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1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングとは?部下のやる気を引き出す効果的な1on1ミーティングの進め方

人材育成の現場で近年注目を集めている「1on1ミーティング」という手法があります。上司と部下が1対1で目標や長期的なキャリアプランを相談できる場として、社内のコミュニケーション活性化や従業員のモチベーションアップに役立ちます。 限られた人的資源を最大限に活かすためにも、1on1ミーティングのような人事施策は必要ですが、事前の準備がないまま導入しても効果はありません。今回は、1on1ミーティングの定義や普及の背景、その時間を価値あるものにするために押さえておきたい効率的な進め方を解説します。 1on1ミーティングとは 1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で対話することです。1on1ミーティングは、優秀な人材を確保しながら育成する必要があって人材獲得競争が激しかった、アメリカのシリコンバレー発祥だとされています。 1on1ミーティングは評価面談ではなく、部下の成長の後押しや上司と部下の相互理解を深め信頼関係を築くために行う対話である点が特徴です。部下の成長の定点観測や、信頼関係構築のためには定期的かつ長期的に実施する必要があるでしょう。例えば、1on1ミーティングを導入している会社には「週に1回、1回30分」と決めて習慣化しているところもあります。 このように導入企業が増え、各企業の人事担当者から注目を集めている背景には、大手企業が実際に導入して成功した事例があります。大手インターネット会社のヤフー株式会社もその一つ。ヤフーのコーポレートブログでは、「1on1ミーティングとは、組織運営の向上を目指し、最大限の潜在力を引き出す目的で部下のために行う面談」だと記載されています。この考え方に基づき、ヤフーは実施のためのガイドラインを作成したのです。社内で同じ目的を持ち同じような流れで進められるようになり、効果的な人事施策だったといえます。 また、社会や働き方、考え方の多様化も1on1ミーティング普及の背景にあるでしょう。若い世代のほうがインターネットシステムに詳しい場合もあるように、上司が出す指示に部下が従うマネジメント形式が必ずしも正解とはいえなくなっているのです。上司と部下が1対1で密な対話を行うことで相互理解を深め、お互いに連携を強めることが、結果的に会社の発展につながります。 また、「プライベートを大事にしたい」など、個人の考え方を知る良い機会にもなります。相手の考えを知り尊重することは、多様化する社会において重要でしょう。他にも、定期的なミーティングによって部下は「気にかけてもらえている」と感じモチベーションアップが期待できます。優秀な人材の流出防止も期待できるため、1on1ミーティングは組織力強化に有効な対話手法だといえるでしょう。 1on1ミーティングを行うための事前準備 実践にあたって3つの事前準備をしましょう。 目的の共有 1on1ミーティングの目的には「部下の成長」があります。参加する部下自身が当事者意識を持って対話に臨むためには、目的を明確にして共通認識としておく必要があるでしょう。部下が自発的に成長したいという意欲を持てれば、1on1ミーティングの効果は最大化します。 「上司との1対1のミーティング」と聞くと、部下はどうしても「評価される」と感じてしまうため、人事評価には影響しない点もしっかり伝えると、本音を言いやすい雰囲気ができるでしょう。話しやすい雰囲気作りのために、上司は傾聴して部下の自発的な発話を促すことがポイントです。あくまでも主役は部下である点はしっかりと伝えておくことが重要です。 テーマを用意 1on1ミーティングで話すテーマも事前に用意しておきましょう。いざ上司と対面して「何か話したいことはあるか」と聞かれても多くの人はすぐに回答できないでしょう。時間を効率的に使う意味でも、実施する日の数日前までには部下が抱えている課題や問題点を洗い出してテーマを用意しておく必要があります。ここで押えておきたいポイントは、1on1ミーティングのテーマは部下が考えるということです。「主役は部下」という認識は崩さず、部下が話したいことや聞いて欲しいことを話題の中心としましょう。 よく取り上げられるテーマは以下のような内容です。 今後の目標 業務上の問題 業務で課題や疑問に感じていること 中長期的なキャリアプラン プライベートな悩み 健康上の悩み これらに代表されるような部下が取り上げたいと思ったテーマは、前もって上司に共有しておくとスムーズです。限られた短い時間で、充実した内容の1on1ミーティングを行うためには事前準備が欠かせません。無駄なく対話に入れるようにして、上司も部下もしっかりと準備しておきましょう。また、あらかじめ話題を共有しておくことで、上司も十分な心構えと準備をして対話できるようになります。 質問内容の用意 部下がテーマを決めたら、上司が質問内容を用意します。大まかな進め方、どのような質問をするか、部下主体で対話するためにはどうしたら良いかを考えておくのです。ただ、主役は部下なので、事前に用意した質問をしなくても問題ありません。臨機応変に柔軟な対応を心がけてください。 上司からすると、部下の悩みや思いを知ってつい具体的なアドバイスや指導をしたくなるかもしれませんが、1on1ミーティングは部下主体で対話するというポイントは忘れないように認識を強める必要があります。先入観を持たずに部下の声に耳を傾ける上司の姿を見て、部下も信頼を強め、より良い人間関係が構築できるはずです。 1on1ミーティングの効率的な進め方 効率的な5つのステップを紹介します。 ①部下の現状を把握する まずはアイスブレイクも兼ねて部下の気分や体調について話題にすると良いでしょう。1対1の対話にあたって緊張している部下には、最初から仕事の話をするよりもプライベートな話をすると緊張がほぐれやすくなります。仕事中の姿からは分からない意外な一面を知って相互理解を深める時間としましょう。 「体調はどう?」「最近忙しそうだけれど、休めている?」といった軽く短い会話で十分です。部下の返答によっては社内の業務量を見直して業務改善につなげられる可能性もあります。 ②前回の振り返りと今回のテーマの共有 前回の1on1ミーティングの内容を振り返って、個人の目標に対する到達度や、具体的なアクションを決めていたらそれが実行できたかをヒアリングします。実行できた場合には、しっかりその事実を認めてあげます。 逆に、進捗が悪く感じる場合や、アクションを実行できていない場合もあります。このような場合には部下を責めず、「なぜできなかったか」を自分で導き出せるよう促しましょう。この時も主役は部下であることを忘れてはいけません。「それはこうしたら良かったね」など上司自身の意見を伝えたり指導してしまわないように注意が必要です。「どうしてできなかったと思う?」と責める口調にならないように穏やかに問いかけ、部下の内省を促します。 前回の振り返りをしたら、今回のテーマを共有します。何をテーマに話すのかを明確化して、同じ目的意識や共通認識を持ってから1on1ミーティングを本格的にスタートしましょう。 ③テーマについて対話 実際にテーマについて対話する時は、部下の自発的な発話を促すような問いかけや相づちを行います。上司は聞き役に徹し、部下の話をさえぎったり自分の意見を伝えたりしないように注意が必要です。部下の話が途切れた時や、言いよどんでいる時は、「それで何を思った?」など続きを促すことがおすすめです。部下が抱えている気持ちをすべて吐き出せるような雰囲気作りに努めましょう。 1on1ミーティングで上司が注意する点は以下の4つです。 途中で話をさえぎらないように意識する 上司の意見を伝えず、話を聞く 部下の考え方を否定したり、「正しい、間違っている」などとジャッジしたりしない 部下の悩みに対してすぐに解決策を提案しない これらのポイントを押さえなければ、上司の意見やアドバイスを部下が聞く形になってしまい、本来の1on1ミーティングではなくなってしまいます。部下が自分自身で考えて答えを出せるように意識しましょう。 部下の話を聞いている間は表情や相づちに注意しながら共感を示すとより話しやすい雰囲気ができます。例えば、「よく分かるよ」「それは大変だったね」と同意の言葉をかけたり、深くうなずいて見せたり、「なるほど、〇〇と思ったんだね」と相手の言葉を繰り返すのも効果的です。 ④フィードバックし、今後の対策を考える テーマとしたのが部下の悩みや課題、今後のキャリアプランなどなら、フィードバックと熟考をして解決案を考える時間を設けましょう。1on1ミーティングを通して部下の成長を促進するため、今後の解決案は部下自身が考えるようにします。 上司は課題の解決策や必要なアクションについて問いかけますが、「あなたはどうしたいのか?」「実現するには何が必要か?」などと、あくまで答えが出るまでのサポートに徹します。ポイントは部下の出した答えが上司個人の考え方で間違いだとしても、否定やアドバイスをしないようにすることです。上司からのフィードバックを行う時は、個人的な意見や指導は伝えないように意識した問いかけをしましょう。「なぜそう思うのか」「それを実行するとどうなるか」など、部下自身が気づきを得られるように質問内容を工夫する必要があります。 部下の出した答えが、単なる思い付きではなく、多角的な視点から考えた時にも効果的な解決案なのか、本当に課題解決につながるのか、その対策をすることで別の問題が発生する可能性はないかを確認してもらうのです。広い視点で物事を考える必要があるため、熟考する部下もいるでしょう。焦らずに答えが出るまでサポートしてあげてください。 対話の中で、部下が対策として適切ではないと気づきを得る可能性もあります。その場合は、再度フィードバックと熟考する地点に戻りましょう。どうしても最適案が思いつかない場合には、上司からヒントを出すようにしましょう。 解決案がある程度固まったら、その案を実現するために必要な具体的なアクションプランを練ります。実際に行動し振り返りができるレベルのアクションにすることが重要です。「営業の成約数を増やす」といったアクションは具体性に乏しくあいまいです。例えば、「営業成績の良い〇〇さんにヒアリングしてトークスクリプトを作成し、それに従って成約数を1日あたり〇件増やす」など、数字も含めて具体性を高めると良いでしょう。 また、1on1ミーティングは週に一度など比較的短いスパンで定期的に行うため、その期間中に実行できるようなアクションを設定しましょう。次回の1on1ミーティングまでに実行できるアクションであれば、部下が達成報告できるのでモチベーションの維持も可能になります。ただ、簡単に実行できるアクションは効果が得られにくいので注意が必要です。 ⑤今回のまとめと確認をして記録する 1on1ミーティングを終える時は必ず今回のまとめを行い、記録に残すようにしましょう。いつの1on1ミーティングで部下が何をテーマにどんなことを話したのか、上司の問いかけから何を考えたのかを細かく記録しておくようにしてください。ここでのポイントは、記録を残すのは必ず部下自身であるということです。 部下自身が記録するメリットは以下の3点です。 自身の言葉で記録するので、次回の振り返りの際に以前の内容を思い出しやすい […]

スキル管理・目標管理人材育成
人事制度にもトレンドが!?最新のトレンド傾向

人事制度にもトレンドが!?最新のトレンド傾向と導入の効果を成功例とともに解説!

