカセットテープやラジオなどの媒体で聴くのが普通でした。しかし、ソニーはそれらの媒体をよりコンパクトにして、いつでも音楽を聴けるようにできないかを考えていました。 その結果生まれたのがWALKMANで、多くの売り上げを出すことに成功したのです。「外でも気軽に音楽を聴ける」という文化は、この瞬間がはじまりだったといえるでしょう。 ブレイクスルーの種類 ブレイクスルーはいくつかの種類に分けられることが多いです。ここではその分類についてご紹介します。 タイプ0 このタイプは、今までのスキルをグレードアップして新たなサービスを作り上げることです。しかし、このタイプは何かしらの課題を乗り越えるものではなく、その前のフェーズといえます。該当すべきかは一考の余地があるため、この段階では「0」という設定なのです。 タイプ1 このタイプは、今までの成果や分析を深堀りすることで課題を乗り越えることです。その他にも以下のような成功もタイプ1に該当します。 このタイプで代表的なものとして「LED」があげられます。それまではスキル的にも開発するのは困難だと考えられていましたが、幾度もなく行われてきた実験によって生まれたのです。 このように、偶然による発見も1つのターニングポイントですが、既存のイメージに縛られることのないアイデアを生み出すことも重要です。 タイプ2 今までのスキルや実験によって得られたユーティリティについて考え直し、新しいバリューを作ることがタイプ2です。現在持っているものの延長としてブラッシュアップするのではなく、バリュー自体を一新して別の視点で可能性を見つける考え方です。 このタイプはまた1からのスタートとなりやすいので、それなりのコストが必要となります。そのため、以下の方法で進めていくケースが多いです。 タイプ3 タイプ1・2を組み合わせたものがタイプ3です。基本的な実験を深堀りしつつ、今までのスキルをうまく活用して新しいバリューを生み出していきます。基本となる研究を積み重ねることでも、新規性のあるバリューを発見するきっかけになり得ます。 そして、普段行われているスキルの延長で研究で得られた新しい成果を活かせば、十分に新しい課題の突破につながるでしょう。このように、困難だと思われていた課題を乗り越えるための方法には、さまざまな種類があることがわかります。 ブレイクスルー思考とは この思考は、それまでの経験や現在のデータを集めて解析するのではなく、はじめから求めている未来を考えてトップダウン的に戦略を作る考え方です。 革新的な考え方が必要な場面では、今までのスキルや当たり前を根本的に見直し、新しい思考を抽出することも大切です。この思考を持つ利点には以下の4つがあげられます。 このように、目覚ましく変化していく今の社会にとっても必要な思考だといえるでしょう。 非凡ブレイクスルー思考とは 課題を乗り越えるために重要となる基本的な考え方のことを非凡的な思考といいます。ここでは、その原理について詳しく説明します。 目的情報 課題を達成するために求められるデータのことです。困難なことに対して立ち向かい、乗り越えるためには考えなしに進めても意味がありません。 まずはどの要素が必要なのかをよく解析することが大切です。ここで以下のようなポイントがキーとなっていきます。 情報過多となってしまうと、どのように乗り越えるべきかを見失ってしまう可能性がある点には注意しましょう。 ユニーク これは「新規性のある」「独自的」「既存には当てはまらない」などのニュアンスのある言葉です。今まで積み重ねてきたスキルや知識を土台として活用したとしても、やがて限界を感じるでしょう。 新規性のある要素を盛り込み、今までの常識から外れた視点で物事を観察すれば、新しい突破口が見つかる可能性があります。その考え方をもとに、以下のポイントを理解することが大切です。 システム 過去とその先を線で結びつけるのでなく、課題の達成に必要な本質的なシステム構築が求められます。その要素として重要なのは、以下の4つのポイントです。 時代が大きく変わっていくなかでうまく解決の糸口を見つけるためには、1つ目である変化に対応して最適解を見つけることが大切です。 また2つ目のターゲットでは「コアとなる一番重要なポイントを見つける」「ピックアップした大切なポイントを精査する」という2点を意識してみましょう。 3つ目は、1人ではなくさまざまな協力者とともに進めることで、困難な物事の突破につながるという意味です。 4つ目は、将来のビジョンに向けて現在の成長を促進するために、戦略を立てることです。 […]

ビジネス用語・基礎知識

委託とは?受託との違い・業務委託の意味と契約書の書き方をわかりやすく解説

業務委託など、ビジネスシーンで「委託」という言葉を耳にする機会が増えています。混同しやすい言葉として「請負」や「委任」などがありますが、それぞれどのような意味を持つのでしょうか。 今回は、「委託」を中心によく似たさまざまな言葉との違いや、契約形態の種類、業務委託契約書に含めるべき項目について詳しく解説します。 委託の意味 「委託(いたく)」とは、「他人に任せる、代わりにやってもらう」といった意味を持つ言葉です。自分以外の誰かに何かをお願いする場面などに使うことが多いでしょう。ただし、かしこまった言葉なので日常生活で使う機会は多くありません。 ビジネスにおいては、自社の業務を外部の企業や個人に任せることを指します。可能な範囲で仕事を外部に任せることで、自社の従業員がコア業務に集中しやすい環境を整えられるというメリットが得られるでしょう。 委託と受託の違い よく似た2つの言葉の相違点を解説します。 委託と受託の違い 「受託」は仕事を任せられることを指します。何かを他者に依頼するとき、「委託する」と使うのに対して、何かを他者から依頼されたときを「受託する」と表現します。 仕事を受ける側か依頼する側かという、立場の違いによって使い分けられます。 例えば、仕事を発注するなら「委託」になりますが、もし他社の仕事を受ける場合は「受託」といえます。 委託者と受託者の違い 「委託」が何かを任せることを指し「受託」が何かを任せられることを指していることからわかるように、委託者と受託者の違いは立場の違いで差別化できます。 ビジネスシーンにおける「委託者」は業務を外部へ依頼する個人または事業者です。反対に「受託者」は外部からの依頼を引き受ける個人または事業者を指しています。 言葉は似ていますが意味は反対になるので、使い分けに注意しましょう。 委託の類義語 6つの言葉を紹介します。 受託請負 受託の一種である「請負」は、仕事の成果に対して報酬が支払われることを指します。 何かを任されるという意味は共通していますが、違いは報酬の支払いタイミングです。受託は成果物の納品ではなく業務に従事することが目的とされます。一方、請負では成果物の納品が目的となります。 派遣 派遣会社に働き手として登録した人が、派遣先企業が求める業務に従事する働き方を指しています。この働き方は、出勤する企業と雇用契約を結ぶ企業が異なる点が特徴の一つです。 就業規則や給与形態は派遣先の企業に準じるので、雇用関係となる企業が違うだけで、通常の働き方と大きな違いはないといえるでしょう。 委任 「委任」は仕事を任せるという点で「委託」と同じ意味を持つ言葉です。ただし、「委任」は「信頼できる人に任せる」という意味を持つため、委託と全く同じ意味の言葉ではありません。 仕事を依頼する際は、企業と働き手が委任契約を締結することが求められます。仕事を他者に委任する場合は、契約書を用意するように注意しましょう。 準委任 「委任」とよく似た言葉に、「準委任」があります。この2つの言葉の違いは、任せる仕事内容にあります。 「委任」に該当する業務は、弁護士や行政書士の担当業務といった、法律に関わるものとされています。対して「準委任」に該当するのは、法律行為ではない業務です。 嘱託 「業務を頼み、任せる」という意味の言葉です。他者に任せるという点では「委託」と同じ意味を持っています。 会社によっては嘱託社員を導入しているところがあるでしょう。嘱託社員に明確な定義はありませんが、多くの場合は「正式な任命を受けずに会社から仕事を任せられた人」を指します。 アウトソーシング 英語で「outsourcing」と表記される言葉ですが、日本語では「外部委託」と訳されます。 その意味は、社内の業務を遂行するために必要な材料や人材を社外から確保することです。業務を社外に発注する形態がこれに該当します。 委託販売とは さまざまな場面で使われる「委託」という言葉ですが、「委託販売」はどのような意味を持つのかご存じでしょうか。 これは、自社製品を代理店やインターネットショップに預けて、販売や発送業務を任せる販売形態を指します。例えば、個人のハンドメイド作品を雑貨屋やセレクトショップ、ネットショップで販売してもらうことが該当します。 委託販売を行う業者に販売手数料を支払う必要があるため、販売を委託する側は売上から手数料等を差し引いた額を受け取るのが一般的です。 この販売形態は、自分の店舗をゼロから立ち上げる必要がない簡便さと、大手販売会社を利用すれば消費者の目に止まる機会が増える効率の高さが魅力です。 しかし、思うように販売数が伸びなかった場合は、大きな損失につながりかねません。販売を委託する際は、適切な管理と運用ができる販売業者を選ぶことが大切です。 業務委託とは 働き方改革やIT技術の発達などの影響で、耳にする機会が増えているのが「業務委託」ではないでしょうか。 業務委託とは、自社の業務を社外の専門家やスキルを持つ個人または事業者に任せることです。一般的には「業務委託契約」を締結して業務をスタートします。 昨今は社内にいなくてもオンラインツールを利用して、外部から仕事を進められるようになりました。その結果、業務委託を導入する企業が増えています。企業は重要度の低い業務を外注するので、従業員はより経営や売上に直結するコア業務に集中できるようになるでしょう。 業務委託契約に関する法律 「業務委託契約」というと、法律上で定められた契約形態のように感じられますが、実は業務委託契約に関する法律上の表記はありません。そのため、業務委託をする場合には民法第632条における「請負契約」や民法第643条における「委任契約」が法的根拠とされています。 法律上の定めがないため契約書の内容は企業によってさまざまですが、業務委託契約を締結するにあたっては、この2つの契約の条項も参考にすると良いでしょう。 のちのちトラブルに発展しないように、記載する内容は細かく定め、企業と働き手の双方の合意を得るようにすることが大切です。  業務委託契約と請負契約の違い 業務委託契約の法的根拠として扱われることの多い請負契約ですが、両者の違いは責任の所在にあります。 請負契約では、仕事を請け負う側が納品した成果物に対して責任を持つという特徴があります。契約内容で取り決めた条件に従って成果物を納品することが業務完了の目安となることから、納品する義務が発生している点に注意が必要です。 一方、業務委託契約では契約完了の条件を自由に規定できます。自由度の高さから契約内容を作り込むのは大変ですが、大きなトラブルにならないように契約段階でしっかりと取り決めておくと良いでしょう。 業務委託契約と委任契約の違い 民法第643条における委任契約とは「受注した業務に関して、行為の遂行を目指す」ものだと定められています。つまり、成果物の納品が必ずしも必要ではなく、業務に従事することが目的となっているのが特徴です。 […]

人事労務・制度設計・運用
中小企業の人事制度とは?

