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企業文化を醸成・浸透する方法とは?

企業文化を醸成・浸透する方法とは?必要性や方法を徹底解説!

今の企業文化をうまく醸成・浸透する方法が分からないという人は少なくありません。企業文化を浸透させようとしたが、社内にうまく広まらなかったという経験がある方も多いと思います。 本記事では、企業文化とはそもそも何なのかという基礎知識に加え、必要性や企業文化を醸成・浸透させる5つのポイントをピックアップして紹介します。 この記事で知ったポイントを活かして、自社の企業文化の醸成、浸透を目指せます。 企業文化とは? そもそも企業文化とは何を指しているのかと疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。ここでは、企業文化の基礎知識と企業風土との違いを解説します。 具体的には、具体的な意味やビジネスの影響度を例に沿って紹介します。自社の企業文化の醸成、浸透にあたり、基礎的な知識の習得に興味があるという方はこの内容を確認してみましょう。 企業文化とは 「企業と社員の間で共有される独自の価値観や行動のあり方」のことを指します。創設時から経営者によって、蓄積された実績や経営方針や行動指針から無意識的にも意識的にも形成されることが特徴です。 当たり前ですが、1社1社異なる企業文化を持っています。意識的に変革することも可能で、変革したい場合の方法として、経営者が行動指針を変更、作成し、共有することがほとんどです。 企業活動の影響も大きいものです。例として、顧客への対応の仕方や外部企業との関わり方にも企業文化によって成り立つものです。例として、お客様の対応でも「お客様にありがとうと言ってもらえる対応をする」という独自の文化があるとしたら、社員は影響を受けた応対になるでしょう。 企業と社員の間で理想とする文化を作り出せれば、長きに渡り存続する会社を作り上げることができます。 企業風土との違い 企業文化ではなく、企業風土という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。企業風土は企業文化とは異なる意味を持ちます。 相違点として影響を受ける対象が異なります。具体的には、企業文化は前述で紹介したように「企業と社員の間で共有される独自の価値観や行動のあり方」であるのに対して、企業風土は「一緒に働く社員同士の人間関係が基盤となり作り上げられる規範、人間関係」のことです。 具体的な例を挙げるとすれば、同じ会社の営業部と総務部では、関わる人間関係が異なり、部署内でのルールも異なるでしょう。 企業文化は変革が可能ですが、企業風土は人間関係が基盤となり作られたものであり、意識的に変革することは困難です。 企業文化が必要な理由 そもそも企業文化はどうして必要なのかと疑問を持つ方も少なくないでしょう。 ここからは、企業文化が必要な理由を3つに分けて紹介します。「社員にとって共通の指針になる」をはじめとした3つの理由をピックアップしました。 企業内での課題を文化の浸透で解決したいと思っている方は必要性を理解したうえで、企業文化の醸成・浸透に取り組んでみましょう。 社員にとって共通の指針になる 必要性の理由の一つに「社員にとって共通の指針になる」ことが挙げられます。 全社員が自覚を持って共通の行動指針としていた場合、社内全体の指針として機能します。全社員が物事を決定する時の第一原則にすることができ、迅速な判断が可能です。具体的に社員がどう判断したらいいか迷う時や優先順位が分からなくなった時でも指針沿って判断することが可能です。 企業文化である行動指針が社員にとって共通の指針になることで、迅速な判断ができる強い組織を目指せます。 社員のパフォーマンス・モチベーションの向上 明確な企業文化があることで、理念や指針に沿って自主的に行動する人材が出てきます。社員自身も言われてからやるわけではなく、自分で考えて行動することが多いので、モチベーション向上につながるでしょう。 一例として、株式会社リクルートでは「個の尊重」という企業文化が浸透。一人ひとりの能力を引き出すために、自主的な判断に任せているやりとりも多く、高い当事者意識でモチベーションの向上に成功しています。 文化の浸透により自主的に行動する人材が増え、パフォーマンス・モチベーションの向上につながることから、高い必要性を感じます。 企業内での一体感が高まる 企業内で同様のルールや価値観があれば、目的や目標も全社で一緒になります。一人ひとりが違う仕事をしていても、一つの目標に向かって一体感をもって取り組むことができ、チームワークが高まることが期待されます。 具体的に、トヨタ自動車株式会社では、「知恵と改善」「人間的尊重」という企業文化が浸透しています。何か問題が生じると作業を中断し、全員が問題解決に全力で取り組む姿勢は、企業文化の浸透の賜物といえるでしょう。 このように企業文化を浸透させることで、企業内での一体感が高まります。目標に向かって全員で取り組んでいくため、社員のモチベーション向上も見込めるでしょう。 企業文化を醸成・浸透させるために 行動指針を作成したが、醸成・浸透がうまくいっていないという方も少なくないでしょう。 ここからは、企業文化を醸成・浸透させる方法として、行動指針の明文化をはじめとした以下5つをピックアップして紹介します。醸成・浸透に悩みを抱えている方はここからの内容を読むことで、具体的なポイントを把握できるでしょう。 行動指針の明文化 まずは「行動指針の明文化」が方法の1つとして挙げられます。行動指針とは、自社の理念やビジョンを実現させるための行動のルールをまとめたものです。文書として書き起こすことで、社員が共通の認識を持つことにつながります。 スーパーを運営するイトーヨーカドーでは、「安全で高品質な商品、サービスの提供」をはじめとした7つの行動指針を設定しています。店舗に関わる社員だけではなく、全社共有の行動指針に基づいて行動をしています。 行動指針を自社の社員が理解できるように、書き出し伝えることも企業文化を醸成・浸透させるために必要な方法です。 経営者が自らの言葉で従業員に伝える 経営者が自分の言葉で社員に伝えることも重要な方法の一つです。 会社のリーダーとして、自分の声を発信していくことで従業員の理解度も高まるでしょう。人数が少ない企業であれば、時間をとって全社員に伝えることも可能ですが、中規模、大規模な企業であれば、それぞれの各部門のリーダークラスに伝え、そこから社員へ伝達していく方法もあるでしょう。 具体的な方法としては、年に一回開催される社員総会や全体会議などで全社員に共有する方法もあります。昨今では、オンラインも主流になりつつあるため、録画した言葉を全社員に共有するというのも一つの手です。 経営者自らが企業文化を語ることで社員との齟齬も生まれにくくなるため、より社内全体の醸成・浸透に近づける手法といえるでしょう。 社内コミュニケーションの円滑化 文化の醸成・浸透には、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れることも重要です。具体的には、オフィス環境に整えることやオンラインツールの導入が考えられます。 日本航空株式会社(JAL)では、「人・モノを滞留させない」という指針に基づき、フリーアドレス制度を取り入れています。管理部門や企画部門など12を超える部署で導入をしており、社員の活発な情報共有につながっています。 このように、企業文化に適したオフィスに変化することで社内のコミュニケーションが円滑になり、企業文化の醸成・浸透につながります。 研修などの実施 研修を実施するのも方法の一つです。特に入社したばかりの新卒社員や中途入社の社員は、企業文化を知らないことも多いです。新人社員研修などで見える化することも醸成・浸透させるには重要です。 研修の一環として、企業文化・理念浸透ワークショップをしている企業もあります。企業文化を共有し、具体的に実践している行動をグループで一人ひとり紹介するという内容になっています。 研修を実施することで、今まで企業文化になじみがなかった層にも醸成・浸透させることができます。 企業文化に沿った社内制度作り 社内制度作りも重要な方法です。具体的な方法として、福利厚生や自社でのイベントを自社の文化に即したものにすることや人事評価制度の変更が挙げられます。福利厚生・自社でのイベントは社員の目に触れる機会が多いため、浸透・醸成を図れます。 「人材の成長=企業の成長」というカルチャーを持つサイバーエージェントでは、カルチャー推進室という企業文化の浸透を目的とする部署があり、自社の中で行われたイベントや文化に沿った新しい取り組みを社内報で紹介しています。 […]

人事労務・制度設計・運用
人材マネジメントの目的とは?

