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ビジネスにおける日報とは?利用するメリットや注意点について解説

「日報」とは、毎日の仕事や作業内容をまとめるためのものです。正確にまとめることで上司や同僚に対してスムーズな意思疎通を行えるだけでなく、自己成長にもつながります。毎日の記載は面倒に感じるかもしれませんが、自分や企業の成長には欠かせないものといえるでしょう。

この記事では日報の書き方や効果、気をつけるべき点などについてご紹介します。企業と仕事の活性化を図りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

日報とは

毎日の仕事内容について記録する書類を日報といいます。ここでは、実際の現場ではどのような意味を持ち、どのような使い方をしているのかについてみていきましょう。

日報の意味

日報は、ただ淡々と毎日の仕事やイベントについて記載しておくだけではありません。仕事でうまくいった点やうまくいかなかった点について見直し、問題点に対してどのように改善すべきかを検討することが重要です。

このように、日報は企業が目指しているゴールに近づくためのものではなく、従業員のレベルアップにも大きく関係しているのです。従業員が率先して悩んでいる点や疑問点などを記載しておけば、日報の存在意義も大きくなるでしょう。

日報の目的

目的には、以下の点があげられます。

  • 仕事を見返して明日につなげる
  • 反省点を次に活かす
  • 従業員にアドバイスをする
  • 従業員間のやり取りをスピーディーにする

ただなんとなく記載しているだけでは、従業員にとって大きなメリットは生まれてきません。上記の目的を意識して記載すれば、日報で得られる効果も高くなるでしょう。企業ではどのような点が課題なのか、どのような点を重視したいのかを検討したうえで、明確な目的を選ぶことも大切です。

日報を書くメリット

実際に、日報にはどのような影響があるのでしょうか。ここではおもな内容について解説します。

成長につながる

従業員のスキルや仕事能力の向上につながります。その日にあった内容を端的に記載するのではあまり意味がありません。どのような改善点・反省点があったのか、目指していたゴールにどれくらい近づいたのかを記載することで、成長するヒントを得られるのです。

仕事内容の振り返りによって改善を繰り返していけば、今後の効率や生産性の向上にも期待できるでしょう。

情報共有、管理ができる

内容をチーム内で共有できる点も、大きな利点といえるでしょう。毎日のプロセスを管理しておくだけでなく、上司からのアドバイスや従業員同士のディスカッションにもつなげられます。

その結果、お互いのやり取りもスムーズとなり、仕事も効率的に行えます。とくに内勤だけでなく、外出の機会が多く直接やり取りができない従業員との情報交換の手段としても有効です。

PDCAサイクルを回せる

日報はPDCAをうまく回転させられるきっかけとなるので、仕事の効率アップにもつながるでしょう。サイクルを意識しながら記載することで、ゴールや仕事内容、反省点などが明確となります。以下の流れを意識しながら記載するのがおすすめです。

  • Plan:その日のゴール
  • Do:実施した仕事内容
  • Check:仕事内容の良かった点、改善点の抽出
  • Action:次回のゴール設定

このような流れで記載しておけば、より質の高い日報となるのでテンプレート化しておくのもいいでしょう。

ノウハウを蓄積できる

日報は従業員や上司からの知見の収集にもつながります。記載内容をシェアしておけば、仕事で見直すべき点やその対策方法などが知見として徐々に貯まります。知見が集まれば特定の仕事が以前よりもスムーズとなったり、属人的な作業が生まれるリスクを低下させたりできるでしょう。

さらに、仕事の引き継ぎの際にかかる時間の削減にも期待できます。知見をすぐに活かすためには、すぐに見つけられるような管理体制を作っておきましょう。

コミュニケーションが取れる

日報は、上司や他の従業員とのやり取りを円滑にするための手段でもあります。ただ記載して終わりにするのではなく、上司へのチェック・アドバイスをもらうことで、連携が取りやすくなります。

気になる点や困っている点などを記載することで、他の従業員とのやり取りも頻繁に行えるでしょう。また、外出の機会が多い従業員との連携をするためにも、日報でのやり取りは欠かせません。