中小企業の人事制度とは?設計のポイントや注意点について

企業を大きく発展させる上で、なくてはならない存在である人材。そんな人材を最大限に活かすための制度が人事制度です。ただ重要であることは分かっていても、それをどうやって設計、運用していけばいいのかわからない方も多いと思います。そこで今回は中小企業における人事制度の設計ポイントや運用する際の注意点について解説していきます。 人事制度とは? 経営のありとあらゆる場面で語られるときに出てくる仕組み。人材を管理するためになくてはならないこの仕組みは、主に3つに分類されています。 これらの制度について詳しく見ていきましょう。 等級制度 企業における等級制度とは、その人に備わっている資質や現在行っている業務内容、役職などに合わせて組織における序列を決める制度のことを言います。 等級制度を活用することで適切な人員配置や給与の策定、本人に合わせたスキルアップなどがやりやすくなります。 企業ではこの等級制度を働く意欲を促進させる材料として利用されることがあります。 人事評価制度 その組織にいる人たちの働きぶりや働いたことによってもたらされた成果を評価する制度のことを言います。 個人レベルでの成果はもちろんのこと、企業によっては会社の方針の体現性や個人の成長度合いなども評価の対象に含まれていることがあります。 こうした評価に基づいて従業員ごとに賃金や役職などが決められています。 賃金制度 賃金制度とは、従業員がもらう毎月の給料やボーナスなどを決める制度のことを言います。 先ほどの人事評価制度に基づいて、給料やボーナスなどの金額を決めていきます。 具体的にどういった業務や成果に対して報酬を上げる要因とするのかについては企業ごとの特色や行動方針によって異なる場合があります。 人事制度の設計、導入、見直しのポイント そんな大切な仕組みをどのようにつくっていったらいいのでしょうか。理想の人事制度をつくるためには目的の認識やスケジュールが重要です。 人事制度導入の目的 どんな制度でも策定するにあたってはその目的をしっかり認識することが必要です。 企業という組織の目的は企業が果たそうとしている事業を行い、それを成長へとつなげていくことにあります。 それを果たすためには従業員という人材がなくてはならないため、個々の従業員がいかに能力を発揮していくのかをきちんと考えなくてはなりません。 従業員の能力を最大限高めるためには適材適所の人材配置はもちろん、昇進や昇給などのモチベーション向上を図っていくことも大切です。 こうしたことから、人事制度は従業員の能力を最大限に活かし、それを業績と成長に結び付けていくことにあるのです。 人事制度導入が必要なタイミングは? ベンチャー企業をはじめ、規模の小さい中小企業の場合はどのタイミングで人事制度を導入するかが重要になってきます。 中小企業では従業員の人数が30名を超えた辺りから人事制度について考え始めることが多いです。 30名以上になると会社内では次のような課題に直面します。 30名以下の規模が小さい会社ですと、経営者の目が行き届きやすく、従業員全体に会社の方針や業務の目的の共有がしやすいです。 しかし、規模が大きくなるにつれて経営者が個々の従業員を見ることが難しくなり、他の管理職に経営方針の伝達や人事マネジメントなどの業務を任せる必要があります。 設計から導入までのスケジュール 多くの企業では人事評価の導入を決めてから実施するまでには約12カ月かかります。 1カ月目は経営者が企業の現状の認識と今後の方向性の把握を行います。 2~4カ月目までは能力基準を作成し、具体的にどのような職位を用意するのか、業務内容やその役職に就くために必要なスキルなどを決めていきます。 5~7カ月目までは評価体系の作成を行い、役職ごとの成果の基準や勤務態度、具体的な能力などを定義します。 8~10カ月目までは報酬体系の作成を行い、基本給や職務給、勤続給といった報酬の具体的な金額を決めていきます。 11カ月目は人事評価を担当する管理職を決めて、適切なマネジメントを行えるように訓練してもらいます。 12カ月目は人事評価制度の導入を開始する時期であり、全従業員に対して人事評価制度の説明会を行ったり、管理職の辞令交付を行ったりします。 中小企業の人事制度設計のポイント 組織においてこうした仕組みをしっかり機能していくにあたっては、個々人の目標制度やバリューなど知っておきたいことがあります。 目標管理制度の運用 企業ごとの理念に基づき、全従業員が一丸となって行動するために必要なのが目標管理制度。 この制度は、働いている人それぞれが持っている仕事や役割での目標を決めて、それをどれだけ成し遂げたかに応じて評価していく仕組みのことです。 それを実現していくにあたって重要なことは、 をきちんと決めること。 バリューの明確化 会社が持つ理念や経営方針を実現させるためには、そこで働いている人すべてに守ってもらいたいバリュー(会社独自の価値観)を決めておくことが大切です。 バリューを明確化しておくことで、日々の業務の達成度合いを評価する中で従業員がどれだけ会社の方針に合致した行動ができているかを把握でき、人事評価がしやすくなります。 バリュー評価 会社が持っている価値観をどれくらい体現できているのかを確かめることがバリュー評価です。 バリュー評価を導入することで、働いている人が会社の方針に合った行動をとりやすくなり、会社の組織力を大幅に高めることができます。 ただしバリューに関しては売り上げ目標や従業員の業務量などとは異なり、数字によって表現することが難しいです。 そのため、評価を行う管理職の間で意見交換をして認識を共有したり、企業研修や表賞制度などを通して会社のバリューを認識させるきっかけをつくってあげたりする必要があります。 中小企業における人事制度の注意点 所属にかかわらず、新しい仕組みを導入するにあたっては考えないといけないことがあります。 […]

タレントマネジメント・人材管理

監査はなぜ必要?実施される理由と具体的な実施手順を解説

監査と聞くと背筋が伸びる人もいるかもしれません。「明日は監査が入るから身のまわりの整頓をしておくように」「チェックが厳しいから書類を整理しておきなさい」このように上司から一度は言われた経験のある方も多いでしょう。 とはいえ実際にどのような目的で、どんな流れで行われているのかを正しく理解している人は少ないはずです。そこで今回は監査の狙いと実施手順を中心に解説していきます。 監査とは まずは監査について解説します。 監査とは 監査とは会社の財務・経営状況を確認する作業です。法律や社内規定の内容に沿って「ルールは守られているか?」「違反行為は行われていないか?」などを監査員が検査します。 万が一検査で指摘事項があると、罰金が科せられるケースも。違反の重さによっては罰金ではすまされない場合もあるのは念頭に置いておきましょう。 近年では粉飾決算や資金使途不正によって倒産に追い込まれた企業もあります。そのためにも、企業は日々身のまわりの会計状況や業務実態を把握しておかなければいけません。 監査について定める会社法 会社法のルールに基づき書類作成を義務付けられているのが会社法監査です。会社法監査の目的は株主及び債権者の保護です。 会社の運営状況や財務状態を示す資料に誤りや改ざんがあったり、計算書類が見当たらなかったりすれば株主や債権者は利益を害する危険性があります。そのような事態を避けるために会社法監査が実施されるのです。 また、後ほど詳しく解説しますが、会社法監査が義務付けられているのはすべての会社ではありません。基本的には大企業が対象となるのは念頭に置いておきましょう。 反対に利害関係者が少ない中小企業は監査の対象とはなりません。自社が会社法監査の対象となるのかはかならず確認しておきましょう。 監査が必要な理由 監査の必要性について解説しましたが、ここからはさらに詳しく見ていきましょう。監査が入らなければ投資家・株主・債権者・利害関係者などは重い責任を負ってしまいます。 例えば投資家は企業の損益計算書や貸借対照表を参考に投資しているのも事実。決算書の情報から出資の判断を下しています。ところが決算書の内容に誤りがあれば、その情報をもとに出資した投資家は多大な損失をこうむるのは言うまでもありません。 また、企業間取引においても決算書は大きな目安となります。「負債項目が少ないから安心して付き合えるな」「自己資本比率が高いから将来に期待できるな」などと決算書から読み取れるのです。 しかし、決算書の数値が事実と違えば、損害を受けてしまいます。金額以上に今まで作り上げた関係構築の時間が無駄になってしまうのも大きいです。そのために監査を行い、経営状態や経済状況の健全性や信頼性を確認しています。 2種類の監査 2種類の監査について解説します。 法定監査 法定監査とは法律で決められている監査です。後述する任意監査とは違い、すべての企業で義務付けられている監査となります。 具体的には税務職員が行う調査の一種であり、主に法定調書合計表の提出書類の審査です。法定調書合計表とは支払った給与の合計や源泉徴収税額の合計を記載した書類。法定調書と一緒に税務署へ提出する書類であり、この法定調書合計表に誤りがないかを確認するのが法定監査です。 ちなみに法定調書合計表には他にも、不動産の使用料等の支払調書・不動産の譲受けの対価の支払調書・不動産の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書などの項目があります。これらの項目もかならず確認されるため、管理はミスなくスムーズに進める必要があるでしょう。 任意監査 法律によって義務付けられていない監査をトータルで任意監査と呼んでいます。明確なルールはなく、監査会社と被監査会社の中で監査内容や対象範囲を契約で決められるのも特徴。 目的は外部からの信頼性と安全性の向上です。第三者視点から経営状態や財務状況についての意見をもらえるため、客観的に内部統制機能を高められます。 例えば今後上場を行うための準備監査や株式交換比率を算定するための監査などが対象です。監査を滞りなくクリアすれば上場も夢ではありません。 とはいえ任意監査にはデメリットも。例えば任意監査では提出書類が必要です。書類を揃えるまでに多大な労力と時間を要します。 加えて監査法人や会計士に対して報酬を支払う義務があるのも事実。金銭面に余裕がなければ監査は受けられないかもしれません。 このようにメリットデメリットを把握した上で任意監査を依頼しましょう。 監査とレビューの違い 監査とレビューはともに決算書の内容を確認するためにありますが、意味合いは若干異なります。大きな違いは保証性です。 そもそもレビューは四半期財務諸表に誤りがないかをある程度のレベルで確認する作業となります。完全なNGが無いかをチェックするためであり、OKかNGか微妙なラインの場合は一旦OKとするケースもあるでしょう。妥当な保証レベルが確約されている監査とは異なります。 また、確認範囲も監査が内部だけでなく外部にまで及ぶのに対し、レビューは社員へのヒアリングや社内資料確認に留まるのも事実。必然的にレビューよりも監査の保証性が高くなるのはうなずけるでしょう。 反対にレビューのメリットは低コストで確認作業が受けられる点です。確認範囲が狭く、短期間で行う点から費用面の負担が少なくなります。 監査が義務付けられている企業 監査が義務付けられている企業について解説します。 大会社 ある条件に満たした大規模な会社は監査が義務付けられます。その条件とは「最終事業年度における資本金が5億円以上」または「最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上である株式会社」です。 ここで言う「最終事業年度に係る」とは具体的には株主総会で承認された貸借対照表を指します。例えば2018年3月期の負債額180億円、2019年の3月期の負債額220億円だったとしましょう。2019年6月の株主総会で承認されれば、2020年3月より会計監査が必要となります。 このように大会社と該当される条件やタイミングは確実に押さえておきましょう。 監査等委員会設置会社と監査役会設置会社 監査等委員会設置会社は2015年の会社法改正によって導入されました。監査役会を廃止する代わりに、3名以上かつ半数以上の社外取締役から構成された監査等委員会を取締役会の中に設置している形態を指します。 現在は大企業だけでなく中小企業でも採用されており、該当する場合は監査が義務付けられるのです。 会計監査人の任意設置を行った会社 株式会社では株主総会と取締役会を設置しなければならないと法律で決められています。しかし、それ以外の機関では会社法に沿って対応する必要があるのです。 そこで会計監査人を設置した場合は監査が義務付けられています。会計監査人の他にも監査役・監査役会・取締役会・会計参与などが置けますが、それぞれのルールに従って対応していきましょう。 どのような期間でも会計監査人を設置できるものの、設置した場合は監査が義務付けられるのは頭に入れておく必要があります。 監査を置かなくてもよいケース 以前までは取締役会・監査役・株主総会が必須であったものの、平成18年の法改正により条件を満たせば監査の設置は不要となりました。 代表される条件のひとつが株式譲渡制限会社です。株式譲渡制限会社とは持株の譲渡制限をかけている会社。持株を譲渡する際には株主総会の承認を得なければいけません。大きな特徴は経営権を握れる点にあります。 例えば家族経営の場合、見知らぬ人に株式が渡って干渉されては経営も滞るでしょう。その点では株式譲渡制限会社は安心と言えます。 一般的には株式譲渡制限会社は中小企業向け、大企業は公開会社に該当します。他にも取締役会を設置しない場合や取締役会を設置して監査役の代わりに会計参与を設置する場合も、監査を置かなくても問題ありません。 【実施者による分類】監査の種類と目的 […]

