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業務効率化はエクセル作業から見直す!生産性向上の方法と自動化のポイントを解説

業務においてエクセルを利用する方は多いでしょう。大変便利なツールであり、仕事に欠かせないツールです。

とはいえ、エクセル業務でさらに生産性を上げたり、あえて使わずにもっと便利な仕組みをつくったりしている方もいます。仕事のパフォーマンスが上がれば、会社全体の売上も上がるはず。

そこで、今回はエクセル業務を効率化する方法と脱エクセル化を目指す体制づくりを解説します。

エクセル業務の課題

エクセルは便利なツールですが、多くの課題も残っています。代表的なのは共有しにくい点です。誰か一人が使っていると、他の方は利用できません。利用者が一人に限定されるため、使い勝手が悪いです。

とくにエクセルを使った資料提出の期限が迫っている場合、ストレスを感じてしまうでしょう。「早く更新してほしいな」「ファイルを一刻も早く閉じてくれないかな」など、利用者間で不満もうまれています。利用者が一人に限定されるため、更新を後回しにした結果、反映しそびれる事態もあるのが現状。複数ユーザーが同時に利用出来ないのは、思いのほか不便なのです。

また、エクセルは容量に制限があります。一般的に10MBが目安と言われているのも事実です。10MBを超えるとファイルが破損したり、開くまでに時間が掛かったり、業務に支障が出てきます。個人で使用するならともかく、部署間で共有しているファイルであれば、複数人の業務に問題が発生してしまうでしょう。

そのため、画像を貼る場合はファイルを分けるような工夫が必要になってきます。以上のように、日常利用しているエクセルは重宝されるものの、課題は複数あります。次から紹介する業務効率化の方法を参考にし、より効率的に使っていきたいものです。

エクセルで業務効率化するには

エクセルで業務効率化する方法は次のとおりです。

ショートカットを覚える

エクセルで業務効率化するにはショートカットを覚えるのが近道です。ショートカットを身に付ければ、業務時間の短縮につながります。入力の手間が省けるため、他の仕事に割ける時間も増えるでしょう。加えて、作業時間が短くなれば、パソコンを見たりキーボードを打ったりする時間も切り詰められます。結果的に目や手の負担が減り、心身的な疲労感が残るケースも少なくなるはずです。

実際にショートカットキーをフル活用している方は、このようなメリットを理解しているため、仕事の効率はさらに上がっていきます。そして、ショートカットを学習する場合、まずは簡単な操作から覚えていくのがおすすめです。

例えば、新たなシートを出す場合は「Shift+F11」、右のセルに移動する場合は「Tab」など、容易に習得しやすいキー操作からはじめていきましょう。ショートカットを習得すると、効果が手に取るように分かります。

また、ショートカットを習得すると「脱マウス」が実現する日も近いでしょう。仕事ができる人はマウスを極力使わないと言われており、実際にマウスを使うのと使わないのでは24倍ものスピード差があるのです。ショートカットを覚えるのはエクセル効率を上げるだけでなく、PC業務全体の生産性を上げます。

マクロを覚える

エクセルで業務効率を上げるには、マクロを覚えておいて損はありません。マクロは今まで行ってきた手間の掛かる作業を自動化する手法です。データ集計・分析・追加など、日々決まった作業を一から行っていくのは面倒なはず。マクロであれば一連のパターンを認識させ、表示されたボタンをクリックするだけでデータが表示されます。

使い方次第で印刷も自動操作できるため、使う価値は大いにあるでしょう。そして、マクロは誰にでも簡単に使えるのがポイントです。「パターンを自動化させる」とあるとむずかしく聞こえますが、エクセル上の操作で完結できます。

まずはエクセル画面をマクロ用にアレンジし、次に操作を覚えさせていくだけです。マクロは後述するVBAと混同されがちですが、VBAはオフィス製品が対象のプログラミング言語。マクロよりも細かい動作を覚えさせられ、業務効率化を実現できます。プログラミングを入力する必要があるため、初心者では使いこなせないでしょう。

そのため「エクセルはあまり得意ではないけど、なんとか業務を効率化させたい」「むずかしい勉強せずに業務を自動化させたい」などの疑問をお持ちの方におすすめです。まずはマクロに対するハードルを下げ、試しに使っていきましょう。

関数を覚える

エクセルを効率的に使うためには、関数の知識を深めていきましょう。関数は足し算や引き算などの公式をあらかじめセルにあてはめておき、数字を入力すると自動的に合計が算出される機能です。

ショートカットやマクロと同じく操作が簡単なため、使っている方も多いでしょう。初心者がはじめに取り掛かる一般的な関数ももちろん便利ですが、やや難易度の高い関数を覚えるだけでも、エクセル作業が驚くほど早く進みます。とくに便利なのが「VLOOKUP」と「IF」です。VLOOKUPは必要な情報を素早く抽出する機能。例えば、数百種類あるマスクの中から、Aマスクの価格を知りたい。そんな場合でも、リストから検索せずにボタン一つでセルに入力できます。探す手間や手動入力のミスを防げるため、豊富なデータを扱う方から重宝されているのです。


