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これからの人事に導入必須のHRテックサービスとは?導入メリットとポイントを詳しく解説!

これからの人事に導入必須のHRテックサービスとは?

「HRテック」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。人事業務に導入することで業務の効率化などさまざまなメリットが得られるHRテックですが、IT技術の進歩に伴いその市場規模は拡大の一途をたどっています。各企業は多種多様なサービスの中から、自社に合う最適なサービスの選択が求められていますが、実際にどのような観点で選択すると良いのでしょうか。

今回は、HRテックサービスを導入する際に得られるメリットとサービス選択時のポイントを解説します。

HRテックサービスとは?

HRテックサービスとは、最先端のIT技術を駆使した人事領域や組織マネジメント領域向けのサービスを意味します。人事やマネジメント業務における課題解決に役立つサービスで、IT技術とHR分野が複合して生まれました。

そもそもHRとは、日本語で「人事」を意味する「Human Resources」の略称です。このHRに「テクノロジー(Technology)」をかけ合わせた言葉がHRテックなのです。HRテックに活用されるIT技術は主に以下の3つがあります。

  • ビッグデータ解析

多種多様な側面や性格を持った巨大なデータ群をビッグデータと呼びます。ビッグデータの解析技術を用いたサービスは、複雑に関わり合うデータを分析してより戦略的かつ効率的な人材の活用方法を提案してくれます。

  • AI

AI(Artificial Intelligence)は人工知能と訳されるIT技術です。経験則から最適なデータを求めたり、データから特徴を分析したりすることができます。身近なところではスマートフォンの顔認証システムなどに用いられる技術です。

  • クラウド

インターネットのネットワーク上で完結するサービスをクラウドサービスと呼びます。本来は専用のアプリやソフトをインストールしなければ使えなかったサービスが、インターネットを介してすぐに利用できるようになりました。

これらの先端テクノロジーを用いたHRテックサービスにより、人事における採用業務や人材管理の効率化が可能となりました。採用や人材管理以外にも、年末調整等の労務管理や給与計算も業務に関わる人事にとって、負担軽減に役立つとして日本でも導入を検討する企業は増えています。

HRテックサービスを導入するメリット

導入のメリットを3つ紹介します。

事務作業のミスを防ぎ、効率化

書類作成や各種申請業務、データ入力などの事務作業は、ミスが許されない重要な業務でありながらも、ルーティンワークが多いためミスが発生しやすいといえます。単純作業はどうしても慣れが生じ、注意力が散漫になりやすいのです。反面、HRテックサービスは慣れが生じたり集中力が欠けたりしません。単純な事務作業を自動化することでミスなく効率的に業務を進められます。

人事領域では、従業員一人あたりに対するデータ量や管理項目が増え業務が複雑化しているため、自動化できる業務には優先的にHRテックサービスを取り入れると良いでしょう。そうすることで空いた時間を他の重要な業務に使えるようになります。

労務管理や福利厚生の質の向上

HRテックサービスの導入は労務管理や福利厚生の充実につながります。従業員一人ひとりの能力を最大限発揮できる環境を整え、労働意欲が高まる職場環境を整えることが将来的に会社の成長につながるのです。

たとえば、労働時間の管理のためにHRテックサービスを導入することで、基準の労働時間以上に業務を続けていた場合に警告を出す仕様が可能になります。さらに、一人の従業員に業務が偏っているなど、業務負荷のバランスをはじめとする会社の課題を見直す機会も得られるのです。

また、クラウド型の労務管理システムも数多く、社会保険や雇用保険などの手続きが簡単に電子申請で完結するようにもなりました。HRテックサービスの導入が、労務管理業務をより簡略化するとともに、ペーパーレス化も促進するのです。

従業員の満足度向上

HRテックサービスを利用すると、さまざまな指標のデータ化が可能になります。これは、従業員一人ひとりの性格や特徴においても同様であるため、客観的な視点から的確な人事評価および人事配置が可能になります。HRテックサービスは従業員個人が保有する資格情報や資質、経験や保有スキルなどのさまざまな情報を複合的にデータ化、分析します。分析結果をもとに的確な人事戦略を打ち立てることで、従業員が自身の強みを活かして働けるようになり、意欲的に業務に取り組むようになるのです。個々が働きやすい環境を整えると、従業員満足度の向上につながり、離職率の低下も期待できるでしょう。

仕事へのモチベーションアップの他にも、会社への愛着や貢献したいという思いが芽生えやすくなる点も大きなメリットです。従業員にとって良い職場環境をつくることは、社内のコミュニケーション活性化につながり、より大きな成果を生み出すのです。