人事労務・制度設計・運用

パラダイムとは?ビジネスでの使い方やパラダイムシフトの具体例を解説

時代が大きく変わると、わたしたちの生活様式も著しく変化することがあります。昔の時代と今の生活がまったく異なるのも、この大きな変革が何回も起こったことによるものでしょう。 このような事象を「パラダイム」の変化といい、個人・社会が成長するには欠かせない要素です。この記事では、パラダイムがどのように使用されているのか、どのような重要性を持っているのかを解説します。 パラダイムとは パラダイムとは「その時代では当たり前になっている考え方」や「その分野で基本となるとらえ方」などを指す言葉です。現在では、経済や科学などの幅広い領域で使用されています。科学の分野では、地球の形が明確ではなかったころに唱えられていた「天動説・地動説」の意味として使用されていた時期もありました。 また、時代の流れにともなって現れる革新的な改変が起こると、パラダイムが変化する可能性があります。たとえば、以下の事例があげられます。 このように、ポジティブ・ネガティブなものかは問わず、世界的に大きく変化した事例をパラダイムシフトと呼びます。 パラダイムの語源とビジネスシーンでの使い方 実際のビジネス場面では、どのように使っているのでしょうか。ここでは、言葉の由来や使用方法についてご紹介します。 パラダイムの語源 パラダイムは、もともとギリシア語が起源で、概念として生まれたのは科学哲学者である「トーマス・トークン」による書籍が最初とされています。最初に使用されたときは「専門家に対して問答のモデルを付与させるもの」という意味がありました。これは一部の分野だけでなく、幅広い領域の学問に多大な影響がありました。 専門用語として使用されていたその言葉は、意味合いとしても抽象的なものでした。時代の流れとともに変化して、少しずつ現在の意味合いに近づいていったのです。このように、昔に使用されていた言葉の意味が変化するのはよくあることです。同じ言葉でも、職種や領域によって内容が異なるケースも多いでしょう。 ビジネスシーンでの使い方 ビジネス場面で使用するときは「ある時代の当たり前の思考パターンを支えるための観念・理念」のことを指します。一定のパラダイムの思考に則って進めていくことは、ある種の定石ともいえるため、多くの会社が取り入れながら経営を進めています。 その他にも、時代の流れとともに新しい変化を生み出すために、固定化されている概念を題材としたディスカッションを行うこともあるでしょう。この新しい取り組みによって画期的な考え方・物事が生まれる可能性もあります。その結果、個人だけでなくチーム全体に新しい価値観が生まれ、会社としての飛躍につながるのです。 日本語では翻訳が難しい パラダイムは一定の意味を持っているわけではなく、非常にバリエーションのある使い方をされています。そのため、日本語としてわかりやすく表現することがむずかしく、マッチする言葉が見つからないのが現状です。 もともと、この言葉は科学の領域で使用されていました。しかし、革新的な考え方を発見したときに「今までの思考のこと=パラダイム」と受け取るようになりました。このような背景から、日本語としてフィットしている言葉が見つからず、翻訳が困難となっています。 パラダイムに関連する言葉 パラダイムにはさまざまに派生した言葉があるのはご存じでしょうか。ここでは関連する言葉についてご紹介します。 ◯◯パラダイム 特有の領域によるパラダイムを表すときに、その前に「○○」をつけて使用されるケースがあります。その時代の流れや領域のベースとなっていた「とらえ方」や「考え方」が、今までにない革新的な変容をしたときに用いられます。 たとえば「企業」や「ファイナンス」など、それぞれの領域で新しい変換がともなったときに使用されることが多いです。最近では、ビジネスやファイナンスの領域では、以下のパラダイムの転換がみられています。 このような変換によって、徐々に世界各国の技術が進化しているのです。 パラダイムトレーダー 外国為替取引の領域で用いられているサービス名のことで、トレードを行うときに使用される言葉です。この領域では、信頼性が高く実績を残している方が開示しているデータから、外国為替取引による変動を推測し、売買を行うケースが多いです。ここ最近では、同じようなソフトを活用して、外国為替取引を実施する方法が注目を浴びています。 パラダイムロスト 感情のなかに潜んでいる「スティグマ」を解決するために書かれた、本のタイトルです。この本はロジックとその行動方法を表しています。スティグマとは「差別」や「偏見」などに関連した意味を持っています。 より詳しく解説すると「その人が持つ何かしらの原因によって、差別や偏見が生まれて不当なあつかいをされる」という意味合いがあるのです。このような心に関係する問題を解決する方法を示したのがおもなテーマです。 パラダイムシフト(パラダイム転換)の意味や具体例 「パラダイムシフト」という言葉も用いられる機会はよくあります。ここではその意味や具体的な例についてご紹介します。 パラダイムシフトとは その時期に当たり前だと判断されていた事項が革新的に転換したことをパラダイムシフトと呼びます。この言葉が生まれたことによって、さまざまな意味が分岐するようになりました。現在では、以下の出来事で用いられるケースが多いです。 このように、使用する際にどれも共通しているのが「新しい変化」であることがわかります。 パラダイムシフトが起こる理由 このような大きな変化が起こる理由として、「今までの思考では新しい壁を突破できない」という状態が発生するからです。これはヒトの本来の性質ともいえるでしょう。なかには「ある課題は今までの思考では解決できない」という言葉もあります。 なにかの課題にぶつかったときに「今までのパターンでは解決ができない」「当たり前だと思っていたものを変えていかなければいけない」という考え方が大きな変化をもたらしているのです。また、最近ではさらにパラダイムシフトが進むようになりました。その理由として以下があげられます。 このような技術の進化およびウイルスのパンデミックにより、さらに加速すると考えられます。 パラダイムシフトの具体例 世界中でさまざまなパラダイムシフトが生まれてきました。その例としては以下の通りです。 このように、今までの時代では大きな変化が繰り返し行われていることがわかります。 個人におけるパラダイムシフト 本来、ある一定の時期における当たり前の事象といわれるものを指す言葉ですが、最近では「その物事のとらえ方」や「想像の仕方」などを表しています。また「物事のとらえ方を大きく変える」という考え方で、幅広い領域で使用されています。 一方で、時期に限らずに一人ひとりのレベルでパラダイムシフトを発生させることも十分にできるでしょう。しかし、ねじれたとらえ方で実行しようとすると、かえって思わしくない方向に向かってしまう危険性もあります。もともとの意味を理解しつつ、大きな変化によってどのような方向に向かうのかを考えてみましょう。 身近なパラダイムシフト わたしたちの身近なところでも、いろいろなパラダイムシフトを体験しているのはご存じでしょうか。そのおもな例として、以下のものがあげられます。 ガラケー時代でも携帯ゲームや音楽の機能は搭載されていましたが、メール・電話などの連絡手段として使用するのがおもな用途でした。しかし、スマートフォンはそれ以上にさまざまなコンテンツを利用できるようになりました。 またサステナブルな考え方が普及している今、共有の意識が高まっています。カーシェアやシェアオフィスなど、1つのものを複数人であつかうことでムダな消費を避けて環境に配慮した戦略がとられています。電車を切符ではなくICカードをタッチするだけで利用できるのも、大きな変化といえるでしょう。 パラダイムシフトで押さえておくべきポイント 新しい変化が起こると、今までの常識が通用しなくなることもあるでしょう。ここでは、そのために持っておきたいポイントについてご紹介します。 柔軟に対応する姿勢 物事に執着せずに、どんなことでもスムーズに対応できるようなスタンスを持っておきましょう。なにかに執着してしまうと、大きな変化が起きたときの精神的な負担が大きくなります。新しい考え方や新しい製品に遭遇したときに、自分はどのような気持ちになるのかを深堀してみましょう。 「順応するのがむずかしい」「ついその考え方を否定してしまう」などの反応をしてしまうのなら、その考え方をさらに追求します。新しい物事を受け入れられない場合、その理由の裏に本当の気持ちが潜んでいる可能性は高いでしょう。自分をあらためて見直して、少しずつ柔軟に受け入れる気持ちを持っていきましょう。 変化を敏感につかむ 技術が進歩するにつれて、時代はわたしたちの想像以上に変化していることもあります。その流れに気づけるように、ちょっとした変化も把握しておくことをおすすめします。時代が変わるにつれ、そのときにフィットした考え方や対応が必要です。 このように、日々の変化を察知するために新しい需要や世界情勢に注目しておくと対応しやすいです。経営者であれば、あらゆる状況を予測したうえでゴールを設定するスキルが求められます。 […]