人材マネジメントの目的とは?役立つフレームワークのまとめ

組織としての競争力を高めるためには、社員一人ひとりのモチベーションを上げて、雇用管理を徹底することが必要になります。たとえ優秀なスキルを持った人材を雇用できたとしても、会社の環境やマネジメントが甘くなっているとモチベーションが低下してしまい、生産性の低下や離職につながるケースもあります。本記事では、人材マネジメントについて解説したのちに、役立つフレームワークをいくつかご紹介します。 人材マネジメントとは ビジョンの達成や組織の持続的な競争力を目的として、社員一人ひとりのやる気向上や有効的な人材活用を目指すための管理のことです。具体的には、研修や面談などで人材育成を行ったり、労働に見合った報酬や評価を与えたり、配置転換を行うといったことが挙げられます。これらのプロセスをまとめて「人材マネジメント」と呼び、このプロセスを繰り返すことが重要とされています。 ⇒人材マネジメントについて詳しく知りたい方はこちら 人材マネジメントの目的 上でも述べたように、人材マネジメントの目的は「企業の生産力や競争力、ビジョンの達成のための長期的な人材育成」とされています。人材の採用計画から始まり、どのような人材を取り入れるのか、どの部署に配置し、どのような活躍をしてもらうのかまで見据えて考えることで、人材マネジメントが成功しやすくなるでしょう。 人材を公平・正確に評価、処遇 評価の基準を明確に定めておき、可能な限りフェアに評価することが重要視されています。人材マネジメントの短期的な目的がこれに当たります。フェアな評価を行われていることが明らかになれば、社員は目標やノルマに向けて力を入れることが可能になり、モチベーションの維持を図ることができるでしょう。 人材の獲得・育成・異動 企業にとって大きな利益をもたらし、持続的な競争力の優位性を実現するためには「優れた人材」が求められることでしょう。ですがそのような人材を採用することは容易ではなく、短期間では実現不可能とも言えます。そのため中長期的な目的として、社内で育成するための方法を考えることが重要となります。 日本における人材マネジメントの特徴 海外ではあまり見られない、日本ならではの人材マネジメントの特徴とはどのようなものなのでしょうか。年功序列や雇用形態による処遇の格差などいくつかありますが、大きく分けて3つご紹介します。 処遇が職務内容やパフォーマンスによって決まらない 最も知られているであろう特徴の1つで、職務内容によらず賃金などの処遇が決まってしまうというものです。年功序列がその一例であり、長く勤めている社員は成果を出している若手社員よりも多くの賃金をもらえるケースが多いという企業が根深く残っています。 また雇用形態の違いにおいても、正規か非正規かで賃金に格差が生じてしまうケースも多いです。 雇用形態による格差が激しい 雇用形態による賃金の違いがあると説明しましたが、その差は大企業であるほど大きいようです。非正規雇用には、パートやアルバイト、派遣労働者があります。中には正規雇用の社員が受け取る賃金の半分程度しかもらえないというケースもあります。正規雇用であれば当然採用されていた「年功序列」も非正規雇用社員には採用されず、長く勤めていたとしても賃金が大きく増加するということはありません。 企業規模の違いによる格差がある 大企業と中小企業の間にある格差も、日本ならではの人材マネジメントの特徴となっています。中小企業の中には労働組合といった組織が存在しない場合が少なくなく、その影響により不当な解雇や劣悪な労働環境、過酷な労働時間などが問題となっています。賃金の上昇率も企業規模の違いが大きく影響し、年齢や在職年数が増えるほど、その格差は顕著なものとなります。 人材マネジメントに役立つフレームワーク ここでは人材マネジメントに有効的なフレームワークを4つご紹介します。人事戦略において役立つ枠組みを活用すれば、企業の課題を1つ1つ突き止めることができ、適正な解決策を練ることができるでしょう。 ロジックツリー 名称の通り、このフレームワークでは1つの大きな課題を木の幹に見立てて、そこから枝状に小さな課題として細分化します。それぞれの枝にもさらに小枝を書き加え、課題を見つけていきます。1つ1つの小さな課題を解決することで、大きな課題を解決することが目的です。見えてきた課題の解決策をいきなり考えるのではなく、まずはいくつかの要素に分けて考えることが成功のポイントです。最もポピュラーなフレームワークなので、覚えておくと役立つでしょう。 SWOT分析 「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の頭文字を合わせてできたフレームワークの言葉です。自社を取り巻く外部環境と、自社の内部環境をそれぞれプラス面とマイナス面に分けて分析する手法となります。外部環境には政治・経済情勢や市場、競合他社などがあり、内部環境には商品価格や技術力、ブランド力などがあります。客観的に自社の課題分析をすることができるため、資源の最適化にも効果的です。こちらも有名な手法であり、多くの課題のケースに当てはめることができるため、必ず覚えておきましょう。 TOWS分析 こちらのフレームワークも同様に、「強み」「弱み」「機会」「脅威」に分けて分析する手法です。SWOT分析と異なる点は、強み・弱みを機会・脅威に密に結びつけて分析するというところにあります。SWOT分析でリストアップした現状分析の項目を掛け合わせて、より具体的な解決策を立案することができます。例えば、商品の品揃えが豊富という「強み」とモバイルユーザーの増加という「機会」を掛け合わせて、オリジナリティのある対策案を考えることができます。 プロダクトポートフォリオマネジメント PPMと略されるこの手法は、社員を会社の大事な資源としてみなした上で、適材適所の配置を行うための分析とされています。事業や製品を「花形」「負け犬」「金のなる木」「問題児」の4つのカテゴリに分類し、経営資源の最適配分を意思決定します。市場成長率と市場占有率のマトリックスによって分析します。例えば市場成長率が高く、市場占有率が低い事業は「負け犬」として分類され、将来的には撤退せざるを得ない評価を受けます。 人材マネジメントと人事評価システム 人材マネジメントを効率的に行うためには、適正かつ公平な人事評価のデータが必要です。公平な人事評価を行うためには、社員一人ひとりの成果目標やその目標達成率、業務の進捗率を正確に記録することが必要となります。これらの作業は人の手で行うとすると非常に手間であり、多くの時間を費やさなければなりません。そのような負担を軽減する「人事評価システム」の導入を検討す企業は増えており、本来業務の一環として行なっていた時間を他の業務に利用できるというメリットもあります。 まとめ 企業の経営戦略として、「人材マネジメント」は非常に効果的な手法です。新たに採用した社員がたとえ優秀だったとしても、劣悪な労働環境や育成システムが充実していなければ、モチベーションの低下につながってしまいます。企業の競争力を高く維持するためにも今回ご紹介したフレームワークを活用し、是非とも自社での人材マネジメントにご活用ください。また効率的なマネジメントのためにも、人事評価システムの導入を同時に検討してみてはいかがでしょうか。 スキルナビ編集部

人材育成
人事評価の目的は?

人事評価の目的は?特徴や狙いについて徹底解説

近年、人事評価制度の目的について改めて向き合う必要が出てきました。なぜなら、従業員のスキルアップや生産性向上には正しい考課が不可欠だからです。実際に評価の目的を把握してる企業は社員のモチベーションが高いと言えます。今回は人事評価制度の特徴や狙いについて見ていきましょう。 人事評価制度とは 人事評価制度とは企業が定めた評価項目に対して、どれだけ社員が達成しているかを測るシステムです。達成度合いに応じてボーナスやインセンティブが決まります。社員のやる気につなげたり、公平に査定したりする目的で導入されているのです。最終的には会社全体の業績アップに繋がるため、評価制度について見直す企業が増加中と言えるでしょう。また、評価が行われるタイミングは企業によって異なります。一般的には半年や1年に一度が多く、上司から部下に対して落とし込まれます。日々の行動・査定理由・来期に向けての目標などをすり合わせ、振り返りと改善を行っていくのです。社員・会社共に成長していくためには、人事評価制度を常に見直す必要があるでしょう。 人事評価の種類 人事評価には業績・能力・情意評価の3種類があります。業績評価は期初に定めた目標がどの程度達成したかを見るシステムです。例えば「目標1,000万円の営業目標に対して1,200万円で達成。A評価。」「売上目標100件に対して90件達成。B評価」など、達成度合いをランク付けしていくのが一般的。各ランクに対して給与が決まっていきます。営業や販売などの数字で見やすい職種が業績評価を重視しやすいです。能力評価は数字や文字ではあらわせない、個人のスキルを測るシステム。例えば「クレーマーへ丁寧かつ迅速に対応できた」「社内の全部署と円滑にコミュニケーションを取っている」など、評価項目以外のスキルを見ていきます。業績評価と違い、見える化しにくい評価のため、あらかじめ基準を定めておくと良いでしょう。最後の情意評価は仕事に対する姿勢と心構えを測るシステムです。例えば「遅刻や無断欠勤はないか」「指示どおりに業務を行っているか」など、普段の生活態度を見ていきます。とくに一般職であれば、上記の項目に加えて積極性を見られるケースも多いでしょう。プレゼンでの発言や新規プロジェクトへの参加などを参考にする企業もあります。情意評価は上司の感情が入る場合もあるため、同僚や部下の意見や発言も参考にすると良いです。 ⇒人事評価と人事考課の違いについて詳しく知りたい方はこちら 人事評価制度の目的 人事評価制度の目的は以下のとおりです。 従業員の適正評価 人事評価制度は従業員の業務内容を正しく判断するためにあります。万が一評価制度がなく、上司の独断と偏見で格付けをされれば、社内で不満が生じるでしょう。たとえ仕事で結果を出しても、上司の好みに合致していないと評価されません。そのため、評価制度を設け、全社員に対して真っ当な評価を下し、モチベーションを維持しているのです。ストレスなく社員が活躍している会社は評価が適正であると言えるでしょう。また、正当な評価をするにはバランスの良い評価づくりが重要です。前述の業績・能力・情意評価のつり合いを取り、誰もが正しく評価される必要があります。例えば「営業成績は良いけど、普段から遅刻ばかりする」「他の部署と良好なコミュニケーションを取れているが、実績が伴っていない」などの社員がいるかもしれません。そんな社員に対しても、全体を考えた評価が大切になります。人事評価制度は従業員を適正に評価するシステムであり、運用するための仕組み作りも必要なのです。 会社が期待する行動や成果の表明 人事評価制度は会社が期待する行動や成果の表明としても用いられます。評価項目に会社の想いを組み込めば、社員が希望通りに業務に取り組んでくれるでしょう。企業のビジョンや狙いを全従業員へ共有するのはむずかしいもの。管理職であれば将来の展望を理解していますが、経営層から遠い一般職は認識していない可能性が高いです。とくに普段幹部と関わりが少ない社員ほど、会社が期待する行動とは違った業務を行ってしまうかもしれません。そのため、日常表舞台に出にくい社員にも理念やビジョンを共有する必要があります。人事評価制度なら会社の想いを上手く取り入れられるのです。例えば「仕事はスピードよりも丁寧さを重視する」「分からない内容はすぐに他の社員へ相談する」「目の前のお客様を大切にする」などを盛り込むと、別行動を取る社員は少なくなります。統一感が取れずに困っている企業も、人事評価制度を見直せば、調和が取れた会社へと生まれ変わるでしょう。 仕事の生産性向上 人事評価の導入・改善を行えば、仕事の生産性が向上します。従業員へボーナスやインセンティブの基準を定めると、目標に向かって邁進してくれるでしょう。例えば「どうやったら営業成績を上げられるか?」「どの工程を削って全体の業務時間を削れるか?」「考えると無駄な会議や商談が多かった」など、一人ひとりが業務の取り組み方について見直してくれます。効率化が実現すれば新たな時間がうまれるでしょう。つくった時間で読書・セミナー・副業などでスキルアップを行っても良いです。自己研鑽の時間が増えればライバルと差をつけられ、昇進や昇給の可能性が高くなります。さらに、生産性が向上するのは社員だけではありません。会社全体の効率化もスムーズになります。社員間で効率化の意識が芽生えると、相乗効果で仕事の省力化が実現するでしょう。人・物・時間を有効活用し、限られた資源の中で最大限の結果を求めていきます。業務の自動化に取り組む社員も現れるかもしれません。人事評価の導入・改善を行えば、仕事の生産性向上が見込めます。 従業員のスキルアップ 人事評価制度は従業員のスキルアップにつながります。目標の達成度が分かれば、育成の判断材料になるでしょう。例えば「弱みを克服するためにはどんな育成をするか?」「強みを伸ばして業績を上げてもらおう」「リーダーとして育ってもらい、会社を引っ張ってもらおう」など、社員の可視化につながるのです。さらに、分析した内容をもとにスキルアップが見込め、社員の成長スピードを実感できます。成長すれば業務を効率的にまわせ、日常の取り組みに対して自信を持てます。結果、社員が一回りも二回りも成長できるのです。また、従業員がスキルアップすると企業側にとっても大きなメリットがあります。取引先から評価され、新規顧客の獲得をさらに狙えるでしょう。業界で知名度が広がると優秀な社員を採用でき、離職率改善にもつながります。以上のように、従業員のスキルアップを実現できれば、全体に好影響をもたらすのです。人事評価制度を見直して社員の成長を促してみましょう。 従業員の職階や待遇を決める 人事評価制度は従業員の職階や待遇を決めるためにあります。昇給・昇格基準が明確であれば、社員はモチベーション高く働いてくれるでしょう。例えば「今期あと1,000万円売れば昇給できる」「来年は50件販売して係長への昇格を目指そう」「プロジェクトで積極的にリーダーシップを取ってランクアップを狙おう」など。待遇の基準が明確であれば、目標高く日々働いてくれます。特に最近の人事制度は能力主義とうたわれているものの、依然として年功序列が色濃く残っているのです。普段業績をあげているにもかかわらず、評価されなければ不満の声があがります。結果、優秀な社員の離職につながり、会社の新陳代謝はうまれません。実際に人事評価制度により待遇や報酬が明確になっている企業は、社員が目標に向かって日々活動的に働いています。業績が上がり続けている企業は、やはり社員のモチベーションが高いと言えます。評価制度を導入・改善し、従業員の職階や待遇を決めていきましょう。 評価をフィードバックして、コミュニケーションを図る 人事評価制度の導入・改善を行えば、評価をフィードバックし、コミュニケーションを図れます。日常業務の中で正式に上司と話し合う機会は少ないでしょう。ましてや上司と一緒に自身の弱みや長所を振り返るケースはほぼありません。評価制度ではそんな普段言いづらい内容もざっくばらんに話せます。部下にとっては「なぜ給料が上がらないのか?」「頑張っても昇格できないのはなぜ?」などの問題も防げるはずです。課題が明確になるとモチベーション高く働けます。また、人事評価の場ではフィードバックだけでなく、コミュニケーションの場としても役立ちます。日常業務の不安や疑問・人間関係の悩み・業績アップに向けた改善点などを話し合ってみると良いでしょう。すっきりした気分で業務へ取り組むと、効率も上がっていきます。また、部下の疑問や悩みは上司にとって好材料です。組織や会社全体が大きく成長できるチャンス。ひとつひとつクリアにしていけば、さらに生産性の高い会社がうまれます。 まとめ 人事評価制度は設定した項目に対しての達成度を測るシステムです。業績・能力・情意評価の3種類があり、全体を見てバランス良く定める必要があります。また、評価制度は従業員を正しく評価し、成長を促すには最良の制度です。まずは評価制度について見直し・改善を行っていき、未採用企業は導入を検討していきましょう。 スキルナビ編集部

人事評価・評価制度
人材管理ツールのメリット、デメリット

【徹底解説】人材管理ツールのメリット、デメリットについて解説!