社会的に企業の人事制度が変化する時が訪れています。これまでのメンバーシップ型の考え方から一転、ジョブ型の役割主義的人事制度が主流になりつつあるのです。優秀な人材を確保し定着させるために、時代の変化に合わせて会社の制度を変えていく柔軟な姿勢が求められます。 自社に導入する際には、導入のメリットとデメリットを踏まえた上で検討し、十分な準備をする必要があるでしょう。今回は、2020年代における最新トレンドを解説しながら、実際の導入事例を紹介します。 最新のトレンド傾向の特徴とは? 現代はIT化が急速に進み、同一労働同一賃金の義務化やテレワークの普及の影響もあり、1990年代の働き方と比べて大きく変化してきました。 2020年代最新のトレンドは、「ジョブ(役割主義)型雇用」。これまで日本で主流だった年功序列や終身雇用が前提の「メンバーシップ型雇用」から、スキルや能力を発揮できるかといった成果を重視する「ジョブ(役割主義)型雇用」が注目されています。 より具体的に最新のトレンド傾向を解説します。 人事制度の変遷 人事制度は時代とともに変化を遂げてきました。1970年代の年功序列重視の制度をはじめに、職能重視から成果重視、そして役割主義型へと移り変わっています。その変遷は年代別に以下のようになっています。 行動にフォーカスされた評価基準 2000年代のトレンドとなった「役割主義型」の人事制度では、「成果」よりも従業員の「行動」にフォーカスします。年齢や個人の能力、スキル、生み出した結果よりも役割に応じて「どんな行動を取ったか」が大切なのです。 役割主義の特徴は、評価までのスピードの速さにあります。成果主義型だと行動の結果である成果が表れるまで時間を要しますが、役割主義型は行動そのものを評価するので行動した時点で評価することができます。 さらに、評価内容をオープンにすることで従業員一人ひとりが「どの行動がどのように評価されたか」を理解できる他、納得感を得られるようになるのです。 2021年最新の人事制度 4つの最新手法を紹介します。 ノーレイティング ランク付けを行わない人事制度である「ノーレイティング」がトレンドになりつつあります。社内の等級制度でいう「等級」がランクに当たります。ランク付けをせずに従業員それぞれが短期的な目標を掲げるノーレイティングにより、細かなフィードバックや適正評価ができるようになるため納得感は高まります。 さらに、ランク付けをしないことは会社が組織として一体感を持つことにつながります。ランク付けをすると従業員同士で競い合い個人プレーが目立つようになりますが、ノーレイティングを導入すると協力して成果を出そうと行動するのでより効率的に業務の推進が可能になります。 ただし、細かなフィードバックのために従業員と上長の時間を取られる点には注意が必要です。時間だけでなく適正な評価をするための上長の負担も大きくなります。導入によるメリットの大きい手法ですが、注意点も踏まえて社内制度を整える必要があるでしょう。例えば、評価を下す立場の上長には明確化した評価基準やノウハウを周知し、評価を一任せずフォロー体制を整えるなどの準備をすると負担が軽減されます。 世界的に有名なマイクロソフト社でもノーレイティングは導入されています。導入前まではランク付けすることで人事評価を行っていましたが、評価基準を「会社や顧客へどれだけの影響を与えたか」に変更したことで生産性向上を実現したのです。 360度評価 一般的には直属の上長が行う評価を、同僚や部下なども行う制度が「360度評価」です。評価者が上長だけではないので、さまざまな視点から多角的な評価を下せるようになります。個人の評価基準に依存したり、人間関係に左右されたりしない正当な評価ができるため、従業員にとっても納得感の高い制度だといえます。 「行動」重視のトレンドと相性が良く、上長の立場からは把握しきれない日頃の行動も踏まえた評価が可能になる点が特徴です。さらに、コンプライアンス遵守のためにも有用です。お互いがお互いに見られる立場になる制度であるため、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントの防止効果が期待できるのです。従業員同士で評価し評価される環境が整うことで、仕事への意欲や業務効率化が期待できる他、従業員一人ひとりの当事者意識の高まりも実現できるでしょう。 バリュー評価 企業が求める行動規範に沿った行動ができたかが評価基準となる「バリュー評価」は、組織全体が同じ方向性で行動できる点がメリットです。「バリュー」とは「価値観」を意味しており、組織の価値観に沿って「何をすれば評価されるか」を従業員が考えられるようになります。バリュー評価に則った評価では、たとえ会社の利益につながるような大きな成果を上げても、行動規範から外れていては高い評価は得られません。組織力やチームの一体感の強化に有効な制度です。 メリットが大きい反面、評価の難しさがデメリットになります。数値化しにくく評価基準も言語化しにくいため、より具体的に行動規範や求める人材像を周知しておきましょう。従業員一人あたりの評価者を複数にして認識の差異が生じないようにしたり、具体的にイメージしやすいように評価基準を言語化したり、客観的に見ても公正だと判断できる工夫が必要です。 ピアボーナス 「ピアボーナス」では従業員一人ひとりの行動を都度評価し、従業員同士でポジティブなフィードバックを行うことができるようになります。アプリやオンラインシステムを使った全員が見れるオープンな場で、お互いに称賛や感謝の言葉と少額インセンティブを送り合うことができるので、仕事に前向きに取り組める環境が整うでしょう。 少額とはいえインセンティブを送り合える制度を整えるためには、コスト的には負担になる点には注意が必要です。送り先が特定の個人に集中してはいないか、コストに見合った効果が得られているかは確認しながら導入しましょう。 トレンド人事制度のメリットとデメリット メリットとデメリットを解説します。 メリット トレンド人事制度を導入するメリットは以下の3つです。 ①生産性の向上に役立つ トレンド人事制度は、結果だけでなくその過程にある行動に着目した評価を実現します。そのため、会社の方針や目標に向かってチームとして協力できるようになっていきます。成果主義型の人事制度では個人主体だった働き方がチーム主体に変わると、より効率的に業務が進んで生産性の向上につながるでしょう。必要な人材を獲得しやすくなる ②必要な人材を獲得しやすくなる トレンドを汲んだ人事制度を導入しているということは、時代に求められている会社だといえます。社会のニーズに応えられる体制が整っていれば、就職活動や転職活動をする人にとって魅力的な企業だと判断されます。間口が広がるほど優秀な人材も獲得しやすく、人材確保の競争力が強まるでしょう。 ③生産性の低い人材を判別 多角的な視点から公正な評価を行えるトレンド人事制度の導入により、それまで上長には見えていなかった従業員の勤務実態が明らかになります。オープンな評価制度は生産性の低い従業員を判別することができるため、生産性の低い人材の放出が可能になります。 デメリット トレンド人事制度を導入するデメリットは2つです。 ①長年在籍している従業員からの反発が起きやすい 会社にはそれまでの評価体制や歴史があります。長期間同じ会社に勤めていた人にとっては、人事制度の変更は負担になり反発しやすいものです。 変化が肌に合わなかった場合、優秀な人材の離職につながる可能性もあると念頭に置いておきましょう。トレンド人事制度導入の背景やその狙いについて事前にしっかりと説明し理解してもらえるような配慮が必要です。 ②組織弱体化の恐れがある 人事制度は従業員のやる気や信頼感などの精神状態に非常に大きい影響を与えます。人事制度の切り替えに失敗すると、組織弱体化の可能性も高い点はデメリットといえるでしょう。トレンドだからといって安易に導入せず、十分な検討と準備を行うことが重要です。 新しい人事制度を導入した企業事例 実際に導入した企業事例を紹介します。 ①アドビシステムズ アメリカのソフトウェア会社アドビの日本法人であるアドビシステムズ株式会社は、2020年6月18日にアドビ株式会社に社名変更しています。従来のアドビは年間目標を掲げ、年間目標の達成状況から評価を決定していました。しかし、その評価制度では年に一度の評価を行うマネージャーの負担が大きい上に、従業員のモチベーションの維持が困難でした。 そこでアドビが導入したのが「チェックイン」。上長と部下が1対1で対話する場を設けたのです。「そもそも評価する目的は従業員の能力を最大限引き出すこと」という考え方に基づき、上長とのコミュニケーションの機会を増やしました。 チェックインでは上長との対話内容が決められていて、まずは会社から期待されることをすり合わせます。そして、その期待に対する従業員の働きを上長からフィードバックされます。その上で、さらなるスキルアップやキャリアアップのため具体的にどのような行動ができるかを話し合うキャリア開発の時間が設けられます。 チェックインの導入により、従業員アンケートでは「働きがいのある会社だ」と回答した人は10%増え、「上長からのフィードバックが役立つ」と回答した人も10%増えています。このように従業員満足度の向上が見られた他、離職防止にも効果がありました。さらに、導入前よりも株価が3倍に上昇したのです。 ②ゼネラル・エレクトリック ゼネラル・エレクトリックが導入したのは「パフォーマンス・デベロップメント(PD)」です。かつて同社は「9ブロック」という、従業員の中でも特に評価が低い人材は退職か配置換えを行うとする厳しい人事制度を取り入れていました。この制度は従業員にとって心理的負担が大きく、一人ひとりが自由な発想で行動や意見を発することができない状況にありました。 そこでパフォーマンス・デベロップメントを導入し、上長との1対1の面談によるコミュニケーション量の増加を図りました。さらに、360度からオンタイムでフィードバックが受けられる仕組みを導入したのです。このフィードバックの交換を、専用ツールを用いてLINEのようによりフランクに行える体制にしたことで、従業員同士が気軽に褒め合える環境ができました。 […]

タレントマネジメント・人材管理
国家公務員の人事評価とは?

国家公務員の人事評価とは?目標の設定や給与への関係について解説

人事評価は国家公務員にとって給与や人材のスキル成長にも大きく関係している重要な制度です。しかし人事評価は複雑な仕組みとなっており、どのような制度なのかあまり理解していない方もいるのではないでしょうか。 今回は人事評価の概要や目標の設定方法、給与との関係性についてご紹介します。 国家公務員の人事評価とは 公務員の人事評価とは、その人材が保有するスキルや実績にもとづいて決定される評価です。その他に人材育成の役割も持っており、評価をする側とされる側のコミュニケーションを通して成長につなげる効果もあります。人事評価には大きく3種類に分けられます。 能力評価 業績評価 情意評価 能力評価とは、業務に役立つスキルや知識を保有しているかを評価します。業績評価とは、業務を行って得た成果や結果を評価します。能力評価と業績評価は類似しているように感じますが、前者は「過程」に、後者は「結果」に注目しているとイメージすればわかりやすいです。最後の情意評価とは、業務に取り掛かる態度や意欲を評価します。 以前は「勤務評定制度」によって公務員の評価を行っていましたが、「評価項目の不明瞭さ」「一方通行的な評価」「評価内容がわからない」などの問題点がありました。その問題点を改善するために新しく定められたのが、現在の制度です。 6段階評価で行われる 人事評価は以前までは「S・A・B・C・D」の5段階で評価されていました。しかし、2021年10月以降からはB評価を「優良・良好」に分けた6段階での評価に変更して進められています。その背景には、以前の評価では大きな偏りが発生しやすかったことがあげられます。5段階評価のうちAとBが大半を占めているため、公務員側としては「評価を行う意味がない」と思っている方も多いです。 また各公務員の給与の差が少ないことは、人材の意欲が低下してしまう原因の1つです。これらの問題点を改善するために中間の評価を削除し、より明確に人材のスキルを反映できるように変更されています。このように人事評価は、時代の流れに沿って人材を的確に評価できるように、適宜変更・改善が行われています。 国家公務員の目標設定 目標設定の流れとしては、先ほど説明した「能力評価」と「業績評価」を基準にして、それぞれ一定の期間で評価を行います。公務員の目標を設定するには、評価を行う側(上司)・される側(従業員)による話し合いで決定されることが多いです。上司は従業員の業務役割に応じて適切な目標を設定し、従業員は自身の業務役割を理解したうえで目標を立案します。上司と従業員の両方の目線から目標をすり合わせることで、より妥当性の高い設定が可能です。このときに注意したいポイントは以下のとおりです。 チームの目標とズレはないか 役職に相当する目標内容か 目標設定後に達成の有無が明確か 不明瞭な目標ではないか 立案した目標は決して数値として測定できる項目ばかりではありません。そのため結果だけではなく過程にも目を向けつつ、チームから逸脱したような目標に設定しないように気をつけましょう。 人事評価による給与への影響 人事評価の概要について説明しましたが、給与とどのように影響するのかがわからない方もいるのではないでしょうか。こちらでは以下の項目について説明します。 昇給額の決め方 ボーナスの決め方 昇給額の決め方 昇給額については以下の流れで決定します。 能力評価・業績評価を基準にして全体的な順位を決める 成績の良い従業員から「A〜E」の段階の区分に分ける 能力評価は年に1回、業績評価は年に2回行われるので、その評価を基準にして全体的な順位を決めます。順位に応じて一定のグループに分けた後、成績順に「A・B・C・D・E」の区分に割り振ります。区分がAに近づくほど昇給額が高く設定されていますが、こちらでもほとんどの公務員がCより上の評価がされるようになっているのが現状です。 もともと日本の公務員は年号序列で評価される風潮が大きいため、海外企業のような成績・実績を重視した仕組みではありません。人材によって昇給額の差が大きくならないので、仕事のモチベーションが上がりにくい原因にもなっています。 ボーナスの決め方 ボーナスには2種類あり、「期末手当」と「勤勉手当」の項目に分かれています。その内の勤勉手当は、業績評価を基準とした項目です。業績評価は「S〜D」で決められ、評価が高い順からさらに以下の4つの区分に振り分けます。 特に優秀 優秀 良好 良好ではない ボーナスも同様に基準の偏りが大きいため、そこまで公務員ごとの差は少ないです。しかし社会の風潮も次第に変化しており、年々成績を重視するようになっています。そのため昔と比較すると徐々に実力主義の時代になりつつあるといえるでしょう。このように昇給額やボーナスなどによる給与への影響は、さまざまな基準によって変動します。 まとめ 国家公務員にとって重要な人事評価の概要についてご紹介しました。複雑な基準で評価が決められていますが、実際には評価の偏りが顕著になっているのが現状の課題といえるでしょう。しかし評価の細分化したことや、年功序列が崩れてきていることもあり、少しずつその課題の解決に近づきつつあります。その変化に応じて、公務員もあらためて業務に対する姿勢を見直す必要があります。 スキルナビ編集部