日報に関する注意点

日報では、どのような点に気をつけるべきでしょうか。ここでは記載するときと確認するときの2つに分けてご紹介します。

書くときの注意点

まずは記載するときに気をつけるべきポイントをご紹介します。

当日中に書く

その日の出来事は、なるべく当日のうちに記載するようにしましょう。記憶が新しいうちに記載しておけば、仕事について振り返りやすくなり、他の従業員に細かい部分まで内容を伝えられます。

「今日はクタクタだから明日の朝書こう」とズルズルと延ばしてしまうと質の高い内容を記載できないうえ、他の従業員の迷惑にもつながる可能性もあります。できる限り「今日の仕事が終わったら日報に取り組む」というルーティンを作るようにしましょう。

必要な情報だけを書く

わかりやすく端的にまとめられた内容を記載しましょう。要らない情報が載っていたり、煩雑な文章だったりすると読み手にうまく伝わらない恐れがあります。

見やすい内容を記載するには「いつ・誰が・どこで・何をした」という情報を整理し、仕事面で伝えたい点を明確にすることが大切です。

日報の目的にあった内容をピックアップするだけでなく、仕事に必要ない情報は避けるようにしましょう。

テンプレートを活用する

あらかじめテンプレートを用意しておけば、何を伝えるべきか迷う必要がなくなります。書くべきポイントを把握しておくことで、他の従業員にも内容が伝わりやすくなるほか、慣れていない新人が記載する際もスムーズとなるでしょう。

一方で、記載内容が固定化されると、それ以外の情報の漏れが発生する可能性があるので、その点を踏まえたフォーマットにしておくのがおすすめです。どのようなパターンにするのかは企業のスタイルによって異なるため、事前に検討しておきましょう。

人に見せることを意識する

日報は他者への確認を行ってはじめて効果が高まるものなので、その点を意識しておきましょう。とくに以下のポイントに注意して記載しましょう。

  • 誰が見ても認識の違いがないような文章になっているか
  • 伝えるべき内容に漏れがないか
  • 文章ミスをしていないか
  • 数字の記載が誤っていないか

内容によってはチーム全体で共有が必須になるケースもあるので、1度記載したらあらためて見直すようにしましょう。

見るときの注意点

続いて、見るときに注意すべきポイントについてご紹介します。

叱責しない

上司は従業員に対して、日報の内容について厳しい指摘をしないように気をつけましょう。直接的なものではないとしても、日報は上司だけでなく、チーム内の従業員全員が見るものです。

当人は全員の前で怒られているのと同じ感覚となるため、ストレスが蓄積されて仕事の意欲低下につながります。フィードバックをする際は厳しくするのではなく、相手に寄り添った文言で伝えるように意識しましょう。

フィードバックを行う

日報をチェックしたときは、必ず内容についてコメントをしましょう。悩んでいる点や改善点などについてアドバイスを行うことで、従業員の新しい発見を促せます。

また、やり取りを繰り返し行えば、お互いの信頼関係の構築にもつながるでしょう。コメントをする際は端的に記載するのではなく、ポジティブな文言を意識したり、行動に対する深掘りをしたりすることが大切です。

資産情報という意識を持つ

日報の内容も重要な情報である点に注意しましょう。仕事や企業に関する重要な内容を記載しているケースが多いため、管理には十分に気をつける必要があります。「仕事について記録しただけのもの」というとらえ方で管理をずさんにしていると、情報漏洩のリスクが高まります。

紙媒体で管理している場合は、ページが破れて別の場所に紛れ込んだり、失くしてしまったりする可能性もあるでしょう。その場合は、電子媒体に変更するなどの対策をとりましょう。

日報の内容

実際にどのような内容を記載すべきなのでしょうか。ここでは具体的な流れについてご紹介します。

基本内容

まずは以下のようなベーシックな内容は記載しておきましょう。

  • 日にち
  • 記載者
  • 配属されているチーム
  • 仕事開始時間
  • 仕事終了時間
  • 勤務時間

企業としての生産性を高めるためにも、まずは土台となる上記の内容を忘れずに入れておくことが大切です。また、日報は情報をチェックして仕事の内容を把握するだけでなく、他のチームと共有して連携をとるケースもあるので、その点も意識して記載しましょう。