人材管理ツールを導入したら会社にとってどんな良いことがあるのだろう。導入してみたいが費用感が気になる。人材管理ツールに対してそんな思いを持っている方は少なくありません。今回は、人材管理ツールの基本知識を得るためにメリット5つとデメリット2つに加えて、導入時のポイントを紹介します。 人材管理ツールとは 人材管理ツールとは「従業員の人事に関するデータを “見える化” して管理するシステム」のことです。社員のスキルや経歴を一覧にして管理できます。また、人事評価や社員のスキル・経歴までを1つのシステムで完結できるため、社内での戦力的な人材配置に役立つツールです。 人材管理ツールができた背景として、今後の企業の人的資源が不足する懸念が挙げられます。総務省の労働力調査によると、労働力人口は2020年の結果で6868万人ですが、厚生労働省の人口推移のデータによると、2065年には3946万人にまで減少するといわれています。 人材不足になる中、企業が生き残るには一人ひとりの従業員を大切にしていくことが重要です。人材管理ツールを使って人事管理をすることは、企業の人的資源活用の鍵となるでしょう。 ⇒人材管理について詳しく知りたい方はこちら 人材管理ツールを導入するメリット 人材管理ツールを導入すると、どんなメリットがあるか気になる方も多いですよね。実際に使用する人事担当者であれば利便性も気にかかりますし、経営者としては費用対効果も気になるポイントだと思います。 ここからは、人材管理ツール導入のメリットを人材情報の管理をはじめとした5つに分けて紹介します。 人材情報の管理 人材管理ツールを導入することで1つのシステムを見るだけで、人材情報の管理が可能です。具体的には、従業員の社内での実績をはじめ、過去の人事評価やスキル、過去の経歴なども1つのシステムで管理できます。今まで紙やExcelなど複数のツールで人事情報を管理していた会社では、業務の効率化を図ることが可能です。また、今までのスキル・経歴が一目で分かるため、戦略的な人員配置の手助けにもなるでしょう。 給与の決定 人材管理ツールの使用で人事評価が見える化され、全員が納得した給与決定が可能です。人事評価は従業員のモチベーションにも関わる部分です。今まで明確な評価基準がなく、給与や賞与の基準がない企業でも人材管理ツールの使用で、目標達成率や実績が明確に示されます。仕事の評価に応じた適正な給与設計が可能となるでしょう。 また、経営者であれば人件費がどのくらいかかるかというのは大きな問題です。人材管理ツールでは人件費シミュレーションも可能。過去・現在・未来でどのくらい人件費がかかるのか把握できます。 新しい人材の発掘 人材管理ツールを使えば、現在活躍中の社員の特徴や経歴を確認可能です。早期に活躍する社員の人物像が明確化され、採用基準がはっきりします。また、採用人数もどこの部署で何名不足しているかシステム1つで分かるので利便性の高さがうかがえます。 採用だけではなく、自社の人事異動でも同じことがいえます。部署で活躍中の人材と近しい特徴をもつ社員を把握し、より活躍できそうな部署への配置転換が可能。人事異動の根拠にもなります。 人材管理ツールを利用することで、適切な人材の活用と発掘に役立つでしょう。 従業員の育成 人材管理ツールは社員がどこまでのスキルを持っているかの確認にも役立ちます。ある程度の社歴を積んだら、マネージャーや部長クラスへ昇進するといった人事配置をしていた会社もあると思います。ただ、社歴だけではスキルバランスは理解しにくいのも現状です。 人材管理ツールを使うことによって、数値や点数でスキル情報を確認することが可能です。スキル管理表と呼ばれるものです。具体的なスキル名を入れた表を作成し、社員を紐づけることで誰がどのくらい、どういうスキルを持っているのか見える化されます。 足りないスキルを知ることで、適切な研修やスキルアップのための施策を打てるため、会社全体の底上げにもつながるでしょう。 従業員のモチベーション管理 従業員の離職に悩んでいる企業も少なくありません。離職のお悩みには、人材管理ツールを使って従業員のモチベーション管理がおすすめです。人材管理ツールでは、定期的に従業員サーベイをし、社員のコンディションを管理できます。 従業員サーベイの結果を確認し、コンディションの悪い該当社員をピックアップ。人事と現場が二人三脚で、該当社員のモチベーション向上に取り組んでいる事例もあります。 コンディションの悪い社員を把握することで、悩みや不満を解消。結果的に離職率を下げることにつながります。会社にとって重要な人的資源を失わないため、従業員のモチベーション管理は重要です。 人材管理ツールを導入するデメリット 前述では人材管理ツール導入に関するメリットを挙げてきましたが、検討する上でデメリットも知ってから導入したいという声も少なくありません。ここでは、デメリットとして導入の難易度とセキュリティ面に対する不安の2つをピックアップして説明します。 導入の難易度 具体的に導入すると、コストと実際に使いこなせるのかという2つのポイントが気になる方は少なくありません。人材管理サービスは、「クラウド型」と「オンプレミス型」に分かれ、それぞれ費用も異なります。使える機能や使う人数によって金額も違いますので、プランや金額などを熟知し、複数のシステムを検討する必要があります。 導入の難易度を下げるためにも金額や実際に使えるものなのかしっかり確認して導入しましょう。 セキュリティ面に対する不安 従業員の情報は個人情報の管理となるため、社内の情報の中でも情報漏えいには最も気を付けないといけない分野。不安に思う方の気持ちも分かります。 人材管理サービスのセキュリティを実際に見ると、人材管理ツール2段階認証でセキュリティを強化しているサービスや遠隔操作でデータの外部流出を阻止するシステム。さらに、情報セキュリティの国際規格認証を取得している会社もあります。 導入するシステムがどんなセキュリティ対策をしているか、理解して導入することが重要です。 人材管理ツールを選ぶ時のポイント 実際に人材管理ツールを選定するタイミングになった時、どうやって選べばいいのだろうと思う方がほとんどですよね。ここからは、使いやすさをはじめとした人材管理ツールを選ぶ時のポイントを4つ紹介します。これを読むことで後悔しない人材管理ツールの選び方を確認できます。 使いやすさ 一番重要だといえる選定時のポイントは使いやすさです。導入後、使いにくさを感じるのは悲しいですよね。そこで、使いやすさを試すために導入前の無料トライアルをおすすめします。 実際に画面を見て無料トライアル期間中に作業することで使用感の確認が可能。導入後の後悔を減らすことができます。人材管理ツールを扱っている会社に、具体的にどんな用途で使用するのか現状の課題を共有することで提案時に使い方を教えてくれる場合もあります。 導入後、使いにくさから生産性が下がったり、人材管理ができなかったりということがないように導入前に使用感は確認しておきましょう。 自社に必要な機能が搭載されているか 導入前に自社に必要な機能が搭載されているか確認することも重要です。人材管理ツールの中でも人事評価、採用、人材管理など搭載されている機能は異なります。人材管理を導入したかったが、実際に導入した後に利用できない、なんてことがないように気をつけましょう。 導入後の後悔を減らすためには、具体的にどういう利用を考えているか導入前に考えておく必要があります。そのために、自社の人事面での課題を考えておくのも一つです。社員のスキルの見える化したいのであれば、スキル管理表が作れるツールが必須となります。 必ず導入時には自社にどういう機能が必要で、導入しようとしている人材管理ツールに搭載されているか確認しましょう。 導入後のサポート体制 導入後のサポート体制を確認しておくことも大切です。導入後のサポート体制があることで、せっかく導入したのに使いこなせなかった、ということがなくなります。また、いちいちマニュアルを見るという手間も少なく済むため、業務負担が軽減されるでしょう。 主要な人事管理ツールのサポート体制を紹介します。 カオナビ…専任スタッフによる伴走型サポート、サポートツール完備、安心見守りサポート、セミナー HRBrain…カスタマーサクセス、テクニカルサポート、セミナー、事例の共有、使い方動画 あしたのクラウド…導入支援サポート、専用のチャットで回答、人事評価業務運用支援 HRMOS(ハーモス)CORE…運用設計への伴走、目標設定と定期的な振り返り、定期的な機能改善 タレントパレット…サポートデスク、勉強会の開催、個別相談会、ユーザー会 […]

タレントマネジメント・人材管理
人材管理をエクセルで!

人材管理をエクセルで!導入のメリットとデメリットを徹底解説!

