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業務過多はなぜ起こる?仕事が山積みする原因と解決方法を解説

近年、忙しさに明け暮れる企業が続出しています。人材の確保が困難となり、限られた人数で仕事に取り組まなければいけない背景もあるでしょう。

ではどのように問題を克服すれば良いのでしょうか。そこで今回は業務過多になる原因と解決方法を中心に解説していきます。

業務過多になってしまう原因とは

日本の残業時間は2021年時点で約25時間であり、2014年の45時間よりも半分近く削減できています。しかし、世界と比較すると、労働時間は依然として長いのが現状です。労働時間の長さ世界22位は先進国の中でもトップクラスであり、身近な韓国と比べると約1.2倍もの差があります。

ではここまで労働時間が長くなってしまう原因は何でしょうか。一般的には会社と自分自身が原因となるケースがあります。次からはそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

データ参考(オープンワーク株式会社「日本の残業時間」2021年10-12月集計)

会社が原因となる場合

会社が原因で業務過多に陥るケースは一般的かもしれません。代表例は人材不足です。会社の売上が上がらなければ、人材の確保は困難を極めます。とくに近年は売り手市場である現状からも、企業側はより効率的に採用活動を進めなければいけません。雇用がうまくいかなければ、少ない人数で業務に取り組む必要があります。

また、原因となるのは人事を統括する部署だけでなく、一緒に仕事をする上司が原因である場合も。例えば、仕事の振り分けが均等でなければ、一部の社員が業務過多になります。とくに優秀な社員ほど仕事を割り振られる可能性が高いです。管理者側からすると、仕事ができる社員に業務を割り当てるのは当然と言えるかもしれません。

とはいえ、バランスを考えた業務配分は必要と言えます。さらに、管理者が業務時間の管理に不備があるケースもあります。残業時間を把握せずに社員を働かせれば、たちまち業務過多に陥るでしょう。勤務時間を都度把握し、緊張感を持って仕事へ取り組む空気をつくる必要が出てきます。以上のように、会社が原因で業務過多になる場合、人事面と自部署の管理者に問題があります。

自分が原因となる場合

自分自身が原因で業務過多になる可能性もあります。代表的なのは業務全体が非効率である点です。本人は真面目に働いているつもりでも、無駄な仕事をしているケースもあります。

例えば、営業であれば見込みのないお客様に時間をかけたり、マーケティングであれば効果の少ない広告作成に労力をかけていたり。業務全体を見渡すと、必要のない仕事は見つかってくるはずです。あわせて、一つの仕事に時間を掛け過ぎているのも原因と言えるでしょう。目的もなく仕事をしていれば、一日はすぐに終わってしまいます。一日をスタートする前に、時間管理をしておくのもポイントかもしれません。

また、上司から仕事を引き受けすぎるのも、業務過多に陥る原因と言えます。とくに新入社員や立場の低い人にとって、依頼された仕事を断るのは勇気がいるかもしれません。結果的に仕事が増加するだけでなく、生産効率は必然的に下がってしまうのです。このように、自分自身が原因で業務過多になる場合、無駄な仕事を行っていたり、必要以上に仕事を引き受けたりするケースが大半です。

業務過多が続くとストレスの原因に

業務過多が続くとストレスの原因になります。実際、職場ストレスの原因で毎年トップにくるのは業務過多です。自分自身はとくに問題なく仕事へ取り組んでも、知らず知らずのうちに心と体へ負担が掛かっています。十分に休む時間が取れなかったり、自炊を行う時間が減って栄養バランスが偏ったり。人体に悪影響を及ぼしかねません。結果、仕事自体が苦痛に感じはじめ、朝起きて出勤するのも一苦労になります。

また、業務時間が長くなると、プライベートの時間が減ってしまうのも事実です。趣味や習い事に費やす時間が無くなってしまうのはもちろん、パートナーや子持ちの方は一緒にいる時間も減ってしまいます。プライベートの時間が取れなくなると、気分転換ができなくなります。仕事の効率が悪くなり、さらに業務時間が長くなってしまう負のスパイラルがうまれてしまうのです。

業務過多が続くのはデメリットでしかありません。そのため、生産性を最大限上げ、心も体も健全な状態で取り組む必要があります。

業務過多を解決する方法

業務過多を解決する方法は次のとおりです。

上司に相談してみる

業務過多で悩んだらまずは上司に相談してみましょう。業務を管理しているのは直属の管理者です。人事部に掛け合って人材確保へ取り組んでくれたり、割り振った業務を減らしてくれたりするかもしれません。行動を起こさなければ現状は変わらないため、不満や不安があれば素直に打ち明けていきましょう。