ビジネス用語・基礎知識

業務委託とはどんな契約?他の業務形態との違いやメリットとデメリットを詳しく解説

テレワークや在宅勤務など、場所や時間にとらわれない働き方が注目を集める昨今、「業務委託」という働き方を導入する企業が増えています。 業務委託は企業と雇用関係を結ばない働き方で、働き手と企業の双方にメリットがあります。自由度の高さが魅力ですが、注意して扱わなければトラブルが発生する可能性があるため注意が必要です。 今回は業務委託のメリットとデメリットを、働き手と企業の両面からご紹介します。具体的な注意点も含めて解説するので、自社の人事採用に役立ててください。 業務委託とは 業務委託とは、企業が雇用している従業員ではない人材に社内業務の一部を依頼することを意味します。正社員やアルバイト、パートタイマーなどは企業と雇用契約を結び、企業の指示に従って仕事をします。一方で業務委託の受託者は、企業との雇用関係にないため立場は対等です。 業務委託契約を結ぶと、就業した時間数ではなく、納品した成果に対する報酬が得られるようになります。就業時間や就業場所の定めがないため、好きな時間に仕事を進められる自由さが魅力的な働き方です。 社外の人物に仕事を依頼して任せる契約形態の特性上、企業はセキュリティ対策やトラブルを未然に防ぐ予防策を講じる必要があります。準備は必要ですが、導入するとメリットの多い働き方なので、必要に応じて導入を検討すると企業にとって良い効果がもたらされるはずです。 請負契約とは 業務委託ではなく「請負契約」があることをご存じでしょうか。これは民法第632条において定められた契約形態のことで、「業務を請け負った人が、受託した業務を完遂することを約束し、発注者は成果物に対して報酬を支払う」契約を指します。 業務委託契約と請負契約の違いは、成果物に対する責任の有無です。請負契約では業務の完遂はもちろん、成果物にミスがあれば修正対応までしなければならないと規定されています。もう一方は、修正対応の有無等も含めて法的な規定がないため、契約内容は企業によって変化するのが特徴です。 成果物だけを基準に判断されるため、プログラマやデザイナーなどの職種との相性が良いのが請負契約です。 委任契約とは 民法第643条では「委任契約」の規定が記載されています。これは受託した法的な業務の遂行を目的としています。業務に従事すること自体を目的としているので、成果物に対する責任が生じない点が特徴だといえます。 委任契約は成果物ではなく、成果を生み出す過程にある行為そのものに報酬が支払われます。そのため、客観的に明らかな成果物を提出しない弁護士や医師などは、委任契約との相性が良いでしょう。 準委任契約とは 委任契約は弁護士に代表されるような法律行為を行う業務に対して締結する契約ですが、それ以外の業務を委託する場合は「準委任契約」が適用となります。 該当する職種として、経営コンサルタントや受付などが挙げられます。両者の違いは対象職種だけで、行為そのものに報酬が発生する点は共通していると判断できます。 業務委託契約に関する法律 業務委託契約という名称はさまざまな場面で使われていますが、実際に「業務委託契約」を規定する法律は存在しないのが現状です。 法律上の規定がない契約なのに、法的な効力があるのでしょうか。 実は、民法が業務委託契約の法的根拠になり得るとされています。ただし、業務委託契約の内容は企業や業務内容によってさまざまなので、民法でカバーしきれないケースもあります。 そのためトラブルを未然に防ぐためにも、業務の受託者一人ひとりとの契約内容を細かく定め、契約書に明記しておく必要があるのです。 業務委託と他業務形態の違い 業務委託と似た働き方はいくつかありますが、その違いはどんなところにあるのでしょうか。企業はさまざまな契約形態の内容を正確に把握し、その違いから従業員一人ひとりにとって適切な働き方を選択することが求められます。 さまざまな業務形態との違いを詳しく解説します。 労働者派遣 労働者派遣は、働き手が登録している派遣元企業の指示に従って派遣先企業の業務を遂行します。業務委託と同様に、クライアントとなる企業と働き手が直接雇用契約を結ぶことはありません。 大きな違いは2つあります。 1つは、労働者派遣の場合、指揮監督権を持つのは派遣先企業となります。業務委託は仕事の進め方や働く時間や場所に関する指示を受けず、自分で決めて働けます。 一方で労働者派遣の働き方は、就業場所や時間、仕事の進め方などは派遣先企業が決定するため、働き手の裁量は大きくありません。クライアント企業が指示できる範囲が異なる点が両者の大きな違いの1つです。 もう1つは、成果物や業務内容に対する責任の所在です。派遣契約を結んで勤務する場合は、就業中の労働に対する責任は派遣元企業が持ちます。一方で業務委託は、成果物に対して働き手本人が責任を負います。もしも成果物に不備があった場合や契約内容に反した場合に生じた不利益は、業務委託の受託者本人が賠償する必要があるでしょう。 例えば、著作権フリーではない素材を使ってデザインしたバナー広告を納品後、著作権違反していると発覚した場合について考えてみましょう。このとき、著作権侵害した際の賠償金や、依頼元企業がバナー広告を使って打ち出した広告費用などを受託者が負担しなければならないかもしれません。 業務委託契約を結んで働くなら、自身が請け負った成果物にしっかりと責任を持たなければならないのです。 出向 出向とは、勤め先企業の関連会社やグループ会社、小会社などで勤務することです。この目的は人材育成や雇用調整、人材戦略のためなどとする場合が多くありますが、企業によって異なります。 勤務先の企業との雇用関係はそのままに、出向元と出向先企業の間で出向契約を締結するのが特徴です。この契約では、雇用関係における権利の一部を出向先の企業に譲渡するとする内容が記載される場合が多いでしょう。 このとき、従業員は2つの企業と雇用関係を結ぶことになるのが、業務委託との大きな違いです。また、指揮監督権を出向先企業が有する場合とは違い、業務委託では自身で裁量を持って仕事を進められます。 業務委託のメリット さまざまな働き方が選択できる現代において、業務委託契約を結んで働く良さはどんなところなのでしょうか。新しい働き方として注目を集めている今、働き方を具体的にイメージしたいと考える人は少なくありません。 働き手にとっても業務委託を導入する企業にとってもメリットがあるため、積極的に導入を検討してはいかがでしょうか。両者からみた導入のメリットをそれぞれ解説します。 労働者のメリット 労働者が得られるメリットは4つです。 得意な業務のみを請け負える 雇用契約を結ばない働き方である業務委託は、どの仕事を請け負うか決める権利を有しています。そのため、自身が得意な仕事だけを選んで受託可能となり、少ないストレスで業務を進められます。 雇用契約を結ぶ場合は、労働者が仕事内容を選択することは難しいでしょう。企業の人事戦略などに従って異動や昇進などが決定されるので、本来は担当したくない業務であっても拒否できません。 得意な業務ややりたい業務がはっきりしている人にとって、業務内容を決められる業務委託の働き方は適しているといえるでしょう。得意な業務を引き受けることで専門性が増すため、多くの実績を積むことが期待できます。 高収入を狙える 業務委託で請け負える仕事内容は多岐にわたります。データ入力や文字起こしなど、特別なスキルが必要ない仕事から、高難度な資格やスキルを求められる仕事までさまざまあるため、得られる収入額も人によって異なります。 専門性が高く資格取得が難しい職種の場合は、報酬額が高めに設定される傾向にあるため、仕事内容によっては高収入を目指せるでしょう。 業務委託はやればやるだけ収入が増えるため、給与の月額があらかじめ固定されている働き方とは違って、頑張りが収入に反映されやすいといえます。 仕事に使える時間が多い人や専門的なスキルを持っている人は、雇用されて働くよりも高い収入を得られる可能性が高いというメリットを感じやすいでしょう。 時間や休日に縛られず自由に業務を行える 裁量権が大きい働き方である業務委託では、働く場所や時間、仕事の進め方など、業務にかかわる全般的な内容を自分で決められます。指揮監督権が就業先の企業にある雇用契約では、仕事をするオフィスの場所や業務に従事すべき時間、休憩時間、休日、仕事内容から進め方まで、企業の指示に従わなければなりません。 業務委託は自由度が高いため、体調や家庭の事情に合わせて当日に休暇を取ったりしても問題ありません。その分、企業から受託された業務を納期までに納品する責任が生じます。 働き方について指示されないということは、自分が最も働きやすいやり方を選べるということです。人によっては日中より夜の方が集中できるなど、自分の性格に合わせて仕事を効率的に終えられる方法を見つけられるのは大きなメリットです。 […]