人事評価・評価制度
セキュリティ人材とは?

セキュリティ人材とは?求められるスキルや人材育成の方法について解説

時代の流れともにIT技術は進歩しており、新しいサービス・機能が年々増えています。しかしその分不正アクセスやウイルス感染の危険性も高まっており、対策も十分に考慮しなくてはいけません。そのためには、セキュリティ分野に精通した人材の確保が重要といえるでしょう。また採用だけではなく、その後の人材育成も十分に検討する必要があります。 今回はセキュリティ人材に求める能力や現在の市場価値、育成方法ついて解説します。 セキュリティ人材とは セキュリティに関係するスキル・知識が豊富な人材を「セキュリティ人材」といいます。ウイルスや不正アクセスによる被害を出さないために、対策や管理を行うことがおもな役割です。IT技術が発展してきたと同時に、サイバー攻撃の脅威も大きくなっています。万が一セキュリティ被害を受けてしまった場合、企業の情報や資金だけでなく、信頼も著しく失ってしまう危険性があります。そのためセキュアな体制を構築できる人材は必要不可欠であり、今後の需要も増加するでしょう。 しかし実際にセキュリティ人材には、どのようなスキルが必要なのかイマイチわからない方もいると思います。こちらでは求められているスキルについて説明します。 セキュリティ人材に必要なスキル セキュリティ人材に求められているスキルは職種に応じて異なります。しかし共通して言えることは「非常に幅広い分野のスキルが求められている」ということです。 最新技術動向把握の手法 システム活用の促進と評価 ソリューションビジネス 現行システムの調査と分析手法 情報セキュリティポリシー作成手法 このような数多くのスキルが必要です。上記のスキル以外にも、問題を発見して解決するためには取引先との円滑なやり取りが大切なので、コミュニケーションスキルも欠かせません。また時代の流れとともに、求められているスキルも少しずつ変化しています。2014年にサイバーセキュリティ基本法が公布され、人材育成を強化する取り組みが本格的にはじまりました。その後もスキル強化の取り組みが段階的に進められており、今後もIT技術が進歩していくとともに、さらに新しいスキルの修得が必要になってくると考えられます。 このようなことから、セキュリティ人材に求められているスキルは非常に多いものの、時代が発展していくとともにその需要が高まっている職業といえます。 現在のセキュリティ人材の市場価値 先ほどの項目で説明したとおり、企業のセキュリティ対策を整えられる人材の需要は時代とともに高まっています。ITの進歩を具体的に説明すると、以下のような技術があげられます。 AI(人工知能) IoT(モノのインターネット) ロボット技術 これらの新しい技術が進んでいると同時に、より強固なセキュリティの必要性も増加しています。そのため技術の進歩にともない、管理・保護する役割を持った人材の市場価値は高いです。またコロナウイルスの影響でリモートワーク、オンラインサービスが増加したこともあり、さらに需要が拡大している状態です。 しかし備えるべきスキルと市場価値の高さ、コロナウイルスの影響が重なったことが原因で、セキュリティ人材は不足しています。新技術を搭載したい、セキュリティ面を強化したいと計画していても、管理する人材がいないために停滞して頭を抱えている企業も多いです。日本は海外の企業と比較しても人材が大きく不足している傾向にあり、今後も大きな課題となることが予想されます。 このようにセキュリティ人材の市場価値は高いですが、需要と供給のバランスがとれていないのが現状です。 セキュリティ人材の採用方法 セキュリティ人材が不足している課題を解決するためには、以下の方法があげられます。 外部での研修サービスの利用 人材探しを海外で行う 企業によってはセキュリティ対策の育成には限界があり、人材の採用が進まない原因の1つに「十分なスキルを持っていない」ことがあげられます。外部で専門的なスキルを学べるサービスを利用すれば、その原因を解消できます。外部研修により企業内では得られなかった知識を取り入れやすいため、スキルの獲得につながりやすいです。 また研修で得られたノウハウを企業内でアウトプットすることで、別のスタッフの知識も深まります。人材のスキルが十分でなくとも、入職後の外部研修で成長を促す体制を整えておけば、人材不足の対策となるでしょう。 海外から人材を探す方法もおすすめです。セキュリティ人材は日本では少ないですが、海外では比較的充実している傾向にあります。そのため日本に限らず、海外にも視野を広げると人材不足が解消しやすいです。とくに海外に進出しているグローバルな企業にとっては有効打となりやすいです。スキルが豊富な人材を採用して、その知識を日本のスタッフにも共有すれば質のいい人材育成にもつながります。 このように人材の採用が難しい状況でも視点を変えれば、解決への糸口が見つかるかもしれません。 求められるセキュリティ人材像 企業によって求められるセキュリティ人材の傾向は以下のとおりです。 デジタル技術の浸透に積極的な人 専門分野ではなくとも、セキュリティに関係する知識を身につけている人 AIやIoTなど、新しいIT技術に関係する知識を身につけている人 経営業務に携わりながらも、セキュリティに関係する知識を身につけている人 都市部以外の地域でサービスを提供できる人 セキュリティに関係した資格を持ち、そのスキルを十分に発揮できる人 販売会社として活躍できるほどのスキルを保有している人 保有しているスキルが充実している人材の採用も大切ですが、採用後のサポート体制も欠かせません。日々IT分野は成長していくので、既存のスキルを保有しているだけでは新しい技術に対応できない場合も考えられるでしょう。そのため採用前の人材の吟味だけではなく、採用後の育成プランも事前に計画しておくことをおすすめします。 このように企業は優秀な人材まかせにするのではなく、時代が変化しても人材がスムーズに対応できるようにバックアップをする必要があります。人材の価値が高まっているからこそ、お互いがサポートしあえるような関係性を構築していきましょう。 セキュリティ人材の育成方法 具体的なセキュリティ人材の育成について説明します。企業はおもに外部研修を利用して育成をすることが多いと考えられます。その理由は以下のとおりです。 そもそも企業内でスタッフの育成を行う環境が整っていない セキュリティ分野は他の分野と比較して育成プランを立てるのが難しい 流行によって新しい技術が増えていくので、その変化に追いつくのが難しい 自社でムリに育成をすると、かえって効率が悪くなりやすいです。外部研修を活用して、効率よく育成した方がメリットは多いでしょう。 外部研修もサービスによってその方法はさまざまです。「専門分野に応じて提供が異なるプラン」や「基礎的な知識から専門的な知識まで学べる範囲を選択できるプラン」など、プランによって内容が異なります。そのため専門的な分野を伸ばすのか、あるいは基礎的な分野からはじめるのか、それぞれの人材の経験・スキルにあわせて決める必要があるでしょう。また効果的な研修を行うために、人材1人1人のスキルは正確に把握しておきましょう。無料で研修のプランや相談をできるサービスもあるので、事前にサービスの具体的な内容、カリキュラムを聴取しておくこともおすすめです。 このように人材を育成するための外部研修の利用はメリットが多いです。しかしサービスによってプラン内容は異なるので、人材に獲得してもらいたいスキルを十分に把握したうえで検討してみましょう。 まとめ IT技術が進化していく限り、セキュリティ人材の需要は今後も高まると考えられます。しかしその分求められるスキルも徐々に増えていくでしょう。課題となっている人材の確保および新しい知識の修得を解決するためには、外部研修の活用や海外人材の獲得といった工夫を凝らすことが大切です。セキュリティ人材の確保や育成に悩んでいる企業は、ぜひこの記事を参考にして新しい対策を考えてみましょう。 スキルナビ編集部