会社にとって、従業員は貴重な人材です。人事担当者は適切な人材管理のもと、最適な人材配置や業務の効率化を実施する必要があります。人材管理のためのツールは多種多様にありますが、誰もが簡単に使い始められるエクセルもまた、人材管理に役立ちます。 今回はエクセルで行う人材管理に着目して、導入のメリットやデメリットについて解説します。 エクセルでできる主な人材管理 エクセルで可能な人材管理を紹介します。 社員の出欠状況の管理 社員の出欠状況は、人事評価の上でも重要な要素です。雇用形態などによって福利厚生の内容や就業規則は異なるかもしれませんが、一人ひとりの出欠を把握し記録しておくと良いでしょう。 出社、病気欠勤、特別休暇、有給休暇など、ひと目で個人の状況が把握できると、給与計算の際にも役立ちます。 作業スケジュール 作業スケジュールを入力できるエクセルファイルがあれば、社員の進捗状況や今後の予定を一元管理することができます。お互いのスケジュールを把握できる環境では、周囲の人の忙しさも分かるため、依頼や相談事がある際は余裕をもって行動できるようになるでしょう。 上長にとっては、部下のスケジュールがすぐに確認できるので進捗確認がしやすくなります。さらに、社員の状況を理解した上で的確な指示が出せるようになるためより効率的に業務が進行するのです。 応募者の採用選考 選考フローは会社によって違いがあれど、どの会社でも応募者からの履歴書や職務経歴書を整理して選考が終わるまでは保管しておく必要があります。応募者の数が多いほどに煩雑になる採用選考の書類整理においても、エクセルが役立ちます。 選考結果だけでなく、面談時の会話の内容などをメモできるようにしておけば、一次面接から二次面接までの期間が空いていたとしてもメモを参考により深い話が聞ける可能性もあるのです。 新規採用者の教育・研修 新しい職場での仕事は、まず業務に慣れる必要があります。新卒採用でも中途採用でも変わりなく、その会社のやり方や業務フローを覚えてもらうために必要なのが研修です。人事担当者は、無理なく理解しやすいように研修内容や順番を定めることが求められるため、研修内容と全体の流れが確認しやすいエクセルファイルを作成すると良いでしょう。 入社後の初期研修だけではなくその後も定期的なフォローアップや研修を実施すると社員教育に効果的なため、長期的なスパンで管理できるようにしましょう。研修内容と達成率も併せて記載するようにすれば、社員一人ひとりの成長度合いもひと目で確認できます。 給与明細書 給与明細書は書面での発行が主流でしたが、昨今はメール等も活用した電子配信も増えています。給与明細書に記載される項目は会社内で統一されているため、一つのフォーマットを用意しておくと便利です。エクセルでの給与明細書を活用すると、あらかじめ設定しておいた数式に沿って総支給額や控除額、差引支給額が自動計算されます。 自動計算が可能になれば、これまで計算にかけていた時間が減る上に、人的ミスもなくなります。業務の効率化の上でも、給与明細書をエクセルで管理する意義があるのです。 労働者名簿 法定三帳簿のうちの一つ、労働者名簿もまたエクセルで管理することが可能です。社員の名前のみならず、履歴や業務内容、解雇状況や退職状況などの項目を含めれば、労働者名簿として必要な情報が集約でき、ひと目で確認することができるのです。 労働基準法に準じて作成が求められる労働者名簿。作成は必須ですがいざ作ろうとすると面倒なので、あらかじめエクセルファイルを用意しておくと良いでしょう。 ⇒人材管理について詳しく知りたい方はこちら 人材管理をエクセルで行うメリット エクセルを導入する2つのメリットを紹介します。 コストが抑えられる 人材管理をエクセルで行うと、他の人材管理専用ソフトやシステムを導入するよりもコストが抑えられます。マイクロソフト社のオフィスソフトは一般的に使用されており、多くの会社が導入しているソフトであるため、人材管理のために運用を開始するハードルが低いといえます。エクセル自体を導入していなかったとしても、導入のために必要な費用は比較的安価に済むでしょう。 さらに、エクセルの操作は多くの人が経験しているために、基本的な操作に関する研修や講習が不要になります。人的コストを抑える意味でもエクセルで人材管理を行うメリットがあるといえます。 簡単に作れる 人材管理に活用するためには、エクセルで表の作成、計算式や関数の挿入が必要です。日常的にエクセルを操作している人は基本操作はすでに身についているので、エクセルの方が初めて触れるシステムを導入するよりも容易に管理用ファイルを作れます。 エクセルのデータは簡単に紙ベースの書類として印刷できるため、他のシステムへの移行時も簡単に移行準備が整うでしょう。印刷しないとしても、多くのシステムが取り込み可能なCSVデータで保存することによって、システム移行が容易になります。 人材管理をエクセルで行うデメリット 導入のデメリットについて説明します。 セキュリティの不安 セキュリティ管理は会社にとって必要不可欠な課題ですが、表計算ソフトであるエクセルはセキュリティの面で不安が残ります。特に個人情報が載った労働者名簿や、給与明細書などが社内で自由に閲覧できる状況は避けるべきです。 エクセルはシートごとに閲覧権限を設定したり、アカウントごとに編集権限を変更することができます。しかし、シート内の一部のセル情報は編集できないようにするなどの細かな設定はできません。意図せず情報が編集されてしまう懸念や、誤送信による情報漏れ、間違った情報で上書き保存したために正しいデータが紛失する恐れもあります。 データの一元管理が難しい データの変更履歴や変更した人物の把握が難しいエクセルでは、情報管理の流れが見えにくくなります。データの一元管理が運用の方法によってはより煩雑になってしまう可能性もあるため注意が必要です。 社員数が多いほどに人材管理のためのデータ量は膨大になりファイル数やフォルダ数も増えるため、人事担当者の手間が増大してしまう場合もあるでしょう。 閲覧権限の設定が必要 エクセルはデータ公開の制限が難しく、制限をかけない限り誰でも閲覧、編集が可能な状態になりやすいので注意が必要です。不当な人事評価を防ぎ適切な人事評価を下すために、オープンにしておくべき情報ももちろんありますが、社員の職域や職階に応じて制限も必要です。 エクセルはシート内の一部を権限によって編集可能にするような設定ができないため、細かい権限設定が出来ない点は導入のデメリットだといえます。エクセルの閲覧者を指定する場合も、事前に閲覧権限を設定する必要があり、手間がかかるのも難点です。 チェック機能が弱い 人材管理においては部署ごとに評価数値を集計したり、個人の評価数値の変動を確認するためのエクセルファイルが必要になります。計算式や関数を挿入した状態のフォーマットファイルが出来上がっていたとしても、数値の入力自体は手作業になるので人的ミスは避けられません。 ミスは仕方がないものですが、エクセルは評価の矛盾点などはチェックできません。計算式のエラーは表示されますが、人材管理の内容に適したチェック機能はないためミスに気づきにくい状況が生まれてしまうのです。 操作性が悪い エクセルは同時編集が難しく、共有状態にしない限り複数のユーザーが編集することが出来ません。操作性が悪く、「ある人の編集が終わらないと次の工程に入れない」状況が発生し業務効率の低下が起きます。 また、同時に更新することで同名のファイルが複数存在してしまい、最新データが判別できないこともあります。 まとめ 人材管理をエクセルで行う場合のメリットとデメリットについて解説しました。エクセルは安価に簡単に導入できる、誰もが使いやすいソフトですが、人材管理の現場における実用性は検討する必要があります。 人事として長期的な運用も見据え、エクセルで試験的に人材管理を行いながら人材管理に特化したシステムも取り入れていくことがおすすめです。社員の人数や管理したい内容から最適な人材管理方法を導入すると良いでしょう。 スキルナビ編集部

タレントマネジメント・人材管理
人員配置システムとは?

人員配置システムとは?運用方法や導入のメリットについて解説

それぞれの人材の能力にあった業務を提供することは、生産性の向上と企業全体の活性化につながります。その反面、人員配置の作業には大きな負担がかかりやすいです。作業負担を軽減し、より効率的な業務を提供するにはシステムの運用が欠かせません。今回は人員配置システムについて詳しくご紹介したいと思います。 人員配置システムとは 各従業員のスキルにあわせた業務配置を設定し、効率・生産性を高めるために用いられるものが人員配置システムです。従業員の情報管理、配置の可視化といった機能を搭載しており、業務配置のサポートを行います。近年注目されているシステムでもあり、導入を開始している企業が増加傾向です。このシステムにより、業務効率化・生産性向上だけでなく、チーム状況や目標の達成状況の把握もしやすくなります。 システムを使った人員配置を行う理由 システムの運用は配置業務の効率化が主な役割ですが、決してそれだけではありません。企業がシステムを導入する主な理由について解説します。 データの可視化 従業員の基本情報をはじめとした、役職や配属されているチームのデータを可視化できます。また情報の可視化だけでなく、従業員の業務成績を分析し、今後の戦略を練ることも可能です。データ管理することで常に新しい情報を更新できるので、企業内の環境の変化にも対応できます。機能を最大限に活用するためには、自社のスタイルに適した機能を搭載しているシステムを選びましょう。 組織図のシミュレーションが可能 以前は紙面やエクセルを使用して配置の記入を繰り返す作業が必要だったため、労力を要していました。システムを活用することでチーム内の配置を簡単にシミュレーションできます。可視化されている従業員の情報を参考にしながら、直感的な配置が行えます。 複雑な配置も行いやすいので、企業規模が大きい場合でもスムーズなシミュレーションが可能です。システムの種類によっては従業員のアイコンを表示して、わかりやすく配置できる設定もあります。 人員配置の手間削減 システムの導入により従業員の情報をまとめられるので、配置に関する業務の負担を軽減します。導入をしていないと情報を一括して管理・更新が難しく、配置作業が難渋しやすいです。データを複数の媒体で管理している場合、従業員の必要な情報を探すのも一苦労です。システムの活用で必要なときに必要な情報を検索して、すぐに確認ができます。 人材配置システムを使用するメリット システムの活用で得られるメリットは多数ありますが、大まかに4つに分類ができます。それぞれのメリットについて解説します。 生産性の向上 業務内容に適したスキルがある従業員を配置できるので、生産性を高められます。従業員としてもパフォーマンスを最大限に発揮できる業務を行えるため、仕事に対してのやりがいにつながります。また作業量に差のある部署同士を調整することで、従業員ごとの負担を一定にすることも可能です。 配置を変更しても効果がみられない、あるいは生産性が低下した場合、配置に問題が生じていることがほとんどです。あらためて配置のシミュレーションを行い原因の深掘りをすることで、より質の高い配置が実現できるでしょう。 人件費の削減 的確な配置を実現することで、人材リソースがどの程度必要なのかを判断できます。そのため従業員の必要人数が明確になり、ムダな人件費を減らせます。業務に対して従業員が少ないのも問題ですが、多すぎるのも作業効率を低下してしまう原因です。 チームごとに必要な人材リソースを割くことで、適切な業務量で質の高い結果を得られるでしょう。人件費を見直すとともに、他のシステム・サービスのテコ入れが行えます。 社員のモチベーション向上 従業員のスキルを発揮できる配置は、業務に対してやる気を高めることにもつながります。また従業員の希望も積極に取り入れることで、風通しの良い環境を構築できます。 逆に不適切な配置をしてしまうと効率・生産性の低下だけでなく、従業員のやる気にも大きく影響するでしょう。業務の意見に対してまったく応じない場合も、企業への不信感を高めてしまい離職の原因となります。システムを活用した配置だけではなく、従業員の声も取り入れるように配慮をしましょう。 ストレス低減 システムを活用した業務配置は従業員のやる気を引き出すだけではありません。ストレスを生み出す要因の排除にもつながります。作業量や業務の内容の差がストレスになり、対人関係のトラブルに発展することもあります。 この要因に対してシステムを活用することで、従業員は公平な業務を行うことが可能です。企業内の雰囲気も良くなり、ストレスのない環境を作れるでしょう。また定期的に配置を変えることで同じ作業によるモチベーションの低下を防ぎ、新しい刺激を得る機会を作れます。 人材配置の手順 システムをただ運用して配置を決めるだけでは十分な効果は得られません。正しい配置をするための手順について解説します。 定員計画 企業にどの程度人数が必要かを決定する段階が「定員計画」です。人数を決めるためには企業の方針やチームの目標から必要なリソースを計算し、大まかに設定します。人材がどの程度必要なのかは目標に応じて変動するので、従業員の増減については十分に検討しましょう。大体の人数が決定すれば、人件費の見込みも予想がつきます。 要員計画 それぞれのチームに割り当て従業員の人数を決定する段階が「要因計画」です。チームによって必要な人材スキル・人数は変わるため、規模に適した配置を行いましょう。 また人材リソースを割いても、収益の見込みが少ないチームの場合、アウトソーシングの利用などの工夫も必要です。その後従業員の雇用タイプも設定したうえで人件費のより細かな計算を行います。 人員計画 この「人員計画」はさらに細かく計画を立てる段階です。各チームに求められる人数を参考に、従業員1人1人の配置を検討します。この計画は今後予定される事業が中心となるため、配置はもちろん費用などの全体的に細かな調整が必要です。今後の企業の存続にも関わるものなので、この土台となる計画はしっかりと固めておくことが望ましいです。 代謝計画 手順に沿って計画を遂行したら、そこで終わりではありません。計画は必ずしも成功するわけではなく、その後の効果判定や改善が必要不可欠です。前段階では予想ができなかった問題が現れることもあるので、その後の「代謝計画」で解決の道筋を立てます。新たな人材の発見も、その計画の1つです。 運用時のポイント 配置に必要な計画を立てた後は、実際にシステムの運用を開始します。その際に重要なポイントについて解説します。 目標に対する現状の把握 システム運用を進めていくためには、目標から現在の状況について理解する必要があります。作業量に対する人材リソースは適正なのか、業務に適切な従業員を配置しているのかなど、よく確認しましょう。またこの現状確認は定期的に行い、常に目標に対しての進捗を把握しておくことが大切です。 事前にヒアリングの実施 あらかじめ従業員の意見も聞くことで、不満のない配置が行えるでしょう。 以下についてヒアリングしてみましょう。 希望している業務はあるか 今行っている業務に不満はないか 配置後の業務で困っていることはあるか とくに1on1での面談形式は、従業員の本音が聞きやすいです。従業員の本当の思いを聞けるように、話しやすい環境を整えることも大切です。 まとめ 人員配置システムは非常に便利なツールの1つです。しかし効果的に運用するには、システムをよく理解し、常にブラッシュアップを続ける必要があります。またシステムを導入する際は、自社に適した機能を搭載したものを選ぶようにしましょう。 スキルナビ編集部

HRテックタレントマネジメント・人材管理
組織開発とは?