評価者研修の目的は?研修で学べる内容もあわせて徹底解説

近年、正しい評価を行うために査定する側の研修や基準確認が積極的に実施されています。背景には年功序列制度の廃止加速化による、評価制度の見直しが挙げられます。では具体的に評価時に起きやすい問題は何でしょうか。評価者研修で学べる内容を含めて解説していきます。 評価者研修とは? 評価者研修とは評価側社員の評価知識を深めたり、OJTで評価スキルを高めたりする制度です。一般的に「研修」と言えば、新入社員や転職者などの、在籍歴が浅い社員に対して行われるでしょう。 しかし、本制度は勤続年数関係なく、評価者に該当する社員が対象となります。社員の仕事に対する価値観が以前よりも変化しているため、数多くの企業で評価者研修が導入され始めているのです。 評価者研修の導入状況 研修の導入状況は約7割を超えています。(2016年産労総合研究所による調査)日本における大半の企業が、評価者に対して研修制度を実施していると分かるでしょう。 現在は売り手市場により、優秀な社員の確保が困難な状況です。在籍社員への育成やモチベーション向上が重要になるため、評価者研修への注目が集まっています。そのため、今後も評価研修の導入件数は増えていくでしょう。 評価者研修の目的 評価者研修最大の目的は評価の平等性を保つためにあります。査定は評価者の力量や考え方に左右される部分が大きいです。例えば、上司の部下に対する好き嫌いで評価にバラつきが出るケースも多くなります。結果を残しても上司の好みでなければ出世できないのです。そんな状況を限りなくゼロに近づけるため、評価者の基準を一定にするための研修が行われます。 また、評価者研修は企業文化を醸成させる効果もあるのが事実です。一般的に指導方針は評価者の思いが優先されます。となると、企業ビジョンに沿わない人材が育ってしまうのは否めません。方向性にバラつきが生じ、希望の人材が育つ可能性は低いでしょう。 そのため、研修で評価者の育成方針を明確にすれば、企業が描いた社員へ育てられます。以上のように、評価者研修は評価の平等性と指導方針の明確化が大きな目的です。 評価者研修の対象者 評価者研修の対象者を解説します。 人材業界、人事担当者 まず最初に押さえておきたい対象者は人材業界・人事担当者です。評価者研修を受ければ評価で大事にすべきポイントや設定すべき項目などが分かります。 年功序列制度が崩れている日本の中で、徐々に評価が能力主義へとシフトされているのも事実。評価すべき項目が在籍年数や年齢などから「どれだけ業績を上げたか?」「どのくらいスキルを伸ばしたか?」といった成果や力量へと変わっているのです。 となれば評価項目が複雑になるのは言うまでもありません。一般的に人事評価は人事担当者が作成するか、もしくは人材業界の企業が開発した評価システムを使うかに絞られます。 このような流れから人材業界と人事担当者は評価研修を受けるべきなのです。人事評価の知識がなければ品質の高いものは出来上がりません。評価に対する学びを深めてこそ、人材育成につながります。 経営者 とくに大きな会社であれば人事評価は人事担当者へ一任している場合も多いでしょう。人事における業務全般を委任し、経営者自身は業績を追う仕事に専念する場合もあります。 とはいえ経営者が人事評価評価業務を放任するのは得策ではありません。なぜなら、人事評価は会社の業績に大きく関わる業務だからです。 例えば人事評価の抜本改革に乗り出せば、社員の成長へとつながって売上アップが期待できるでしょう。質の高い評価ができると、優秀な人材の流出も防げるはず。古くから「人は財産」と言われる通り、お金をうみ出すのは人材なのです。 そのためにも、経営者自ら評価研修を受ける必要があります。学んだ知識をいかして評価制度の見直しを図ったり、評価システムのビジョンをより明確にしたり。今までの評価制度よりもレベルアップが期待できます。 被評価者 一般的には評価研修対象者は人事担当者と経営者です。 実際に様々な企業を見渡しても、被評価者は研修をほぼ受けていません。とはいえ、被評価者も評価制度研修を受けられます。被評価者が評価者研修を受ければ、評価に対するギャップを埋められるメリットがあるのです。 例えば「どんな行動が評価に結び付くか?」「評価はどれくらいの項目に分けられているか?」などを知っておけば、自分自身がどんな行動を取っていけば良いか明確になります。実際に取った行動が評価へ結び付けば、昇給や昇格のチャンスとなるでしょう。 結果的に仕事へのモチベーションが上がっていくのです。評価者にとっては被評価者から不満が出る心配も少なくなるため、お互いにとってメリットがあります。 被評価者も評価者研修の受講を検討してみましょう。 人事評価で起きやすい問題とは 人事評価で起きやすい問題は次のとおりです。 無難で甘い評価をしがち 人事評価は無難で甘い評価をしがちです。嫌われ役を買って出る人は現代において少ないでしょう。誰しも波風立てずに業務へ取り組みたいと思うはずです。 例えば、5段階評価で1と5を中心に査定すれば、社内で不満が出てしまうかもしれません。指示通りに業務をこなしているにも関わらず、1と評価されれば納得できない社員も出てきます。 そのため、評価者は3~5の間で甘い評価をつけ、社員から嫌われないよう査定しているのです。とくに社員へ意見が言えない評価者に該当するケースが多く、すべてにおいて緩い空気が流れてしまう原因にもなります。当たり障りのない評価は社員からの反発を防げるかもしれませんが、チーム力の低下は否めません。 評価手順が逆になってしまう 評価手順が正しい順序とは逆になるケースもあります。本来であれば、評価項目を基準に査定。その後、社内で検討し昇格や昇給を決めるのが正しい流れです。 しかし、人事評価の現場では先に出世する社員を決め、評価は後付けしているケースもあります。評価項目通りでいくと出世できないのにも関わらず、評価者の独断と偏見で昇格や昇給を決めてしまっているのです。 当然「業績が伴っていないのになぜ出世できるのか」「正しい評価項目通りにいけば昇格できないのでは」などの不満がうまれます。このように、適正な順序で評価が行われないケースが頻繁に見受けられるため、評価者研修での正しい指導が必要になります。 ハロー効果 ハロー効果によって評価が歪んでしまうケースもあります。ハロー効果は人の良い面や口コミによってポジティブなイメージが膨らみすぎたばかりに、他の部分が見られなくなる現象です。 例えば「社内評判が良いから仕事でも結果を出せるだろう」「挨拶が出来るから営業成績も良いはず」などの良いイメージが先行しすぎて正当に査定されないケースが多々見受けられます。印象と実際の成績は異なるため、他の社員にとっては疑問が生じてしまうでしょう。 また、社内の評判によって評価がゆがんでしまう危険性もあります。部内の評判が良ければ、仕事の能力を度外視してポジティブな思いを巡らせます。結果、本来の評価とは異なったイメージだけの査定になるのです。 とくに強く印象に残ってしまうと、なかなか印象を覆すことは出来ません。評価者研修では、そんな状況でも冷静に判断できる力も養われるのです。 思い込みによる評価 評価者の被評価者に対する思い込みは人事評価で起きやすい問題でもあります。思い込みによって正当な判断ができず、評価を本来よりも上げてしまうのです。 例えば「優秀な学校を卒業しているから仕事もできる」「資格を多数保有しているから成績を残してくれるだろう」など、勝手な先入観によって評価が歪んでしまいます。また思い込みは評価に悪影響を与えるだけでなく、部下の成長を阻む原因でもあります。「口数が多くないから営業から経理へ異動させよう」と、可能性を妨げてしまうのです。口数が多くなくても聞く力に長けていれば、成長できるチャンスもあったでしょう。 以上のように、上司の思い込みにより、部下への正当な評価や育成ができないケースもあります。 自分と比較して評価しがち 人事の現場では評価者自身と被評価者を比較して査定する場合も多いです。上司と似た人が高く評価され、特徴が違う社員は低く評価されやすいのも本ケースに該当します。 例えば、営業部門において、上司自身がアポイント取りに長けている一方、数字をもとにした調査が苦手だとします。評価に関してはコミュニケーション力項目のハードルは高く、分析については低く設定されるのです。 そのため、上司と似た部下が圧倒的に評価されやすいと言えます。データ分析を行い現状を多角的に見ても、評価にはつながりにくいです。評価の軸が自分自身になってしまい、冷静な判断を下せていない状況になります。当ケースを防ぐためにも、評価者研修によって正しい査定方法を学んでいくのです。 評価期末の印象による誤差 評価期末の印象だけで判断するケースも多いです。 例えば、査定直前の成績だけ社内で一番良かったり、反対に全体的に好成績だったものの最後だけ落ち込んだり。断片的に切り取って評価してしまうのです。当然、評価は対象期間トータルで考える必要があります。社員間に不満が生じ、仕事へのモチベーションを下げる原因となります。 […]

人事評価・評価制度
人時生産性とは?