人材育成
タレントマネジメントシステムによる課題の解決

タレントマネジメントシステムによる人的資本の情報開示~第2回〜「タレントマネジメントシステムによる課題の解決」

タレントマネジメントシステムとは タレントマネジメントシステムは、社員のタレント(スキル)を総合的にマネジメント(管理)するためのシステムです。タレントマネジメントシステムの基本的な機能は次の3つです。 スキル管理社員一人一人が持つタレント(スキル)の状況を管理するのがスキル管理です。社員に求められるスキル項目を設定した上で、社員それぞれが持っているスキルとそのレベルを評価しデータベース化します。スキル項目は、単に項目をリスト化するだけではだめで、会社が社員に求める人材モデルや、職種に応じたタスクフレームを考慮して体系的に定義されなければなりません。代表的なタレントマネジメントシステムであるスキルナビでは、スキル及び評価基準となる回答ランクパターンを事前に登録した上で、本人だけではなく同僚、上司などによりスキルの評価結果を入力することができます。 目標管理戦略に沿った社員ごとの目標をスキルと連携させて管理するのが目標管理です。ここでいう目標とは、いわゆる人事評価と連動する場合が多いですが、タレントマネジメントシステムにおいては、個々の社員がタレント(スキル)を向上させるための目標レベルやアクティビティを指します。スキルナビでは、事前設定された評価期間に対して自分自身の目標設定、目標コメント登録、目標結果閲覧、最終評価入力を行うことができます。一方、評価については、上司(マネージャー)が個別項目ごとの評価と総合的な評価をコメント付きで入力することができます。 組織と個人の可視化タレントマネジメントシステムのもっとも大きな効果は、データベース化された社員のタレント(スキル)を、可視化できることにあります。人材モデルやタスクフレームに沿って体系化されたスキルの修得状況を、特定の組織について、あるべき姿と現状の双方を同時に可視化し、組織や個人の持つ強みや弱みを一目で把握できるようになります。スキルナビでは、人材モデルとタスクフレームの2つから組織や個人のタレント(スキル)の修得状況を可視化し、今後実施すべき人材強化施策を決定するための情報を提供します。 統合情報DBとしてのタレントマネジメントシステム タレントマネジメントが高度化するにつれて、タレントマネジメントシステムにはさまざまなデータが統合されます。 タレントマネジメントシステムの初期導入時には、まず人事・給与システムに存在する基本的な人事データが移行されます。その上で、「タレントマネジメント業務の効率化」、「人材情報の見える化」、「人材の有効利用・人材配置の最適化」といった初期導入の目標を達成するために、目標・評価データ、タスク・スキルデータが蓄積されます。目標・評価データについては、MBOベースのものだけではなく、OKRのより複雑な構造を持つデータが追加されます。タスク・スキルデータについては、企業が求める人材モデルが最初に定義され、そこから派生する形で、タスクモデルとスキルモデルが作成され、運用時には、従業員それぞれの実績データが関連付けられます。タスクモデルは「ジョブ型雇用」における職務記述書の基礎データとして利用され、スキルモデルには、テクニカルスキルやリテラシーに加えてポータブルスキルが追加されます。 初期の導入目標を達成した企業では、「人材育成計画の高度化」、「離職防止・モチベーションの向上」、「採用ミスマッチの防止」といった次の目標を達成するために、タレントマネジメントシステムをより活用するようになります。その結果、研修管理システムの研修受講履歴データ、従業員アンケート/パルスサーベイ・システムの従業員満足度データ、採用管理システムの採用時評価データといった他システムのデータもタレントマネジメントシステムに統合されます。 このような統合情報DBとしてのタレントマネジメントシステムは、 (1)新たな指標の計算と可視化を行う仕組みが新たに必要である、(2)指標の計算や可視化には、異なるシステムに存在するデータを統合する必要があるといった人的資本の情報開示における課題を解決するものといえるでしょう。 タレントマネジメントシステムによるKPIの可視化例 最後に、スキルナビを使ったKPIの可視化例を2つほど見てみましょう。 1つ目は、従業員の健康や安全がどの程度保たれているかを示す指標(Organizational health, safety and well-being)の可視化例です。 この画面では、表とレーダーチャートの2種類の可視化が部門ごとに行われており、部門間の比較もできるようになっています。 2つ目は、従業員エンゲージメント(従業員が持つ組織や企業文化への愛着)がどの程度強いかを示す指標(Organizational culture)の可視化例です。 この画面では、棒グラフの他にToMo指数と平均残業時間の関連性を分析するために散布図が使われています。 これらの例が示すように、タレントマネジメントシステムは、人的資本の情報開示の実現に必要な (1)多数のシステムやExcelファイルに分散しているデータを単一のデータベースに集め、(2)指標ごとに必要なデータを選択して計算を実行し、(3)計算された複数の指標を単一のレポートあるいはダッシュボードとして可視化するといった機能を兼ね備えていることがわかります。 スキルナビ編集部

タレントマネジメント・人材管理
人員配置表・人員配置図とは?

人員配置表・人員配置図とは?エクセルテンプレートやシステムを活用した人員配置表作成の流れを解説!

終身雇用の考え方から、目指すキャリアに応じた転職が主流になってきた昨今、労働人口の減少もあり企業にとって離職率を下げることは重要な課題になっています。会社に人材が定着するためには、それぞれの人材の特性や能力を活かせる適切な部署や役割を与える必要があるでしょう。 しかし、人員配置が人事の意図に沿った形で機能しているかどうかを管理するのは容易ではありません。この時役立つのが人員配置表や人員配置図です。今回は人員配置表、人員配置図の作成方法や作成する目的について詳しく解説します。 人員配置表・人員配置図とは? 人員配置表または人員配置図とは、戦略的に行った人事異動である人員配置を管理する図表を意味します。従業員を適材適所に各部署に配置した結果、業務効率の向上につながったかどうかを管理することができたり、ひと目で従業員の雇用形態や働き方を確認することができたりと、目的に応じた活用方法があります。 人員配置表(図)には、さまざまな種類がありますが、インターネット上でテンプレートがエクセルで配布されている場合もあるため、気軽に取り掛かりやすい人材管理ツールです。人員配置表を活用して、従業員の現状や個性に合わせた戦略的人事のブラッシュアップが可能になるのです。 人員配置表・人員配置図の作成方法 2つの作成方法を紹介します。 Excelで作成する場合 マイクロソフトオフィス社が提供するエクセルは、一般的に使用されているソフトであるため、多くの人にとって扱いやすく操作方法が分かりやすいという点で優れています。人員配置をエクセルで管理しておくと、人員配置に変更があった際も誰でも簡単に編集が可能です。そのため、細かな操作方法マニュアルを用意する必要がなく、管理者の変更時には引き継ぎ時間の短縮も期待できます。 操作が簡単なエクセルだからこそ、人員配置表(図)で項目を追加または削除したい場合にもデータを破損させることなく編集ができるでしょう。使い勝手が良く、ある程度の人数までは管理しやすいのがエクセルで作成するメリットだといえます。 さらに、エクセルの人員配置表(図)はテンプレートも多種多様に公開されており、インターネット上から無料でダウンロードして利用することも可能です。編集もしやすいのでテンプレートをもとに自社が必要とする内容に合わせてカスタマイズを行うと良いでしょう。 人事管理システムで作成する場合 エクセルではなく、人事管理システムで作成する場合もあります。人事管理システムとは、人員配置の現状を可視化して、業務の効率化や生産性向上を図る際に有効なマネジメントシステムです。エクセルで人員配置表を作成する場合は、部署数や従業員数によってはファイル数が膨大になってしまったり格納場所がバラバラになったりして社内の混乱を招く恐れがあります。反面、人事管理システムを活用するとそのシステム内で人員配置の情報をすべて管理できるのです。 また、社内の人員配置の現状把握だけでなく、将来的な人事戦略のシミュレーションも可能にします。さまざまな要素を含めて検討する必要がある人員配置において、具体的かつ簡単にシミュレーションができる点は大きなメリットです。 そもそも人員配置とは? 人員配置とは、従業員一人ひとりの持っている能力や特性、適性に応じて担当業務を決定し、より効率的に会社の生産性を上げるために行う人事マネジメントのことです。人事にとって、適材適所を見極めて個人の能力を最大限発揮できるようにする「人員配置の最適化」は重要な課題なのです。 また、人員の配置を決定する際に考慮すべきは個人の持つ能力や適性だけではありません。近年は働き方改革の影響もあり、自由な働き方や新しい働き方も生まれています。育児や介護などの家庭事情にも配慮し、従業員の意向を汲んだ上で人員配置を行う必要があるでしょう。 最適化された人員配置を実行すると、以下のような複数のメリットが得られます。 業務効率の改善 生産性向上 従業員のモチベーション向上 人材育成 離職率低下 メリットを最大限享受するためには、人員配置を実行して終わりにするのではなく、適切に実行されているかどうかを確認する「人員配置管理」が重要になります。 なぜ人員配置を行うのか? 人員配置を行う目的は3つです。 ①事業計画を達成する 最も重要な目的は人員配置を通して、会社の事業計画を達成することです。事業計画達成のためには、より効率的かつ効果的に業務を進める必要があります。この時、従業員の能力や適性に合わせた人員配置を行うと、一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるようになるため事業計画達成がより近付くのです。 力を入れたい事業のために採用したり異動されたりした人材の離職を防ぐためにも、人員配置を行う必要性は高いといえます。 ②人材を育成する 労働人口の減少もあり、各企業が持つ人的資源は限られています。そのため、従業員一人ひとりが会社の発展に貢献できるスキルや能力を身につけられるように人材育成を行う必要があるでしょう。従業員の適性を把握しておけば、長期的な目線でキャリアプランや育成計画を打ち立てることが可能です。 戦略的な育成計画は、個性に応じた働きやすい職場環境の提供につながり、従業員自身も楽しみながら前向きに仕事に向き合えるようになります。 ③優秀な人材の離職を防止する 終身雇用制が事実上崩壊している中、優秀な人材の流出を防止することも人員配置の目的の一つです。優秀な人材は豊富なスキルや経験を有しているので、他社にとっても優秀だと評価されやすいものです。そのため会社が働きにくいと感じられた場合には、早くに見切りをつけられて転職されてしまう可能性も十分にあるのです。 優れた人材の離職は会社にとって大きな損失です。適切な人員配置を行い、優秀な人材の能力を最大限発揮できるようにすると良いでしょう。 人員配置にはどんな種類があるのか 4つの人員配置の種類を解説します。 ①異動や配置替え 所属部署や業務内容、就業場所の変更などを行う「異動」や「配置換え」は、多くの企業が行っている人員配置です。ジョブローテーションとも呼ばれる人員配置で、新しい環境や仕事を通して、従業員のスキルやキャリアアップを意図して行います。他部署を経験することで、それまで気付いていなかった従業員自身の特性や適性など、潜在的な能力が明るみに出る場合もあります。 個々のスキルや経験、勤務態度などを総合的に評価した上で実施されるのが、「異動」や「配置換え」です。 ②雇用形態の変更 多種多様な働き方が存在する昨今では、勤務時間や雇用形態も個人の事情に合わせさまざまあります。フルタイム勤務だった人が、家庭事情の変化に伴い時短勤務に変更したり、契約社員だった人が正社員に登用されたりなどの雇用形態の変更も人員配置に含まれます。 「雇用形態の変更」は変更された従業員の、業務負荷や裁量権、給与も変化するので、従業員のモチベーションに大きな影響を与える要素です。 ③昇格 「昇格」は多くの場合、従業員のモチベーション向上や職場の活性化に影響を与える人員配置です。ポジティブな印象を持つ「昇格」では、昇格した従業員のやる気につながるだけでなく、責任感の向上も期待できるためミスなく業務を進められるようになるでしょう。 また、昇格した従業員のもともとのポジションに空きが出るため、他の従業員に対して新たな人事を実施できるようになります。社内の硬直化を防ぎ、新鮮さをもたらすためにも有効な人員配置です。 ④新規採用 従業員の新規採用には新卒採用と中途採用がありますが、それぞれにメリットがあります。新卒者の新規採用では、社風や会社理念に沿った未来のリーダー候補を育成できる点がメリットです。また、中途の新規採用は、すでに必要な経験や知識、スキルを身につけている即戦力として活躍を期待できる点でメリットがあります。 新たに人材を採用する場合は欠員補充の意味もありますが、社内の鮮度を保ち企業が停滞しないようにする人員配置が、「新規採用」だといえるでしょう。 人員配置表の作成の流れ 4段階に分けて作成の流れを解説します。 ①定員計画で大枠を決める まずは会社が展開する事業に合わせて、必要な人員数を明らかにして定員計画を立てましょう。定員計画とは、目標達成のために、役職や職位も踏まえて必要だと見込まれる人員の数を決める計画のことです。人件費も含めて計画するため、人数だけでなく総合的な人員配置の大枠を作成できます。 役職や人件費も含めて、目標達成が可能な人員数を明らかにしておけば、無駄なく効率的に目標達成が叶うでしょう。 ②要員計画で人員配置を計画する […]

タレントマネジメント・人材管理
グローバルタレントマネジメントの必要性

グローバルタレントマネジメントの必要性とは?グローバル化に対応する人材管理のメリットと導入方法を解説!