そして、IF関数は指定した条件に対しての回答を自動表示する機能。例えば、テスト結果で70点以上が合格とする場合を見ていきましょう。IF関数に数式をあてはめ、ユーザーが点数を入れるだけで「〇(合格)」「×(不合格)」が自動的に入力されます。採点結果の入力ミスもなく、効率的に運用が可能です。以上のように、少し難易度の高い関数を覚えるだけで仕事の生産性は格段に上がります。簡単な関数を覚えつつ、徐々にレベルの高い関数を習得していきましょう。

共有フォルダで管理する

エクセルで業務効率化を図る場合、共有フォルダで管理するのがおすすめです。分かりやすい場所にまとめておくと、探す手間なくスピーディーに目的の場所までたどりつけます。「エクセルをどこに管理しているか忘れてしまった」「もしかして削除したかもしれない」などの、心配もありません。

加えて、フォルダやエクセルのファイル名は統一しておくと良いでしょう。例えば、【営業1】や【〇〇年△月×日】など、ファイルタイトルの先頭に【】を付けると分かりやすいです。

また、共有フォルダで管理するほかにも、ファイル共有機能(ブック共有)を効果的に使ってみると良いかもしれません。ファイル共有機能はエクセルを複数人で同時に使える機能。本来、設定を行っていなければ、エクセルを何人かで利用するのは不可能です。誰かがファイルを更新し、閉じていないと他の方は使えません。ファイル共有であると、同時編集が可能になります。他の方を気にせずエクセルが使えるため、作業効率が格段にアップします。

設定方法は簡単であり、エクセル上の「ブックの共有」から変更可能。以上のように、エクセルを共有フォルダに置くだけでなく、ブック共有機能を使えば効果が高いです。是非この2つの方法を覚えておきましょう。

エクセルを使わずに業務効率化するには?

エクセルを使わずに効率化する方法を解説します。

データベースツールの活用

エクセルを使わずに業務効率化するには、データベースツールの活用がおすすめです。最近は業務改善の流れもあり、日常の業務をシステム化するツールが数多く販売されています。

例えば、今までエクセルで運用していたデータをそのままアプリに移行させるツールです。同時に複数人で利用できるのはもちろん、紙で行っていた承認業務や業務日報などをアプリで完結できます。

他にも、検査報告書・活動記録書・クレーム管理台帳など、テンプレートが多岐に渡るため、一から作成する必要はありません。レイアウトも見やすく工夫されているため、チェックする時間が大幅に削減できます。実際に利用しているユーザーからは「エクセルよりも操作が簡単」「入力ミスが減って仕事がしやすくなった」などの声もあがっているのも事実。とくに社員が多い大企業では重宝されるのは間違いありません。

そのほかにも、他のシステムとのデータ交換ができたり、見やすく自動的にグラフ表示したりできるツールも販売されています。エクセルで管理するのは便利なものの、このようなツールを活用すると更に業務効率化が実現可能です。

RPA・VBAで自動化

エクセルを使わないで業務効率化を目指すにはRPAやVBAで自動化してしまいましょう。RPAは「Robotic Process Automation」の略です。文字通り、ロボットによって単純作業を自動化し、可能な限り人間が行う手間を省いていくツールになります。

具体的には申請書の自動承認・電話やメールの自動対応・経費や請求書の自動処理など。本来誰でも出来る作業をロボットが行ってくれるのです。そのため、人間が嫌でも引き起こしやすいミスやエラーを防げます。ロボットに体力や感情はないため、心身面や環境に左右される心配もありません。単純作業をロボットに任せてしまえば、社員は本来やるべき仕事に集中できるため、モチベーションも上がるでしょう。

デメリットはセキュリティ上の危険が伴う点です。システムにはロボットが代わりにログインするため、第三者が悪用してログインできてしまう可能性もあります。パスワードを複雑にしたり、ファイルを暗号化したりすれば、リスク回避になるでしょう。

また、VBAで自動化する方法もおすすめです。VBAは「Visual Basic for Applications」の略です。複雑な作業を自動化するためのプログラミング言語であり、前述したマクロよりも高度な処理が可能になります。RPAとVBAの違いは対応範囲の違いです。VBAはデータ入力や計算などに限定されますが、RPAは他にも、PDFやメール送信までも自動化できます。最近はRPAの外注化も進んでおり、導入ハードルも低くなっているのが特徴です。

エクセル業務を見直して業務効率化を図る

日常業務で馴染み深いエクセルひとつ取っても、業務効率化を図れるチャンスはあります。ショートカットやマクロを覚えてしまえば、今まで時間を掛けていた業務も短時間で仕上げられるでしょう。

とくにマクロはむずかしいイメージこそあるものの、設定は簡単であり、複雑な作業も自動化可能です。また、エクセル不要で作業効率を上げる方法もあります。エクセルから専用のデータベースツールに移したり、RPAやVBAで自動化したりしても良いです。まずは現在のエクセル業務を見直し、業務自動化や効率化に向けて動いていきましょう。