組織開発とは?その重要性と具体的なフレームワークをアプローチ別に解説!

人材のグローバル化や働き方の変化に伴い、組織開発の重要性が注目を集めています。組織をより良くしていくために、組織開発とは何かという前提からまずはお伝えしていきます。さらに今後実践の際に役立つ、アプローチ別に適したフレームワークや導入事例を具体的に紹介します。 組織開発とは? 組織開発とは組織に属する人同士の関係性や相互作用により、組織自体が健康的に機能する状態を目指す考え方です。英語では「Organization Development」と表記され、「OD」と呼ばれることもあります。人事としては個々の従業員に働きかけ、組織の活性化を目指すためのアプローチを行います。 組織が抱えている課題を表面化させるプロセスが発生するので、会社という一つの組織が改善に向かう気付きを得られるのが組織開発です。 ⇒組織開発について詳しく知りたい方はこちら 組織開発と目的 組織開発の目的は組織の内部状況や時代の変化に合わせて、組織が最大限に機能することです。つまり、組織として最大のパフォーマンスを引き出すために社内を活性化させ、従業員一人ひとりの生産性を向上させるのです。 人事担当者の多くは社内の優秀な人材を活かしきれていないという課題を抱えています。会社にとってもその従業員にとっても損失の大きい状況から脱し、組織の方針に沿って尽力する環境を整えることが、組織開発の目的だといえるでしょう。 そのために人事として必要な策を講じ、組織開発に向けた効果的なフレームワークの導入が求められています。 組織開発が注目されている理由 もともとは1950年代にアメリカ合衆国で生まれた考え方である組織開発ですが、なぜ今、日本でも注目されるようになったのでしょうか。その背景には、人と人との関係性に影響を与えた時代の変化があります。 長い間、多くの日本企業は終身雇用や年功序列が当たり前とされてきました。しかし昨今は「成果主義」が認められ始めている他、ITシステムやサービスの普及によって「個業化」が進むなど、働き方が変化しています。さらに、グローバル人材の雇用による「人材の多様化」なども背景としてあります。 仕事の仕方だけでなく人と人との関わり方も変化してきたために、コミュニケーションのとり方や相手の考え方が分からない現象が生じやすくなります。そうしたミスコミュニケーションを予防し、従業員が組織の当事者として仕事に向き合えるアプローチとして組織開発が注目されているのです。 組織開発と人材開発の違い 人事に関わっていると「人材開発」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。人材開発の意味と、組織開発と人材開発の明確な違いについて解説していきます。 違いを理解すると目的意識もはっきりと持てるため、まずはその意味と相違点を知っておきましょう。 人材開発とは? 人材開発とは、組織内の人材の生産性向上を目指す考え方です。社内研修制度・OJT・外部講師による講演会の開催など、知識やスキルの習得を目的にしています。 教育に重きを置いた考え方であり、個人の能力向上を通して組織としての生産性を高めるのが人材開発だといえます。 組織開発と人材開発の違い 組織開発と人材開発の違いは大きく2つあります。 1つは対象の違いです。人材開発では人材、すなわち従業員などのその会社に属する「人」を対象としていますが、組織開発では人材間での「関係・相互作用」が対象です。人材開発で個人の能力が向上しても、その力を発揮できるかどうかはまた別の話。組織開発は個々の力を十分に発揮する組織力を高めるためにあります。 2つ目の違いはアプローチ方法の違いです。組織が抱える課題の原因がどこにあるかに関する解釈の違いからアプローチ方法が変わってくるのです。人材開発において課題の原因とされるのは個人のスキルや知識不足であるため、会社は研修やスキルアップ講座を開催して一人ひとりの能力向上を図ります。対して組織開発では、課題の原因は組織内部の人や部署、グループ同士の関係性にあると考えます。社内のコミュニケーションが滞っているなど、そうした現状を改善して組織としてより良い関係性を築くために行うのが組織開発です。 企業の組織開発のアプローチ別フレームワーク 組織が抱えている課題は会社の規模や業種などによって様々です。解決したい課題に合わせて、柔軟にアプローチを変えていくと良いでしょう。 ここでは、課題に対するアプローチ別に有効な、具体的なフレームワークを紹介しながら解説していきます。 企業戦略へのアプローチ 企業戦略とは、市場での優位性の獲得のための戦略や今後の商品展開に関する戦略などを指します。 企業戦略の際に発生する課題に対しては、AI(Applicative Inquiry)によって組織の強みを顕在化させると良いでしょう。AIとは新しい強みや能力を引き出すフレームワークで、「価値を見出す、価値を認める」という意味があります。 さらに、OKR(Objectives and Key Results)というフレームワークでは、会社・チーム・個人の目標をリンクさせることで組織全体が一丸となって目標達成に向かうことができます。 組織構造へのアプローチ 組織の構造に対するアプローチでは、組織構造の現状について調査する必要があります。有効だとして挙げられる2つのフレームワークを紹介します。 まずサーベイ・フィードバックでは、調査結果をフィードバック・対話することで課題解決を目指します。データを見ながら課題解決に向かってしっかりと対話を行う点が特徴です。 部署や部門単位で研修を行うファミリー・トレーニングを導入しても良いでしょう。職場単位で研修を行うため課題点の認識からそれに対する解決方法まで共有でき、職場全員で目標に向かって行動できる点が効果的です。 人材マネジメントへのアプローチ 人材マネジメントにおいて、従業員のキャリア形成やモチベーション維持は欠かせません。こうした人材マネジメントへのアプローチとしては、メンタルヘルス改善や1on1が有効です。 1on1とは、名前の通り1対1で従業員とその上司が対話することです。評価面談とは別により気軽に相談できる場として設けられ、1対1での会話により従業員は日頃の不安を語りやすくなります。上司との対話により本人は将来への見通しが持て、新たな気付きを得られるのです。さらに職場の課題も見つけやすくなる効果が期待できます。 組織のメンバーの関係性へのアプローチ 組織に属している人と人同士の関係性に関して課題がある場合は、組織力を高めるフレームワークの導入を検討すると良いでしょう。組織全体のパフォーマンス向上のためにも重要なアプローチだといえます。 例えば、チームビルディングというフレームワークでは組織力を高める効果が期待できます。職場のチームの目標を共有し、目標達成に向かう過程で各個人の役割やより良いコミュニケーション方法を見つけていくのです。 また、アクション・ラーニングというフレームワークもあります。これは、組織内で課題の解決策の立案から振り返りまで行うもので、組織の学習する力を伸ばすねらいがあります。考え実際に行動する経験を通じて、従業員の個々の能力向上や柔軟性のある組織へと導きます。 さらに、組織間の課題解決に有効なのがコーチングです。コーチングでは本人の気付きを重視して目標達成に向かう手法で、質問や共感などを繰り返して自身の中にある答えを導き出せるように促すものです。 組織開発の流れと重要なポイント いくつかのフレームワークを具体的に紹介してきましたが、こうしたフレームワークを急に導入することは好ましくありません。ではどのような流れで進めるのが適切なのでしょうか? 注意すべきポイントも合わせて解説します。実際に組織開発に取り組む際の参考にしてください。 目的を明確化し、現状を把握する まずは組織開発を行う目的を明らかにしましょう。組織開発の対象は組織に属する人そのものではなく、人同士の関わり合いや関係性に注目するため、その性質から目的があやふやになってしまうケースは多くあります。「何となく雰囲気が暗い」や「もっと賑やかにしたい」などは漠然としすぎているため適しません。 組織開発を通して目指す会社・組織の姿はどんなものか、理想像をはっきりさせてください。現状把握のためには従業員インタビューやアンケートを実施すると良いでしょう。 課題の設定 調査して得られた事実から、正確に会社・組織の課題を抽出して設定しましょう。 […]

人事労務・制度設計・運用
人的資本の情報開示における課題

タレントマネジメントシステムによる人的資本の情報開示~第1回〜「人的資本の情報開示における課題」

人的資本の情報開示が必要となった背景 人的資本の情報開示は、2020 年に米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対しての義務化を発表したことで、日本の企業にとっても緊結の課題となりました。上場企業の情報公開において人的資本が重要とされるようになったきっかけとしては、2008 年のリーマン・ショックがあげられます。リーマン・ショックの経験から、財務諸表のみでは企業価値を評価することはできないとの考え方が投資家の間では一般的となっていき、その結果、企業価値の評価に非財務情報を使用する動きが加速しました。 企業にとってPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)で公開される財務情報とは、いわば「お金」に換算された指標であって、それ以外で企業価値を測りうる情報といえば、ほとんどが「人」に関わる情報となります。従って、人的資本の情報開示は、日本においてもごく近い将来、全ての上場企業が対応を求められるようになると考えられます。実際、2021 年6 月に改訂された東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」では、「人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を 開示・ 提供すべきである」との文言が新たに追加されています。 人的資本の情報開示におけるガイドライン それでは、人的資本の情報開示とは具体的にどのような内容を開示する必要があるのでしょうか。現時点では、財務諸表のように細かく規定されたフォーマットが存在するわけではなく、企業が利用可能ないくつかのガイドラインが存在するにすぎません。ここでは、その中でももっとも代表的なものとされているISO30414 について概要をご説明します。 ISO30414 は、ISO が人的資本の情報開示(Human capital reporting)に関して、社内で議論すべき/社外へ公開すべき指標をガイドラインとして整理し、2018 年12 月に公開したものです。ISO30414 では、人的資本を表す指標(Human capital metrics)が58 個定義されており、それらを11 の人的資本領域(Human capital areas)に分類、整理しています。以下に11 の領域の概要を記載します。 Compliance and ethics コンプライアンスと企業倫理がどれだけ遵守されているかを示す指標を含む領域です。クレーム発生件数、懲戒処分の件数、コンプライアンス教育を受けた社員の割合などが指標として定義されています。 Costs 人的資本の維持、確保にどれだけコストをかけているかを示す指標を含む領域です。人件費総額、平均給与、外注費、採用費総額、1 人あたりの採用コストなどが指標として定義されています。 Diversity 多様性がどの程度確保されているかを示す指標を含む領域です。従業員と経営層のそれぞれについての年齢、性別、障碍者などの割合が指標として定義されています。 Leadership 経営層や管理職によるリーダーシップがどの程度発揮されているかを示す指標を含む領域です。従業員からの経営層や管理職に対する信頼度、管理職あたりの部下の人数などが指標として定義されています。 Organizational culture 従業員エンゲージメント(従業員が持つ組織や企業文化への愛着)がどの程度強いかを示す指標を含む領域です。従業員満足度、定着率などが指標として定義されています。 Organizational health, safety and well-being 従業員の健康や安全がどの程度保たれているかを示す指標を含む領域です。労災の発生件数やそれにより失われた労働時間などが指標として定義されています。 Productivity 社員の生産性がどの程度高いかを示す指標を含む領域です。従業員1 人あたりの利払前税引前利益、売上などが指標として定義されています。 Recruitment, mobility and turnover 採用、異動、離職の状況を示す指標を含む領域です。採用に要する期間、欠員数に占める重要なポジションの割合、離職率などが指標として定義されています。 […]

タレントマネジメント・人材管理
経営人材の育成に必要なことは?