従業員一人ひとりの個性や能力を最大限発揮できるような人事戦略を実施するタレントマネジメント。昨今の日本では働き方改革や労働人口の減少、価値観の多様化からマネジメントに対する考え方が変化してきました。中小企業でもグローバル化が求められる時代となり、時代に合わせた「グローバルタレントマネジメント」を取り入れる企業が増えてきたのです。 グローバルタレントマネジメントについて、導入のメリットや実現の手法などを詳しく解説します。 グローバルタレントマネジメントとは? グローバルタレントマネジメントとは、グローバル人材が個人の能力を最大限発揮できるように行う人材管理手法のことです。グローバル(global)とは「地球規模、世界的な」という意味を持つ英単語であり、近年耳にする機会の多いグローバル人材とは日本国内に限らず世界中で活躍できる人を指しています。 もともと1990年代にアメリカから発祥した「タレントマネジメント」は、従業員一人ひとりの才能や能力、知識や技術などを客観的に分析して最適な活用方法を見つけ出すという手法でした。日本には2010年ころから取り入れられていますが、労働人口の減少や世界的な国際競争が課題になり始めてからは、世界で活躍できる人材に着目した「グローバルタレントマネジメント」が注目されているのです。 人材活用に特化したシステムも開発・販売されており、システムの導入によって各企業は人材の採用から育成まで一貫して、効果的な人事戦略が実現できるようになっています。 グローバルタレントマネジメントでできること グローバルタレントマネジメントを取り入れることで、以下の3つの効果が期待できます。 グローバルタレントマネジメントが必要な理由 グローバルタレントマネジメントが注目されるようになった背景には、従来のタレントマネジメントでは対応しきれなくなった時代の変化があります。かつて日本では終身雇用制度や年功序列の考え方が主流でしたが、現在は年齢に関係なく個人の能力が評価されるようになっています。転職も珍しいことではなくなり、人材の「質」が重要な時代になっているのです。労働人口の減少や働き方改革の推進もあり、従来のタレントマネジメントを取り入れている企業によっては人材の流出が目立つようになりました。 従来のタレントマネジメントが抱える課題は2つあります。 モチベーションの高い人材確保 働き方改革や価値観の多様化は、雇用の流動化を生み出しました。労働人口の減少もまた、有能な人材確保の足かせとなっています。従業員の定着のためにはモチベーションの維持が重要ですが、終身雇用制度が前提だった従来の考え方では対応しきれていないのが現状です。 各企業は仕事へのやりがいを感じる適切な人材配置、ワークライフバランスの確保、明確なキャリアビジョンの提示が求められているのです。 グローバルへの対応ができる人材の確保 従来の方法では世界的な視野を持たず日本国内で活躍する人材確保がメインでした。しかし、激化する国際競争において、グローバルな視野を持って活躍できる人材の確保は重要です。 日本人以外の労働者の雇用や、外国語に精通した従業員の採用や育成を通してグローバルに対応可能な人材の確保が求められています。 この2つの課題解決に役立つのがグローバルタレントマネジメントなのです。 グローバルタレントマネジメントのメリット 取り入れるメリットは4つです。 グローバル人材の可視化と最適化 人材活用において、従業員がグローバル人材の素養があるかどうか、能力を活かせるポジションにいるかどうかは重要です。個人の能力やスキル、性格などを加味して一元管理できるグローバルタレントマネジメントによって、グローバル人材の可視化が可能になるでしょう。 さらに、可視化された人材を最も能力を発揮できる部署に異動させることで人材配置を最適化できます。 グローバルレベルの最適化 海外で従事している人材も含め、会社全体の人材を把握しておくことは、企業の全体最適に役立ちます。全体最適とは、会社や組織を経営または運営する場合において、稼働しているシステムや仕組み全てが最適化されている状態を指します。 全体最適ができるとグローバルレベルの成長が期待できます。海外展開する会社が自社の利益を最大にする戦略を立てる際に、大きなメリットが得られるでしょう。 人材の最大活用 会社には多くの従業員が所属していますが、一人ひとりの能力を活かしきれているでしょうか。実は英語が流暢に話せる従業員や、海外勤務に興味がありやる気を持って仕事に取り組める従業員もいるかもしれないのです。 グローバルタレントマネジメントでは個人のスキルや経歴のほかに、性格や好みも把握できます。そのため、活かしきれていない人材を見つけて、従業員の力を最大限に活用できるようになります。 ⇒AIとタレントマネジメントについて詳しく知りたい方はこちら グローバル人材の育成 グローバル人材を育成し、会社の競争力を高められるというメリットもあります。人材を発見するだけではなく後進育成のためにも活用することで、社内に世界で活躍できる人材を増やし国際競争に打ち勝つ力をつけるのです。 さらに、社内で従業員を育成すると人材流出の防止にもつながります。なぜなら、時間と費用をかけて育成された人材は、会社に対する愛着心や貢献意欲の向上がみられるためです。人材育成により、高いモチベーションを持ってグローバルに活躍するようになるでしょう。 ⇒タレントマネジメントのデメリットについて詳しく知りたい方はこちら グローバルタレントマネジメント実現の手法 具体的な手法を紹介します。 日本人が海外に赴任 グローバルタレントマネジメント実現にあたって、まずは日本人従業員を海外に赴任させる必要があります。企業のグローバル化には海外拠点を設け、海外事業を軌道に乗せることから始まります。そのために、まずは海外赴任する間の人事評価基準策定や、赴任する人材の客観的事実に基づいた選定、赴任前の研修などを行うと良いでしょう。 今後の事業拡大に向けて、どのようなスキルや能力を持った人材が必要なのか、何人ほど必要なのかなどの目安にもなるため、まずは日本人の海外赴任が必要です。「急(せ)いては事を仕損じる」というように、グローバル化を急いで推し進めては人材不足に陥ってしまうので注意しましょう。 ローカル人材の育成 事業規模が大きくなると、海外赴任した日本人だけでは業務の遂行が難しくなるため、ローカル人材の採用が必要になるでしょう。赴任先の現地スタッフを採用し育成することが、中長期的な目線での海外事業成長につながるのです。 タレントマネジメントを活用して、ローカル人材の経歴やスキル、人事評価や性格を把握しながら一人ひとりに合わせた育成計画が必要です。ローカル人材の育成においては、将来的にどのような仕事まで任せるかを明確にした上で取り組むと良いでしょう。現地スタッフのマネジメントまで一任したい場合には、より高度な教育が必要になります。日本独自の考え方や認識のすり合わせも必要になるかもしれません。スタッフの一人として単純作業のみ任せたいという場合もあるでしょう。活用方法に合わせた計画的な人材育成が求められます。 グローバル人材の育成 海外拠点が増えてくると、グローバル人材の不足や適切な人事配置が課題となってくるでしょう。この時、グローバルタレントマネジメントが役立ちます。グローバル人材を一元管理し、能力を最大限発揮できるポジションに配置することで、戦略的な人事が可能になります。さらに、グローバルに活躍する資質を持つ人を見つけ出せるため人材不足も解消できるでしょう。 会社にとって必要なスキルや能力を持つ人材を育成し、海外で活躍できる環境に配備することで、各企業は人材の確保に悩むことなく事業展開が可能になるのです。 ⇒タレントマネジメントのスキルマップについて詳しく知りたい方はこちら まとめ 激化する国際競争や日本国内の価値観の変化などに合わせて、企業は人材の活用方法を見直す必要に迫られています。適切に対応するためにグローバルタレントマネジメントを取り入れて、会社の全体最適を図りましょう。 日本でも人材管理システムを導入し、グローバル人材の採用や育成に注力している企業が増えつつあります。企業の現状や確保している人材を見極めて最適な手順を踏みながら、着実にグローバル化を進めると良いでしょう。 スキルナビ編集部