人時生産性とは?正しい算出方法と人時生産性向上のための具体的な方法

働き方改革が推進される昨今の風潮やグローバル化に伴う国際競争の激化に対応するために、「生産性向上」が課題となっている企業が増えつつあります。 生産性を図る指標は複数ありますが、中でも従業員個人に焦点を当てた「人時生産性」に注目が集まっています。 今回は人時生産性とは何か、具体的な算出方法と向上のための方法を紹介します。 人時生産性とは? そもそも「生産性」とは、投入した時間や金銭、労力などのインプット量に対してどれだけの成果(アウトプット)が得られたかを測る指標です。そして、「人時生産性(にんじせいさんせい)」とは、従業員一人当たりの単位時間当たりに生み出した粗利高を意味しています。 算出された数字が大きいほど従業員の生産性が高く、会社全体の生産性向上に寄与しているといえるでしょう。人時生産性は評価対象を労働力に絞っている点が特徴です。 人事生産性を算出し、生産性向上を目指していくことは今後の競争社会を生き抜く上でも重要です。なぜなら、国境による制限もなく世界的に各社が競争する国際競争が当たり前の時代に突入しているからです。 会社がしっかりと世界に通用する競争力をつけているか、成長を続けているかを確認する意味でも参考になる値なので、適切なサイクルで人時生産性の評価と分析、検証、改善策の実行をしていくと良いでしょう。 労働生産性との違い 「生産性」というと、一般的には「労働生産性」のことを指します。労働生産性とは、会社が投入した労働力全体に対してどれだけの利益を得られたかを測る指標です。 労働力としては従業員の総数を基準としたり、従業員全体での労働時間を基準としたりするため広い意味で用いられます。それに対して人時生産性は従業員一人が一時間当たりに生み出した成果を算出する指標であるため、より厳密に正確な数値が得られるのです。 ただ、会社全体の生産性を求める際には数ある指標のうち一つだけを参照するのではなく、複数の指標を組み合わせて総合的に判断する必要があるでしょう。あらゆる視点から生産性を分析して会社の課題点や生産性向上への糸口を見つけ出すと効果的です。 人時売上高との違い スタッフ1人が1時間で、どのくらいの売り上げになったかを表したのが人時売上高です。人時生産性と異なる点として、素材やマンパワーをどのくらい消費したかを念頭に入れているかです。後者は1人が1時間のなかで作り出した成果を中心に計算しますが、前者は単純に売り上げだけを考慮します。 その点から、同じ職種間での生産性を比べるときにも役立ちます。どちらも考え方は違いますが、会社がプラスアルファの価値を作るために、ビジネス戦略の構築をする材料として活用されているのです。 どちらかの考えに偏るのではなく、2つの視点から抽出されたものを解析し、全体的に判断することが大切です。 生産性が注目されている理由 生産性向上が課題となっている背景には、時代の変化が関係しています。現代において生産性が注目を集めている理由は、大きく分けると以下の2つが挙げられるでしょう。 労働人口とは「15 歳以上の人のうち就業者と完全失業者を合わせた人の数」を指しますが、少子高齢化の影響もあり労働人口は減少の一途を辿っています。1995年頃には8000万人を突破していた日本の労働人口が、2060年には4793万人になると予測されているのです。総務省が発表する今後の日本の人口割合を見ると、2060年には65歳以上の高齢者が全人口の38.1%を占めるとされており、世界的にも珍しいほどの超高齢化社会に突入するのです。 今後も減少が続く労働人口に対応するためには、限られた労働力でより効率的に成果を生み出すことが重要です。そのために、生産性を測ることに意義があるのです。 2019年4月1日、厚生労働省により働き方改革関連法案の一部が施行されました。働き方改革では長過ぎる労働時間の改善や、正規雇用と非正規雇用の格差をなくし、人種や年齢によらず就業できる、「多種多様な働き方を選択できる社会の実現」を目指しています。 この改革によって各企業には短時間でより成果を上げる必要性が浮上し、生産性向上に注目が集まるようになりました。主要な先進国の中でも労働生産性が最下位に位置している日本において、生産性は全社的な課題なのです。 人時生産性の算出方法 人時生産性は「従業員全員での粗利益高÷総労働時間」で算出されます。この値が高いほど従業員一人の時間当たりの粗利率が高いといえるでしょう。 もちろん、従業員全体ではなく個人単位での算出も可能です。ただし、多くの仕事は個人ではなくチーム単位で進めていたり、各部署が複雑に関係したりして利益を生み出しているため、個人単位での算出が必ずしも適切ではない場合もあると理解しておく必要があります。 具体的には以下のように求められます。 Q.粗利高200万、従業員全体の総労働時間が200時間の場合の人時生産性は?  計算式に数値を当てはめてみると「200万÷200時間」で計算できます。これより、この会社の人時生産性は「10,000円」であると分かるでしょう。 さらに、2社を比較してみます。 Q.以下のA社とB社ではどちらの方が、人時生産性が高いといえるでしょうか。 成果のみに着目するとB社が多くなっています。しかし、計算してみるとA社の人時生産性は2000円、B社は約1333円になります。これにより、A社の方が生産性が高く、効率的に業務を進めていると判断できるのです。 注意が必要なのは、労働時間と粗利益高の数値を正確に把握しておかなければ計算結果も間違った数値になってしまうということです。計算結果と実際の数値に差があると、会社の現状を正しく理解することが難しくなるでしょう。 特に労働時間は、勤怠管理体制が整備されていないと把握しにくい数値です。また、把握しきれないサービス残業などが発生しないように、業務量や職場の働きやすさ改善に取り組むことも重要です。 業種別にみる人時生産性の分析結果 得られる生産性は一定ではなく、職種によって異なります。中小企業庁によると、職種ごとの平均的な値は以下のような結果でした。 このように、飲食は製造と大きな差が出ており、他の職種のなかでも低い値です。ゴールを設定するときは、あらかじめ上記のような職種ごとの特徴をよく考えることが重要です。 人時生産性の向上が求められる理由 生産性を測る指標の中でも、特に人時生産性の向上が必要なのはなぜでしょうか。 公益財団法人日本生産本部が発表した2021年度版の「労働生産性の国際比較」によると、日本の時間当たり労働生産性は49.5ドルであり、OECD加盟38カ国中23位でした。さらに、一人当たり労働生産性は78,655ドルと、OECD加盟38カ国中28位という下位に位置しています。 日本の生産性は世界的に見てもかなり低く、労働時間の短縮や効率化に対する意識改革や取り組みも不十分なのが現状です。それを受けて日本政府が働き方改革を推進したり、業務の自動化が取り沙汰されているなど、日本国内でも世界水準に近づけるための対策が徐々に取られているのです。 人時生産性向上は、従業員一人ひとりの作業効率化を把握するために有効な指標です。人時生産性を定期的に算出して変化を確認しながら、一人が単位時間当たりに生み出す成果を最大化すると良いでしょう。 人時生産性を低下させるロス 生産性が下がる際は、どのようなロスが原因なのでしょうか。ここではおもなロスについてご紹介します。 生産ロス 製造の場で発生する差損を指す言葉です。生産ロスが発生する原因は1つだけではありません。品物を運ぶ作業をはじめとした製造以外の業務に手間がかかったり、商品として扱えない物の修正を行ったりなど、その原因はさまざまです。 このロスを改善するためには、どのプロセスが差損の原因になっているのかを明確にする必要があるでしょう。 例えば「品物を運ぶのには時間がかかって当たり前」という固定概念があっては、その差損に気づかないでしょう。業務全体のロスを理解するためにも、各仕事をあらためて振り返り、配分量を設定し直すことが第一です。 管理ロス 管理する際に発生する待ち時間を指す言葉です。管理チームが作成した生産や修理といったプランが、調整不足や突発的な問題の発生でストップしてしまうときに起きます。そのため、資材待ちや命令待ち、リペア待ちなど、さまざまなロスに派生します。 これは実際の作業上で発生したものではなく、管理側の問題でもあるでしょう。このロスはコントロールできない範囲が広いため、プランの立て直しに難渋するケースが多いです。 動作ロス 配属されているスタッフの動きや仕事の仕方、割り振りのミスなどから発生するロスを指す言葉です。 作業の動きが効率的ではなかったり、材料を配備する環境が良くなくて時間がかかったりなど、ムダな工程が原因であることが多いです。そのため余分に時間をかけてしまい、その分生産性が下がってしまいます。 自動化しないことによるロス […]

人事労務・制度設計・運用

タレントマネジメントシステムによる採用管理の高度化~第1回「採用管理とタレントマネジメントの関係」

タレントマネジメントとは ゴール到達のために、スタッフの知識や技術、経験を細かくチェックし、適切な研修や配属を実行することを指します。ここでは、その概要について深掘りしていきます。 タレントマネジメントの目的 おもな目的として、以下の3つに分類されることが多いです。 1つ目は、スタッフ一人ひとりの能力や個性を見える化して管理したうえで、適切な作業配置を実行します。 2つ目では、それぞれの性格や今後の展望、目標を把握したうえで独自の教育体制を作ることを目的とします。そのため、意欲の向上や離職率の低下につながりやすいです。 最後の3つ目では、到達したいゴールに向けた戦略の構築を行うために導入します。 タレントマネジメントが注目される背景 この戦略は海外で開始されましたが、近年では国内でも注目が広がっています。ここでは、そのきっかけについて解説します。 ■少子高齢化・労働力不足 国内では高齢者の人口が増えている反面、労働者の人口が減り続けています。今後さらにその幅は進行し、2065年には高齢者の割合が40%近くとなるといわれています。 この状況のなかで海外に負けずに競り合うためには、スタッフそれぞれのパフォーマンスを高めていくことが大前提となるでしょう。 もともと日本の生産性は、他の国と比べると高水準に達しているわけではありません。そのため、新しい戦略を展開していかないとさらに衰退が進んでしまう危険性があるのです。 ■人材の流動性が高まっている 昔は生涯雇用や年号序列の制度が当然でしたが、時代が進むにつれて、その風潮は衰退しつつあります。現在では人材が企業に長い期間在職する割合が減少し、転職が当たり前になりつつあるのです。 また能力が高い人材であるほど、成果に見合った報酬を得られる企業に集約する傾向にあります。 つまり、実績によって報酬が左右されにくい昔のスタイルを保っている企業には、秀でた人材は残りにくいのです。そのため、成長できる人材を確保するには、新しい戦略が求められています。 ■仕事に対する価値観の多様化 時代の流れとともに、仕事の形態にも大きな変化がみられてきました。たとえば、正社員だけでなく副業や個人事業主としての独立、短時間業務など、いろいろな仕事のスタイルが増えました。 この経緯には、勤務先の固定化がなくなってきたこと、会社ではなく労働者が中心の雇用になったことがあげられます。 そのため、離れてほしくないスタッフがいる場合は、その方が快適にワークライフバランスを整えられるような環境作りを行う必要性があるのです。 ■DX推進の一環 技術が徐々に進化することで、生活にも大きな変化を迎えつつありますが、それを「DX」といいます。あらゆる情報を収集して質の高い人材をキープしたり、活躍できる場を設けたりすることも、その要素の1つです。 そのため、各地の会社がDXを推し進めています。またタレントマネジメントを取り入れることで、DXで求められる人事情報の積み重ねや応用的な活用に加えて、質の高い人材の確保が可能となります。 このような背景もあり、近年ではDXの推進に注目が集まっているのです。 タレントマネジメントの効果 実際に、どのようなベネフィットを得られるのでしょうか。ここではそれぞれの効果についてご紹介します。 ■多様で優秀な人材が活躍する場を作ることができる 会社の型にはめ込むような仕事ではなく、個人として活躍ができるような業務を行えます。さらに、正社員としての枠組みだけでなく、短時間業務やアウトソーシングなど、その方が希望している仕事形態の選択が可能です。 そのスタッフのスキルを十分にリサーチしておけば、仕事形態にかかわらず、期待通りのパフォーマンスを発揮できるでしょう。また妊娠・出産や介護などのイベントによって、人材が離れてしまうリスクも軽減できます。 ■適切な人員配置が可能になる 企業によっては、その人材のスキルに見合った業務を配置していない可能性があります。そのため、生産性が思うように高くならなかったり、スタッフの意欲低下につながって離職が増えたりするリスクが出てきます。 企業内でどこが足りていないのか、どんなスキルを持った人材を求めているのかを十分に理解できていれば、適切な配置が可能となるでしょう。まずは手持ち無沙汰のスタッフがいないか確認しつつ、それぞれが持っているスキルを把握してみましょう。 ■主体的なキャリア開発の促進に繋がる 適切な戦略構築でスタッフのスキルを活かした職場環境を整えられたら、今後の選択肢も大きく広がるでしょう。スタッフも「自分にはなにが苦手で、なにが得意なのか」を理解しやすくなるので、どんなスキルを伸ばしていくべきかが明確となります。 新しい選択肢を見つけられないことが原因で離職してしまう場合でも、このような柔軟な対応ができれば、長く企業に残ってくれるでしょう。さらに相性がいい仕事と出会いやすくなり、意欲向上にもつながります。 ■企業に必要な人材を計画的に育成できる 一人ひとりのステータスをしっかりと把握していれば、企業のニーズに適した教育を効率的に行えます。 企業にとってどんな知識・技術を保有している人材を確保すべきなのかを整理し、集めた情報からフィットしたスタッフを発見できます。 そしてスタッフの今までの経歴や達成した成果、今後の方向性をチェックしたうえで、それぞれに必要な教育プログラムを作成可能です。 ■従業員エンゲージメントの向上 スタッフの仕事に対する意欲が低下すると、業務内容の質も下がるだけでなく、離職のリスクも増加するでしょう。新しい戦略を導入すれば、スタッフの希望している方向性に着実に進められます。 また、それぞれに適した仕事配属、教育プログラムを実行できます。そのため、スタッフ自身も「この業務が得意だ」「着実にスキルが上がっている」「企業に役立っている」という実感が持てるでしょう。 業務への意欲だけでなく、企業への信頼性も高まるので、良好なサイクルが生まれます。 採用管理とは 採用管理とは、入社希望者の応募から採用決定までの一連のプロセスを管理する業務のことで、採用管理業務の対象となる一連のプロセスは、次の図のようになります。 それぞれのフェーズにおいて、テスト/面接の実施、結果の記録、判定が行われるため、進捗を把握するためには、様々なデータを保管し、簡単に閲覧できるようにする必要があります。 多くの企業では、この採用管理業務でExcelが使用されていますが、テスト/面接の実施予定の通知、結果の記録、進捗状況の把握といった情報伝達が、電子メールやファイルサーバーを経由したExcelファイルのダウンロード、アップロードによって行われる場合、業務ワークフローは非効率で不正確なものとなり、結果として、見落としによる遅延や、採用の進捗状況がわからなくなるといった課題が発生します。 この課題を解決するために、採用管理システムと呼ばれる採用管理業務を支援するシステムを導入する企業もあります。採用管理システムは、応募者(Applicant)の採用プロセスにおける状況を追跡(Tracking)するシステムであることから、ATS(Applicant Tracking System)と呼ばれることもあります。 タレントマネジメントを採用で活用するメリット 採用の場面では、どのような利点があるのでしょうか。ここでは利点を4つにまとめて、詳しく解説します。 採用すべき人材が明確化する 企業内のあらゆる人材データを収集しておけば、質が高くなりやすい傾向や個性が明確になります。その分析を行えば、採用の面で個性が共通している求職者を発見しやすく、どの人材を確保すべきかが把握可能です。 […]