HRテックサービスの活用方法

5つの活用方法を解説します。

人事情報の管理

人事が扱う情報量は膨大で、従業員が多いほど多くのデータを管理する必要があります。従業員一人に対しても氏名や住所、経歴などの基本情報以外に、研修状況や異動履歴、過去の人事評価結果、採用活動中の応募者情報なども、情報漏えいに注意しながら管理しなければなりません。HRテックサービスは、これらの多岐にわたる人事情報を一元管理する際に役立ちます。
全情報をシステム上で管理するため、データに基づいた分析や人事戦略を実行できるようになります。特に、採用業務に特化した採用管理システムサービスや、最適な人材配置の検討に役立つタレントマネジメントシステムを導入すると管理がしやすくなるでしょう。紙ベースではなくシステム上にデータを入れておくと、人事担当者が変わった際の引き継ぎ時間も短縮され、管理上のミスも減らせるでしょう。

人事業務の効率化

一口に人事業務といってもその業務内容は幅広く、採用活動や人事戦略の実行、人材育成、職場環境の改善や給与管理、労務管理などを含みます。多くの業務を効率的に進めるために有効なのがHRテックサービスです。

ルーティンワークで行っていた事務処理はシステムに任せることで、人的ミスが減少し、他の重要な業務のために時間を使えるようになります。業務が効率的に進めば、残業時間が減り従業員満足度の向上につながる場合もあるため、企業にとって大きなメリットがあるでしょう。

従業員のスキル管理

HRテックサービスは従業員のスキル管理にも活用できます。スキルとは、個人が取得している資格情報にとどまらず、各種業務の経験年数や技術の到達度も指します。HRテックサービスを導入すると、これらの情報をデータ化して社内で把握できる環境が整うため最適な人事配置や人材育成プランを立てられるでしょう。

個人が持つスキルを活かした人材配置も重要ですが、逆に不足しているスキルがあればそのスキルに関する経験を積める部署に配属することもできます。理想のキャリアプランに合わせて長期的な目線を持って運用すると良いでしょう。

人事評価制度の構築

客観的で適切な人事評価は従業員の満足度につながります。さまざまな側面を持つ人間を評価する際には、どうしても直属の上司の主観が入る場合があります。しかし、データ化された客観的事実に基づく人事評価は公平だといえるでしょう。個々の能力や会社への貢献度から処遇改善が行われるため、会社の発展のためにも適切な評価制度を設ける必要があります。

人事評価に特化したHRテックサービスを活用すれば、既存の評価制度の改善や新しい制度を構築することができます。各企業の評価制度に合わせたカスタマイズが可能なサービスもあり、評価プロセスの見える化が実現できるでしょう。

従業員の学習や研修の推進

インターネット上で、教材や動画を見ながらどこからでも学習できる「eラーニング」をはじめとするサービスも人事領域で活用できます。研修の進捗状況や習得状況をまとめられる他、従業員一人ひとりが定める目標や課題などを定点観測できるようになります。ただし、従業員の状況を正しく把握するためには、定期的にアンケートや面談を実施する必要があります。

この時、アンケート機能や報告機能が充実したHRテックサービスが役立つでしょう。簡単な操作でアンケートの実施や、過去のアンケート内容を参照できるので業務が効率的に進められます。また、個人レベルで抱える課題や改善点を発見しやすくなり、不足している研修を実施したり直接ヒアリングしたりする機会を設けて、働きやすさの向上につなげることができます。

HRテックサービスを選ぶ際のポイント

HRテックサービスを選ぶ際のポイントは2つです。

自社の目的に応じたサービスか

まず重要なのは自社の課題を解決できるHRテックサービスかどうかです。サービスの導入前に、なぜ導入するのか、導入後に期待することを細かく洗い出すと良いでしょう。会社の現状を把握した上で導入するサービスを検討すれば、より早く問題の解決が期待できます。

HRテックサービスは種類豊富で、カバーしている業務内容も多種多様です。労務管理の業務効率改善のために採用管理システムを導入しても目的を達成できないため、サービスの検討は慎重に行う必要があります。

既存のシステムやサービスと連携できるか

HRテックサービスのみで自社の業務すべてをまかなうことは難しいでしょう。既存の業務フローに沿ったカスタマイズなども必要になるため、本格的に運用するには時間を要する場合もあります。この時、導入するシステムが既存システムや他のサービスと連携できるかも確認しましょう。

利用するサービスが相互に連携して初めて、業務の効率化が図れるのです。HRテックサービスの導入で、データ連携のための二度手間が生じないように注意してください。

まとめ

HRテックサービスの導入により、人事は大きなメリットを得られます。業務効率化や職場環境の改善につながるHRテックサービス。自社の現状に合わせたサービスを選定する必要がありますが、活用の仕方によっては会社の発展に寄与するでしょう。