タレントマネジメント・人材管理
HRテックの導入成功事例5選

HRテックの導入成功事例5選を徹底解説

近年、HRテック導入企業が右肩上がりで増えています。会社全体の効率化に向けて、少しでも自動化に頼る動きが出てきたからです。実際、導入企業は人事における悩みが限りなく少ないと言えます。ではHRテックが注目されている理由は何でしょうか。今回は導入企業の成功事例をもとに解説していきます。 HRテックとは? HRテックとはHR(人的資源)とテック(科学技術)を組み合わせた言葉です。担当者が行っている人事評価・採用・出退勤管理などをAIに任せ、業務効率化及び問題解決に向けた動きとなります。日常業務を見渡すと自動化可能な仕事もあるでしょう。例えば、給与計算や人事評価集計などです。人が行わなくても十分代わりが利く仕事であり、なによりもミスが圧倒的に少なくなります。人事業務においてミスは致命的で、信頼を損ないかねません。加えて、近年では人事評価も人工知能に頼る企業が増えています。評価項目や昇給昇格基準をAIに任せてしまえば、より質の高い社内評価システムが完成するからです。いずれにせよ、マンパワーで行える範囲に限界がきているのも事実。HRテックを導入して企業改革を目指すのも良いでしょう。 HRとは何か? HRはヒューマンリソースと呼ばれ、人的資源と訳されます。企業の人事部と混同されやすいですが、HRは人事部よりも作業範囲が多岐に渡るのです。例えば、企業ビジョンに沿った人事戦略や組織開発など、人事部の枠をこえた業務を行います。とくにHRにとって重要なのは人事戦略でしょう。「営業部にはどんな人材が必要か?」「企業の未来を担える人材をどうやって育てるか?」「一番合う部署はどこか?」等を会社の方針に沿って決めていきます。適切な人材配置や採用を行えば、本人もモチベーション高く仕事に取り組めるのです。結果的に離職率が下がり、優秀な人材の確保につながります。さらに、組織開発もHRの重要な役割です。従業員同士の関係や部署の問題に着目し、課題解決に努めていきます。そのためにも、従業員一人一人が満足して働くために視野を広げる必要があるでしょう。以上のように、HRは企業全体の「人」に関わる業務に取り組みます。仕事内容が広範囲に渡るのは念頭に置いておきましょう。 HRが注目されている理由 HRが注目されている一番の理由は人材業界の変化でしょう。近年は売り手市場と呼ばれ、優秀な人材確保が困難であるのも事実。多くの企業は優れた人材を狙うよりも、既存社員の育成や配置転換に舵を切ったのです。適材適所でモチベーション高く働けば、優秀な人材を獲得するよりも貢献度が高いです。また、各従業員の働く目的も変化しています。現職場で長く働くよりも、やりがいやスキルアップに重点を置いているのも事実。終身雇用や年功序列が徐々に崩れている背景もあるでしょう。そのため、働きがいのない環境だと退職率増加の可能性もあるのです。社員の能力を見極め、力を最大限引き出せる職場づくりが必要になりました。このように、人材業界の変化と働く目的の変化により、昨今HRに関心が向けられています。人材問題で悩む企業はあらためて人的資源について見直してみましょう。 HRテックを導入している企業事例 HRテックの導入事例は以下のとおりです。 株式会社日立製作所 最初に紹介する導入企業は株式会社日立製作所です。日立製作所は家電のHITACHIでもお馴染みである世界を代表する電機メーカー。HRテックを導入した背景には類似タイプの人材採用問題がありました。海外法人含めた世界規模の従業員を抱える日立製作所は、似た系統の社員が大半である問題に直面。会社が価値観の近い人材を追求したばかりに成長が鈍化したそうです。そこで日立製作所はHRテックを駆使し、タイプ診断を導入。社内に少ないタイプを積極的に採用し、新陳代謝を図っていきました。結果、今までにない新たなアイディアがうまれ、価値観の融合が実現したのです。現在も家電業界を代表するメーカーなのは変わらず、斬新な電化製品が登場しています。そんな活躍の裏にはHRテック導入があったと言えるでしょう。 ソフトバンク株式会社 続いて紹介するのはソフトバンク株式会社です。ソフトバンクは携帯電話に代表される大手電気通信企業。HRテックを導入した裏には人材採用の効率化があります。ソフトバンクへの応募者は年間3万人とも言われ、多大な人的資源を費やしてきました。採用の負担は年を追うごとに増加。ときには採用におけるヒューマンエラーも多発したそうです。例えば、本来の狙いとは異なった人材を採用したり、入社後に早期退職したり。採用業務を人でまかなうのに限界がきたのです。そこでソフトバンクはエントリーシートをAIに頼りました。過去の応募エントリーシートを読み込ませ、自動判断する機能を採用。会社が理想とする人材だけを効率良く通過させました。結果、今までエントリーシート評価業務に使っていた約8割の時間を削減させたのです。ソフトバンクが優秀な人材を獲得し続ける背景にはエントリーシートの自動化がありました。 株式会社サイバーエージェント 次に紹介するのは株式会社サイバーエージェントです。サイバーエージェントは言わずと知れたインターネット広告企業。HRテックを導入した背景には適材適所の人材配置があります。企業の売上増加に伴い、社員数も右肩上がりに伸びていきました。そこで、より個人の力を最大限発揮できるよう「人材化学センター」を新設。HRテックに特化した部署を立ち上げ、人的資源の効率化を図ったのです。とくに全社員に向けたアンケートはサイバーエージェント独自のシステム。簡単な項目に沿って5つの回答(最も良い・良い・普通・悪い・非常に悪い)を用意し、社員の現状をリアルタイムに把握します。質問内容には「パフォーマンスをいかんなく発揮できているか?」「職場環境は良いか?」などがあります。回答内容をデータ化し、人材配置の見直しを行っているのです。結果、適材適所の取り組みは上手くまわり始めたそう。日本を代表するIT企業ならではの施策と言えます。 NTT東日本 最後に紹介するのはNTT東日本です。NTT東日本はこれまでとは一風変わったHRを導入。「Orihime(オリヒメ)」と呼ばれる人型ロボットを採用しています。在宅勤務導入企業が増え続ける中で、NTT東日本はコミュニケーション不足に直面しました。「顔を見て会話しないため、本音が分からない」「出社していない分評価につながりにくい」「家の業務内容を把握しづらい」などの問題が発生。意思疎通の点で悩みを抱えていたのです。そこで、在宅勤務社員の表情・感情・動きを認識させ、社内に本人類似のロボットを常駐させました。ロボットは会議や商談にも参加でき、まるで本人が実在するかのよう。在宅勤務の弱点とも言われていた心身の距離感を補えました。現在は実証実験程度に留まっているものの、将来は会社の大半をロボットが占める時代となるかもしれません。 まとめ HRテックは人的資源に科学技術をミックスさせた手法です。人間の手では届かない問題を解決したり、人に代わってAIが業務を行ったりしてくれます。近年、優秀な人材を確保しづらい背景からも、適材適所で人員を配置する必要があるのです。まずは自社の人事問題を見直し、是非HRテックを導入してみましょう。 スキルナビ編集部

HRテック
人員配置を最適化するポイントと目的を解説!

人員配置を最適化するポイントと目的を解説!メリットとデメリットは?

業務の効率化を高めるための施策として「人員配置」が1つ挙げられます。人員配置によって、人材のスキルや経験を無駄なく活用し、会社の生産性を高めることができるでしょう。現時点での会社の生産性に不満を感じており、より高い効率性を求めたいという方は参考にしてみてください。本記事では、人員配置の目的から最適化のポイント、実施することによるメリットとデメリットの順で解説していきます。 人員配置とは そもそも「人員配置」とは何なのでしょうか?人員配置とは、会社に属する社員をどの部署に割り振り、どのような業務を担当させるのかなどを決定することです。例えば、「この社員は〇〇のスキルをもっているから、この業務を担当してもらおう」「この業務には何人まで配置すべきなのか」という風に決定していきます。これを行うことにより、従業員たちは自身のスキルを存分に活かした仕事ができたり、1つの業務に必要以上に人材を割り振ってしまうような事態を防ぐことができます。 実施する目的 人員配置がどのような仕組みなのか理解した上で、具体的にはどのような目的で実施されることが多いのでしょうか。大きく分けて2点解説します。 事業目標の達成 1つ目は『事業目標の達成』です。人材を最適な業務や部署に割り振ることで、それぞれの強みを活かした仕事を効率よく行わせることができます。たとえば、「この業務には〇〇のスキルが必要だから、経験のあるAさんに任せよう」「この事業には○人ほど必要だから、あらかじめ割り振っておこう」という風にしておけば、各社員の能力を最大限発揮させることができ、結果的に事業目標に近づくことになります。 従業員の効果的な活用 スキルや経験があるにも関わらず、それらを活かせられない業務に割り振ってしまうと、業務の効率性も上がらないどころか、会社に不満を持つようになりそのまま離職につながるケースもあります。そういった事態を防ぐためにも、従業員のスキルはしっかりと把握しておき、それぞれに適した仕事を与えるようにしましょう。そうすることで、人材の能力を効果的に活用することができ、その強みを次の世代の社員にも引き継がせることもできるかもしれません。 人員配置を最適化するポイント 企業の目的達成のために、人員配置を実施する上で気をつけておきべきポイントを4つご紹介します。特に1つ目のポイントに関しては、最重要項目となっているため要チェックです。 従業員のデータの把握 社員一人ひとりの経験や能力、どの程度の知識を有しているかといったようなデータを一元に管理しておくと良いでしょう。もちろん1つ1つ人の手で管理・把握するのは困難なので、専用のシステムを活用するとスムーズに行えます。各社員のデータを把握していないと適切な人員配置は行えず、またある特定の人間だけが知れるような仕組みだと、客観的に正しい配置なのか分からなくなってしまいます。 適性・スキルの把握 社員一人ひとりの能力や経験だけをみるのではなく、それぞれの適性についても見ておくと良いでしょう。スキルのように目に見えるデータではありませんが、その社員の強みや弱みが発見できるため、人員配置において必ず役に立つでしょう。例えば「採用面接時の印象」「資格の取得歴」「どの程度研修を受けているか」「1on1などの面談評価」「異動履歴」などが参考になるかと思います。いつでもそういった情報を取り出せるように、あらゆるデータは一元して残しておくことをおすすめします。 希望・要望のヒアリング こちら側からどこの部署に配置するかを一方的に決めるのではなく、前もって従業員にヒアリングすることをおすすめします。例えば、「今担当している業務に対する不満や疑問点はあるか」「他に担当してみたい業務や部署はあるか」「人事評価の基準に不満はあるか」を、1on1面談を通して聞くとよいでしょう。実際に社員から要望があった場合は、それを参考にしつつ人員配置を行うと不満を減らすことにつながるかもしれません。 効果の確認 必ず人員配置後には、その効果をチェックするようにしましょう。やりっぱなしでは何も改善されない上に、たとえ効果があったとしても「何が良かったのか」が分からなければ、次に活かすことができません。例えば、「業務効率やエラー率はどう変化したか」「社員の満足度はどう変化したか」「業務に対する人員の数は適切か」「部署における人間関係は良好か」などが確認すべきポイントとして考えられます。そして、気づいた点を反省点として取り上げ、次の人員配置に活かし、再びサイクルを回すようにしましょう。 人員配置の種類 「人員配置」と言ってもさまざまな種類に分かれているため、一概には言えません。大きく分けると5つの種類に分類することが可能なので、以下でご紹介します。 人事異動 人員配置の最も知られている種類として「人事異動」があります。その他の部署や支社への移動によって、労働環境が変わる点が大きな特徴です。異動を行う際には、社員の能力や経験などを考慮して行われます。 組織体制の変更 企業全体を大きく変化させるものとして、組織体制を変更するための人員配置が行われる場合があります。会社全体の利益や効率性を改善させるために、ベンチャー企業やスタートアップ企業などでよく行われる傾向にあります。当然、組織全体を改革することになるため、大きく失敗するリスクも伴う点に注意しなければなりません。 役職の変更 従業員を昇格させたり、降格させるような「役職の変更」も人員配置に含まれます。ただし急に役職を変更することはできず、空いた穴を埋められるような教育や引き継ぎを行なってからになります。また役職が変わることによって、チームメンバーの関係性などが新たになるため、そういった影響が業務に関係する可能性もあるでしょう。 採用 新入社員の採用や中途採用において、新しく社員を募集する採用についても人員配置として定められています。例えば新卒採用の場合は、あらかじめ「募集する人材に求める条件は何か」「採用人数は何人か」「自社に必要なのは具体的に何のスキルなのか」を考えておき、採用後の部署の配置で方針が定まっていないというような事態は避けなければなりません。 解雇 自社の従業員を活用することだけが人員配置ではありません。社員の解雇も計画的に行う必要があり、「どういった基準で何人まで解雇するか」をよく考えておく必要があります。社員のリストラは他の社員への影響を特に考慮する必要があり、頻繁に行うような事態を防ぐためにも、やはり計画段階でよく練る必要があります。 人員配置を行うメリット 業務の効率化や人材の活用などさまざまな例を取り上げましたが、メリットとしては以下の3点に大きく分けられます。それぞれ解説していきましょう。 人件費の削減 人員配置では割り振る人数を適正化するため、各部署や業務に必要な従業員の数を見直すきっかけになります。これまでは10人担当させていたところを7人で成り立つことが分かれば、その分別の業務に移させることができ、結果的に人件費の削減に繋がります。人件費を削減することで、会社の利益を向上させることができ、組織目標の達成も同時に目指しやすくなるでしょう。 業務効率の向上 適切な人材の配置を行うことによって、社員のスキルを活かした業務に充てることができるようになり、結果的に業務効率が改善される場合が多いです。当然業務内容によっては必要な能力が異なるため、従業員がどのようなスキルを持っているのかを把握しておけば、その業務に最適な人材を容易に見つけることができるでしょう。 従業員満足度の向上 各社員に合った業務を担わせることができる他、事前にヒアリングしたニーズに合った配置を行うことができる点もメリットと言えるでしょう。当然、社員が希望しない部署や業務を担わせてしまうと不満につながり、従業員の満足度はなかなか向上しないでしょう。 頻繁に行う事によるデメリット 次にデメリットについて、大きく分けて2点解説します。 従業員のスキルが伸びない 他部署への異動など頻繁に行うことにより様々な経験を積むことができるのですが、その反面スキルがなかなか身に付かないケースが多いです。1つの業務を長い期間こなすことでスキルを身につけるのが一般的なのですが、経営方針が定まらないまま何度も人員配置を行なってしまうと、スキル習得の機会を失ってしまいます。 直接売上に影響しない 適切な配置を行うことにより業務効率の改善と利益率の向上は狙えますが、売上には直接つながらないという点は覚えておきましょう。あくまで人件費の削減や効率性を上げることを目的とした人員配置を行うことをおすすめします。 まとめ 適性に沿った人員配置を行うことによって業務効率を高めることができ、人件費の削減と企業の収益性を改善することができます。最後に解説したデメリットをカバーするために、従業員のニーズを無視することなく、あまり頻繁に配置転換を行うことは推奨しません。重要なことは何度も配置を行う必要をなくすために、事前に計画を綿密に立てておくと良いでしょう。 スキルナビ編集部

タレントマネジメント・人材管理
HRテックとAIの浸透による恩恵とは?