タレントマネジメント・人材管理

人材開発とは?人材育成との違いや種類について解説

労働人口が減少している現在、昔の時代と異なり豊富な人材を確保することが難しくなりました。そのため企業が生き延びるためには、人材の「量」ではなく「質」が求められています。今回紹介する「人材開発」は、社員の質を高めるためには重要な鍵となる施策であり、企業として必ずおさえるべきポイントといえるでしょう。 人材開発とは何か 指導や研修により、社員のスキルや知識だけでなく、人としての対応力を身につけることを「人材開発」といいます。さらに具体的に述べると、以下の2つに分類します。 知識を提供することを「教育」 スキルを身に付けさせることを「訓練」 この両方をうまく活用して、はじめてパフォーマンスを発揮するといえるでしょう。このポイントをおさえれば、社員のさらなる成長が期待できます。もちろん業界やチーム内で求められている能力は異なるので、それぞれに対応した点を中心に指導する必要があります。 人材開発と人材育成の違い 類似している言葉として、社員が足りていない能力を補う、あるいは新しいスキルを獲得するために実施する「人材育成」があげられます。この言葉は対象が若手の社員、あるいは管理職を指して使用する場合が多いです。反対に人材開発は、特定の社員を対象とするのではなく、すべての社員をターゲットとして使用します。 しかしどちらも「社員の能力を高める、スキルを身につける」という部分では、同じ言葉といえるでしょう。実際に使用するときは、両者を厳密に区別せずにどちらも同じような意味で扱うこともあります。 人材開発と組織開発の違い 人材開発とともに耳にする機会が多い言葉に、「組織開発」があります。これは、組織を対象にアプローチするもので、組織がより良い状態になることを目的とします。 例えば、従業員間のコミュニケーションの活性化を図るなどして、組織全体を活発にするなどの施策が挙げられるでしょう。 人材開発と組織開発は意味の異なる言葉ですが、両者は密接に関係しています。組織を構成している従業員の人材開発が不十分なまま、組織開発に取り組んでも期待する効果は得にくくなります。逆に、組織開発が不十分だと社内の雰囲気に悪影響を及ぼして、人材開発の進捗が悪くなる場合もあるでしょう。 人間の行動は、個人が持つ特性と個人が置かれた環境や状況が相互に作用して決まるとする「場の理論」をご存じでしょうか。これは、「組織開発の祖父」として親しまれる、ユダヤ系ドイツ人である心理学者クルト・レヴィンが提唱した理論です。 「場の理論」を企業に当てはめて考えてみましょう。従業員個人の能力や特性を伸ばす人材開発と、従業員が置かれる職場環境や社内の雰囲気や人間関係を改善する組織開発、両側面からのアプローチを行うことが重要だとわかるでしょう。 人材育成の対象と目的 入社して間もない社員を対象に、業務の基本となるスキルの定着を目的に実施します。具体的な項目として、以下があげられます。 WordやExcelといったソフトの操作スキル 他社員と意思疎通を図るためのスキル 時間管理スキル これらを修得した後は、それぞれのチームで必須となるスキルの獲得を目指します。対象が管理職の場合、マネジメントや適切な評価を下せるためのスキルが必要となるでしょう。その他にも業務配置の変更、あるいは職そのものの変化が起こったときも、新たな育成を実施します。 人材開発の対象と目的 特定の誰かを指定することはなく、対象は基本的にすべての社員であり、それぞれの能力の向上を目的に実施します。業務に対しての姿勢や考え方を見直すことでモチベーションを高めたり、今後のキャリアの選択肢を広げたりすることもあります。 人材育成と比べると目的の具体性に欠ける場面もあるため、社員が困惑することもあるでしょう。効果を最大化させるために、人事部を中心に取り組みを推進するだけでなく、他の社員と協力できるようなサポート体制の構築が大切です。 これからの人材開発に必要なこと 必要なことは3つあります。 組織開発と人材開発を同時に進める 人材開発の効果を最大限に発揮するためには、組織開発を同時進行することが欠かせません。人材開発と組織開発はお互いに影響しあっているため、どちらか一方だけ進めても思うような効果が得られないかもしれないのです。 同時進行する上で大切なのは、組織開発と人材開発を進める担当者同士がしっかり情報共有や議論を交わして連携することです。 もしも人材開発において「IT系に強い人材を育成したい」という目標があるとしたら、組織開発でもIT化やDX化などに取り組む必要があるでしょう。環境が整わないと、求める人材が育ちにくくなり、従業員個々の能力も伸びにくくなります。 社員が主体となる仕組み作り 人材開発を適切に進める上で重要なのが、従業員一人ひとりが主体性を持って取り組む仕組みや環境を整えることです。 人材開発では、強制的に研修時間を設けてセミナーや勉強会を受けさせるのは効果的ではありません。従業員個人の能力を伸ばし、必要な知識や経験が身につくように、従業員一人ひとりに合わせた実践の機会を提供するように心がけましょう。 何が成功して何が失敗したのか、その原因など、実体験を通して得た学びは従業員の成長の糧となるでしょう。だからこそ、従業員が自ら意欲的に学べる仕組みづくりに注力することをおすすめします。 しかし、従業員自身が経験を通して学びを得ることは容易ではありません。上司などによるコーチングや会話の機会を設けて、考え方や反省点などを導き出すサポートをしてあげるとより効果的です。 スキルアップのサポート体制を充実させる せっかくやる気を持ってスキルアップに取り組んでいても、小さなことで行き詰まって取り組みを中断してしまう従業員がいます。従業員がモチベーションを維持するためには、いざというときに相談できるメンターの存在が必要です。 企業が人材開発を推し進めるなら、社内のサポート体制を充実させることが成功の鍵となるでしょう。 企業ができるサポートとして効果的な施策は、メンター制度だけではありません。従業員一人ひとりが、各々の好みで伸ばすスキルを検討できる制度や社内環境を整えても良いでしょう。個々がそれぞれのキャリアプランを考えながら、自主的にスキルアップに取り組むことが大切です。 人材開発部の役割・仕事・ミッション ただ社員の開発を進めるだけでは思うような効果は得られません。ここでは以下の具体的な役割について理解しておきましょう。 経営戦略のブレイクダウン 人材開発のためのプラン作成 プランの実行 ①経営戦略・経営計画のブレイクダウン 現在行っている事業や今後の展望を見据えたうえで、細かい部分まで戦略を構築します。育成のために考えるポイントは、役職や立場によって異なるでしょう。経営に関係する部門では、以下のようなポイントについて検討します。 経営の視点で求められる社員について 条件に当てはまった人材を確保するためにはどのようなプランが必要か また現場の各チームでは以下のようなポイントを考えます。 業務に対してのモチベーションが高まるか 専門の知識・スキルを保有するための指導を行うべきか それぞれの視点を尊重しつつ、徐々にプランをすり合わせることが大切です。 ②人材開発計画の作成 今後の方針が決定したら、研修カリキュラムやプログラムを作成します。直近で成果を生み出すだけでなく、今後戦力として活躍するために長期的な視点を持ったプランニングを行うことも重要です。 現在主戦力として業務に携わっているベテラン・中堅社員の活用も大切ですが、世代変化に対応するためにも、若手の社員を中心にプランを進めていきましょう。また人材を効率よく成長させるには、最新の社会のトレンドも理解しつつ、新しい技術を柔軟に取り入れることをおすすめします。 […]

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タレントマネジメントシステムの魅力は?利用メリットと正しい選び方を解説