業務内容や結果

当日の仕事内容だけでなく、その結果どうなったのかまでを伝えられるのがベストです。具体的にどの場所でどのような仕事をしたのか、またどのような結果が得られたのかを明確に記載しましょう。内容がはっきりとまとめられていれば読む側も理解がしやすく、今後の対策も構築しやすくなります。

その際は定量的な指標があれば、さらに結果がわかりやすくなるでしょう。一方で、細かくしすぎると内容がわかりにくくなる可能性もあるので、必要な情報のみを詳細に抽出することが大切です。

所感

上記の内容だけでなく、仕事をした際に生まれた気づきや疑問、問題点などについても記載しましょう。この情報を加えることで、その後の仕事の効率が高まり、企業の生産性向上につながるきっかけとなります。

その際は、ただ自分の感想で完結するのは好ましくありません。「〜だったので、〜の対策が必要だ」「〜をすれば、〜の効果が期待できる」などの分析をすれば、より実りのある日報となるでしょう。

日報を共有する手段

どのような方法で日報を企業内で共有しているのでしょうか。ここではおもに使用されているツールについてご紹介します。

メール、チャットツール

メールをはじめとしたツールは扱いやすく、多くの企業で活用されています。メールは操作も簡易であり、誰でも使用しやすい利点があります。一方で、大量のメッセージを受け取っている場合は日報の情報が埋もれてしまい、探し出すのに時間がかかるという難点もあるのです。

そのため、報告の有無がわかりにくく、手間がかかりやすい点には注意しましょう。受信した方しか内容をチェックできない点も含めて、何かしらの対策をとる必要があります。

WordやExcel

Wordをはじめとしたツールには、日報に適した形式が用意されているので、それを活用するのも1つの手段です。1から記載内容の形式を作成したくない方や、文章をスムーズにまとめたい方にはおすすめです。

しかし、共有するには別のツールを使用する必要があるので、工程に一手間かかってしまうのがネックといえます。修正の手間もかかるので、使いやすさには一長一短あります。

グループウェア

グループウェアに備わっている日報を活用すれば、記載も共有もスムーズとなりやすいです。企業全体で同じ形式になっているので、従業員全員が操作に慣れやすいものもいい点です。

また情報をリアルタイムで伝えられるため、迅速な対応も取りやすく、仕事の効率化にもつながりやすいといえます。企業ごとの便利機能も搭載されている点も含めて、他のツールよりも比較的扱いやすいといえるでしょう。

日報管理システム

専用のシステムの活用もおすすめです。日報の記載・管理はもちろん、情報をデータベースに保管し、いつでも抽出・分析が可能です。

そのため、気になる情報をすぐに取り出したり、貯まったデータを分析して新しい戦略を構築したりなどの活用ができます。パソコン上だけでなく、スマホからでも操作できるサービスもあるので、企業にマッチした種類を探してみましょう。

なかには紙媒体で運用している企業もあるのでしょうか。紙媒体では取り扱いが便利な反面、アナログによる弊害も多いといえます。

たとえば、書き直しに時間がかかる、紛失のリスクが高いなどの点があげられます。そのため、紙媒体から電子での管理に切り替えるかをよく考える必要があるでしょう。

ペーパーレス化が推進している今、可能であれば別の方法での管理がおすすめです。

注意点を意識して日報を書いてみましょう

日報はチームの意思疎通だけでなく、業務改善をするために欠かせないものです。毎日の仕事内容や気になったこと、改善点をまとめることで、企業の飛躍にもつながります。

しかし、記載の仕方を誤ると効果が薄れたり、逆効果になったりする恐れもあるでしょう。そのため、必要な情報を正確かつ網羅的にまとめることが大切です。今回の記事を踏まえたうえで、日報の重要度をあらためておさえておきましょう。