HRテックとAIの浸透による恩恵とは?将来に向けた活用を考える

新規人材の採用活動において、エントリーシートのデジタル化を行なっている企業は増えています。またAI(Artificial Intelligence)の発展によって、業務の中に取り入れる試みが進み、将来的に効率性の高い活用法が期待されています。もう一つの用語として、HR(Human Resource)テックについても本記事では解説します。名称の通り、人材分野におけるテクノロジーの活用を目的としており、これまでも社員の給与計算や勤怠管理において役立っていました。ここでは、さらに将来的なHRテックの浸透とAI活用についてご紹介しましょう。具体的に、我々はどのような恩恵を受けられるのか知っておくだけでも、今後それらのテクノロジーとの関わりについて考えるきっかけになるかと思います。 HRテックとは Human Resources Technologyの略であり、人材領域に関するテクノロジーを扱う分野を示します。人材領域というと、最初に採用活動を思い出すかもしれませんが、実際には社員のスキル分析やストレス測定、業務遂行能力の把握、給与予測、退職予測などにも関係しています。採用活動や給与予測などは比較的外部に向けたタスクですので「外部人事」として括られます。一方のストレス測定や退職予測などは社内に向けたタスクですので「内部人事」として括られます。これらのタスクを実行する者として、「企業人事部」と「求職者・従業者」に分類されます。 これらの多様なタスクをテクノロジーを駆使して解決していく仕組み、それがHRテックなのです。 人事業務を支えるHRテック これまでは人事の勘や経験に頼った業務が中心となっており、人材領域においてなかなかデジタル化が進まない状態が続きました。デジタル化が進まないことによって、社員の給与計算や労務マネジメントなどを全て手作業で行わなければならなくなり、負担と手間が大きいという課題がありました。こうした人の手による負担を軽減するために「HRテック」を導入する企業が増えており、人材領域においてデジタル改革が行われようとしているのです。 もちろんHRテックの導入によって全ての課題が解決されるわけでは決してありませんが、給与計算などの業務にかけていた時間を別の業務に充てることも可能になり、業務効率性を向上することもできるでしょう。 人事業務を支えるHRテックとAI 人事領域を支える仕組みとしてHRテックを紹介したが、その中でもAI(Artificial Intelligence)を活用したテクノロジーが我々の業務に浸透しています。AIとはいわば「人工知能」のことで、人間と同等の知能を持たせて、私たちの代わりに業務を効率よく遂行してもらうという目的のもと開発されてきました。 AIには大きく分けて3つの関係する言葉があり、それがこの後解説する「学習機能」「推測機能」「生産性向上」です。特に1つ目の「学習機能」はAIが人間の知能と同等になることを目指すためには欠かせない要素であり、この技術が多くの場面で活用されています。 学習機能 AIといっても最初から人間と同様の知識を持っていて、自身で考える機能が備わっているわけではありません。例を一つ挙げると、「これはサルなのか、ゴリラなのか」を瞬時に判断する場合、これまでに得た知識や経験からデータを分析し始めます。「動物なのか」「色は」「シルエットは」などのいくつかの判断材料からこれを決定します。こういった情報をあらかじめ学習させておくことが、AIにとっての最初の一歩だと言えるでしょう。AIが自動的に知能を高めていくという仕組みを実現させるためには、「機械学習」と「深層学習(ディープラーニング)」の2つが欠かせません。 機械学習はあらかじめ人間の手によって、様々な判断材料を用意し、それぞれのパターンごとの反応を学習させることを表します。一方の深層学習は人間の手をかけず、AI自身が学習材料や基準、条件を定めることによって知能を高めていくという認識で構いません。 推測機能 AIがある程度の学習を終えると、次の段階では「きっとこうなるだろう。だから〇〇のような対策をしよう」という風に、未来で起こる事象を推測し始めます。この機能は実際のビジネスの場でも有効活用されており、業務改善を現在の状態のまま継続すると「5年後には〇〇のような結果になっている」というように推測を行い、途中で何か問題が発生した場合には軌道修正を試みるようになるでしょう。 他にもユーザーがこれまで購入した履歴から推測、会社の過去何十年にわたる取引データなどから推測し、新たに利益を追求するといった活用も行われています。 生産性向上 AIがある程度の学習を終えると、自身の知能レベルが高い状態になっており、業務に関する理解もかなり進んでいます。過去のデータから分析することで、一定のパターンを発見し、分析した結果をもとにして多様な業務を遂行することができます。 例えばある部署の業務に関するデータを分析し、その中から単調で定型的な仕事が見つかった場合、人の手に任せず「ITツールを活用した自動化」に切り替えるというような対策をとるでしょう。これにより、業務にかける時間を省略できるだけではなく、本来その業務を行なっていた社員に「ITツールではとって代われない仕事」を割り振ることで、生産性の改善が見込めるでしょう。 逆に生産性が低い部署の改善に限らず、すでに業務効率性や生産性が高い部署の特徴や傾向を分析し、同じような部署を横に増やすという手法も考えられます。また業務の割り振りなどによる改善だけではなく、AIによる環境整備も活用可能です。例えば、ある時間に一定の室内温度になってしまい、その影響で生産性が著しく低下しているというデータを得た場合、AIによって時間ごとの室内温度調節などの対策も行われます。AIによるデータ学習によって、人の手だけでは限界だった生産性の向上が目指せるでしょう。 HRテックとAIの将来 AIを活用したHRテックは、人材配置や採用活動などといった『人材部門の仕事』を大きく助けてくれるテクノロジーです。特に人材配置においては、どの部署にどのようなスキルを持った人材を何人まで配置するべきかという最適なデータをAIで分析し、組織全体の業務効率性を改善するために活用されています。その際に、社員がこれまで獲得した知識や経験、スキル、性格、行動特性などの情報をもとに、どのような業務が適しているのかをAIに提示させます。 現在ではまだAIの分析によって得たデータをもとにして、人間の手によって人材配置を行なっていますが、将来的には最適な人材配置までを全てAIに任せられる時代が来る可能性もあるでしょう。また人材配置に限った話ではなく、採用段階でのAIの活用も期待されています。例えば採用する人材像を事前に決めていたとしても、実際にはミスマッチが起こる場合も少なくありません。そこで予め会社の社風や経営目標にマッチした人物像をAIに描いてもらい、それにあった人材を採用するようにします。AIを活用すれば主観的な判断をカットできるため、将来的にはこの方法がスタンダードな採用方法になるかもしれません。 まとめ ここまでをまとめるとAIを活用したHRテックの強みは大きく分けて2点あります。1点目は「業務改善」で、2点目は「企業にとって有益な予測」です。1点目については、最適な人材配置と無駄のある仕事をカットすることができ、空いた手を他の業務に回すことができ、結果的に生産性を向上させることにつながります。また2点目については、AIならではの機能を活かした未来予測を行い、将来的な企業の成長を目指すことができるでしょう。 どちらにしても組織にとって役立つことは間違いなく、今後多くの企業で活用されることを考えると、扱わない手はありません。もちろん人材領域での活用が期待されるため、個人情報などの機密情報をシステム化するというリスクは存在しますので、よく検討する必要があるでしょう。まずは自社に導入することによってどのような利益があるのか予測し、その有用性を社内で話し合う機会を設けることから始めることをお勧めします。またHRテックってなんだか難しそうだなと敬遠していた方も、この機会にどのようなものがあるのか調べてみてはいかがでしょうか。 スキルナビ編集部

HRテック
日本企業文化の特徴は?