経営人材の育成に必要なことは?手順やポイントを具体的な事例を交えて徹底解説

経営人材の育成に力を入れたいが、どんな人が向いているのだろう。そんな疑問を抱えている経営者の方もいらっしゃると思います。 今回の記事では、経営人材に求められる要素や育成の手順をまとめました。この記事を読めば、理解が進み、事業継承にも役に立つでしょう。 経営人材とは 経営人材の定義は、役職でいうと社長、副社長、専務、常務とされています。自社の会社経営の責任を負う役割の人たちです。 また、東京商工リサーチの調査によると、2021年1月-10月の後継者難倒産は309件に達しているとの調査結果もあります。経営人材の育成は会社の存続にも関わる大きな問題です。 経営人材に求められる要素 自社の会社経営の責任を負う経営人材ですが、具体的にどのような性格や経験を持つ人が向いているのか疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、具体的に求められる要素である4点を紹介します。 冷静な判断力・決断力 経営人材には冷静な判断力と決断力が必要です。会社には業績のよい時期も、悪い時期もあります。決断力がないリーダーは問題が先送りとなり、会社経営に大きな影響がでます。 具体的には、今回新型コロナウイルスが流行した時も、リスクを考慮しながら、限りある時間でテレワークの導入を判断した経営者の方も少なくなかったと思います。 中には会社の存続に関わる決断を迫られる場合もあります。その時に冷静な判断力と決断力が求められる要素です。 安定したメンタル 経営人材には、安定したメンタルも必要です。精神的に不安定な状態になりやすい人は、周りへの対応にも精神的不安が現れるものです。 警察庁の調査によると、令和2年の自殺者数の内訳で、自営業・家族従業者は1,266名です。決して少ない人数とはいえません。経営者はある程度の精神面の強さが要求される職務といえます。安定したメンタルは、経営人材に求められる要素といえるでしょう。 ポジティブ思考 経営人材には、ポジティブ思考も重要です。時には、何百万という損失を出してしまうケースもあり、その時にポジティブ思考で、社員全員を引っ張って乗り越えられる人材は経営人材に向いています。逆にいつまでも従業員を責めるような人材は、従業員が委縮してしまい、社内の雰囲気も悪くなってしまいます。 ピンチをチャンスと捉えるような人材の方が、経営人材には向いているでしょう。 創造性 創造性も経営人材に求められる要素です。会社のビジョンやサービスのゴールを共有することも求められます。 ビジョンを明確にすることで、従業員のモチベーション向上にもつながり、会社全体の活性化にもなります。 10年前まではスマホの普及も考えられなかったですよね。そんな早い時代についていき、ビジョンを明確にできる人材こそ、自社の会社経営を担う人材にふさわしいのではないでしょうか。 育成の手順 前述ではどのような人材が、経営人材として求められるのかを説明しました。では、この人物が良さそうだと考えたところで、次の疑問は、経営人材をどうやって育成するのかということですよね。 ここでは、経営人材の育成の手順を、3つに分けて説明します。 必要人材のイメージを明確化 育成の手順として、必要人材のイメージを明確化することから始めましょう。基準となるのが自社のビジョンや経営戦略です。ビジョン、経営戦略がないという経営者の方は、まずは策定を急ぎましょう。 この2点ができたら、どの時点でどのような人材が何名程度必要なのか、イメージを明確に持つことができます。 まず、必要人材のイメージを明確化するところから考えてみましょう。 候補者の選定 次は具体的に既存の従業員から候補者の選定をしていきます。社内の人材を把握することが必要です。 人事評価の結果を確認し、上司の推薦や人事の判断から選ぶ必要がありますが、その時に気を付けておきたいのが、全社で同じ判断基準を基にすることです。 また、自社の従業員の中に、候補者がいない場合も考えられます。その際には、社外からの採用も必要となるでしょう。最近では経営人材に特化した人材紹介サービスや、国が行っている先導的人材マッチング事業として、経営人材のマッチングサービスもあります。社外からの経営人材の採用に活用してみるのも良いですね。 コミュニケーション 自社で経営人材の候補者が見つかった。中途採用で採用に成功したなど、候補者の選定が済んだら、次は育成計画をたてて、育てることが必要です。 その間、経営者は育成担当に一任するのではなく、経営に関わる立場として、候補者にきちんとしたコミュニケーションを取る必要があります。自分が経営人材として、会社経営に関わる立場になるという意識を植え付ける目的もあります。 経営人材の育成を成功させるポイント 前述では、選定まで説明しました。選定後、中途採用も含めてようやく見つかった候補を育てていくフェーズに移ります。会社経営を担っていく為に、どうやって育てたらうまくいくのだろう?自社でうまく育てられるだろうか?と不安に持つ方もおられるでしょう。 ここでは、経営人材の育成を成功させる具体的なポイント4点を紹介します。 合理的な人材選抜 候補者の選定で、人事評価の結果を確認し、上司の推薦や人事の判断から選ぶ必要があると紹介しましたが、上司の推薦や評価が客観的で合理的なものであれば、優秀な人材の選抜が可能です。 また、日本独自の雇用システムとして、新卒一括採用があります。若手を経営人材として選抜すると、自社内での強い抵抗やモチベーション低下につながる可能性を考え、若手の登用を考えない企業もありますが、優秀な人材の選抜という目的を意識して若手からも選抜していく必要があるでしょう。 計画的な人材配置 どんな経営人材を育てたいのかというイメージがあると思いますので、それに沿った人材配置にしましょう。 多くの部署や役職を経験させることで、多角的に考えることのできる人材が育ちます。ただ、候補者には育成方針のために、異動が必要ということを共有しておきましょう。目的もなく部署を多く経験することは、候補者のストレスにもつながります 成長機会の提供 座学の研修も重要ですが、さらに重要なのは実務を経験するということです。早い段階で、会社経営に関する経験させるのも候補者の成長につながります。また、従業員と経営人材ではスキルや考え方も異なり、従業員は、リスクに関する知識などを意味するテクニカルスキルのみでも良いですが、経営人材となると、企業全体や組織の実態を捉える、新規立案する力など、コンセプチュアルスキルが必要です。 自社で育成が難しい場合には、外部の研修を実施するのも一つの手でしょう。 経営層を巻き込んで育成を行う 実際に現場を見ることで、考え方を学ぶことが可能です。自社の経営層を巻き込む育成の仕方も重要となるでしょう。外部で研修することもできますが、企業によって規模感も違えば、経営の仕方も異なります。社長や人事が動くだけでは、経営層にも育成の意識をもって取り組んでもらうことも成功のカギです。 経営人材育成事例 他社での取り組みが気になるという方もいらっしゃるでしょう。ここからは、育成に取り組んでいる3社の具体的な取り組みを説明します。事例を見ることで、より人材の育成の取り組み方を理解し、実践に向けて進むことが可能です。 株式会社日立製作所 世界有数の総合電機メーカーの株式会社日立製作所では、経営リーダーの指名委員会を設けて、経営人材の育成に取り組んでいます。経営人材の選抜方法としては、世界中のグループの人材から数百名の候補を選抜。ストレッチアサインメントと呼ばれる、達成が難しい仕事をあえて任せるという施策をしたうえで、社外でのコーチングトレーニングにも取り組んでいます。 カゴメ株式会社 飲料、食品、調味料の大手総合メーカーのカゴメ株式会社では、人材会議・報酬指名諮問委員会を設けて、人材に関しての議論をしています。ポジションごとに候補者マップを作成し、候補人数についても明確にしているため、経営人材の不足が起こることがありません。各ポジションの育成計画についても、経験させる部署、地位が決まっているので、迷わず育成に取り組むことが可能となっています。 […]

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人事制度構築と人事制度コンサルタント

【簡単・初心者向け】人事制度構築の方法から人事制度コンサルタントについてを解説!