「仕事の量が明らかに多いため、他の人へ割り振ってほしい」「業務を効率良く行っても一向に仕事が減らない」など、相談する必要があります。常識のある上司であれば、改善へつとめてくれるでしょう。

また、相談しても一向に事態が変わらない場合、経営層や人事部に直接申し出るのが良いです。上司よりも決定権が強いため、解決する可能性は高いと言えます。加えて、上層部から解決の手立てを講じなかった上司へ、処罰の対象となるケースもあるのです。自分だけでなく、職場環境改善につながっていくでしょう。業務過多を感じた場合は一人で悩まず、まずは上司や幹部へ相談してみましょう。

思い切って仕事を断る

業務過多を解決するなら、思い切って仕事を断るのも大切になります。他の人から依頼された仕事を断らないと労働量は増える一方です。頼む側からすれば「あの人は断らないから仕事をどんどん振っていこう」「依頼を引き受けてくれるのはまだ余裕がある証拠だな」などと解釈してしまいます。結果的に仕事を受けた人が過重労働になる、負のスパイラルに陥るのです。

そのため、担当以外の依頼があれば、まずは頭の中で整理してみましょう。本当に引き受けるべきなのかが分かると、取捨選択の判断がつきます。そして、引き受けるべきでないと感じたら、勇気を持って断るのが解決への第一歩です。

その際は「今行っている業務量が多く、これ以上引き受けられません」と素直に申し伝えましょう。依頼する側は現状を理解して他の人へ頼んでくれるはずです。

プライベートな予定を入れる

業務過多で悩んだらプライベートな予定を入れてしまうのもおすすめです。業務過多は会社の責任もありますが、自分自身の生産性が低すぎる可能性もあります。行動を見直せば十分改善できるでしょう。

そこで、仕事終わりに個人的な計画を立てておけば、ゴールを目指して仕事の効率化が実現できます。「19時から友人と野球を観にいくから必ず定時に終わらせる」「仕事終わりに家族と食事するため、計画的に仕事をしよう」など、緊張感を持って仕事に取り組めるはずです。必要な業務だけに取り掛かれるため、全体的な業務改善につながるでしょう。

そして、プライベートが充実してくると、仕事がより順調に進んでいきます。心身共にリフレッシュした状態で業務が行えるため、仕事の効率化が実現可能です。以上のように、あえて仕事終わりに予定を入れ、強制的に業務がより早く終わる仕組みをつくっていくのもポイントになります。

業務過多が改善されなければ退職も

業務過多が改善されなければ退職も検討していきましょう。ストレスを抱えたまま仕事を続けても、体調を崩して働けなくなります。であれば、環境を変えて業務量が比較的少ない企業へ転職すると良いでしょう。人によっては「どこの企業も今は仕事量が多いのでは?」「残業が発生するのは当たり前だよね?」などと認識しているかもしれません。

しかし、現在は政府の働きかけもあり、定時に終われる企業も増えてきています。加えてテレワークの導入によって勤務時間を管理しているのが現状です。どの業界も仕組み改善やツール導入によって業務時間短縮に動いているため、まずはさまざまな会社を見てみましょう。

とはいえ、気になるのは給与面です。業務過多から解放されると同時にもらえるお金は減ってしまうかもしれません。好待遇の企業へ転職するのも、簡単ではないのも事実です。

そこでおすすめなのは副業です。たとえ給料が下がっても副業を行えば、十分マイナス分を補えます。残業ゼロの会社で終業後に自分の好きな仕事をすると、心身的にも安定するでしょう。現在はWebライター・プログラマー・デザイナーなど、初心者でも正しい努力を行えば10万円以上稼げる仕事もあります。是非チェックしてみましょう。

仕事内容の見直しと上司への相談で業務過多の解決へ

業務時間は以前より減っているものの、依然として日本は世界でもトップクラスの労働量を誇っています。原因は会社と自分自身両方にあり、とくに会社の人材不足は深刻化しているのも事実です。売り手市場である背景から、十分に人材を確保するのが困難と言えます。

そのため、企業側は少ない人材で効率良く業務を行い、あらためて仕事内容の見直しが必要です。働く人にとっては、まず上司に抱えている不安や不満を伝えていくのが重要です。現状を知った管理者は最善の手を打ってくれるはず。そのためにも、日頃から一人一人が周囲に配慮し、業務量を把握していきましょう。