日本企業文化の特徴は?海外文化との比較で徹底解説

世界から遅れを取っている日本企業。外国人が日本の会社に就職した際、驚くべき点が多数見受けられると言われています。実際、労働時間の長さや時間感覚の厳しさは代表的な例です。では日本の会社にはどのような特色があるのでしょうか。今回は海外企業と比較して、働き方や制度の特徴を徹底解説していきます。 日本の企業文化とは? 次から企業文化について解説していきます。 働き方 日本企業の働き方が世界と最も異なるのは「勤勉さ」でしょう。日本人特有の真面目さがワークスタイルにもあらわれています。例えば、有給休暇をなかなか取らなかったり、自分の時間よりも仕事を優先させたりなど、どんな場面においても仕事の優先順位が非常に高いと言えるでしょう。実際、働き方改革により有給休暇取得を推奨しているにもかかわらず、使用期限間近まで取らない方もいます。周囲が積極的に取得しないがゆえに取りにくいとも捉えられるかもしれません。背景には休暇取得への罪悪感や苦労が美徳と考える文化があります。「休んだら他の人に迷惑を掛けてしまう」「休まずに働いた分だけ評価されるだろう」などの思い込みがあるでしょう。事実、正当な理由の休暇取得でありながら、休みが原因で評価を下げる職場も存在します。一方、海外に目を向けると働き方に対する考え方に違いが見られます。例えば、外国人は仕事よりも家族を優先する方が多いです。残業などせずにまっすぐ帰宅、中には午前中で仕事を切り上げて家族サービスする人も見られます。海外企業が休みやすい環境であるとも捉えられるでしょう。日本企業はいまだに長時間労働文化が抜けていないのです。 キャリア 日本企業のキャリアに対する考え方も特徴的です。日本は能力よりも、年功序列やいかに上司から可愛がられるかが重要になっていきます。仕事の能力が高いにもかかわらず、役職についていない社員も日本には多くいるのです。例えば、会社の飲み会へ積極的に参加する社員が出世しやすい企業もいまだにあるでしょう。社内の関係性が重要ではあるものの、日本企業は仕事以外の面も重視されすぎる傾向にあります。また、年功序列にはじまり、日本企業は新陳代謝が良くありません。背景には転職が悪と捉えられる文化もあるでしょう。実際、転職時に在籍企業数が多いとマイナスイメージがつき、活動が不利になります。様々なスキルの取得や経験値よりも、いかに一つの会社で我慢強く働いていたかが評価されるのです。結果、企業の顔ぶれは一向に変わらず、会社が進化していきません。日本企業が思いどおりに成長できないのは、古くからの体質が依然として残っているからと言えるでしょう。 慣習 日本企業の慣習における文化も外国人から見れば特殊かもしれません。特徴的なのは上司と部下の上下関係です。例えば、日本で良く見られるのは上司が人前で部下を叱る光景。上司は悪気はないものの、つい感情を優先してその場で怒りを爆発させてしまいます。部下はミスの内容よりも周りからの目線が気になってしまうでしょう。一方、海外では上司が人前で叱るシーンはほぼ見られません。なぜなら、感情を抑制できない人間と認識させられたり、部下のプライドを傷つけたと周囲から反感を買ったりするからです。公然の場で怒りをあらわにするのはマイナスでしかないとされています。そのため、思うことがあれば、別室に移動して一対一で対応するのです。上司は感情を整理した状態で伝えられ、部下も周りを気にせず内容を受け入れられます。角が立たず、両者にとってプラスにはたらきます。また、日本企業にありがちな「上司より先に帰ってはいけない」「出社したら新人が全員分の机を掃除する」「入社間もない社員が率先して電話を取る」などの慣例もありません。海外はあくまで上司と部下の関係がフラットなのです。慣習においても、日本は世界と比べて違いが見えると言えるでしょう。 日本の企業文化の特徴 日本の企業文化における特徴は以下のとおりです。 残業に対する考え方 日本は残業を美徳と捉える文化がいまだに根付いています。政府の働き方改革により、残業の上限が月45時間・年360時間と定められました。しかし、依然として残業文化が消えていません。背景には賃金の低さと仕事に対する効率の悪さがあります。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の賃金はここ20年で0.4%しか上がっていません。賃金が上がらなければ、自然と残業代に頼るしかなくなり、仕事が完了しているにもかかわらず、帰宅しない社員も多く見受けられます。また、日本は無駄な会議や紙ベースの書類がいまだに存在しているのです。不要な会議を開催して満足感を得ているのでしょう。書類が紙ベースであれば直筆や押印で時間を取り、各部署に回す手間も発生してしまうのです。いずれも残業が発生する原因となり、長時間労働を誘発します。残業を減らし社員のモチベーションを保つには業務の見直しからはじめるのが良さそうです。 時間感覚の厳しさ 日本の企業文化に広がる時間感覚の厳しさは世界一とも言われています。10秒20秒遅れただけで遅刻とみなされ、周囲からの信用を失います。いくら能力が高くても、時間を守らない方は「仕事ができない人」の評価を下されてしまうのです。一方、海外に目を向けると、1時間遅れの出社は当たり前。仕事に限らず、店のオープンや交通機関ダイヤも時間通りとはいかないシーンも多いです。そもそも日本と海外では時間に対する考え方が異なります。日本は明治時代より規則正しい生活をするよう教育されていました。学校でも時間の大切さを学び、一日を緻密に管理する文化は古くから伝わっていたのです。反対に、海外でもとくに時間にルーズなラテン系の国は、元来時間に対してゆるい考えを持っていると言われています。古くからの習慣であり、実際に仕事の打ち合わせなども「9〜10時頃開始」と設定するケースもあります。日本の企業文化に広がる時間の厳しさは群を抜いていると言えるでしょう。 職人気質な日本の仕事文化 日本の仕事文化は職人気質と言われるケースが多いです。細かいモノづくりにはじまり、ホテルやスーパーの接客サービスは世界を見渡してもトップクラス。背景には日本人特有の一切ブレず、真面目にコツコツと仕事へ取り組む姿があるでしょう。古くからの伝統を守り、技術を上げるためにひたすら鍛錬するのが日本人です。とくにモノづくり分野では仕事における反復の重要性が分かります。そして、会社の仕事を見ても、慣れない作業を繰り返し行い、技を磨いていきます。新人がいきなり大仕事を任されるケースはほとんどありません。一方、海外では地味な仕事よりも発想が重要視される場合が多いです。入社間もなくても会議で優れたアイディアを出せば、たちまち役職を与えられるでしょう。反面、日本のように反復を行わないため、モノづくりをはじめとした地道な作業が苦手と言われています。職人気質な日本人の性格は現在の企業風土にもあらわれているのです。 年功序列 日本企業は年功序列文化であるのも特徴的です。日本企業が能力主義に向かっていると言っても、依然として勤続年数をベースとした評価を採用している会社が大半。優秀な新人が入社しても、能力が評価されず給料が上がらないケースも多いです。結果、モチベーションが上がらず離職につながってしまいます。若い世代が育たず、なかなか世代交代へと進めない会社も増えているのが現状です。このように、日本企業の年功序列は時が経っても廃止されません。理由は解雇・降格制度がほぼないからと言えます。日本は正社員で役職についてしまえば、肩書を外されるケースは無いも同然です。役職者が固定されてしまうと、若い世代はポストにつけません。故に管理職が高齢化し、会社の新陳代謝がうまれないのです。年功序列はメリットこそあるものの、現代のビジネス社会を切り開くには能力も重視しなければなりません。 まとめ 日本の企業文化はいかに長時間働き、成果を出すかに焦点を当てられがちです。実際、残業や休日出勤で長く働いた方が出世する傾向もあります。結果、優秀で効率良く業務に取り組む社員は評価されにくい仕組みです。今後、会社が生き延びていく上で仕事の効率化や企業全体の活性化は重要になります。まずは制度や業務内容を見直し、着実に改善していきましょう。 スキルナビ編集部

人事労務・制度設計・運用
ジョブローテーションが退職につながるケース

ジョブローテーションが退職につながるケースとは?対策方法を解説

社員の育成を図るために「ジョブローテーション」を自社に導入する企業は少なくありません。さまざまな経験を積ませることで多角的な視点を持たせることができるメリットがありますが、その一方で社員の負担にもなっているケースがあります。その影響により、社員が退職を考えてしまう場合もあるようです。本記事ではどのような理由によって社員が退職してしまうのか紹介したのちに、ジョブローテーションが退職につながらないための対策方法を解説します。 ジョブローテーション 社員にさまざまな経験を積ませることを目的とした「人材育成システム」です。具体的には、一定期間ごとに部署が変更になり、担当する仕事内容がその都度変わるため、1つの会社で多くの業務をこなすことになります。これにより比較的短期間で実践経験を積ませることができ、視点を広げることにもつながるでしょう。中には部署だけではなく、勤務地が変わる場合も少なくないようです。 ⇒ジョブローテーションについて詳しく知りたい方はこちら 人事異動との違い どちらも部署や勤務地が変わる点において共通しているのですが、ジョブローテーションは社員の育成を目的としたものであり、人事異動は社員同士の競争を目的としたものです。成果を出せた社員は今ある自身の地位を守ることができ、成果を出せずに競争に負けた社員は別の地位を与えられることになります。これがいわゆる『人事異動』であり、ふるいにかけられた人だけが残る仕組みとなっています。 ジョブローテーションのデメリット 社員の育成をするにあたって、ジョブローテーションは効果的ですが、その反面いくつかのデメリットも存在します。 退職のリスク 本記事のメイントピックとして取り上げていますが、デメリットの1つとして「退職のリスク」が挙げられます。ジョブローテーションによって社員は仕事に対して新鮮さを感じることができますが、その反面として個人の適性を無視したシステムであるとも言えます。また社員が仕事に慣れてきたところで部署が変わってしまい、結局専門性が身に付かず、浅い経験しか得ることができません。こういった不満が積もり積もった結果、社員が退職という選択をとってしまうケースがあります。 スペシャリストが育たない 上でも述べた通り、社員が仕事に慣れてきた頃にジョブローテーションによって部署が変わってしまうため、専門性がつかず終いになってしまいます。確かに様々な経験ができるためゼネラリストは育つのですが、専門性のあるスペシャリストが育たないため、何かの分野に突出した社員がいないということになりかねません。ゼネラリストとスペシャリストの割合がバランスよく存在する会社を目指していくべきです。 ジョブローテーションによる退職理由 ジョブローテーションを導入したことにより、スキルのある社員が退職してしまうケースがあります。その理由を大きく分けて3つ解説します。 これ以上成長できる機会がない 優秀な社員は「これ以上この会社では成長できそうにない」と感じたときに、退職を選ぶケースが多いです。育成目的のジョブローテーションではそこまで深い経験を積むことができず、自身のスキルを今以上に磨くことができないと感じた時点で退職を考えてしまいます。 自分の権限で仕事が出来ない 優秀な社員ほど、自身の裁量でより効率的に仕事を行いたいと考えます。そのためのアイデアを提案できるような環境が与えられず、上司の気分次第で無かったことにされるケースもあり、少しずつ不満が積もっていきます。特にジョブローテーションによって自身の得意な仕事を受け持つことができず、スキルを活かせないと感じた場合にも退職を考えてしまうでしょう。 会社の将来性に共感を持てない ジョブローテーションによってさまざまな経験ができる職場環境でかつ、福利厚生や給与面での待遇が悪くないとしても、優秀な人材は退職してしまうケースがあります。それは会社の将来性に期待できず、このまま長く勤めていてもキャリアアップに繋がりそうにないと感じた場合が当てはまります。また会社の経営方針に納得できない場合にもやはり退職を考えてしまうことが多く、いくつかの要員を考慮しておく必要があると言えるでしょう。 ジョブローテーションの悪い例 人材育成を目的としたシステムですが、本来の目的を見失った悪い例を2つご紹介します。 意味のないジョブローテーション 最も懸念される要因として「意味のない異動」となってしまうような事態を防がなければなりません。定期的な部署の入れ替わりによって、社員にとってももはや新鮮味もなく、与えられたポジションで役割を果たすだけになることがあります。それでは本来の人材育成という目的を達成できず、惰性でこなすだけになってしまいます。必ず部署が変わる直前までに、異動の意図や何を得て欲しいのかを上司と話し合う機会を設け、目的意識を明確にするようにしましょう。 社員の意向を無視している たとえ人材育成が目的でさまざまな経験を積ませるためとはいえ、社員の意向を汲み取らずに部署の異動などを行えば必ず反発が起こります。特に今いるポジションの仕事に慣れてきて、これからさらに専門性を磨こうとする中で突然違う部署に異動させられてしまうケースがあります。そうなるとこの会社では自身の専門性を高められず、これ以上の成長は見込めないと判断されてしまい、退職に繋がってしまいかねません。 退職させないためのポイント 人材育成のためにジョブローテーションを行いつつ、社員が退職を考えないようにするために覚えておくべき内容を2つ解説します。 ジョブローテーションを行う目的を伝える 社員が退職してしまう理由として、「何のためのシステムなのか分からない」というものが大きな要因として挙げられます。そこで社員一人ひとりにとって、どのようなメリットやデメリットがあるのか話すと良いでしょう。具体的にはメリットで将来的にその部署で得た知識や経験がどのように役立つのかを話し、デメリットでは正直に今いるポジションから離れることによる影響を話します。ここでメリットとデメリットを比較したときに、納得できるメリットであれば、意図が伝わり退職を防ぐことができるでしょう。 期間やミッションのすり合わせを行う 別の部署に異動してからどのくらいの期間、どのようなことをするのか等、異動前にすり合わせを行っておきましょう。何のために異動させられたのか分からない状態が続くと、社員のモチベーションが下がり、結果的に退職につながるケースも珍しくありません。必ず社員に納得してもらえるような事前説明を行い、一方的な通達で終わるという事態は防ぎましょう。 まとめ ジョブローテーションは様々な実践経験を積ませられる点で人材育成には最適であり、実際に多くの企業でこのシステムが取り入れられています。ですがその反面、社員の意向を無視した異動になったり、目的が漠然とした状態で一方的に通達されるという問題が起こります。その結果、優秀な社員が会社を離れてしまうという事態になり、会社としては育成による恩恵を受けられません。今回解説した2つのポイントをよく把握し、人材育成を進めていきましょう。 スキルナビ編集部

人事労務・制度設計・運用