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知的生産性とは?ビジネスにおける必要性と高めるためのポイントを解説

ビジネスが時代とともに進化するにつれ、仕事場面ではパフォーマンスの高い作業がさらに求められるようになりました。それにともない、生産性の高め方にもさまざまな方法が生まれてきています。今回紹介する「知的生産性」は、将来企業として成長するためには必要不可欠な要素となっていくと考えられます。

「知的生産性」の意味

知的生産性は、現在のビジネスのなかでもよく使用されるようになりました。しかしまだ社会全体に浸透しているわけでないので「どういう意味なのかわからない」という人もいると思います。こちらでは詳細について説明します。

「知的生産性」とは?

「仕事のなかで成果や実績を発生させる効率」のことを知的生産性といいます。具体的にいうと、新しく開発されたプログラムや企画書、建物の設計図などがあげられます。

これらの共通点として、どれも人の頭脳を活かして生み出したものです。言い換えると「頭脳を活かした業務がどの程度効率よく行われているか」と表現できます。効率が良ければ良いほど生産性は高まり、企業に大きく貢献できます。

「知的生産性」の対義語は「労働生産性」

相反する言葉には「労働生産性」があげられます。これは生産の段階で発生する労働による効率性を意味しており、1人の従業員が1時間で発生した成果が高ければ高いほど生産性が大きくなります。

「成果÷投資したリソース」という計算式を用いるとわかりやすいです。この場合「労働の成果÷量あるいは時間」と表現すると明確になります。

「知的生産性」と「労働生産性」の違い

労働生産性は「投資したものに対して発生した成果」という計算で割り出せます。しかし知的生産性の場合は結果が数値として出にくいため、このような単純な計算で表現することが難しいです。前者は施設などの製品が作られたときの過程が目安となりますが、後者はあくまでもオフィスのなかで作られるものです。

しかし「リソースに対する作業量の割合」は両方の共通点といえるでしょう。そのため「限られた時間でどのように作業の効率を高めるか」という問題では、どちらも同じような意味で使用されることもあります。

「知的生産性」の使い方・例文

では実際にどのような場面で使用される言葉なのでしょうか。こちらでは知的生産性が実際に使用されるシーンについて説明します。

「知的生産性」という言葉を使う場面は?

実際に使用する場面は以下のとおりです。

  • 「企業内の仕事環境を改善することは、知的生産性を高めるきっかけになる」
  • 「知的生産性を高めることは、今の社会にとって大切な課題の1つである」
  • 「業務に関係ない雑務が多すぎると、知的生産性は下がってしまう一方だ」

このように、ビジネス関係の幅広いシーンで使用されやすい言葉でもあります。将来的に社会全体の浸透率が高まれば、さらに耳にする機会が増えるでしょう。

「知的生産性」を上げる為のポイント3つ

知的生産性は数値では表現しにくいため、はっきりとした評価が困難です。しかし工夫を行うことで、生産性を高めることは十分に可能です。その方法として、以下のポイントがあげられます。

  • 自分で考えることを増やす
  • 制限を設ける
  • 数字や事実をもとにして考える

こちらではそれぞれのポイントを詳しく説明します。

自分で考えることを増やす

ややぼやけた表現でもありますが、自分で考えて新しいひらめきを生み出すことが大切です。他人の基準や世界の常識にとらわれてしまうと、新しい発想が生まれにくいです。そのため業務を含めたすべてを根本的に疑うことからはじめて、先入観を取り払ってみましょう。新鮮な気持ちで物事に向き直ることは仕事の改善にもつながり、新しい発見のきっかけになります。

いきなりすべてを自分で考えることは難しいので、まずは「なぜ?どうして?」という疑問を持つようにしましょう。そこから少しずつ、自分で考えられる範囲を増やすのがおすすめです。

リミットを設ける

どうしても時間的リソースが求められる分野でもあるため、限られた時間でどれくらいの成果を生み出せるかが課題となります。そのためリミットを設定して、作業に対しての意識を強くすることも大切です。

リミットを設けずに作業をすると心理的な余裕が生まれやすいので、生産性が下がる危険性があります。どんな作業も時間を意識して臨むと、効率は高まります。タスク毎にどれくらい時間がかかったのかをメモしておくと、自己分析を行いやすいです。

数字や事実をもとに考える

物事を考えるときは、数字や事実、メカニズムを根底に持つことが重要です。数値的な表現ができないからといって、経験にもとづいた勘やバイアスがかかった思考が先行してしまうと、十分な成果は得られません。不明瞭なデータを参考にするのではなく、確実性のあるデータをもとに考えると、生産性を高められるきっかけとなるでしょう。

企業の成長には知的生産性を高めることが必要

知的生産性を高めることは、今後の企業を支える大きな基盤作りに貢献できると予想されます。数値として明確化できない分、どのようにして高めていくかは今後も課題として残るでしょう。しかし企業として大きなリターンを得られるきっかけにもなるので、少しずつ意識してその考え方を浸透させることをおすすめします。