昨今、ビジネスをする上で需要が高まっている人事制度。人事制度を設けることで、従業員の評価に対する納得度の向上、従業員のやる気を高め、適した人材の確保もできます。今回は人事制度の目的や種類、トレンドになっている人事制度や人事制度コンサルタントについて詳しく解説していきます。 人事制度とは 人事制度とは、一言でいうと企業の人材に関する仕組みです。一般的なものとして、業務の権限範囲や評価の基準を定め、報酬を決定する基準となります。既存の従業員が働きやすくなるための福利厚生などもあり、昨今話題になっている人手不足や早期離職も、企業に合った独自の制度を構築すれば解決することも可能となります。 人事制度の目的 透明性がある制度を設けることで、従業員の評価に対する納得度の向上。および自社の個性を出す教育制度・福利厚生を定めることで既存の従業員のやる気を高め、適した人材の確保も可能とすることを目的としています。 例として昇給の基準を、既存の社員も確認できるように項目を設け評価した場合。適切な評価内容を社員に伝えることにより、社員は仕事上の課題の認知を上げ、昇給に向け努力できます。既存の制度に満足せず、課題を把握・運用していくことも重要です。 人事制度の種類 以下の3つは、制度の大本となる重要な制度です。 ・等級制度…仕事の業務の権限や責任を持たせるとともに、処遇等の根拠となる制度・評価制度…従業員の能力・会社への貢献度を社内の規定を決め、規定に沿って評価する制度・報酬制度…従業員に対して報酬を決める制度 日本の企業では多くが3つの制度を連動させることにより人事制度を作成しているケースが多いです。以下で3つの制度について詳しく説明します。 等級制度 従業員の能力・役割、職務内容でランク付けすることで、仕事の業務の権限や責任を持たせるとともに、処遇等の根拠となる制度です。社内での位置づけを示すものでもあります。等級上がり下がりで権限の幅が広がったり狭くなったり、その分抱える責任が増えたり、減ったりすることが一般的です。 評価制度 従業員の仕事におけるパフォーマンスや会社への貢献度合いから、規定に沿って評価する制度です。日本の企業の制度の運用では、等級制度と報酬制度の2つの制度を連動させるやり方がとられています。評価や等級が上がるにつれ、役職も上がっていくという運用が一般的です。 報酬制度 報酬制度とは、従業員に対し報酬を決める制度です。金銭的報酬と非金銭的報酬の2種類があります。 1.金銭的報酬は、昇給・降給や賞与、インセンティブを決定すること2.非金銭的報酬は、実績に応じた社内での表彰制度や休暇を決定すること 日本企業では、等級制度・評価制度と連動し、報酬が決まる仕組みをとっている企業が多いのが現状です。 既存の社員にとって、モチベーションのアップ・ダウンに関わる重要な制度です。 トレンドになっている人事制度 昨今、テレワークの増加や働き方改革など、外的要因で企業は独自の制度を生み出して対応しています。近年、トレンドになっている人事制度を説明します。実際に導入後の企業の実績も一緒に紹介します。 360度評価 評価される側の既存の従業員が、社内のさまざまな立場の人から評価される制度が360度評価と呼ばれる制度です。360度評価では同僚や部下、他部署も対象です。違う一面の評価を聞けた。職場の雰囲気が明るくなったという意見があり、組織風土改善の実績を出した企業もあります。 ノーレイティング 一般的とされている1年間を通してではなく3カ月などの短い期間で、さらにABCなどの既存のランク付けも廃止した制度が、ノーレイティングと呼ばれる制度です。今まで導入していた制度で生じた不満の解消や離職率が減少した実績を出した企業もあります。 1on1 1on1とは、短期間の中で定期的に上司が部下と行う個人面談の制度です。作業の進捗や成果を共有し、人材育成を目的としています。上司と部下の関係性向上や組織のパフォーマンス向上に実績を出した企業もあります。 リアルタイムフィードバック リアルタイムフィードバックとは、随時フィードバックをする制度です。フィードバックまでの期間が短いため双方の認識のずれが生じにくく、早い段階での軌道修正ができます。社員の信頼関係向上、会社の中での報連相が活発化した実績を出した企業もあります。 成果主義の導入 日本の企業は長い間、勤める年数が長ければ長いほど評価される年功序列を導入しました。しかし、働き方改革や人材不足の問題が起きたため、最近では、個人の力量や実績によって評価が決まる成果主義を導入する企業もあります。 人事制度コンサルタントとは 人事制度コンサルタントとは、人事制度を通じて企業の課題を解決するコンサル会社のサービスのことをいいます。 【具体的なコンサルティング業務】・現状の制度に関わる調査・分析・課題を基にした制度の設計や導入・制度導入後の運用サポート 数々の制度に関わってきたコンサルティングを受けることができ、さらに運用後のサポートもあるので、せっかく作っても運用がうまくできないという可能性が少なくなります。 人事制度コンサルタント活用メリット コンサルタントの業務内容として、現状の制度に関わる調査・分析から導入後のサポートまで幅広いサービスを受けられることをご紹介しましたね。 次に、実際にコンサルタントに依頼をした場合のメリットをご紹介します。依頼するか迷っている方はもちろんのこと、社内で構築を考えている方も、コンサルタントに依頼した場合の進め方の変化、現状を考えて、決めていきましょう。 人事制度のプロによる専門知識・ノウハウの活用 スペシャリストの目から見た、現状の制度について認識し設計することができます。実際、コンサルタントを利用した会社では、今まで一般社員が運用をしており、経営者や役員の目があったことで、適切な課題を抽出ができないといった事例もありました。利用したことで、よりよい制度構築につながったケースもあります。コンサルタントを利用し、スペシャリストの目から見た適切な制度を作ることが可能です。 人事担当者の負担軽減 自社で担当者が制度の設計を担う場合、主に人事部に所属している担当者が行う場合が多いでしょう。ですが、その場合気を付けなくてはいけないことは、担当者が通常時の業務を行いながら、プラスで制度設計するための業務を担うため、業務過多になる可能性があるということです。新しい制度の作成は他部署や経営者のインタビューなど時間がかかる作業も多く、大きな負担となる可能性があります。コンサルタントを利用することで、担当者の業務負担を減らすことができるというメリットがあります。 人事制度コンサルタント活用デメリット 先程はコンサルタントに活用をすることでのメリットを紹介しました。人事制度のプロによる専門知識・ノウハウの活用や担当者の負担軽減など会社にとっては良いことばかりでしたが、今度は逆にコンサルタントを活用することのデメリットを紹介します。 費用の発生 コンサルタントに依頼をした場合、コンサルタント料が発生するため、自社で全部担うよりも高額です。料金設定はさまざまですが、以下が相場です。 ・社員数30名以下の場合、半年で60万円、1年で120万円~・社員数100名以上の場合、半年で120万円〜、1年で240万円〜・社員数200名以上の場合、半年で180万円〜、1年で360万円〜 また、一度契約した後に追加で費用が請求される場合もあり、金額に関してはあらかじめ確認が必須です。 ミスマッチの発生 人事制度のコンサルタントを事業としている会社は世の中に多く存在しています。実際、解決してほしい課題の知識がないコンサルタントが担当した場合には、会社の理念・体制に一致しない人事制度が出来上がってしまった例もあります。事前に確認したうえでの依頼が必要です。 人事制度コンサルタントの選び方 世の中に数多く存在しているコンサルタントの中で、選ぶ際に気を付けた方が良いことやミスマッチが起きにくい選択方法をご紹介します。 実績のある人事制度コンサルを選ぶ 実際に経験から得た知識を持っている、経験豊富な実績をもつコンサルタントをおすすめします。コンサルタントに最初にコンタクトを取る際に、今までの実績の実例がわかる資料や話を聞けると、どのコンサルタントに依頼するか見極める材料として有効です。特に、自社と近い理念や制度に関するコンサルティングをした実績を持っている会社を選ぶと、失敗は少ないです。 十分な実績がある専門領域が自社の課題と一致しているか […]

タレントマネジメント・人材管理
1on1の効果とは?

1on1の効果とは?導入メリットをあますことなく解説

近年、1on1を導入する会社が増えています。それは企業の成長には部下との密なコミュニケーションが必要になったからです。実際に業績が順調に伸びている会社は確かな信頼関係が築かれています。今回はそんな1on1の特徴や効果を見ていきましょう。 1on1とは? 1on1について以下より解説していきます。 1on1の意味 1on1は上司と部下のマンツーマンで行われるミーティングです。今日では採用企業が劇的に増加しており、効果の高さでも話題になっています。多くの企業が注目する背景には、世界の一流企業が導入後に成功を収めた事例があるからでしょう。誰もが知るグーグル・フェイスブック・アップルなど、各分野でトップの実績を誇った影には1on1を採用した経緯がありました。以前までは部下とまったく会話をしない上司もいたそうです。コミュニケーション手段はメールのみであり、たとえ隣の席であっても文章でやりとりを済ませていました。メールには感情が含まれていないため、本質がなかなかつかめなかったのです。そこで、週1回約30分のミーティングを行った結果、コミュニケーションが良化。以前よりも業務がスムーズにいき、認識の齟齬が発生しなくなりました。対面により表情や口調から本音を引き出せたのはもちろん、なによりも部下の率直な意見が引き出せたのは大きいと言えます。意思疎通が図れた効果もあり、業績は向上していったのです。そんな世界をリードする企業が成功した背景からも、日本企業が積極的に1on1を取り入れる動きが広まっています。今後、さらに導入企業は増え、社員全員が働きやすい環境へと変化していくかもしれません。 人事面談との違い 1on1と人事面談の大きな違いは実施目的です。人事面談は主に部下への評価・業務指示・連絡を目的としています。「今期の評価は『B』ランク。だからAへ上げるためにもっとミスを無くそう」「今年から新プロジェクトを行う。そのためにマーケティングから営業へと異動してもらう」など、上司からのトップダウンが多かったです。一方、1on1は部下から問題点・課題・改善案を引き出す狙いがあります。人事面談は上司が上の立場だったのに対し、1on1は対等。部下は悩みや疑問を素直に打ち明けやすいのです。部下から聞き出した意見をもとに業務へ活かし、会社の成長へと役立てていきます。また、1on1と人事面談では開催サイクルの違いも注目です。人事面談はおもに半年に一度、多くても四半期に一度が一般的でしょう。あくまで評価や業務指示といった最低限のコミュニケーションを目的としているため、頻繁に面談を行う必要はないからです。反対に1on1は週に1回、または2週間に1回が基本。部下の現状を綿密に分析するため、実施回数は多くなります。さらに、変化が激しいビジネス社会において、週ごとに違った意見が聞けるのは大きなメリットと言えるでしょう。以上のように1on1と人事面談の違いは実施目的と開催サイクルにあります。 1on1の効果 1on1の効果は以下のとおりです。 コミュニケーションのきっかけになる 1on1を導入するとコミュニケーションのきっかけになります。なぜなら半年に1回の人事面談で終わっていた意思疎通も、週に1回のミーティングで情報交換ができるからです。前述のとおり、上司と部下の会話をメールやチャットで済ませている企業も多いでしょう。中には同じ会社にいながら一日に一言も話さないケースもあります。やはり文章だけのコミュニケーションよりも、顔を見て話すと伝わってくる情報量が違うのです。言葉には感情や思いが込められており、より説得力が増すでしょう。普段知れない人柄やスキルを会話の中から引き出せるかもしれません。また、メリットがあるのは上司だけではなく、部下も上司に対して不満や悩みを打ち明けられます。なかなかメールで伝えられなくても、言葉で発信すれば納得してくれる可能性も高まるのです。このように、仕事の基本はやはり人間関係にあります。コミュニケーションの機会を設けるために、1on1を導入する価値はあるでしょう。 部下との信頼関係の構築 1on1は部下との信頼関係構築にも役立ちます。良い仕事をする会社は間違いなく部下と上司がお互い信頼し合っています。二人の絆がうまれているからこそ、毎日モチベーション高く、求められた役割を確実に果たしているのです。とくに現代社会は上司と部下の関係が希薄になっています。能力主義が広まっている中でも、依然として年功序列社会は崩れていません。若くて優秀な人材は会社から去り、役職者はますます高齢化していきます。結果、新入社員は歳の離れた上司と関係を築かなければいけません。コミュニケーション力に優れた若い社員であれば問題ありませんが、全員が対話力に優れているとは言えないです。「会話したくても話しかけづらい」「話しかけても怒られそう」「そもそも何を話題にすればよいか分からない」などの問題がうまれてしまうのです。事実、現在の日本は上記の悩みを抱える若手社員が多いでしょう。そのため、1on1を導入すれば話すきっかけがうまれ、お互いに信頼関係が築けます。なかなか口に出せない悩みも、徐々に打ち上けられるはずです。1on1はコミュニケーションのきっかけをつくるだけでなく、部下との信頼関係構築にもつながります。 部下の成長の促進 1on1を導入すると部下の成長の促進につながります。部下の悩みや疑問に寄り添ってあげれば、成長の手助けとなるはずです。会社には上司が手を差し伸べなくても勝手に成長する優秀な社員もいますが、限りなく少ないと言ってよいでしょう。ほとんどの方は上司の経験と実績にもとづいた確かなアドバイスや指導によって成長でき、会社の一翼を担っています。そんな成長の機会を与えられるのも1on1あってこそです。週に一度部下とコミュニケーションを取れば、分からない問題を分からないままに終わらせません。間違った方向へ進む心配もないため、正しく成長していけます。また、1on1では疑問や悩みに沿ったアドバイスだけでなく、自分の頭で考える癖をつけていくと良いでしょう。やらされ仕事ではなく、責任感持って仕事に取り組めます。「失敗した原因は何だと思う?」「結果が出せたのはどんな行動を取ったから?」「次のステップへいくためにはどれくらいの時間が必要?」など、答えは部下に出させると良いです。成長がより期待できます。 部下への理解の向上 1on1は部下への理解の向上にも役立ちます。上司にとって部下は謎の存在かもしれません。話す機会が無ければ、お互い何も知らぬまま仕事をしている可能性もあります。とくに1on1では仕事以外のプライベートな内容も話すことを推奨しているのです。例えば、休日の過ごし方・家族関係・将来の夢など、普段話さない話題も提供してみると良いでしょう。部下の家族関係が分かれば仕事にも関係してきます。「下にきょうだいが3人もいるから、リーダーを任せてみよう」「女性が多い環境で育ったから、女性の部下をつけてみよう」などのヒントが見つかります。家族関係が分かるだけでも仕事に役立ち、適正を見極められるかもしれないのです。また、休日の過ごし方を聞くと意外な共通点がうまれる可能性もあります。趣味が一緒ならたちまち距離は縮まっていくでしょう。休日に同じ趣味で楽しんでも良いです。1on1を導入すれば部下をより理解でき、仕事の品質が高まっていきます。 部下のモチベーション向上 1on1を導入すると部下のモチベーション向上につながります。一般的に現代の若い世代は褒められてやる気が上がっていきます。厳しく接しても委縮するケースが多いです。1on1であれば、周りの目を気にせず本人を称賛できます。とくに社内の評判や仕事の評価を伝えてあげると良いでしょう。周囲の評価を気にして仕事をする社員も多いです。第三者からの声をストレートに伝えてあげると、仕事のやる気はさらに上がっていきます。例えば「みんなからの信頼はすごく厚いよ」「丁寧な仕事は社員全員が褒めている」「部下が頼れる先輩として一目置いているよ」などを伝えると本人は嬉しい気持ちになります。そして、部下が責任持って仕事すると離職率が下がっていくのです。優秀な社員が辞める心配もなく、世代交代がうまく進んでいきます。結果的に上司自身の仕事がスムーズにいき、業務が効率的にまわせるのです。部下のモチベーションアップは各所で良い影響を与え、会社全体の業績向上につながります。 まとめ 1on1は人事面談と違い、上司と部下の対等な関係によって行われるミーティングです。上司は部下の日常の悩み・疑問・改善点を上手く引き出し、毎日はたらきやすい環境をつくるのがポイントと言えます。また、1on1を導入できれば、コミュニケーションのきっかけをつくれて、部下の成長を後押しできるのです。そのためにも1on1の重要性を理解し、導入の検討を行っていきましょう。 スキルナビ編集部