昨今では評価における考え方も変わり、人材を多角的に見る必要が出てきました。 そこで効率的に運用できるのがタレントマネジメントシステムです。企業のグローバル化や働き方改革にも対応できるとあって導入企業が増加しています。 今回は利用メリットや使える機能を中心に解説していきます。 タレントマネジメントシステムとは タレントマネジメントシステムとは社員のスキル・資質・才能など、目に見えにくい部分までをトータルで評価するシステムです。システムを使うことで一人一人に合った人材育成ができ、企業が求める人材へと成長させられます。 結果、個人の成長だけでなく企業全体が育っていけるのです。そのような理由から、タレントマネジメントシステムは近年最も注目されている人事システムと言ってもよいでしょう。 タレントマネジメントとは タレントマネジメントとは業績や経験だけでなく、従業員個々が持つ才能や潜在能力をトータルで管理する手法です。 タレントは人気者やテレビ出演者などといった意味もありますが、人事で言うタレントは個々の才能を意味します。そのため、特定のリーダーだけではなく、全社員が対象となるのは念頭に置いておきましょう。 また、タレントマネジメントは1990年代にアメリカでうまれ、2010年頃より日本で普及しはじめました。2010年代は団塊世代の大量退職に伴い、ゆとり世代が入社した時期。人事評価が大きく見直された背景もあり、徐々に浸透しはじめたのです。 タレントマネジメントの必要性 タレントマネジメントシステムの必要性は現代の人材戦略と大きく関係しています。企業のグローバル化に伴い、海外で活躍できる人材の育成が急務となりました。 ポテンシャルのある人材を効率的に見つけるには、表面上の業績や経験以外の能力も加味する必要があります。例えば「海外で生活していける忍耐力はあるか?」「外国人と話せるコミュニケーション力は備わっているか?」など、本人の性格やスキルなどに注目する必要が出てきました。 また、現在は人材不足の世の中であり、かんたんに質の高い人材を獲得するのは困難です。結果的に在籍社員の育成に舵を切る企業が大半。効率的に育成するには従業員が備えている能力やポテンシャルに注目する必要があります。 このような理由からタレントマネジメントシステムは重要視されているのです。 タレントマネジメントシステムの目的・メリット ここからは利用目的やメリットを解説します。 評価業務の自動化、効率化 タレントマネジメントシステムは評価業務を自動化してくれます。 例えば「入力したファイルを自動で別のファイルへ移行する」「能力採点をシステムが自動で組み合わせてくれる」などのメリットがあります。今までのような手入力による作業は減っていくでしょう。 加えて蓄積したデータをグラフ化やチャート化してくれるため、分析に掛かる時間も大幅に削減できるはずです。人事評価の効率化を目指す企業にとっては導入する価値はあります。 効果的、計画的な人材開発 システム上で人事評価が完結しているため、紙やエクセルを用意する手間が省けます。個人目標や達成具合なども一目で分かり、効率的に運用可能です。 また、人材育成計画も細かく設定できるため、育成担当者は現在どのような方針を取ったら良いかがすぐに分かります。例えば「入社1年目は営業件数を重視させる」「5年目はリーダー職を見据えて部下の育成に携わらせる」など、部下に対する行動が明確になるのです。 社員全員が目標持って行動できるのは人材開発にとって大きいと言えます。 最適な人材配置 システム上には全社員のデータベースが蓄積されています。そのため、在籍年数・所有スキル・経歴などが誰でも一目で確認可能です。 従業員にとって仕事がしやすくなるのはもちろん、管理者側は「誰にどの仕事を行ってもらうか」「今取り掛かっているプロジェクトは本人にとって合っているのか」が分かります。 会社全体の人材配置が的確に行えるのです。イメージが具体的に浮かび、結果が伴いやすいシステムと言えます。 モチベーションの維持、向上 面談やミーティングで話した内容も細かく記録されていきます。社員の不満や希望がシステム上に残されていくため、管理者側は問題解決に取り掛かりやすいのです。 例えば「3年営業をやっても結果が出ないから企画部に行きたい」と従業員から希望があれば、その内容をシステム上で企画部と共有できます。結果的に異動が叶えば本人のモチベーションアップにつながるでしょう。 このようにシステムを導入すれば、社員にとって気持ちよく働ける環境がつくれます。 定着率の向上 タレントマネジメントシステムは公平な評価が可能です。一般的な業績や経験年数以外にも、目には見えない貢献度がリアルに分かります。 そのため「表面上の営業成績だけが重視されて納得がいかない」「サポート役ももう少し評価してほしい」といった不満も少ないです。 結果的に離職者が減り、定着率が大きく向上します。定着率が上がれば周囲からの評判も高まり、優秀な人材も獲得しやすくなるもの。良い循環がうまれ、会社として大きく成長できます。 タレントマネジメントシステムの機能、できること ここからは利用可能な機能について解説します。 人材データベースの構築・管理(スキル管理) 最も代表的な機能はデータベースの構築や管理です。在籍社員の行動様式から性格まで一括管理できます。履歴書や職務経歴書なども保存できるため、書面をわざわざ確認する手間も省けるのです。 加えて蓄積したデータをもとに人材配置にも役立てられます。説得力のあるデータの活用により、社員から不満がうまれるケースも少なくなるはずです。 また、座席表や組織図などを図や画像としても管理できるため効率化へとつながるでしょう。 後継者管理 リーダー候補を見つけるのはむずかしいですが、そのような後継者管理もシステムで行えます。 まずシステム上で現リーダーのスキルや潜在能力を記録させておきます。その記録をもとにリーダーにふさわしい人物を社内で洗い出してくれるのです。もし後継者がいなくても、どんな人材を採用すれば後継者に適任かを教えてくれます。 また、リーダーをロールモデルとし人材育成することで、新しくリーダー候補を導けます。システムを効率的に使えば、後継者に困る瞬間は減っていくはずです。 目標、人事評価の管理 タレントマネジメントシステムでは全社員の目標や人事評価を一括管理できます。誰がいつどのような目標を立てたのかが一目で分かるのです。 管理者は従業員の目標を把握しておけば、的確なフィードバックを行えます。設定した目標と異なる行動を取っていれば、早急な軌道修正が可能になるのです。結果的に目標達成に大きく近づけます。 目標達成した社員の行動履歴をシステム上で全社員へ共有すれば、目標達成者は増えていくでしょう。 要員計画、配置シュミレーション 会社の戦略に基づいた要員計画や配置シミュレーションが可能です。 例えば「5年後には売上5000万円アップを目指していく」と希望を出せば、年間採用人数の目安を教えてくれます。加えてどの部署に何人配置すべきかを、該当部署の収益を計算した上で導き出してくれるのです。 とくに人材採用の経験が浅い企業や採用担当のスペシャリストがいない場合は頼もしい味方となってくれるでしょう。 […]

人材育成

主任技術者とは?特徴や監理技術者との違いを解説

建設業に携わる方は主任技術者と呼ばれる技術担当者を聞いた経験があるでしょう。工事現場においては配置が不可欠であり、これからなりたい方や工事に関係する人も仕事内容を知っておく必要があります。 そこで今回は主任技術者の特徴や業務内容を中心に解説していきます。 主任技術者とは? 主任技術者とは工事を行う際に配置を義務付けられている担当者です。建設業法には「建設業者は工事を請け負う際、建設現場の管理を行う技術者を配置しなければいけない」と記載があります。 要約すると工事現場ではリーダーを置き、リーダーの指示のもと業務にあたらなければいけないということです。 主任技術者の特徴 主任技術者は現場の管理や指導を行う立場の仕事です。この職種は、工場の規模や元請・下請に関係なく現場に配属する必要があります。 また、主任技術者になるには資格を取得するか実務経験の基準をクリアする必要があるため、後述する内容を確認しておきましょう。 主任技術者の業務内容 主な業務は労働者の管理・監督の仕事がメインです。依頼内容に沿って従業員へ指示を出し、完成に向けて舵を取っていきます。 とはいえ主任技術者は一般的なリーダーの仕事だけではありません。工事計画からはじまり品質管理や安全管理など、幅広い業務を担っています。 そのため主任技術者は負担も大きいですが、やりがいのある仕事と言えるでしょう。 専任と非専任の違い 専任と非専任の違いについて解説します。 専任と非専任は、建設業法第26条第3項により規定されています。 担当建設現場の数 まず最初の違いは担当建設現場数です。専任はその名の通りある特定の現場だけを担当します。他現場との兼任を認められていません。それは安全確保と適切な依頼遂行に向けた意図があるからです。 一方、非専任は一つの現場にとどまらず、複数の現場を受け持ちます。また、専任は一定の請負金額を超えた際に配置する必要があり、非専任とはそのような違いもあります。 具体的な請負金額の違いについて次から見ていきましょう。 工事請負金額 続いては具体的な工事請負金額の違いです。土木一式工事などであれば、3500万円が基準となり、基準を超える場合は専任担当者の配置が不可欠。 建築一式工事は7000万円が基準であり、基準を超える際は専任担当者が必要です。このように請負金額によって非専任で担当できるケースが異なります。事前に確認しておきましょう。 専任と非専任の工事規模 土木一式工事などの工事請負金額 建築一式工事の工事請負金額 専任の主任技術者が必要な工事規模 3,500万円以上 7,000万円以上 非専任の主任技術者でも可能な工事規模 3,500万円未満 7,000万円未満 非専任でも対応できるケース 非専任は前述したとおり、基本的には請負金額の基準を超える工事を担当できません。しかし例外があります。 例えば請負金額が基準を超える現場でも、それぞれの工事内容が深く関係していれば、専任技術者を非専任として複数現場を請け負えるのです。 また、工事内容が深く関係していなくても、それぞれの現場が近ければ二つ以上の現場を掛け持ちできます。 監理技術者とは 監理技術者とは主任技術者の仕事と大きく変わりませんが、請負金額が4000万円以上の場合は主任技術者に変わって配置が必要です。 請負金額の基準が上がるのとあわせて、主任技術者よりも求められるスキルが上がっていきます。事実、資格取得も困難となります。主任技術者であれば、担当する工事内容によって国家資格1級もしくは2級取得を所持していれば良かったです。 しかし監理技術者は国家資格1級の所持と限定されるため、さらなる知識や経験が必要になります。(一定期間以上の実務経験を積んでいても、資格取得用件を満たします) 監理技術者の業務内容 業務内容は指導や監督以外にも工程や品質管理などの職務も担います。 また、工事計画作成にも携わります。このあたりは主任技術者とほぼ変わりません。そのため主任技術者同様やりがいを感じられるでしょう。 一般建設業と特定建設業の違い 一般建設業と特定建設業の違いを説明していきましょう。二つの大きな違いは「工事を請け負っているかどうか?」が基準となります。 ある企業から依頼され自社で工事を行えば一般建設業。反対に工事依頼を出して実施してもらう場合は特定建設業です。それぞれ建設業許可が必要となるため、あらかじめ確認しておきましょう。 比較項目 主任技術者 監理技術者 資格 2級土木施工管理技士2級建築施工管理技士二級建築士 等(一般建設業許可の専任技術者要件と同一) 1級土木施工管理技士1級建築施工管理技士一級建築士監理技術者講習修了者 等(特定建設業許可の専任技術者要件と同一) 工事1件当たりの発注額 土木一式工事など […]

製造業特化