人材育成
生産性を向上させる方法7選

生産性を向上させる方法7選!業務を効率化する生産性について解説

日本の労働人口の減少を背景に、政府が推進している働き方改革に代表される、従業員にとって働きやすい職場環境づくりが求められています。少ない人数でより短時間で成果を生み出すためには、従業員一人ひとりの生産性向上は欠かせません。 業務を効率化させ、生産性の向上を図るための手法とはどのようなものがあるのでしょうか。企業にとって必要不可欠な生産性向上について解説します。 生産性とは? 生産性とは、投じた資源に対してどれだけの利益を得られたのかを示す指標です。企業にとって投じる資源とは、資金、人材、時間などを指します。生産性は「利益÷投じた資源」で割り出されるため、得られる利益が大きく、かつ投じる資源が少ないほど生産性が高いといえるのです。生産性を向上させるということはつまり、より効率的に利益を得るということです。 生産性が向上すると企業は以下のようなメリットを得られます。 競争力を身につける 生産性が向上すると、効率的に利益を獲得できるためより短いスパンでの事業展開が可能になります。成長が早まるために他社の追随を許さないスピードで事業が拡大することも期待できるでしょう。 ワークライフバランス改善 生産性向上により業務が効率化することで、従業員は残業時間が減り仕事とプライベートの時間をしっかり確保できます。公私ともに充実した生活を送られる環境が整うことで、従業員一人ひとりのモチベーションアップも見込めるのです。 経費削減 生産性には人材や資金、備品などさまざまな要素が関わっています。一つの業務にかける時間や費用を減らすことはすなわちコストの削減につながるのです。残業代や材料費などが減り企業が事業拡大のために使える資源が増えるといえます。 労働人口減少への対応 超少子高齢化社会である日本において、今後ますます労働人口は減少すると予想されます。そうした将来に訪れる人手不足を見据えて、より少ない人数で効率的に業務を進められるようにしておきましょう。そのために生産性向上に取り組む必要があるのです。 効率よく生産性を向上させる方法 生産性向上のための7つの方法を紹介します。 現状分析と課題の整理 生産性を向上させるためにはまず現状を知ることです。会社の中にあるすべての業務を可視化し、どの工程でどのくらいのリソースが割かれているかを明確にする必要があります。業務フローを明らかにする際は、重要ではないと思われるような細かい作業まで洗い出すと良いでしょう。その上で、現状の生産性はどの程度なのかを把握してください。 この時、会社経営陣や上長のみで業務の洗い出しを行うのではなく、現場に携わる従業員一人ひとりから現状や意見をヒアリングできると、より正確に現状把握と課題点の発見が可能になります。 生産性向上を妨げている課題やボトルネックとなっている問題は、表面化していなかったという場合もあります。細かく確認していくことで思いもよらぬ発見があるケースもあるのです。業務のムダや人的コストをかけすぎている点はないか確認しましょう。 業務のマニュアル化 業務のマニュアル化も生産性向上に役立ちます。企業にとってボトルネックになりやすいのは業務の属人化です。誰か一人しかその仕事を進められない、誰かがいなければそこで進捗が止まってしまうという状況は、生産性を低下させる一因です。誰もが対応できるように業務の標準化を図りましょう。 そのためには業務フローや注意点なども含めたマニュアルを作成すると効果的です。完全にマニュアル化が難しい業務もありますが、ルーティンワークや単純作業、業務の重要度が高くないものについてはマニュアル化することで効果的に業務が効率化するでしょう。 ITツールの導入 昨今はオンライン商談ツールや、自動計算式の会計ソフトなど、さまざまなITツールが展開されています。そうしたITツールを上手く活用し、企業の業務フローの中に組み込んでいけば業務の効率化が図れ、生産性向上につながります。 特に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入は事務作業を格段に効率化するでしょう。事務的な単純作業の繰り返しにおいては、手動での作業だと人的ミスも発生しやすいもの。しかし、RPAの導入によってミスは限りなくゼロにできます。さらに、作業時間も早くなりますし、自動で作業を進めるためその分の労働力は別の業務に回すことができるのです。 多くのITツールがリリースされていますが、その種類や用途は多種多様。ツールの導入には時間的、金銭的、人的コストがかかるため、各企業は現状と課題に合わせたツールを慎重に検討する必要があるでしょう。 適切な人材配置 「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、人にはそれぞれ得意・不得意分野があり、得意分野における成長は不得意分野よりも速いものです。この点を踏まえた人材配置を行うこともまた、生産性向上に効果があります。 たとえば、単純作業は苦手だが人とのコミュニケーションは好きな従業員に、データ入力業務を任せた場合はどうでしょうか。黙々と進める業務はストレスになりモチベーションが低下し、業務効率は落ちることでしょう。逆に言えば、その従業員の強みを活かして営業を任せれば、期待以上の成果が上がるかもしれないのです。 従業員一人ひとりの強みと弱みを把握して適切な人材配置を実施しましょう。より強みを伸ばせる仕事を任せたり、弱みを克服できる部署に配属することで個々の能力が向上し、結果的に企業の生産性が向上します。それぞれの特性を理解するためには、上長や人事担当者との面談の機会を設けたりアンケートを実施したりする必要があります。 アウトソーシングを活用する アウトソーシングとは、業務の一部を外部へ発注することです。英語で表記すると「Outsourcing」で、「外部」から人的資源を「調達」するという意味です。オンラインツールの発展も相まって、社内だけではなく社外の人材を活用した業務の進行が注目され始めました。コア業務ではなく、ノンコア業務を外注化することで従業員の負担の軽減や残業時間の削減につながるのです。さらに、外注化しても問題ない業務は外部へ任せることで従業員はより企業の利益に貢献するような業務に着手できるため、生産性はますます向上するでしょう。 業務を外部に委託することで余計なコストが発生すると思われる場合もありますが、従業員が浮いた時間をより重要な業務のために使えるほか、業務の引き継ぎの手間もなくなるため結果的にコスト削減が見込まれます。特に、経理業務など専門性の高い業務は専門の外部業者に任せることで業務の質の向上やスピードアップも図れます。 外部へ発注可能な業務なのか、外部へ発注した場合の費用対効果はどれほどかを意識しながら業務の効率化を検討すると良いでしょう。 社員のモチベーションを高め、スキルアップを図る 従業員が仕事に全力で取り組むためには、モチベーションのアップと維持は欠かせません。働きがいという点に着目して、従業員が意欲的に働ける環境づくりに努めることもまた生産性向上のために重要なのです。 たとえば、個々の生活リズムに合わせられるようにフレックス勤務を導入したり、通勤時間を減らしプライベートの時間を増やすためにテレワークを推進したりと、柔軟な働き方を選択できるようにすると良いでしょう。その他にも適切な人事評価制度を取り入れることで、仕事への意欲を刺激するのも効果的です。 仕事に意欲的になると、より知識や経験を身につけることに対しても積極的になります。そのため、従業員がスキルアップを目指せる環境を整えることも重要です。資格取得支援や研修制度を整備して、従業員がスキルアップできるようになると、より質の高い成果を効率的に生み出すことができるでしょう。 情報共有の仕組みづくり 企業の中で意外と時間を取られているのは情報共有です。生産性向上のためには情報共有のためのコストを削減する事が重要です。業務の変更点について、誰がどこまで把握しているのかを明らかにして、共有が不足している人に対しては改めて情報共有の時間を設けるなど、複数の人材が情報の共有のみに時間を費やしている現状は改善していく必要があるでしょう。 情報共有不足は、「従業員が現状を把握できていないために仕事が進められない」、「誰が何をしているか分からないために的確な指示出しができない」などの問題を生み出します。問題解決のためには情報共有が簡単にできるような仕組みづくりをすると良いでしょう。 たとえば、「ここを見ればすべて分かる」というナレッジベースを作成することです。部署内、チーム内の認識のズレを生まないようひと目で現状把握ができる場所を作りましょう。さらに、情報を一つにまとめておくことで、従業員同士で確認する時間がなくなり情報共有にかける時間の削減が期待できます。 この時、ホワイトボードに個々がまとめて記入するなどの抜け漏れが発生しやすい手法ではなく、ITツールを活用したオンラインサービスを活用するとより効果的だといえます。 まとめ 生産性向上のためには業務の効率化が必要不可欠です。これから競争が激化し、労働人口も減少する中で企業が生き残っていくためには、時間的、人的、金銭的コストをいかに削減して利益を生み出すかが重要です。 生産性を向上させる方法を検討して企業の現状に合わせて適切な施策を打ち、効率的に利益を得られるようになると良いでしょう。 スキルナビ編集部

人事労務・制度設計・運用